終わりのセラフ~斬月持って異世界ライフ~   作:沢田空

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お久です
今年もあと半分ですね、多分全作品一話ずつ投稿したら今年は終わりですかね
何で今年最後です

あと番外編で正月やろうか迷ってます


24話~訓練~

俺たちは例の『鬼呪装備』の訓練のため城壁の外まで出てきていた。

 

「おーい与一。そっからバケモノ見えるかー?」

 

「ん〜待ってね優くん」

 

そう言って信号機の上にいる与一が答える。何でいるかって?そんなの『ヨハネの四騎士』を探すためだよ。その為にいま弓を構えてる。その時、光の紋章が目の近くに現れるのでそれを使って探せるのだろう。いわゆるスコープと同じ役だろう。

 

「(便利な能力だなあれ)」

 

「このまま進むと《ヨハネの四騎士》六匹と遭遇しそうだよ」

 

「だってさ、どうする殺るか?」

 

与一の言葉を聞いて優が指示を煽る。そして、考え込むシノアや三葉に俺は提案した。

 

「案外与一だけで大丈夫じゃね?いけるか与一?」

 

「うん。これくらいの距離なら………敵を撃て《月光韻》みんなを守るよ」

 

その言葉と同時に与一の後ろに鬼が現れる。どうやら、すでに与一は具現化ができるようになっていたらしい。

そして、与一の攻撃によりヨハネが五匹が殺られる。しかし残った一体がこちらへと向かってくる。

 

「おい!!一体すごい勢いでこっちに来んぞ!!」

 

優がそう言うが慌てる必要は無い。試したいことがあるし丁度いいか。

 

「任せろ。やるぞ斬月。……月牙…天衝!!」

 

俺の放った月牙で息絶える。初めて自分の意思(・・)で撃てたな。これまでは全部暴走してる状態でやってたからな…。

 

「…なっ、与一おまえ外に鬼出してなかったか!!?」

 

「へ?あ、うん出てたけど」

 

「おいシノアどういうことだよ!!あいつ具現化できんじゃねぇか!!与一だけに修行したのか?!」

 

「あーいえ、与一さん達はもともと《鬼呪》の制御能力が異常に高かったので自力で覚えちゃったみたいですねぇ」

 

「何で出来るようになったんだ与一?」

 

「あっ、それはね夜寝る時とかに鬼といっぱい喋ってたからだとおもうよ」

 

俺の質問に少し考えて答えた。

 

「はぁ?俺の鬼は乗っ取ろうとする時しかでてこねぇんだけど?」

 

「え、そうなの?僕昨日は何色が好きなのかって話をしたんだけど…」

 

「へぇ、それを聞きゃいいんなら…おい阿朱羅丸おまえ何色が好きなんだ?」

 

そう刀にポンと手を置き聞くがもちろん反応があるわけもなく、返ってきたのは沈黙であった。

 

「無視すんなぁぁぁぁああああああ!!!」

 

一人で叫んでいる優を見て君月は「うるせぇ奴だな」と呟くとそれが聞こえたらしく優が君月に向かって聞く。

 

「あ!?おまえは鬼と話せんのかよ!」

 

「え?あ、いや…もちろんだ」

 

その場にいた優と当人以外は思っただろう。嘘がバレバレである、と。ここまで嘘が下手くそなやついるか?

 

「じゃあやってみろよ」

 

「じゃあ、見てろ。おい《鬼箱王》答えろ、おまえの好きな色ってなんだ?」

 

──シーン────……

 

「ほらぁ!!」

 

「その顔やめろ!!」

 

優の顔を見るとお前も俺と同じ落ちこぼれ仲間だ、って顔してる。確かに腹が立つ。

優は君月に近づくと大丈夫だと言いた気な顔になりポンッと肩に手をおく。

 

「触んな」

 

「いい加減にやめい」

 

俺が止めに入るとシノアと三葉の会話が聞こえた。

 

「どうですみっちゃん?」

 

「ここなら大丈夫だろう。修業に失敗して鬼が暴走した時は怖いが…」

 

『暴走』の一言にみんなが俺と優を見る。優の方はどうした?って顔をしてるけど俺は別だ。俺の場合は暴走したことを覚えてるから顔が自然と俯いてしまう。

 

「ん?なんだよ」

 

「いや、なんでもない」

 

「はいはーい。じゃあ『鬼呪装備』の本格的な使い方の講義始めましょーか」

 

重くなった空気をシノアが話を変えることで何とかしてくれた。

 

「さっきの与一さんを見たとおりアレが具現化です。与一さんは自力習得でしたが、これはそんなに簡単ではありません」

 

「おまえまじですげぇな」

 

「いや、えへへ、それほどでも…」

 

優の言葉に照れる与一。

 

「ちなみに翔さんも優さん達よりも一歩進んでます」

 

「へ?」

 

「「はぁ!?」」

 

優と君月の声が重なる。シノアは何を言ってるんだ?まさかあれの事か?

 

「何で翔だけ進んでんだよ!!ちゃっかりお前らだけ修行してたんだろ?!」

 

「…ちゃんと説明してもらおうか」

 

「ハハハ、わかりました。じゃあ翔さんアレ(・・)お願いします」

 

「ハイハイ……」

 

軽く返して目を瞑る。イメージするのは内から出るものをうまく調節するように。簡単に言うと蛇口を捻って、水の強さを調節する、みたいにな。徐々に蛇口を捻っていく。

そうすると全身から力が溢れるように感じる。それに伴って俺の前髪の左側が白く染まっていく。

 

「ハァハァ…。これでいいか?シノア」

 

俺が聞くとシノアは笑顔でお礼を言った。それ以外の四人は呆気からんとしていた。

優は一度見てるはずなんだけどなぁ…

 

「翔さんのコレは『鬼呪装備』それも憑依型の一歩手前の状態です」

 

「何で翔は出来るんだ?鬼呪を手に入れたのも俺たちと変わらないはずだ」

 

君月が最もな疑問を投げた。

 

「君月さんの言う通り何ですよねぇ。でも忘れてませんか?翔さんは二度鬼に乗っ取られているんです。私はそれが起因してると思います」

 

「まぁシノアの言う通りだと思う。俺の場合は『仮面』も同時に使ってるからその分鬼の力を余計に使ってるんだ」

 

「ね、ねぇ」

 

恐る恐ると与一が聞いてきた。

 

「その、『仮面』ってなに?それも鬼の力なの?」

 

「まぁそうだな。四年前から使える鬼の力の副産物みたいなもんだ」

 

「副産物?それに四年前だと?どういう事だ?」

 

今まで口を開かなかった三葉が聞いてきた。

 

「まぁそうだな、俺には生まれつき鬼がいた。その力に気づいたのは世界が滅びてから。鬼呪装備が無いなか、俺は自分の鬼の力を使おうとした。そしたら『仮面』の力が使えるようになった。それだけだよ」

 

俺の話を聞いてみんながみんな驚いている。シノアと優が特に驚いていた。

 

「俺の事よりも二人の鬼呪ついて説明してくれ」

 

「…はい」

 

少しばかりシノアに睨まれた気がするが気のせいキノセイ。

 

「翔に出来るんなら俺達もすぐできるんじゃねーの?」

 

「いや、無理だ」

 

優が言うことに君月も同じ考えだったのか肯定していたが、それを三葉がばっさり切った。

 

「優と君月は力ばっかり強くてまるで考えなしだからそううまくいかない」

 

「あ?なんだよそれ」

 

「いえいえ、みっちゃんの言葉は褒め言葉です。そもそも力が強い凶暴なタイプの鬼はなかなか言うことを聞いてくれませんので…そのタイプは『憑依化』のタイプが多いんです。翔さんが特殊すぎるんです」

 

まぁつまり普段から武器を持ち歩いてる俺らは『憑依化』であるという事。それて何やらトゲが含む言い方のような……。

 

「まぁ、《憑依》は力が強い分不便で…武器を出したり消したりすることすら簡単に出来ませんしーー」

 

「そもそもこれ消えるもんだっけ?」

 

そう鬼呪装備を指差していう優に三葉は自分の鬼呪装備を出して言う。

 

「じゃあ、いつもあたしはこのでかいのを背負っていたか?」

 

「そう言われるとそうなんだけどさぁ」

 

「鬼の悪意が強すぎる場合凶暴すぎてなかなか消えないんです」

 

「……悪意ね。阿朱羅丸お前性格悪いのか」

 

優の言葉にフッと笑ってしまう。

 

「優と似て素直じゃ無いだけだろ」

 

「うっせぇよ」

 

「あはは〜、じゃあ次の段階いきます。優さんみっちゃんと斬り合いしてどっちが強いかやってみてくださーい」

 

その声を聞いて三葉が優と距離をとり武器を構えた。

 

「この距離を保って戦うぞ。じゃいく!出てこい『天字竜』!」

 

「まじで?!この距離で攻撃できんの?!」

 

そして三葉は斧を振り下ろす。その斧は地面に食い込むがそれ以外なにも起きず…

 

「…え?ってなんにも…」

 

刹那、優の体がゾクッと動いた。見ているこちらでも感じ取れる寒気いや殺気ーーそして地面の中から出てきたのは数体に及ぶ鬼ーーその鬼は優を囲むようにしてでてきた。

 

「おわっちょっ…!」

 

「はい、隙あり〜!」

 

動揺する優にさらにシノアの攻撃が加わる。

 

「やるぞ、阿朱羅丸ーー力を貸せ」

 

優の顔に鬼の痣が浮かび上がったと思ったら優はその一振りで三葉の鬼を一掃した。

 

「うっわ、いまの全部処理しきっちゃうんですかぁ…バケモノですね」

 

「んーでもちょっとやばかったな」

 

「鬼に特殊能力を使わせるタイプーそれがさっき見せたものです」

 

シノアの説明に納得する優。その中で君月が質問する。

 

「だがあんな力があるなら何故吸血鬼との戦いの時にださなかった?」

 

「出せなかったんじゃないのか?」

 

「えぇ、翔さんの言う通り出せないんですよ。鬼を体から出すと体内の『鬼呪』濃度が下がって宿主が弱くなってしまうから…あ〜見せます」

 

そしてシノアは鎌を俺へと向ける。

 

「では、翔さん。刀でわたしの鎌を押しててください」

 

「わかった」

 

俺はシノアに言われたとおり二人の武器が一直線になるようにあわせる。

 

「じゃ、わたしは鬼を具現化しまーす。でてきて、しーちゃん」

 

鎌から鬼が出てくる時シノアは俺の押す力により吹き飛ぶ。なるほど…自分が弱くなるということはこういうことだったのかと一人納得する。

 

「大丈夫か?シノア」

 

「翔さん、ひどーい」

 

「えっ?」

 

わざとらしく嘘泣きをするシノア。

 

「……シノアの馬鹿な芝居は置いておくとして、まぁこういうことだ」

 

「身体能力で勝る吸血鬼を相手に近接戦での弱体化は命取りーーーか。だから具現化は使いにくい?」

 

君月は三葉の言葉でそう考えをまとめた。

 

「まぁ、ケースバイケースです。超近距離を守ってくれる騎士さんがいればーー」

 

「じゃあ、俺と君月そして翔で仲間を守る。そうすりゃ俺たちは強くなれる。そういうことか?」

 

「あはは、そうでーす。三人がわたしたちのナイトになってくれれば…じゃあ、次の段階ーー今度は憑依です」

 

そう言い、立ち上がり説明を始めた。

 

「まぁ、おまえはあたしの鬼を斬った時それっぽいことしたがな」

 

「あれかぁ〜あれ憑依なの?」

 

「いえ、さらに先にいきます。さっきのもう一度やってみてください」

 

「力を貸してくれーー阿朱羅丸」

 

さっきと同じように優の顔に痣が浮かび上がる。

 

「その状態で自分の体を切って、武器に『血を吸え』って言ってみてください」

 

「吸血鬼みたいだなそれだと」

 

「まぁ鬼と吸血鬼は関係が深いですからねぇ。それは長くなるので機会があればお話します」

 

「ふぅん、じゃあ、まっ…俺の血を吸え阿朱羅丸!俺と強くなろうぜ!」

 

優の手から血が流れる。目も赤く染まり──

 

「始まった!!暴走する場合はすぐ来るぞ!!戦闘準備!」

 

三葉が叫ぶ中、優はその場に倒れた。

 

「…これ、どうなった?また暴走すんのか?」

 

「さぁ?まだわかりません。鬼と融合出来るまでまだ二十時間くらいはかかりますからねぇ」

 

「「二十時間!!?」」

 

俺と君月の声が重なり響く。その声にヨハネに気付いたかれたと不安になるが、大丈夫そうだ。

 

「…その間、仲間のあたし達がこいつを見守るんだ」

 

「だから一人じゃ出来ないのか…」

 

「そーゆうことです。ではでは、ここで夜明かしになると思うのでーー焚き火の用意とかしましょーかー」

 

 

──────────────

 

 

「…なあ、ちょっといいか?おまえらさっきから仲間仲間行ってるが…正直 俺はその言葉を信用出来てない」

 

突然に君月が切り出してきた。その声色は冷たく、その言葉に誰もが真剣な顔つきになり黙る。

 

「なんの話だ?」

 

「俺と与一は、軍の上層部ーー柊の奴らに尋問を受けた。聞かれたのは『あの戦場で何があったか』だ」

 

「で、俺は何も知らないで通した正解か?」

 

「それが正解でしょう」

 

「だが、いつまで秘密なのが正解だ?こいつは暴走したことも、シノア、おまえの事を本意じゃなくても殺そうとしたことも、翔の腕を吹き飛ばしたのも、まだ知らないだろう?」

 

「僕もそう思うよ、だって僕ら仲間だよね…?」

 

与一も君月と同意見でシノアの方を向く。

 

「ならこの訓練が終わったらみんなの話をしよう。俺もお前らに話さないといけない事があるから」

 

「…そうですね。優さんが目を覚ましたら全部話しましょう。それは優さんのことだけでなく、わたしたち仲間みんなの話をーー」

 

その言葉を聞いて俺たちは安心しーーそして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『真実を知ることとなる。歯車は再び動き出し狂った運命は更に狂い出す』




今年最後です

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