ではごゆるりと
「月牙天衝!!」
俺を喰い殺すように青白い光が俺を襲った
「今のをよく躱したな翔」
「はぁはぁ…」
膝をつき肩で息をしながら、自分の左腕を見る。そこには肘から下がなく、血がダラダラと出ている状態の腕があった
さっきの月牙天衝を咄嗟に右に飛び避けることで致命傷は避けたが、左腕を持っていかれたのだ
「解せねぇってツラしてやがんな。何でオレが月牙天衝を使えるのかってな。それはオレが斬月だからだよ!お前はオレのことを鬼として見てるのか斬魄刀として見てるのかは手に取るように分かる!オレは鬼であると同時に斬魄刀なんだよ!」
そう言ったオレは瞬歩で俺の背後に移動し、俺の背中を斜めに斬りつけた
「がっ!」
斬られた衝撃で地面に倒れる。今の俺は死に体だ
そして、勝てない、その考えだけが頭を過ぎった
「もう諦めろ翔。てめぇは前世から何も変わっちゃいねぇ。お前があの女を殺した時からな」
「……」
そんなことはないって言いたかった
だけどあいつ言うことは事実だ。何の嘘偽りない事実
俺はなんも変わってなんかない。変われていなかったんだ
俺が力を望んだのは好きだったって理由以外にもあった。それはもうこんな思いを他人にして欲しくないって、そんな人達を助けたいって思ったからだ
偽善者、何て言われるかもしれない。だけどこの想いは俺の、心の底からあるものだと思いたかった
「ワリィがお前のそれはニセもんだ」
「!」
その言葉に驚愕する
「…俺の…想いがニセ…もん…だと…」
「ああ!そうだ!それはテメェが自分の罪から逃げるために思い込んでるだけなんだよ!自分が良ければいい!自分が気持ちの良いようにしたい!たったそれだけだ!!テメェの根本は元から腐ってやがんだよ!」
「そ…んな…」
どんどん視界がぼやけていく。俺の想いがニセモノ…
なら俺は何で生きてる…そんなんなら…
生きてる意味なんてないじゃないか…
「ああそうだ!テメェは生きる価値もねぇ!だから肉体をオレに明け渡せ!テメェに出来ないもんをやってやる」
その言葉を最後に俺の意識は深い深い闇へと落ちていった
斬月side
情ねぇ奴だった。自分の過去とも向き合えねぇ奴が威勢だけ張りやがって
だがそれももう終わりだ。あいつは完璧に落ちた
ならこの体の主導権はオレのもんだ
「これでオレが王だ!ふははははははははは!」
そしてオレのやることは一つだ
「現世に戻って殺戮だ」
そうニヤッと笑い呟いていた
時は少し遡り現世
グレンside
「シノア。どれ位成功すると思う?」
優たちが契約を始めてから数分が経ち、そんな問をシノアに投げた
その問にシノアは頬に指を当てながら答えた
「私的には四分の三位かと」
「ちなみにその1人は誰だ?」
「大佐こそ分かってるのに何でそんなこと聞くんですか?」
首を傾げ聞いてくる
「いや、何か嫌な予感がするだけだ」
「えぇー。大佐の感って結構当たるじゃないですか〜」
ゲッて顔をしてるシノアを無視して優たちの方に目を向けた
ちょうどその時、君月は目が覚めたみたいだ。その手には二つの剣があった
しばらくして優も目が覚める。その隣には一本の刀がある
「ッチ、お前も成功したのかよ」
優は君月君に向けていつもと同じように悪態をつく
「当然だ」
「で翔と与一は?」
その優の言葉がして約1秒ドンッと与一が挑戦していた所の鬼の像が爆発する
その様子をみてやっぱりかと思いながら言う
「あーあ、まじぃな。与一はやっぱちょい力が足りなかったか。でもま、《黒鬼》に挑戦して四分の二が成功は上々だろう」
「いったいどういうことだよ!!」
優が叫ぶ
「よし鬼呪装備も手に入れたことだし吸血鬼殲滅部隊月鬼ノ組での初任務をおまえらにやろう。優、君月。天井を見ろ人喰いの鬼が出たおまえら二人で始末しろ」
俺の指の方向をに言われるまま見る。そこには与一を乗っ取った鬼が弓を持って座っていた
その瞬間鬼が弓を引く
一気に四発此方に向かって打ってくる。そのうちの一発がこっちに来たのでその矢を刀で打ち落とす
「あーお前ら、追加の命令だ。おまえら鬼呪装備は手に入れたが契約したてじゃ使いこなせないだろ。だから鬼は呼びだすな鬼呪装備の基礎能力だけであの鬼を始末して見せろ」
「ってか殺せってどういうことだよグレン‼︎与一は仲間だぞ‼︎」
優は今回の事に納得していないようだ
「はぁ〜?仲間?ありゃどう見ても鬼だろうが早く殺して楽にしてやれ」
「ざっけんな!!仲間殺せるわきゃねぇだろうが!!」
「生言ってんじゃねえ!!ここを何処だと思ってる?月鬼ノ組だぞ。あるのは修羅の道だけだ。それともてめぇは復讐ごっこでもしに来たのか!!」
「……ぐ」
「殺されたきゃ好きにしろ止めねぇよ。だが与一はもう戻らない。てめぇが軍人だって胸張ってんならやるべきことをさっさとやれ」
俺は鬼のような顔で優に怒りをぶつける。優はくそがぁと叫ぶと鬼呪装備を手に取る。そして優たち二人は鬼に向かって攻撃を仕掛けた
「おいシノア翔の事守っとけよ」
「分かってます!」
鬼呪装備を使っている二人は身体能力が上がり動きがいつもと違って速い
優と君月は鬼を相手に押していた。が…二人は与一を殺す事が出来ない
「与一正気になれ!鬼になんか負けてんじゃねーよ!」
優は必死に鬼の中にいる与一に向かって叫ぶ
だが鬼は矢を約10本以上同時に放ってくる
優たちはそれを何とか躱しながらにいた
「俺はもう二度と仲間は見捨てねぇって決めたんだ!だから与一正気に戻れーーー!」
それは優の心の叫びだった
心に届かなくても優はずっと叫び続ける。与一が帰ってくることを祈って、それでもその願いは届かない
「うるさい、死ね」
その言葉とともに鬼は弓を構える
優は何か決意した顔で剣を捨てた
「やれよ。俺は仲間は殺せない。そして与一も・・・おまえも俺を殺せない!おまえが俺と一緒なら目の前で家族を喪ったんなら仲間を殺せるわけないんだ‼︎だから早く目を覚ませよ!!馬鹿与一っ!!」
与一が弓をギリギリまで引く
矢を放つその瞬間俺は叫んでいた
「おい!与一!!てめぇはまたベッドの下で家族が死ぬのを見てるつもりか‼︎いいからさっさと出てきて仲間を守れ!!」
鬼が、いや与一が弓を引き矢を放つがそれは優の顔の横を通り過ぎる。そして与一は泣きながら優に抱きついた
周りからは驚愕の声が聞こえる
翔に付かせていた筈のシノア隣から何か言ってきていたが無視して与一に近づき…
「戻んのが遅ぇぇ!」
優の頭を蹴った
「何で…俺ばっかり…」
そう言って優は倒れた
そんな優には構わず与一に言う
「お前には才能がある。なのに姉貴を助けられなかったことに負い目を感じて生きる欲望が足りてない。だが今日それを見つけられたろ?おまえが生きる理由は今日おまえを助けてくれた仲間を守ることだ。復讐?んな小さいもんにとらわれんな」
寝ている優を軽く蹴り優に・・・この場にいるみんなに向かって言う
「昔の家族はもう忘れろ。ここにいるのが新しい家族だ。おまえは今いる家族に命を掛けろ馬鹿が。過去には何もないあるのは未来だけだ。それにまだ一人で帰ってきてねぇーしな」
翔の方を見て言うと翔がユラユラっと立ち上がった
「翔戻ったのか!」
優が喜びの声を上げるが何も反応を示さない翔
「(何か様子がおかしい)」
「翔さん!無事ですか?!」
シノアが近づくと翔はニヤリと笑った
「! そいつに近づくなシノア!」
俺が叫ぶとシノアがへ?って顔をした先にいたのは…
「じゃあなガキ」
刀を振り上げ今にもシノアを殺そうとしていた翔だった
グレンsideout
「チッ!」
翔いや鬼はシノアに向かって刀を振り下ろす。それをグレンが間一髪の所で受け止めた
「テメェ鬼だなおい」
「だとしたら何だ?グ〜レ〜ン〜」
更に刀に力を入れて押し込んでくる
鬼はニヤニヤとしながらこちらを見た
「ぐッ!」
「おいおいこんなもんかよ。だとしたら拍子抜けだなぁおい!」
「黙れよ鬼が…!」
グレンは鬼の刀を自身の刀で力づくで押し返し、距離を開けた
そんな翔を見て優は有り得ないって顔で言った
「な…んで…翔はどうした…!」
優の問に鬼はうーん?と刀を方に担ぎ嫌な笑みを浮かべて言った
「ああ、あいつなら俺に負けたよ」
「え…?」
「「な!?」」
「そ、そんな…」
「やっぱりか」
上からシノア、優、君月、与一、グレンの反応だかグレンだけはあんまり驚いていなかった
「そうだ!あいつはオレを屈服させることが出来なかった!」
「ウソです!」
シノアが大声をあげて反論の声を上げた
「翔さんが負けるわけありません!」
「ならなーんーでオレがここにいる?要はそーゆうこった。あいつはな過去にも向き合えねぇ弱虫何だよ!ふはははははははは!!」
鬼は刀を肩から下ろし地面に刺した
「オレはこいつの一番望まねぇものを事をする。こいつは気に食わねぇからな。絶望を味あわせてやる。だからテメェら俺に殺されろ」
「「「「!!」」」」
四人が感じたのはとてつもない殺気。常人なら気絶してしまうレベルのものだった。与一は辛うじて立っているがそれも辛そうであった。あのグレンでさても冷や汗を流すレベルのもの。その位の殺気を鬼は俺たちに飛ばしてきた
でもだからって負けるわけにはいかなかった
「帰ってこい!翔!鬼になんて負けてんじゃねぇ!」
「そうだ!翔!戻ってこい!」
「翔君!戻ってきて!」
いい加減にしろ!翔!とっとと戻ってこい!」
「翔さん!戻ってくるって約束したじゃないですか!だから早く戻ってきてください!翔さん!」
全員が翔に呼びかけるように言うが反応したのは鬼だった
「うるせえんだよ!ガキどもが!そんなに死にてぇなら殺してやるよ!」
そう言って鬼は目の前から消えた…と思ったらシノアの前に急に現れ刀を振り上げた
「まずはテメェからだ女」
「!(不味い!間に合わねぇ!)」
「シノアァァ!!」
他の人からでは刀が振り下ろされるのは止められなかった。そして刀はシノアに向かって振り下ろされた…かのように見えた
「…え?」
刀はシノアに当たる数センチ前で止まっていた。それは何故か。それは…
「悪かったなシノア…!」
翔が元に戻った証拠であった。そして翔はシノアに靠れるように倒れていった
~翔の心象セカイ~
あぁ俺は何で生きてきたんだ…俺にはもう何も無いのに…
なのに何でこんなにも声が聞こえるんだ…
その声はとても強くてストレートに心に響く声。そして悲しみを一番に知っている人の声
その声は自分の為じゃなくて妹の為に頑張る兄の、負けず嫌いで頼りになる人の声
その声はとても落ち着いていてみんなに安らぎを与えるかのように優しい人の声
その声は一番頼りになっていつも俺たちを引っ張ってくれる親代わりの人の声
そして最後の声は…
俺の事を一番に考えてくれて心配してくれて守りたいって思う人の声
そんな声が乾いた俺の心に染み込んでいく
心を満たしていく
あぁこれが仲間なんだな…って思う
俺には今まで無かったもの
信用はしていた。だけどどこかで信頼はしていなかった
また俺のせいで誰かが悲しむ。それを見たくなかった
これが仮初の気持ちだとしてもいい
俺が犯した罪は変えられない
ならそれを償うために俺は生きていく
例え偽善何て言われようとも俺は屈しない
でも…もしダメになったらどうしようか…
そうだ…彼らにならいいだろうか
少しでも頼っていいのだろうか
そんなもの端から決まってる
「あぁ俺にはこんなにも信頼できる人達がいたんだな」
そう言って俺はオレから主導権を奪うために戦いに戻った
俺が目を覚ますとそこはさっきまでと同じ場所だった
高層のビルが立ち並ぶ街。ここは俺の心象セカイだって理解した
そして目の前には肩に斬月を担いだオレがいた
「よぉ。悪いが俺の勝ちだ」
そう言って俺はオレのことを斬月で斬った
「ッチ…まぁいい。だがな!よく覚えとけ!オレはいつかお前を殺して王になってやる!覚えとけよ翔!」
「ああ、分かってるよ斬月」
そう言って俺の視界を光が包んでいった
俺が目を覚まし、上半身だけ起こし辺りを見渡すとみんながいた
「ここは…」
「翔さん!」
そんな俺を見てシノアが抱きついてきて俺の胸に顔を踞てきた
「お、おい!?」
「し、心配したんですから…」
「…ああ。心配かけて悪かったシノア」
そんなシノアの頭を俺は撫でやった
俺達がピンク色の雰囲気を醸し出しているとゴホンと咳払いをする音がしたからそっちを見てみるとグレンがいた
「やっと戻ってきたな翔。にしても…迷惑かけすぎだボケェ!」
と俺の頭にグレンの踵落としが綺麗に決まった
それを見ていた奴らはまぁ自業自得だなって顔をしていた気がした
その後鬼が起こした一連の事を聞いた俺は本当に頭が上がらなかった
「まぁとりあえずこれでやっと全員無事に帰ってきたな」
俺の方をチラッと見るのやめてくれないかな優…結構精神的にくる…
「そうだな。一人はかなり時間かかったが」
グサッ!
「僕なんて本当に死ぬかもしれなかったし」
グサッ!グサッ!
「いやいや〜与一さん。私なんて二回も刀が振り下ろされたんですよ?」
グサッ!グサッ!グサッ!
「まぁとりあえず翔のせいで迷惑を被った訳だ」
グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!
なんだろみんなの一言一言が俺の心に突き刺さるのだが…
もう俺のHPゼロだからもうやめて…
「まぁいい。んじゃ鬼呪装備ま手に入れ、少しは翔がいない内にチームワークっぽいこともできたからそろそろ前線出てみっか〜」
「前線!?」
「ああ」
「えええ…い…いきなり実戦なの?」
「ちょっと休みとかないのかよ?」
「…あはは」
「こいつこそホンモノの鬼や…」
こうして、長い長い本当に長かった一日が終わり新しい一日《戦い》が始まろうとしていた
次回はちゃんと最新話書くから…許してちょ(≧∇≦)