遅れてすみません。テストが…テストさえ無ければもっと早く書けたのに…!
これで第一クール終了です。次回からは翔の過去編に入りたいと思います
ではごゆるりと
夜の病室。
空いた窓から夜風が入り込む。
その風に優は気付き起き上がる。
見渡すと与一がベッドに寄り掛かるように眠っていた。
そして、新宿で戦っていたのにいつの間にか軍の施設に居ることに驚き、与一を起こす。
「おい!与一!起きろ!」
「……ん……あ、優君!目が覚めたの!?」
「そりゃこっちの台詞だ!一体何がどうなって「優君!」
与一は感極まったのが優に抱き付く。
「よかった!皆に知らせなきゃ!」
「待てよ!俺の質問に!」
優の最後の言葉を聞かずに、与一は病室を出て行く。
「皆は!皆は無事なのか!」
優の言葉が夜の部屋に響き、静かになったと思ったら与一が扉から顔を出す。
「心配?」
「べ、別にそう言う訳じゃ…」
「安心して。皆無事だよ……翔君以外はだけど」
「え?それって……」
「とにかく皆呼んでくるよ」
与一はそう言い残し、病室を出る。
数分後、病室には、翔を除いたシノア隊全員が集まっていた。
すると優はシノアの首筋にある傷に気付いた。
「お前、その傷…!」
「あ、ああこれですか?大丈夫です。ちょっと血を吸われただけなので」
シノアは首筋に張られた絆創膏を撫でながら言う。
「所で、翔はどうしたんだ?」
優がそう尋ねると全員が沈黙する。
「優さん。優さんは何処まで覚えてますか?」
「えっと…。みんなが血を吸われかけてて…。それを翔が助けて…。シノアがあの赤髪の吸血鬼に…。そこからは覚えてない」
「……では、その後何が起きたかお話します。優さんが戦場に戻った直後気絶しました。部隊は壊滅の危機。ところが、柊暮人中将と柊深夜少将が率いる渋谷本隊か援軍に駆け付けたんです。貴族を除く一般吸血鬼はかなり殺せましたし、数匹捕獲もしました。まぁ、それでも殆ど逃げられましたが」
優には真実を話さず、嘘を交えて話した。
「それで翔はどうしたんだよ?」
「……未だに目を覚ましていません。この病棟の最上階にいます。軍の監視付きで」
「そして翔さんは再び鬼に吞まれました」
「な!?」
優は驚きを隠せず、ベットから出てシノアに迫り焦った表情で聞き返した。
「もしかしてあいつまた
「何でそれを優さんが…?」
聞かれたシノアも驚きを隠せなかった。仮面の事は翔本人から聞いていたため知っている。そしてあの場所にいたのはシノア、グレン、深夜の三人だけのはず。
なのに何故知っているのか、それだけが不思議だったが一つの結論が出た。それは――
「優さん。翔さんに仮面のことを聞いていたんですね?そしてどのような能力であるのか、そして――」
そこでシノアは一度言葉を切った。周りの君月や与一、三葉は何の話をしているのかは詳しくは分からなかったが、共通で浮かんだのは翔が付けていた禍々しいあの仮面。
優は少し顔を俯かせ、他の三人は固唾を飲んでシノアの言葉を聞いた。
「あの仮面がどれほどのリスクを伴い、それがどんな形で返ってくるのかを」
――――――
目を覚ますとそこはいつものビル群ではなく真っ黒な世界だった。光も何もなくただ暗黒が支配する空間。
そこに一人少年が立っていた。その少年の顔は俯いていてよく見えない。
そこで気づく。ああ、あれは俺なんだと。昔の何も出来ずに何かに立ち向かえない今よりも弱い自分であると。
幼馴染の彼女を救えもしなかった愚かな自分。
「そうだ、あれはお前の弱さ」
そこで声が聞こえた。俺の中にいる俺を乗っ取ろうとする鬼の声。
「お前はそれから目を背け続けている」
前にも同じことを言われた。前回はそれを否定した。
「だがお前は変わっていない」
そんなことは分かってる。いや分かってるつもり…だったんだ。
「お前に選択肢与えよう」
選択肢?
「我の力を充分に使いこなせるのかどうか」
ははっ。出来なかったらどうするんだ?
「使いこなせないならば貴様を乗っ取り共に死んでくれよう」
…何だそれ。俺も殺してお前も死ぬってか。矛盾してるんじゃねーか。
「我とお前は一心同体なのを忘れたのか?貴様が死ねば我も死ぬ。それが道理であろう」
そうだったな…。それよりもお前は本当に斬月なのか?
いつもよりも話し方が違うような…。
「いずれ知ることになるであろう。…そろそろ時間か。ではな翔。我はここで失礼させてもらおう。だが忘れるなよ、貴様はまだ過去に向き合ってもいない。それに向かわなければ力を使うどころか飲み込まれる事を忘れるなよ」
そう言って視界がボヤけ始め意識が遠のき始める。
向き合わないとか…。なら落ち着いたらあいつらに話すか…。
俺の過去を。そして俺の償うべき罪を
──────
時は少し遡り優の病室
「なぁシノア…。翔は本当に大丈夫なのか?」
そう聞く優の声は少し震えていた。
「…えぇ大丈夫ですよきっと。それにここいる人達は優さんと翔さんに助けてもらいましたし」
シノアははにかむように少し笑った。
「ああ、そうだ。それに翔がそう簡単に負け…ると思うか…?」
「いやそこは自信もって言えよ君月」
最後の方が疑問形なった君月に優がツッコミを入れる。
「はは、まぁ翔くんなら大丈夫だと僕も思うよ。何だって翔くんだしね!」
与一も謎の自信で笑いかけてくる。
「まぁ翔に限って万が一があるとは思えないしな」
三葉も少し困ったように言うがその顔には笑みがあった。
「…ありがと、心配かけた。あと全員生き残ってよかった、俺は仲間に恵まれてるな」
意外な言葉にみんな顔を見合わせる。
「おいおい、これまだ治療いるだろ?」
「いやいや、実は優くん最初からいい子だったよ?」
「いい子ちゃんアピールやめてほしいですよねぇ」
「明らかに、頭とか打ってるな」
「おまえらぶっ飛ばすぞ?」
そして、優をいじったあと少しでも体を休ませてもらうため彼らは部屋から出ていった。そして優は窓の前に立ち決意に満ちた顔で呟いた。
「必ず…救う。ミカも翔も…!」
同時刻
とある屋上で外の景色をながめている、人影。その人影は銀髪の吸血鬼、フェリド•バートリー。フェリドは外の景色を見ながらつぶやく。
「いや〜、しかし笑えるほど順調にきてるよね。相変わらず暴走していく人間の欲望に、全てを侮る吸血鬼たちの傲慢さ。そうは思わない?僕の新しいパートナー君、はいこれ、こっちの研究資料」
そして、研究資料を渡すフェリド。相手は何も言わずにその場を立ち去った。
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では次回もよろしくどうぞ