終わりのセラフ~斬月持って異世界ライフ~   作:沢田空

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しばらく空くと思います

他の二作品書かなくちゃ


22話~柊暮人~

次の日、早速招集がかかった。分かりきってた事だかあまりに早いだろ…。

 

少しゲンナリしながらも新宿…中央?軍官舎一号、二号?執務室へと向かって歩いている。

少し歩いていると見た事のある奴が壁に寄りかかっていた。

 

「よぉ翔そんなに慌ててどこに行く?」

 

「別に慌ててはねぇけどよ、ちょっとした野暮用だよ」

 

グレンの言葉で俺は少しだが言いたいことが分かった。まず俺は慌ててなどいない、それを「慌てて」と言うグレン。きっと、柊家の呼び出しに何故駆けつけているのかというようなことを言うつもりか…そして、お前らは俺のものだろ的なようなことを遠回しに言いたいのだろう。

 

「それよか俺は仲間も家族も誰も裏切らねぇから安心しろ。ここまで育ててもらった恩を仇で返す様なことはしねぇよ」

「今日ほどお前を怖いとは思ったことはないな。」

 

目を見開き、驚きながらいうグレン。

 

「だが、勘違いしてるようだか俺はお前らの仲間じゃない」

「じゃあ何なんだよ」

「上司、命の恩人、親代わり。これだけ揃ったらお前らにとっては神だな」

 

「お前が神だったらもうこの世界はねぇよ…」

 

「何ならパパって呼んでもいいぞ」

 

いい顔しながら何言ってんだよこいつ。ん…待てよグレンが父親ってことは母親は…。

 

「お前が父親なら母親は小百合さんか時雨さんだな。結構な大家族だな」

 

「はっはは、お前はマジで殺す。それじゃぁ行ってこい」

 

グレンに見送られながら俺は軍官舎へと入っていった。

 

 

 

一号執務室に行くべく廊下を歩いている。そこには人一人もなく、何となく不気味に思えた。

そんな中一番奥にあった扉の上の標識に『一号執務室』

とあり、ここかと躊躇いもなく扉を開けて入る。

 

中は明かりなど着いておらず真っ暗闇だった。入って少し進むとドアが独りでに閉まった。そしてそれに伴い完全な闇によって視界が奪われる。

そしてライトが急につき目の前に吸血鬼が一体現れる。だが、その吸血鬼には鎖で繋がれていた後がある。どうやら意図として放たれた吸血鬼みたいだ。

 

「(はぁ…こういう回りくどい手を使うのか)」

 

「死ねぇ人間!!」

 

「お前が死ねよ」

 

俺の言葉と同時に吸血鬼は消滅する。そしてそれと同時にこれからの事を考えると頭が痛む。

 

「……こういう回りくどいのは好きじゃないんっすよね中将さん」

 

何処からか現れた三人(一人は柊暮人、もう一人は金髪の側近の女性、そして深夜さん )の中の一人に向かって言う。

 

 

「ほう、こちらに気づいていたのか。まぁそれはいい。それでは面接を始めようか」

 

「ただの面接ならこんなのは要らないと思うだけど?」

「裏切り者を試す踏み絵だよ。おまえが吸血鬼を殺せるかどうか試した。結果おまえは非武装の吸血鬼を平然と殺したーーという事実が一つ増えたな。だが、それだけだ」

 

「あっそう」

 

「ではおまえが誰で信用に足る人物なのかについての面接試験をはじめよう。まず、おまえの純粋な剣の技術を見せてもらう。《鬼呪》を発動するな。」

 

そして、俺に剣先を向ける暮人。

俺も無言で斬月を抜き構える。

 

「翔ーあまり暮人兄さんの言うこと信じない方がいいよ」

 

始まる寸前に深夜さんが注告をしてくれた。だけどそれを聞いた時には遅かった。

 

「もう遅いよ。憑依しろ『雷鳴鬼』」

 

「だろうと思ったよ、『斬月』」

 

そう俺が言うと暮人が俺の首元に剣を突きつけようとするのでそれを弾いた。弾かれた事に驚く暮人の顔が見える。そんなことはお構い無しに前蹴りを繰り出す。

それを弾かれた剣を引き戻すことによって防がれるも追撃はしない。

何故ならばこれは殺し合いではなく唯の面接試験(・・・・)。命を狙う必要は無い。

 

「ほう、貴様は主家の命令を破るか」

 

「主家も何も俺はお前に仕えてる訳じゃねぇ。俺はグレンの所にいんだ。俺の家族を人質にするような奴の下にはつかねぇ」

 

「はっははは!なかなか面白いことを言うな!それに自分の部隊や上司を家族と呼ぶか。くだらないが面白い。来い、俺がお前を導いてやる」

 

そう言い手を差し伸べてくる。だか俺はそんなもんに興味もなく突き放すように言う。

 

「お前なんかに導いてもらわなくても俺は生きていける」

 

「ふん、貴様には礼儀を教えた方が良さそうだな。だが少しでも俺の手を取ろうとしたら斬っていたな」

 

もう用はないと突き返すように言い滞納し俺に背中を向ける暮人。

俺はそこを敢えて狙い、後ろから斬り掛かる。ギィィン!!っと甲高い音が部屋に響く。俺の剣を金髪の側近が苦しい顔をしながら己の剣で受け止めていた。

 

「ぐっ…!この子強…!」

 

「これでもかなり力は抜いているだけどな。それでお前は今自分がバカにした仲間に守ってもらわなくちゃ死んでたぜ?」

 

「はっ。グレンの事を家族と言うだけはある。やはり貴様もグレンの部下だな」

 

「こんな事のためにお前は俺を呼んだんじゃねーだろ?俺が吸血鬼のスパイかどうかについて聞きたいんだろ」

 

それを聞いた三人は少しばかりは驚いていた。

 

「そうだ、朝倉翔。貴様は吸血鬼のスパ「違う」」

 

暮人の言葉に被せるように言う。

 

「吸血鬼に家族を殺された俺が何であいつらの手助けをしなくちゃいけない?優はともかく俺は恨んでるんだよあいつらを。大切なものを奪っていくあいつらを。それにな柊暮人…俺がスパイならとっくにここにいるヤツらを殺してる」

 

少し怒気を含んで言う。恨んでるなんて言うが一番恨んでいるのは自分自身。何も出来なかった、力を持たないひ弱な己。それは今もだし、前世でもそうだ。

 

「そうか。では吸血鬼に家族を殺された後グレンはお前らを助けた。事実だな?」

 

「ああ」

 

「ならば何故グレンはお前らを救った。お前らはグレンにとって何なんだ」

 

「…………」

 

この質問には答えられなかった。グレンにとって俺らは何なのかそんなのは分からない。唯それだけの事だ。四年もいるのに俺はグレンの事を何も知らない。だけどグレンは優の中にあるナニカを利用しようとしている。それだけは確実に言える。

 

「何も知らないみたいだな。さて、百夜孤児院の実態だか、《百夜教》と名乗るかつて、まだ人間が地上で栄華を享受していた時代ーー俺たちよりも質が悪い宗教組織だった。そして《百夜教》が運営していた孤児院はすべからく身寄りのない子供を集めて人体実験をしていた。百夜優一郎と同じ孤児院出身も恐らく呪術実験のモルモットだ」

 

それに対しては何も驚かなかった。昔から実験のモルモットだとしても、俺の中には生まれつき斬月がいた。要はそうゆう事だ。

 

「ほう、驚きもしないか。だが事実は整理された。もう帰っていいぞ」

 

そう言い暮人は出口である扉を開け帰っていった。

俺も帰ろうとすると深夜さんが話しかけてきた。

 

「あはは、いやー、すごく嫌な所でしょう。ここ」

 

「確かにそうですね。だけど優たちと比べれば何ともないっすよ俺は」

 

来た時と同じ扉を開け俺は帰った。

 

 

 

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