ですので、独自解釈で進めていきます。
もし、お読み頂いた方でルール(出典が明確なもの)をご存知の方は教えて頂ければ幸いです
<以下、独自解釈>
※硫黄島で発見されたというチハドーザーはOK
※競技場の地雷設置、トラップは競技開始前・開始後ともNG
(砲撃等で地形を変える、戦車が十分行動出来る程度の勾配や空堀はOK)
※特甲弾は認可済み
※暗視スコープは使用不可
◇◇10~12話に関するおことわり◇◇
知波単内の教練・会議において「」のセリフが続く展開となっております。
話のテンポと読みやすさ、意見が活発な様子を出したかったので、場面によってはあえてセリフの人物を出さないように(誰の発言かを重視していない)したのですが、分かりづらいなどご意見ございましたらお願い致します。
2017.5.15 小ネタですが丸井の設定を若干弄りました
戦車道試合規則(抜粋)
2-03競技場
連盟が定めた競技場並びに認めた競技区域にて行う。競技場は、試合前72時間までに
規定の書式の地図(競技区域)、緯度、経度、気象状況が、競技者双方に提示される。
参加者は、提示後は競技場の状況を確認するあらゆる手段が許可されるが、競技場は
提示の72時間前から提示までは完全封鎖され、その間は一切の調査を禁ずる。
競技場に異議がある場合は、提示後24時間以内に既定の文書を、連盟に提出する。
連盟はその異議を24時間以内に審議し、異議が妥当と認めた場合は速やかに修正を
行うこととする。
3-01 参加車輌
参加可能なのは、1945年8月15日までに設計が完了し、試作に着手していた車輌と、
同時期にそれらに搭載される予定だった部材のみを使用した車輌のみとする。
それを満たしていれば、実際には存在しなかった部材同士の組合せは認められる。
計画段階車輌に関しては、個別で連盟と協議を行うこととする。但し、部品等が
調達不能等の理由により再現が困難な場合は、連盟が認める範囲において改造する
ことが認められる。
3-03使用砲弾
砲弾は連盟公認の実弾を使用し、弾頭や装薬の加工は認められない。
5禁止行為
イ)定められた以外の用具・部材を使用すること
ロ)指定された競技区域より自発的に離脱すること
ハ)直接人間に向けて発砲すること
ニ)競技続行不能車輌への攻撃
ホ)審判員、競技者に対する非礼な原動
ヘ)無気力試合と判断される行為
~~~~~~~~
「これを見る限り、チハにドーザーブレード(排土板)を付けるのは問題なさそうだな。これなら陣地構築が一気に加速するぞ!」
「特甲弾も公認されておれば導入可だな」
「もっとも2つとも入手出来るかも分かりませんけどね・・・」
「試合前の敵情視察は秋山殿も言っていたが問題ないようだな」
「砲弾で土砂を崩すのは可だが、事前に罠や地雷を仕掛けるのは不可か・・・当然放火もダメだな」
「煙幕や照明弾は可だな」
「要は競技場での事前工作は不可、その他、その行為により直接的に乗員の人命に関わるところも不可ということだな」
西が想定されるところを纏める。
「とりあえずブレードと特甲弾については確認を急ぐようにします」
「うむ、頼む」
細見の申出に対して西はそのまま依頼し、さらに続けた。
「この機会に我らがチハの性能も洗い出してみよう」
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◆チハ
全長:5.55m、車体長:5.52m、全幅:2.33m、全高:2.23m、
重量:15t(新砲塔15.8t)
速度:38km/h
主砲:九七式18.4口径57mm戦車砲(主砲弾114発)
一式48口径47mm戦車砲(主砲弾100発)
副武装:7.7mm九七式車載重機関銃×2
最大装甲:20~25mm(砲塔全周囲及び車体前面・側面・後面)/防盾50mm(一部のみ)
乗員:4名
◆九五式軽戦車
全長:4.30m、車体長:4.30m、全幅:2.07m、全高:2.28m、
重量:7.4t
速度:40km/h
主砲:九八式37口径37mm戦車砲(主砲弾120発)
副武装:九七式7.7mm車載重機関銃×2
最大装甲:6~12mm(砲塔全周囲及び車体前面・側面・後面)
乗員:3名
「ついでにⅣ号も見てみよう」
◆Ⅳ号戦車H型(D型改)
全長:7.02m、車体長:5.92m、全幅:2.88m、全高:2.68m、
重量:25t
速度:38km/h
主砲:48口径75mmKwK40(主砲弾87発)
副武装:7.92mmMG34×2
最大装甲:25~80mm(砲塔全周囲及び車体前面・側面・後面)
乗員:5名
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「・・・」
「ティーガーは・・・止めとこう・・・」
西はその性能差に改めて愕然とした。
「九五式は、紙だな、紙! こりゃ偵察や観測しか無理だわ・・・」
「・・・」
細見の軽口に思わず膨れる福田だが、比較されるとさすがに声も出ない。
とは言うものの、細見の旧チハも他校の中・重戦車からしたらさほど変わらないのだが・・・
「こりゃ、まともに撃ち合ったらどうしようもないな・・・」
「履帯を狙うしかないね、これは」
「つまりさっきの隊長の作戦でいくと、1輌目が相手を引き付け、2輌目が履帯を破壊し、3輌目で撃破か・・・」
「だいぶ難易度が高いな・・・」
「かといって伏兵も相手が気付かずに撃破可能な距離まで近づいてくれることが条件になるからな・・・敵車輌全部が引っ掛かるはずもないし、どこかで打って出ないといけないだろ・・・」
「試合会場ごとに迷彩を塗り分けるぐらいのことはしないといけないな」
「アンツィオや大洗がやったマカロニ作戦も取り入れる必要があるね」
「ある意味視察可能な開始前72時間が勝負だね」
「煙幕張って赤外線スコープを使うのはさすがにダメか・・・」
「おそらくね」
「トラップはダメでも、人工的に勾配を作って相手が腹を見せたところを撃つのは許されるだろ」
「ドーザーが使えるなら有効だな、それは」
「新砲塔は俯角がマイナス15度と他よりも大きいし、稜線射撃には向いてるね」
かつての知波単では考えられないような活発な議論に、西も満足していた。
「今のところ考えられるのはそのあたりだな。あとは明日以降教練の中で練っていこう!」
「「「はい!」」」
他の車長達も表情には会議に満足した様子が窺える。
「よし!今日のところはこれで解散する」
「「「ありがとうございました!」」」
西の号令で会議は終了した。
皆の様子を見る限り、見通しは厳しいながらこれから新たな知波単の戦車道を作ることの楽しみが勝っているようだ。
明日の教練までに、各車長はそれぞれの隊員にこの会議の話をするだろう。
壁にぶつかるかもしれないが、その時はまたその時・・・西自身も決意を新たにした。
「ああ、福田、寺本、ついでに玉田、細見、池田、名倉もいいか?」
西が不意に呼びかける。
「ついでに・・・というのがよく分かりませんが・・・」
玉田が当然の疑問を発するが、西はおかまいなしに続ける。
「せっかくだ!今日は寮の食堂も休みだしうちに来ないか!たまにはみんなで飯でも食おうじゃないか」
「おお!それは楽しみですね!」
「肉が食べたいであります!」
細見と福田が思わぬ言葉に喜びを口にする。
「それでだ・・・福田と寺本にお願いがあるのだが・・・」
「実はだな・・・円盤を見る機械を買ったのいいのだが、見ることが出来ないんだ。有り体に言うと使い方が全く分からん!」
「それで・・・私の部屋でも円盤を見れるようにしてほしいのだ・・・あと福田にお願いなのだが、以前にお前の家で見た全国大会の円盤と、スクールウォーズの円盤を貸してほしいのだ」
「「「(”ONE FOR ALL,ALL FOR ONE”の元はそこか!)」」」
一同が思わぬところで納得した。
「なるほど・・・それで ”ついでに” ということなんですね」
「そう言うな、玉田。これも作戦だ」
「(いや・・・どこかで聞いた台詞ですが、今そのフォローは間違っているかと・・・)」
相変わらずの西の返しに、玉田も苦笑せざるを得なかった。
「かしこまりました。では私はDVDを取って来るであります」
「では我々は食材を買いに行きましょう」
「うんうん、楽しみだ!」
「(このあたりは前と変わらないのね・・・)」
教練でのこれまでとは見違える西の姿に驚きを隠せないでいたが、教練を離れてしまうといつもと同じなんだなと、妙なところで納得・・・だが少し嬉しい気持ちを玉田は感じていた。
~~~~~~~~
「谷口さん、おつかれさまでした!」
丸井(注オリキャラ・1年/新チハ操縦手)がいつもの元気な声を谷口にかけた。
「で、どうだったですか? 上の人達の反応は・・・」
五十嵐(注オリキャラ・1年/新チハ砲手)もいつもの冷静な口調で問いかける。
なお谷口は今年の3月まではサンダース大付属の生徒で戦車道も履修していたのだが、そこでは二軍の補欠だった。
そして家庭事情により東京都墨田区に転居するにあたり、知波単学園に今年4月に編入。
当初は戦車の扱いもおぼつかないところがあったが、持ち前の根性で一気に上達し、その技量と努力を知る西に抜擢され車長となった。もっとも既にその技量と精神力は他の知波単の隊員を圧倒しているとも言える状況である。
丸井は学年は1年だが年齢は谷口と同じ・・・つまりやらかして2回目の1年生なのだが、それもあってか後から知波単に来た谷口を編入当初から陰に日向にフォローしていた。
そうするうちに、不器用だが実直でひたすら努力を重ねて己を高めんとする谷口の魅力に魅かれ、そして共に特訓する過程でメキメキと操縦技術を向上させていた。
なお年齢は一つ上のため、同じ一年生からも敬語で接しられている。
五十嵐は中学時代も戦車道で名の知れた人物で、サンダースや聖グロからのスカウトもあったが、その校風にどうしても合うとは思えず、地元でもあり、また将来プロになるために技術だけは磨いておこうと知波単に入学してきたのだった。
砲手としての技量は確かで、最初はどの車長も五十嵐を欲しがったのだが、ずけずけと意見を言う物言いが知波単では受け入れられず、谷口が引き取ったような状況であった。
この3人と五十嵐と同じチームで中学戦車道で名を売った久保(注オリキャラ・1年/新チハ通信手or装填手)の4人が新チハに乗っているのだが、練習量の多い知波単の中でも特にこの4人のそれは凄まじく、いつも最後まで残っていた。
「いい方向に向かっていると思うよ」
谷口は五十嵐の問いに淡々と答えた。
「少なくとも”勝つためにどうすればよいか?”に意識が向いてきたのは確かだ」
「ようやくですね」
久保が字面では淡々としているが、心の奥底から絞り出すように答えた。
普段はそれほど感情を表に出す方ではない久保であったが、中学時代は名門チームの副長として五十嵐を支えた人物である。五十嵐と共に憤懣やるせない思いがあったのは間違いなかろう。
「明日からが楽しみだな!おい!」
丸井の元気な声が響く。知波単の新しい息吹が各所で芽生えつつあった。