ホットスパーズ ~命知らずの騎士と二人の女神~ 作:公私混同侍
ルナ「ゲルマ、おかえり」
ゲルマ「それはこっちのセリフだ」
恭夜「何でお前がここにいるんだよ!」
隆太「――あっ!そうです!思い出しました!この人、
あかり「何度も言ってるじゃん!この人、ドイツ人なんだって!」
ルナ「ドイツ人?」
恭夜「ゲルマンは確かにドイツ人かもしれないけどコイツの名前はゲルマだぞ。ゲ・ル・マ!」
隆太「だ、だぁから言ったじゃないかぁ!聞き間違いじゃないのって!」
あかり「え?ゲルマンじゃないの?」
ゲルマ「ったく、ドイツもコイツも人騒がせな連中だぜ」
恭夜「てめぇが人を騒がせてる元凶だろーが!」
ルナ「ふふふ、面白い」
その夜、テーブルに隆太以外の四人が座っている。隆太はカレーを作っていた。ゲルマは頭をコマのようにぐるぐる回転させルナの笑いを誘っているようだが、人間ではないことを知らないあかりは目を見開いたまま固まってしまった。
恭夜「お、おい!あかりと隆太の前で頭を回すな!」
ゲルマ「ルナはすぐ慣れたんだ。問題ない」
ルナ「うん」
あかり「ゲルマお兄ちゃんって人間じゃないの?」
恭夜「コイツはアンドロイドで自分の意思を持ってるんだよ」
隆太がカレーを持ってきた。話を聞いていたらしく興味津々のようだ。恭夜はゲルマを睨みつけながらカレーを頬張り始める。
隆太「アンドロイドというのはロボットと同じようなものでしょうか?」
ゲルマ「うむ!」
あかり「それじゃあカレーは食べれないの?」
ルナ「食べれるよ」
恭夜「無理に決まってるだろ!」
ゲルマ「飲まず食わずとも動き続けることは不可能ではないが……」
隆太「必要なものがあれば遠慮なく言って下さい」
ゲルマ「一つ甘えさせて頂くとすれば……ガソリン」
恭夜「ぶっ!――ゲホッ!ゲホッ!」
ルナ「ガソリン?」
あかり「ガソリンがあればいいの?」
隆太「なんだか車みたいですね」
ゲルマ「ガソリンがあれば弾丸ようなパンチや目からレーザーを出せるからな」
恭夜「ふ、ふざけんな!そんな物騒な理由のためにガソリンなんて買えるか!」
ゲルマ「しょんぼり……」
ルナ「恭夜、お願い」
あかり「あたしからもお願い!」
隆太「僕からもお願いします!」
恭夜「一体いくらかかるんだよ……」
恭夜にとってはゲルマの危険性よりも懐事情の方が死活問題らしい。
何気なく携帯電話を見ると誠から着信が入っていた。かけ直すとゲルマが工場から抜け出していたことが分かった。恭夜はつき出すつもりでいたのだが、誠がゲルマの暴走を警戒したため恭夜の預かりとなった。
恭夜は悪夢のような生活が始めるのではないかと神経を尖らせていた。しかし、ゲルマが目覚めた当初の振る舞いは微塵も感じさせない。それどころか隆太の家事を率先して手伝うようになり、全幅の信頼を寄せられるまでに至る。無論、皿洗いや風呂掃除がご法度であることは言うまでもない。