とことん真面目に知波単学園   作:玉ねぎ島

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以下、自分でも分からなくなったので・・・

◆サンダース戦の試合経過

サ)高地に10輌、林に10輌が向かう
知)高地裏に13輌、高地中腹に5輌、林に2輌が向かう

サ)高地の隊が、高地脇を抜けようとする知波単本隊の4輌を撃破(知:残16輌)
知)突撃隊が1輌撃破(サ:残19輌)

知)サンダース本隊と接敵、1輌撃破(サ:残18輌)
サ)知波単本隊の4輌を撃破(知:残12輌)
知)突撃隊2輌が本隊と合流

知)高地中腹に潜んでいた四式がファイアフライ他計2輌を撃破(サ:残16輌)
  チハドーザー3輌は高地中腹の掩体壕を構築した後、林に向かい陣地を構築


32.敬愛(アリサの決意)

「ダージリンさん、1つ聞いてもいいですか?」

 

「何かしら?」

 

他校の来賓席には前列にカチューシャ、ノンナ、ダージリン、オレンジペコ、後列に麻子、沙織、華の並びで座っている。声を掛けたのは沙織だった。

 

「知波単の子達はいろいろ考えてやってたけど、結局壕に隠れて、で、それまでの間に8輌もやられちゃったわけじゃないですか。それならなんで最初から20輌で隠れなかったのかなーと思って」

 

「そうね・・・蛍は上空を飛んでいても見えないですわね・・・」

 

「・・・」

 

「(え・・・それだけ?)」

 

一連の流れをさすがに不憫に思ったのであろうオレンジペコが、フォローの質問を重ねる。

 

「つまり、ファイアフライを叩く、上から引きずり下ろす必要があったと・・・」

 

「ご明察ですわ。隠れる知波単からしたら、上にいるファイアフライとその隊は邪魔でしかない。スペック通りの性能を発揮出来ないといわれるファイアフライも、砲手の腕があって、他の戦車が着弾地点を観察出来れば問題ないわ。知波単も発射音や発煙を隠すことは出来ないですしね」

 

「それに、この試合は殲滅戦。高地に1輌でも残っていたら知波単の負け。でも余力戦力で高地のシャーマンを叩けるほどの力は知波単にはございませんわ」

 

「(この人・・・私の質問にはまともに答えないのに、オレンジペコちゃんの質問には答えるのね・・・)」

沙織はそのことにほんの少しイラッとしながらも、ダージリンの明快な考察には驚嘆せざるを得ない。

 

「さらに言うと・・・カチューシャ、お願い出来て?」

 

「仕方ないわね」

 

「(もう説明するのに飽きたのね・・・)」

 

「おそらく絹代の本隊は、ファイアフライも含めて高地にいる隊をまず全力で追い落としたかったんだと思う。でも、上からの砲撃で想定以上にダメージを受けて、且つサンダースの本隊の対応も早かった。だからファイアフライの撃破のみに絞ったと。絹代の隊と四式中戦車で高地の隊を叩ければ、もう少しサンダースの数も削れたんだろうけどね」

 

「あとは高地と本隊が戦って時間を稼いでいるうちに、より強固な陣地を造りたかったんだと思うわ。サンダースが来るまでの間で、チハドーザー3輌で20輌分の掩体壕は造れないしね。まあ知波単の作戦は複雑すぎてリスクも高かったのは否めないわね。もっともそうじゃなきゃシャーマン20輌は相手に出来ないというのもあるんだけど」

 

ノンナの横で、ダージリンも納得するように頷いている。沙織、麻子、華のあんこうチームの面々は、ダージリンとカチューシャの戦略眼の確かさに驚嘆するとともに、全国大会で対戦するチームがこれほどの敵であることを改めて認識した。

 

「凄い! 凄いです! ダージリンさんもカチューシャさんも。私達よく皆さんを相手に勝てたなと思います。なんでそんなところまで全部分かるんですか?」

沙織が興奮気味に質問をする。

 

「あら? 聖グロリアーナは大洗女子学園には一度も負けてはおりませんわよ、フフフ。それはともかく、全国大会の上位に進出するような高校の隊長なら、このくらいの解説はわけなくてよ。あなた方も負ければ廃校になるという十字架を背負っていたから、いろいろと土壇場での勘が冴え渡り、思わぬ力を発揮出来たのではなくて?」

 

「偉大なるカチューシャ戦術は教本としてプラウダに残していくからね。来年の全国大会は覚悟しておくことね」

 

大洗女子学園も含め、窮地に直面すれば自然と脱するために思考を張りめぐらし、結果いわゆる火事場の馬鹿力を発揮するということだろう。そして、各校の隊長はそうした土壇場をいくつも乗り越えてきているということ。大洗の面々は、改めて来年の全国大会で対峙する敵の大きさを知った。

 

~~~~~~~~

 

アリサはタブレット画面の地図を見ながら、知波単が潜んでいるであろう目ぼしいポイントをチェックしている。

 

知波単の残存車輌が12輌に対して、サンダースのそれは16輌、うち履帯を修理していた3輌も合流しつつある。質・量ともに劣る知波単が取るであろう道は、キルゾーンに誘い込んでの十字砲火。となれば注意すべき地点は交差点、視界が開け遮蔽物がないところなど。そして知波単戦車の履帯の走行跡。もっともこれはウサギの「止め足」よろしく、あえて騙すために付けている可能性もある。

 

質・量に勝る者の定石通り、アリサは隊を2つに分け挟み撃ちをする作戦を採用することにした。隠れている者を襲うには、一方に注意を引き付けながら、その隙に背後から襲うのは得策だろう。アリサは自らの隊とケイの隊の2つに分け、キルゾーンと思われるポイントが集中しているエリアを挟み込むことにした。

 

「アリサより各車へ。おそらく知波単はエリア70~90の地点に戦力を集中させていると思われる。知波単の履帯跡が想定するキルゾーンに続いているなら、その先に知波単が隠れている可能性が高い。風下の隊は私が、風上の隊はケイが先頭を務めるわ。先頭並びにしんがりは、突撃隊の襲撃に注意して。さっきと同じようになるべく死角を作らぬよう、そして連携を密にしてちょうだい」

 

「「「イエス、マム!」」」

 

最後の詰めの作業を実行すべく、サンダースの隊は進軍を開始した。

 

~~~~~~~~

 

知波単においても、おそらく最後と思われる作戦の確認を行っている。

 

「凄いな、福田・・・これは相手もびっくりするぞ」

 

「成功するかどうかは分かりません。ただサンダースは、隊を2つに分けてくるのは間違いないと思います。おそらく風上側の隊が主力でしょう。ですので先に戦力が薄い風下の隊から片付けます。主力を攪乱、迎え撃つ突撃隊にはまた無理を言って申し訳ないですが・・・」

 

突撃隊の4輌が風上の主力と思われるサンダースの隊を抑え込み、その間に戦力の薄い別働隊を潰そうという算段である。

 

「無理は承知の上です。期待していて下さい!」

 

「こういう時のための一式中戦車だからね。また撃破して見せるわよ!」

 

谷口に続き、先の混戦の中、敵シャーマン一輌を撃破した細見も力強く答える。

 

~~~~~~~~

 

西の一式中戦車は街道の脇に掘られた壕に潜んでいる。西の背中には冷たいものが流れていた。今まで何度も突撃をしてきたが、これまではそんなことはなかった。それはそうだろう。今までの突撃は前進して散ることが前提だったのだから。しかし今回は違う。今回は相手を仕留めるためのもの。自分がやらねば相手にやられる。そして自らが散ることは知波単戦車隊の敗北を表すものである。

 

「敵は?」

 

「一列で進んでいます。まもなく目標地点です」

 

「よし、撃て!」

 

車体を潜めた西の一式中戦車が47mm主砲を発射、その砲は的確に先頭をゆくアリサ車の右の履帯を破損させた。

 

「砲声?」

 

アリサが呟いた瞬間、戦車に衝撃が伝わる。自車の履帯が破損され動けなくなったのを知った瞬間、アリサは知波単が突撃することを察知した。

 

「全車、知波単の突撃に警戒!」

 

しかしアリサの指示よりも前に、西が砲撃した反対側、アリサからすれば左側から、ドーザーブレードを外し同じく街道脇に潜んでいた池田のチハが飛び出す。履帯が破損し動けないアリサ車に進路を塞がれた2輌目のシャーマンをチハは的確に行動不能にした。

 

それを合図にしたかのように、壕に潜んでいたかと思われた知波単の戦車が一斉にエンジン音を轟かせ、アリサの隊に襲い掛かる。アリサの隊は知波単の注意を引き付ける、いわば囮のようなものであったため6輌しか配されていない。うち2輌が動けなくなったのだからアリサは一気に窮地に立たされた。

 

「(まさか・・・壕を掘って潜むことすらダミーだったの!?)」

 

知波単にまんまとしてやられる形となったアリサは驚きと腹立たしさを隠せなかったが、それよりなにより隊長として必要な指示を出さねばならない。

 

「各車へ! 道の上だと不利だわ。私に構わず2輌ずつ分かれて下に降りなさい。相手はうるさいといってもチハが大半。側面と後面を晒さないようにすれば大丈夫!」

 

「ケイ! こっちは敵の突撃を受けているわ。私のは履帯がやられて動けないから、もしこのままやられちゃったらその後の指揮はお願いします!」

 

「OK! こっちもうるさいのが4輌ほど来たけどね。まあすぐ片付けてそっちにいくから安心しなさい」

 

「(タカ子達はケイの方に行ったか・・・まあいくらあいつ等がうるさいとはいえ、ケイの率いる10輌の敵じゃない)」

 

あとは四式中戦車の位置が気にはなるが、この状況だと四式がこちらに来たところでそれほど大差はあるまい。仮に自分の戦車が白旗を上げたとしても今回は殲滅戦。ケイが負けるはずがない。アリサはようやく心の平静を取り戻すことが出来た。

 

~~~~~~~~

 

「まさか掩体壕に戦車を隠しての砲撃ではなく、突撃を選んでくるとは! 先頭車両の履帯を壊しておいて後続車輌を撃破する。このあたりは大学選抜の試合の時に知波単が行ったのと同じ戦法ですね!」

 

「うん、でもサンダースの対応も早い」

 

解説するみほの言う通り、突出してシャーマンを撃破した池田のチハは、既にその後別のシャーマンの砲撃を食らい白旗を上げている。窮地に追い込まれたアリサの隊もなんとか態勢を立て直し、知波単が肉薄するも、それをサンダースが凌ぐという攻防が続いている。

 

「玉田! 出番だ!」

 

「了解であります!」

 

知波単の捨て身の突撃を、アリサ達は孤立しないよう、また死角を作らぬように動きを最小限にとどめて応戦しているが、それは玉田の乗る四式中戦車にとっては格好の標的となった。アリサの隊が知波単の攻撃を凌いでほっとしたところを四式は的確に攻撃、新たに2輌のシャーマンが白旗を上げる。

 

「もともと我々は知波単の注意を向けるための隊だ! 四式がこちらに来ているということは、それだけケイの本隊への攻撃は薄くなっている。ケイ達が来るまでなんとか凌げ!」

 

アリサとしてもやるべきことはやっている。あとはもう気合で凌ぐしかない。そして、その心意気はケイにも伝わっている。

 

~~~~~~~~

 

「さーて。かわいい後輩が頑張ってくれてるんだし、本気を出しますかね!」

 

知波単の精鋭でもある突撃隊4輌の攻撃を受け、態勢を整えるまでに1輌を失ったが、その間に知波単も山口車が撃破されている。知波単としては、敵車輌を孤立させて挟み撃ちにするのが狙いなのだが、ケイの洞察力はことごとく知波単の上を行っている状況で、逆に知波単の戦車が孤立する場面が増えてきている。

 

それでも細見の乗る一式中戦車とその僚車の旧チハは、なんとかケイの乗るシャーマンと2対1の場面を作ることが出来た。

 

「このチャンスを逃すな! なんとか引き離されないよう食らいつけ!」

 

なぜか追撃されているシャーマンの方が余裕があるような動きだったが、なんとか離されまいと2輌が食らいつく。するとシャーマンは急停止。それに釣られて追撃していた2輌も急停止する。そして停止した瞬間、シャーマンの砲撃を受けた一式中戦車は白旗を上げていた。

 

「くっ・・・! 普段あれだけ練習してたことを、逆にこっちがやられるなんて」

 

自車が急停止して、それにつられて停止しようとする敵車輌を撃破する。知波単の突撃隊が得意とする戦法の一つだが、ケイは事も無げにそれをやってのけた。さらに退避しようとする旧チハをも撃破する。突撃隊は3輌がやられ、残るは谷口車の1輌となった。

 

「あとはタカ子だけね。セレナ(注:オリキャラ)、せっかくだから練習してたあれ、やるわよ!」

 

「マジで?・・・フフフ・・・あとで私にアンツィオの鉄板ナポリタンと特製ピザのご馳走決定ね!」

 

ケイは同じ3年生が操るチャーリー小隊の1輌に声をかけた。そして谷口車とその1輌が正面衝突するかのように向き合って突進する。無論谷口にはその後ろにいるケイのシャーマンも見えている。

 

「(前の戦車が囮でケイさんのが本命か。こちらも残り1輌だし、一騎討ちなら望むところ!)」

谷口は、前の戦車が横に外れ、ケイの戦車が飛び出してくるのを待っていたがその予想は裏切られた。セレナのシャーマンから砲が放たれ、それは回避したものの、砲撃の直後にケイ車から空砲が放たれていたことは知る由もなかった。

 

思いがけずセレナのシャーマンが突進してくる。回避する間もなく谷口の新チハは弾き飛ばされクルクルと回転する。弾き飛ばした側のセレナのシャーマンも勢い余って横転したため白旗を上げることになったが、激突されたショックから立て直せないでいるチハを悠々と後続のケイが撃破し、知波単の突撃隊は全滅した。

 

「あ、あれは・・・!? 西住殿が島田愛里寿殿にやったのと同じ!!」

 

「うん・・・多分ケイさん、わざわざ練習したんだと思う。あの試合のあと、何度もどうやったのか聞かれたし」

 

好奇心旺盛なケイの性格はみほも知っているだけに、しつこく聞いてきた状況からしてもしかしたらマネするつもりなのかも・・・との考えは当時よぎってはいたが・・・まさかこの短期間で実戦に使ってくるとは想像だにしていなかった。

 

「ごめんね、セレナ。勢い余っちゃったね」

 

「いや・・・今までアンタは私らのことを第一に思ってやってきてくれたんだけど・・・最後の最後、こうしてアンタがやりたいようにやってくれて・・・私はなんか嬉しいよ!」

 

「セレナ・・・」

 

「さあ、早くかわいい後輩のところに行ってやんな!」

 

「了解奉り!」

 

最後、妙な日本語を話しながらではあったが、ケイの隊は2輌のシャーマンを失ったものの知波単の誇る4輌の突撃隊を軽々と撃破し、揚々とアリサの隊に合流しようとしている。

 

「アリサ、こっちは全部片付いたよ! 思わぬ突撃を受けたけどよく頑張ったわね。もうすぐ着くから安心しなさい。あと、あの作戦。大成功だわよ!」

 

この時点で、ケイの隊の残存車輌は8輌、アリサの隊はその後もう1輌が四式にやられ、履帯を直せないでいるアリサのシャーマンも含め2輌。一方の知波単は突撃隊が全滅、アリサの隊を突撃した隊は3輌が撃破され、残り5輌。西の乗る一式中戦車、玉田の乗る四式中戦車は健在とはいえ、既に大勢は決していた。先々を読まれ、それに対して的確に動くサンダースのシャーマンを相手に、知波単の戦車は搦め捕られるように次々に撃破されていく。

 

~~~~~~~~

 

「(西住の姉妹がやったあの作戦、本当にやったのね。しかもそれを成功させるなんて・・・知波単もよく頑張ったし、正直ヒヤリとすることも多かったけど、まあ相手が悪かったわね・・・)」

 

「(あのコミュ力、記憶力の化け物が、底無し沼のような好奇心を持って、ブルドーザーのような突進力で、超絶ポジティブ思考で戦車道をやってるんだから、そりゃ他の人間に負けるわけがない。いろんな人の話を聞いて、いろんな本やDVDも見て、得たものを実践して自らの血肉にする。数百の作戦や局面が瞬時に処理されるのだから・・・敵が何を考えているかを見抜くなってわけないわよね・・・)」

 

「(実際、サンダースでの模擬戦でケイに勝てる人は、年上の先輩の中にもほとんどいなかった。でも本番の試合では・・・敵が何をしてくるか分かり切ってるのに、囮の餌でも撒いておけばダボハゼのように食い付いた敵を一網打尽に出来るのに・・・そういう作戦は一切とらなかった。真正面からガツガツやるってのがほとんど・・・いや、ガツガツやるならまだマシ。前の全国大会じゃ・・・まあ無線傍受してた私が悪いんだけど、わざわざ4輌だけで追いかけるなんて馬鹿げてるわよね!)」

 

「(いつもいつも・・・ ”相手も一生懸命戦車道に取り組んで今日の試合に臨んでいるんだし” とか ”囮になる子達のこと考えたらそんな作戦とれないでしょ” とか・・・で、答えに窮したら ”That's 戦車道!” とか ”戦車が泣く” とか・・・私はケイと居る時間が長かったし、そういうケイが好きだったからまだよかったけど・・・)」

 

「(実際、あの全国大会の後、準決・決勝で出場するのを狙っていた選手の中には荒れた子も多かったし、学園の上の方の人や、OGや保護者からの批難もかなりあったらしいし・・・)」

 

「(試合に勝つだけならもっと上に行けたはずなのに・・・でも私達のことを第一に考えてくれて、そればかりか相手校のことまで考えて・・・自分のことは押し殺して、私達が頑張ったことを褒めてくれた。前の全国大会で、西住の八艘飛びが話題になったけど、ケイなら何の躊躇もなく、同じことをやってたかもしれないわね。私はそんなケイが大好きだったけど・・・いや、大好きだったからこそ、黒森峰やプラウダや聖グロ、ポッと出の大洗なんかの下に見られるのが本当に悔しかった! ケイが自分の力をフルに発揮したらそんなことはないのに!)」

 

「(私はケイのようにはなれないけど・・・でも大好きだったケイのために、ケイが誰にも負けない素晴らしい隊長だったことを証明するために・・・私はケイを超えてみせる!)」

 

既に知波単の残りの戦車は西の一式中戦車と、福田の乗る九五式軽戦車のみになっている。残り2輌になりながら、それでも1輌でも多く撃破しようとなんとかサンダースの攻撃をかわしながら突撃を繰り返す。一方のアリサの隊も、履帯を直せないでいるアリサ車が唯一の生き残りとなっていた。そして今、西の乗る一式中戦車は、アリサのシャーマンに向かって突進してきている。この状況下においても、1輌でも撃破すべく可能性が高い選択肢を選んでいるのだろう。見上げた敢闘精神というほかない。

 

「(最後の最後まで諦めないその精神。西さん、本当にあなたのことを尊敬するわ。でもね・・・私も負けるわけにはいかないの!)」

 

程なくして両車から白旗が上がった。相手を道連れにしたのはそれぞれの意地だろう。

その後間もなく、九五式軽戦車からも白旗が上がった。

あれだけ騒がしかった砲撃音・エンジン音が止み、辺りを静寂が包む。

 

「絹代、念のための確認だけど、もうそちらに戦車は残ってないわよね?」

 

「はい・・・全滅です」

 

「うちは残存車輌7輌ね。ミホ、最後のアナウンスをお願い」

 

「あっ・・・は、はい。秋山さん、勝敗の結果を」

 

「は、はい・・・知波単学園残存車輌なし、サンダース大付属残存車輌7。よって、サンダース大学付属高校の勝利!」




◆西車(隊長車/フラッグ車)・・・一式中戦車
 ⇒車長:西、装填手:倉橋/2年(オリ)、通信手:半田/2年(オリ)、
  操縦手:戸室/2年(オリ)

 ※(オリ)は作者のオリジナル設定。以下同じ。
  オリキャラはちばあきお氏の漫画、キャプテン、プレーボールから名前を頂いてます

◆玉田車(割り下小隊)・・・四式中戦車
 ⇒車長:玉田、砲手:松川/2年(オリ)

◇玉田僚車(割り下ご飯)・・・新チハ
 ⇒車長:浜田

◆寺本車(たまご小隊)・・・新チハ
◇寺本僚車(たまごご飯)・・・旧チハ

◆池田車(陣地構築隊/豆腐小隊)・・・チハドーザー
◇池田僚車(陣地構築隊/豆腐ご飯)・・・チハドーザー

◆名倉車(陣地構築隊/長葱小隊)・・・チハドーザー
◇名倉僚車(陣地構築隊/長葱ご飯)・・・旧チハ

◆谷口車(突撃隊/バント)・・・新チハ
 ⇒車長:谷口/2年、操縦手:丸井/1年(留年)、砲手:五十嵐/1年、
  装填手:久保/1年、通信手:小室/1年
  ※全てオリキャラ
  ※谷口は2年時にサンダース大付属から編入

◆山口車(突撃隊/牽制)・・・新チハ
 ⇒車長:山口/2年、操縦手:太田/2年、砲手:中山/2年、
  装填手:山本/2年、通信手:鈴木/2年
  ※全てオリキャラ

◆細見車(突撃隊/牛肉小隊)・・・一式中戦車
 ⇒車長:細見、操縦手:加藤/2年(オリ)、砲手:島田/2年(オリ)

◇細見僚車(突撃隊/牛肉ご飯)・・・旧チハ
 ⇒車長:横井/2年(オリ)
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