終わりのセラフ~斬月持って異世界ライフ~   作:沢田空

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お久しぶりです
最近就活で忙しくて修正しか出来ませんでしたが、一ヶ月ぶりに更新です
長くなりそうだったので分割しました
次は…いつになるやら…

ではごゆるりと


13話~各自の思い~

クローリーから何とか生き延びた俺らは急いで新宿に向かった。まぁその途中でシノアから走りながらのお説教を貰うことになるとは思わなかった

シノアにはサカライマセン

 

「やっと着いた。新宿だ」

 

だがそれにしても酷い現状だった。先の吸血鬼(クローリー)が前線にいるとすればもう戦争は始まっていると思っていたがこれはまずい状況にあった。人間側は対応が出来ていないために防戦一方である。でもそれが人と吸血鬼の差なんだと嫌でもわかるものだった

 

「まずいな…」

 

俺がボソッと呟くと警報を伝える放送が入った

 

「緊急警報!緊急警報!吸血鬼たちの襲撃がありました!!敵は西防御壁に攻撃を仕掛けています。民間人こ皆さんは東防御壁へ退避してください!!」

 

「一体どういうことだよ!新宿は日本帝鬼軍の第二都市だぞ!!吸血鬼が攻めてくることなんてあるのかよ!吸血鬼殲滅部隊は何してんだ!!」

 

周りの軍人たちは慌てながらも文句を言っていた

 

「どうなってる?」

 

「吸血鬼が予定より早く攻めてきたんだろうよ」

 

ドオン!とあちこちから爆発音が聞こえる。どうやら俺のせ予想は当たっていたみたいだ

更には空には数機のヘリコプター。アレに吸血鬼が乗っているのだろう。

だか数機の中の一機が弓によって撃ち落とされた。その弓は与一の使っている鬼呪装備にそっくりだった

 

「あれって僕と同じ鬼呪装…!」

 

「のダウングレード版です」

 

「鬼呪装備を簡略化した通常呪術装備だ。銃のような一般火器では吸血鬼は殺せないからな…」

 

簡単に言えば吸血鬼を殺すために一般人が使えるようにカスタマイズした鬼呪装備の粗悪品みたいなものだろう

 

「こりゃあひでぇな…。マジで戦争じゃねぇか…」

 

「だろうな。てかさっきの時点で気づけたろ」

 

俺の放った言葉に君月は睨んで聞いてきた

 

「どういう事だ翔」

 

「さっき遭遇したのは吸血鬼の貴族だ。貴族が普通に考えて帝鬼軍の第二都市である新宿周辺にいるか?答えは否だ。ならどうしてかなんて分かりきったことだ。戦争は始まっている、そしてそれに貴族が最低でも二人はいるってことだ」

 

「き、貴族が二人だと!?」

 

三宮が声を上げるのも分かる。他のみんなも驚き、いや恐怖に近い顔をしている

 

「ああ。これはあくまで推測だがもう一人は第七位始祖フェリド・バートリーだと思う」

 

「!?」

 

その言葉に優は驚きを隠せなかった

 

「フェ、フェリドだって?!」

 

「多分優が思ってるフェリドだと思う」

 

「な、なんであいつが生きてる!?あの時確かに頭を!?」

 

「落ち着け優。俺だって信じたくない。だけどクローリーの隣いた金髪の吸血鬼が"呼んでいる"って言ってたが微かに聞こえたんだ」

 

「聞こえた…?」

 

与一が放った言葉は全員が思っていたことみたいだ

 

「ああ。だけど今はそれよりも…」

 

俺が言いかけた時に連絡の放送が入った

 

「兵士のみなさんは西へ!!吸血鬼が大挙して押し寄せてきています!!渋谷本隊が合流するまで…なんとか防ぎきってください!」

 

「ってことだ。シノアどうする?」

 

シノアに聞いた

 

「私たちは吸血鬼殲滅部隊ですよ?もちろん吸血鬼が出てきたのなら…」

 

「前線しかねーな」

 

そう言って俺らは西に向かって走った

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

ある建物の屋上。グレンは一人吸血鬼の行動を観察していた

 

「おーおー、始まったな、本当に攻めてきやがった。んで…どーこが司令塔だ?」

 

吸血鬼の司令塔らしき人物を探す。そして、そいつはいた。車の上に立っている吸血鬼。他の吸血鬼と違ってかなり雰囲気が違っていた。こちらはかなり遠くから道具を使って見ていたのだがその吸血鬼はこちらに気づいたみたいだ。一瞬だけ目が合った

 

「お〜っと、やべぇ。この距離で気づくのかよ」

 

「あの、グレン中佐。こんなところで悠長にしてる場合では…」

 

後ろから聞き慣れた声が聞こえてくる。そこにいたのは見慣れた女性であった。名は花依小百合。位は少尉でグレンの従者でもある

 

「ん〜別に悠長にしてるわけじゃなぇけどな。新宿攻めんなら見張り塔がいるだろ。とすれば吸血鬼どもはここを狙ってくると思…、って言ってるそばから来たぞ小百合」

 

小百合の後ろには一人の吸血鬼。彼女はそれに気づいていない為にへ?、って顔をしている。そしてやっと気づいた時には遅かった。振り向いた時にはすでに吸血鬼は跡形もなく消えていた

 

「遅せぇよ、美十」

 

真っ赤な髪を一括りにした女性、先の吸血鬼を殺した本人。名を十条美十。位は大佐。グレンとは高校の時からのチームである

そんな彼女はグレンの方を見てため息をついて言った

 

「何が遅いよ。急に戦争するとか言い出してこんなとこ呼んで…一体どういうことなの?」

 

そして美十のそばからスッともう一人現れた。今いるグレン達は気づけたが、並みの人だったら現れたのにも気付けないだろう。それほど上手く気配を殺して現れるその女性は小百合と同様グレンの従者である雪見時雨だ。位は少尉である

 

「グレン様ただ今参りました」

 

「なーんかすげぇこと始まったみたいだなぁ。どうすんだ?新宿の殲滅部隊はまるで対応できてないぞ、これ」

 

美十の後ろから現れたのは男性だった。名を五士典人 。位は美十と同じ大佐である

グレンは四人が集まったことを確認して口を開いた

 

「よし俺のチームは全員揃ったな」

 

「はぁ?なんで名門十条家の令嬢であるわたしがあんたなんかのチームに…」

 

「キーキーうるせぇ」

 

「うるさくなぁぁぁい!!!」

 

美十はグレンの言葉に早くも怒り叫んでいる。それを五士が抑えている。まぁ何とも戦争中の雰囲気ではない

そんな美十を無視してグレンは優達の監視させていた時雨の方を向く

 

「んで、時雨。優のチームはどうだ?」

 

「無事、吸血鬼の支配を解放して新宿に入りました」

 

その報告にグレンは驚いた

 

「へぇ、早ぇな。じゃあこの戦争にも参加できるか?強くなるには実戦が一番だからなぁ。死ななきゃ強くなる」

 

そして外の状況を見た。あちこちから爆発音や煙が上がり、元々ボロボロだった建物は原型をとどめているのが不思議なくらいにボロボロになっている

そんな光景を見て静かに告げた

 

「行くぞ、お前ら。司令塔は五丁目の交差点にいる吸血鬼どもだ。とりあえず頭を潰しゃ状況も変わんだろ」

 

そして司令塔を倒すべく、交差点に向けてグレンのチームは歩き出した

 

___________________________________________

 

 

「あはぁ〜、これは見られてますねぇ」

 

銀髪の吸血鬼フェリド•バートリーはある一点を見つめて言う

 

「……見られてる?」

 

そう聞いたのは金髪の吸血鬼。だか他の吸血鬼とは違う点があった。それは未だに赤目ではなく蒼目であること。(・・・・・・・・・・・・・)

 

「いえいえ、こちらの話です。ところでミカ君、君は血を吸わなくていいんですか?」

 

彼が顔を上げると、人の血を飲んでいるたくさんの吸血鬼の姿が目にうつる

 

「…うるさい、お前には関係ない」

 

本当は今でも血を飲みたいという吸血鬼としての感情を抑えることで精一杯だが今はその衝動は収まっているようだ。まだ、我慢できる。そう自分に言い聞かせる。何せ彼はまだ人間の血を飲んでいないのだから

 

「で〜も、戦時中の今飲まないと吸血鬼の街では法に縛られて、直接人間の血を飲めませんよ〜?」

 

「はっ、お前は法を守らず僕の血を飲んでたじゃないか。フェリド•バートリー」

 

「はは、人聞きの悪いことを言わないでよミカ君。君の方から飲んでと言ったんでしょう?で…僕の屋敷から銃や吸血鬼の都市を脱出するための地図を盗んでいた」

 

そして思い出すのは昔の記憶。まだ彼が人間だったころの儚い記憶、いや悪夢に近いもの

 

僕はお前の道楽で家族を皆殺しにされた」

 

あの時のことを少し思い出したためか声が憎しみを込めたものに変わり、少し低くなる

 

「あーらら、吸血鬼になった今でもまだそんな古いことを怒ってるんですかぁ?」

 

彼はフェリド•バートリーを睨む。そしてトンッと車から飛び降り言った

 

「いや…僕が怒りを感じるのは家族を守るだけの力がなかった自分にだけ。そして…」

 

そこで言葉を止め俯いて言った

 

「翔の言うことを信じればよかったっていう後悔だけだ」

 

「ふふ、相変わらず自罰的ですね。で…最後に残った家族ーー、あの二人だけは守る〜ですか?愛だなぁ…あははは、あっでもミカ君本当に人間の血は吸っとかなきゃだめですよ?血が欠乏したら僕らは暴走して()になっちゃうんだから」

 

人間の血を飲んでいる吸血鬼を見る。その時感じたのは喉の渇きだった。そしてそれを感じた自分に対する絶望でもあった

 

 

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