一方のアーキテクトは、自分の腕どころか人の指がすっぽりはまりそうな円柱とその先端に握り拳のようなものが二つある。
それとは別にスパイスと爪が一対ずつある。
「こっちは準備できました」
「回答、こちらもです」
「
「アーキテクト」
「「フレームアームズ・ガール、セッション!!」」
セッションベースから光の柱が立ち上がり、バトルフィールドを形成する。
バトルフィールドはコロシアム。
大きな石で作られた円柱が全て倒されていて、それが障害物となっている。
また、観客席は所々壁が壊されており、そこから入り込むことができそうだ。
「宣言。
「分かりました、アーキテクト姉様」
その弾丸をアーキテクトは事も無げに片腕で鷲掴みにした。
そして、そのまま握り潰して爆発させる。
見ていた誰もが、自爆したと思った。
だが、その爆風を突っ切って
しかし、
避けられた一撃は地面に直撃し、ちょっとしたクレーターを作る。
「なんだあの威力」
「あれは『インパクトナックル』」
「豪快さと繊細さを併せ持つ、アーキテクトちゃんの武器よ」
マテリア達が解説し始めた。
未だにスティレットやバーゼラルドに膝枕して、頭を撫でているが。
「豪快さと」
「繊細さ?」
マテリア達は「ええ」と答えると、
「あれは手を同じように指が動くから、さっきみたいに物を掴むことができる」
「その一方で、見た目通りの拳を振るう攻撃も可能」
マテリア達は代わる代わる言葉を繋げる。
アーキテクトの続けざまの攻撃を
無論真っ直ぐ下がるばかりではない。
時折右後方、左後方へ下がることで安易な読みをさせないように心がける。
だが突然ピタッとアーキテクトは止まり、
「確認、そう言えば
「そうですね、アーキテクト姉様」
そう言って言葉を掛け合う。
その間にもお互い体勢を整え直しているが。
その一言に
それはスティレットが言った言葉、
「戦う」
という言葉をすぐに理解できていなかった。
それどころか戦うための装甲すら最初は付いていなかった。
「もしかして最初は
思ったことをそのまま呟いた。
その一言にほとんどの者が不思議そうな表情を向ける。
違っていたのはマテリア達だけだ。
だが、
「まさか、その事に気づくなんて」
「少し驚いたわね……」
なんだか悪く言われている気がするが、
「その考えは正解よ。元々
「だから本体が完成したことで、ロールアウトが決まったわ」
「でも、私達やアーキテクトちゃんの後継機であることも踏まえれば戦うことができるのではないか」
「もし戦えればどのような
そう言ってシロはスティレットを頭をいとおしそうに撫でると、
「だから装甲が必要ない私達や既に完成していたアーキテクトちゃんはともかく」
「この子達の装甲を作り上げ、問題なく戦えるかテストし」
「ロールアウトが決まり、あなた達の所へ送られてきた」
クロもシロに倣ってバーゼラルドを撫でながら、一緒に説明していく。
言葉こそ『後継機』と他人行儀な言い方をするが、マテリア達にとって
「行きます‼」
「依頼。マスター、インパクトエッジを」
アーキテクトがそう言うと同時に大きな拳が爪に代わる。
それを開くように展開すると、
そして
だが、
顔を上げ、アーキテクトを見据える。
そのアーキテクトは武装を『インパクトナックル』に換え、
そしてそのまま振り下ろす。
今度は前転等と言っている場合ではなく、地面を転がるように避けた。
しかしアーキテクトは追いかけて矢継ぎ早に拳を振り下ろす。
だが、
途中で滑空砲をアーキテクトへ向け発砲、アーキテクトを後退させた。
再び距離を取り、ようやく身を起こした。
「歓喜。
そう言いながらアーキテクトは拳を振り上げ、
だがアーキテクトは左腕を盾のように構え、砲撃をもろともせず接近し、右の拳を
「グッ……!!」
その衝撃で
だが、何故か
アーキテクトが不思議そうに思っていると、
(思考。これは先ほどの一撃で破損したもののはず、しかし……)
だが、破損したパーツの色は明らかに
一体どういうことかと考えていると、
それは普段使っているフリースタイル・バズーカだった。
だが、この戦闘では一度しか使っていないにも関わらず側面がボッコリ凹んで、破損している。
(なるほど、そういうことでしたか)
アーキテクトは答えにたどり着いた。
アーキテクトが気付いたのと同時に、観戦していた他のフレームアームズ・ガールや人間も答えに気付いた。
アーキテクトの一撃を受ける瞬間、
「気転が利くのが、
「確かに
「現状
マテリア姉妹がそう口にする。
他にも武装があるとはいえ、
だが足を止めるということは、
そして至近距離において有効打を持たない
だが、距離を取って勝てるかと言われるとそれも怪しい。
「……詰みか?」
「ハイハイ、そうかもね」
「武装ってここに置けばいいの?」
「お、おう……」
そう問いかけに答える。
「
『その声は
「一つ武器を貸して上げる。壊してもいいけど、勝つことが貸して上げる条件だからね」
(また無茶な要求をしやがる)
その場にいた全員がそう思った。
打つ手がない
武装一つ追加しただけでどうにかなるほど、甘い状況ではない。
それは誰の目にも明らかだ。
「……ここから私が打てる手、ですか」
そこから少し離れた所でアーキテクトが、その様子を眺めていた。
『いいんか、アーキテクト?攻めるチャンスやで』
そんなアーキテクトに、
だが決して命令するような口調ではない。
むしろ試すような感じである。
アーキテクトは口元を緩ませて、
「マスターも分かっているのでしょう?」
そう言い返した。
『分かってるならええわ』
とだけ言うと通信を切った。
『とりあえず
そして転送された武器を手に取る。
それをアーキテクトへ真っ直ぐに向ける。
「行きます!!」
「返答。来なさい、
アーキテクトは杭型の物へ代え、二機は真正面から得物をぶつけ合う。
ぶつかった得物は火花を散らし、
「なっ!?」
杭型インパクトナックルを木っ端微塵に破壊し、アーキテクト自身を吹き飛ばした。
起こった自体に一瞬驚きながらも、すぐさま武装を担ぎ、槍投げの要領でアーキテクトめがけて投げつけた。
だが、アーキテクトも残った左の杭型インパクトナックルをぶつける。
それも砕けてしまったが、
しかし無理な防御を行った為、体勢を崩してしまった。
そのまま着地し、
「これで、終わりです!!」
そう叫ぶと同時に、全ての銃口が火を吹いた。
放たれた弾丸はアーキテクトを捉え、耐久を消し飛ばしてしまった。
試合が終わるなり、アーキテクトはセッションベースから降りると、
「称賛。
そう言って
「ありがとうございます、アーキテクト姉様」
そう言い返した。
表情が乏しいハズの
その様子を離れた場所から、マテリア姉妹が眺めていたが、
「……ん」
と膝枕されているフレームアームズ・ガール達が目を開いた。
「あら。スティレットちゃん、起きたの?」
スティレットがゆっくりと体を起こし、状況を把握する。
それと同時に顔を青ざめながら全力で駆け出す。
しかし、シロが後ろから飛び掛かり、
「ふぎゃああああ!!」
等とスティレットは悲鳴をあげるが、それでもシロは放さない。
それどころかしっかりとしがみつき、頭を撫でながらスリスリとしている。
「あらあら、スティレットちゃんたら、そんなに逃げなくても」
「本当にスティレットが好きなんだね、シロお姉ちゃんは」
その様子をクロとバーゼラルドは眺めながら、そう呟いた。
「……あれ、どうにかできないか?」
呆れたように
「シロお姉ちゃんはスティレットの事が大好きだし、それに……」
「それに?」
「バーゼも捕まってるんだから……」
そう言われて全員がああ、と呟いた。
よく見れば、バーゼラルドもクロに後ろから抱き付かれており、目のハイライトが消えていた。
「あらバーゼちゃんはこう言うことをされるのは嫌い?」
クロが悲しそうな声で問いかけた。
するとバーゼラルドの目にハイライトが戻り、
「そんな事ないよ。バーゼはクロお姉ちゃん、大好きだもん」
笑顔でそう言いきっていた。
その様子を見て、ほとんどの人とフレームアームズ・ガールが笑顔になった。
笑ってないのは、スティレットだけだが。
「そや、
そう言って全員が
当の本人はと言えば、セッションベースから貸していた武装を回収しようとしていたが、
「何?」
短くそう返した。
「あんさん、自分のフレームアームズ・ガールはどこや?」
「……何を言うておるんどす?」
(何で京都弁?)
唐突に飛び出した言葉に全員が心の中でツッコんだ。
無論、
だが、
明らかに集められたように、僕の所属しているサークルにフレームアームズ・ガールが配られている。
つまり、
そう思って口を開こうとしたとき、
「否定。マスター、それはあり得ません」
アーキテクトが先に口を挟んだ。
「現在、最後にロールアウトされたのは私とマテリア姉妹です」
「それにロールアウトできるフレームアームズ・ガールは」
「私たちを含めて六機だけね」
アーキテクトに加えて、マテリア姉妹達も解説してくれた。
「と言うと何か?コイツの元にフレームアームズ・ガールが行っている可能性は……」
「限りなく低いわね」
しかしその視線は余所を向いていた。
まるで何か嘘をついているように……
今回の武装説明
ガンブレードランス
銃・刃・槍が示す通り、様々な武器に姿を変える武装です。
今回轟雷が使用したのは、ランスモードですが、他にもアックスやツインブレード等、名前以上に変形・分離して使用できます
アーキテクトの武装は作中である程度解説したので、今回は割愛します、ご了承下さい
と言うか、詳しく知らないだけです、すいません