終わりのセラフ~斬月持って異世界ライフ~   作:沢田空

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お久です

次回から過去編に入ります
二話くらいを予定してます。出来れば一話で収まればそれで


27話~過去への入り口~

俺たちの訓練から数日経ったある日。突然とまでは言わないけど前に話した‴みんな事を話し合おう‴をするらしく、明日の昼頃にシノアの部屋に行くことになった。

訓練も終わり、自分の部屋へと戻り、シャワーを済ませベットに大の字で寝転ぶ。

夕飯に関してはさっきみんなで食べたからいらない。

ふと目を閉じ、深い深呼吸をする。そして起き上がり胡座をしその上に斬月を乗せ意識を集中させる。

 

あの訓練が終わってから日課になってしまった一連の動作。別に唯の瞑想とかではなくちゃんとした意味がある。俺が手に入れた力は俺の精神が直接関係してくる。安定していれば自分のコンディションも含め文字通りの全力を出せる。だけど不安定な場合は最悪鬼呪すら使えなくなってしまう。

 

だから俺はBLEACHでやっていた『対話』をしてみようと思った。それがこれを始めた理由だ。

 

「テメェもホントに飽きねぇな」

 

目を開けばそこは摩天楼の連なる精神世界。そして目の前にいるのは斬月。

そう、俺は毎日短い時間でもいいからこうして斬月の元に来ては戦ってる。

……こいつのことは許せないけど誰かを護るために力が必要で俺のことを一番知ってるのはこいつだからと割り切った。

 

「当たり前だ。俺はお前のように強くない。だからこうして特訓してんだろ」

 

「ハっ、だがまだ俺に一度も勝つどころか一撃も当てられてねぇよな?今日こそ当たるといいな」

 

「……今日こそ勝ってやるよ」

 

斬月が刀を肩に起きながら挑発してくる。それにイラッとするが心を落ち着かせ構える。

刀を真っ直ぐ相手に突きつけるようにし、左手を右肘に添え腰を落とす。

お互いが同じ姿勢を取り、同じ口上を発した。

 

「「卍、解!!」」

 

 

 

──────

 

「くっそ…今日も勝てなかった」

 

あの後、何度殺そされたのか分からない。剣の実力云々よりも戦闘技術があいつは多すぎる。使えるものは使う、例えば剣を投げてそれを囮に体術に持ち込む。…最後はこれにやられた。

どうすれば勝てんだよって考えながらシノアの部屋へと向かう。

 

その途中で優、君月、与一に会った。優以外は今日の目的を知っているから優が無邪気にも何をするかを聞いた時は場の雰囲気が固まった。君月は顔を逸らし、与一は別の話題を出し俺はスルーした。

優は自分が暴走したことを知らない。それを伝えるのも目的の一つだがそれよりも────

 

やけに焦げ臭い。そして煙も出ている。まさか……

 

「「きゃあああああ!!」」

 

その悲鳴を聞いて部屋に入った俺たちは焦ったのをかなり後悔した。何故なら──

 

「ちょちょちょみっちゃん!!なんでなんで!?どういう理屈でオムレツが燃えるんですか!?」

 

「ち、違うだ!図書館でお酒かけたら美味しいって見て!!」

 

「焦げてますよ!!真っ黒に焦げて……」

 

「「あ…」」

 

慌てている二人が間抜けな声を出して目が合ってしまった。

 

 

──────

 

あの後二人を見かねて君月が料理をすると言い出し六人分のオムレツを作っている。

それを見た優は素直に褒めた。

 

「すげぇな君月。お前なんでもできんのな」

 

「お前らができなさすぎるんだ」

 

あ、今の君月の悪意しかない言葉で二人撃沈した。

そこで優が思い出したかのように俺を見て言った。

 

「そういや翔も料理出来たよな。昔食ったハンバーグめちゃくちゃ美味かったし」

 

「まぁ人並みにはな。懐かしいな〜優が孤児院来たばっかの時に作ったあれな」

 

二人で昔話に花を咲かせていると君月と与一が料理を運んできた。

 

「悪いな、手伝えばよかったな」

 

「いや手間のかかる事じゃねーから大丈夫だ。それよりも今度なんか作ってくれ」

 

「おう、いいぞ」

 

「……何で男の子なのに料理が出来るんですか」

 

「……何か思い出すだけでも恥ずかしい」

 

二人がボソボソっと何か言っていたが聞こえないキコエナーイ。

 

「それよりも何話すんだ?俺だけ知らなくて仲間外れなの嫌なんだけど」

 

「そうですね。だからこの会を開きました。ちょっと驚くような話をするので、気をしっかり持って聞いてくださいね」

 

「…な、なんだよ改まって…」

 

「炊事 洗濯 掃除 得意 いつも身だしなみもきっちりしている完璧くん、君月士方さんの話なんですが…」

 

思っていた話と違ったのか君月は自分の話をされて驚いている。そして、シノアの次の言葉を待っている。

 

「実は君月さんコッチ系なんです。」

 

「「「「え‼︎?」」」」

 

「いきなり嘘つくんじゃねぇよ!‼︎」

 

シノアは右手の甲を頬につける。それはつまり…オネェと言う意味のジェスチャーだ。

 

「ま…ほんとに深刻な話をするのでそんな冗談を交えつつご飯を食べながらでも話しましょう」

 

 

────

 

「それでは始めましょうか…議題は三つ。一、優さんが何かの実験体であの戦場で暴走して私を殺しかけた話。二、翔さんについての話。三、グレン中佐は本当に仲間なのか?」

 

みんながそれぞれ席についてから話は始まっていった。

 

俺が…シノアを殺そうとした?それに…翔についてって?グレンの事も…」

 

「落ちけって優。今から説明するんだからさ」

 

「ああ、ごめん翔」

 

シノアの議題を聞いて思った通り優は驚いていた。そして優以外のみんなも顔を暗くしている。

 

「優さんは人体実験をされていました。その力が暴走したのでしょう。理性はすでにありませんでしたし…」

 

「実験の内容は分からないけど俺と優の中には『天使』がいてそれが体を乗っ取ろうとしてる」

 

「俺…あの時…天使の姿見たかもしれない。ラッパを持ってた。阿朱羅丸もそれに嫌な顔をしてた…」

 

「でもそれって止める方法ないんじゃ……」

 

「じゃあ、止める方法がないならどうすればいい!」

 

「落ち着け、君月」

 

君月が怒りを出している中、三宮が落ち着くように言う。そんな重たい空気の中部屋にある声が響いた。

 

「それなら翔が止めたでしょー」

 

その声にみんなが驚く。何故ならあの時俺の前から消えたはずの葉月がいるからだ。

 

「な、何でお前がいんだよ?!」

 

「うーん?まぁあの時消えたのはそういう演出だよ。ホントは生まれた時からずっーと一緒にいたんだよ」

 

「お…おまえ誰なんだ!」

 

「私は葉月。…そうだな、鬼じゃないけど翔の中の天使を抑えてる存在。抑止力みたいな感じかな?あなたが百夜優一郎君かー」

 

「そんなことはいい、じゃあ優が毎回暴走したら翔が止めなくちゃいけないのか!?」

 

君月が葉月に向かって叫ぶ。それを葉月は困った様に見ながらも答える。

 

「今から教えてるよ…でもその前にあなた達はこの話を信じる事が出来る?」

 

「あの…葉月さん?僕はなにがあっても信じます。それが、家族っていうものですよね?」

 

「よく言った与一!俺もよくわからないけど信じる!」

 

「やっぱり、馬鹿だな優」

 

さっきまでの重たい空気が嘘のように明るい空気に変わる。

 

「それなら大丈夫ね。いきなりだけど…「そこからは俺が話すよ」

 

「わかったよ」

 

「お前らは輪廻転生って信じるか?」

 

「輪廻転生ですか?」

 

「確か死んだ人間は生まれ変わって他の世界に生まれるって意味だよね?」

 

「ああ、俺は一度死んで前世の記憶を持ってこの世界に生まれた。葉月はその時一緒にいた幼馴染なんだ」

 

「幼馴染兼彼女みたいなもんだったけどね〜」

 

「「「「彼女!?」」」」

 

「(彼女ですか…)」

 

その一言に四人が驚き声をあげる。

てか待て、幼馴染は認めるが付き合った覚えは全くない。

 

「話を折るなよ…。まぁここからは長くなるから気長に聞いてくれ」

 

「これは俺が高校に通ってた頃の話だ──」

 

みんなが神妙な面持ちになり、俺は過去での過ちを話し始めた。

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