鉄の艦娘達   作:かじもこ

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我々の記憶に残るのは、規則を守った者では無く、破ったものである。

マッカーサー


2話 カレーは駆逐艦盛りで

 深雪に引っ張られて、気がついたら外に出てしまっていた。深雪のあまりの元気さに三日月は付いて行けずにいた。

 

「よっし!それじゃあ案内するぜ!付いてきな!」

 

 そう言って深雪は案内を始めた。三日月は置いてかれそうになるも、必死について行った。

 

 まず、始めに案内されたのは木造2階建の医療病棟であった。深雪は行動はとても突っ切ってる感じだが、説明となるととても丁寧だった。

 

 この医療病棟は艦娘や兵士の治療をする所であり、戦闘での怪我だけでなく、風邪の時なども面倒を見てくれるらしい。と、言っても怪我の治し方は治療用の培養液に入るだけではあるが。

 

 しかし、培養液に入るだけとはいえ、脳の損傷以外だったら治療が可能である。たとえ腕を失ったとしても元に戻すことができる。これは艦娘に関わらず普通の人間も可能である。

 

 やがて三日月は医療病棟の中に入り、長い廊下を歩き診察室に案内された。診察室の中には緑の髪をして白衣を着ている艦娘、軽巡洋艦夕張がいた。

 

 ここでも、深雪は執務室に入って着たテンションで診察室へと入った。

 

「おっ邪魔しまーす!夕張さーん、新しい艦娘連れて着たよー!」

 

 すると、深雪の様子を見た夕張が椅子から立ち上がった。

 

「深雪!ここは病棟なんだから静かにしないとダメって言ってるでしょ!」

 

 夕張が深雪を叱っていた。しかし、その様子は子供を叱るお母さんのような様子であった。

 

 しばらくして深雪への説教が終わり、三日月に気がついた夕張は声をかけてきた。

 

「挨拶が遅れてごめんね!私は夕張、主に負傷者の治療を担当しているわ」

 

「三日月です。よろしくお願いします!」

 

 さっきまでの深雪を怒っていた時とは違い、穏やかに満面の笑みを浮かべていた。そしてその隣には怒られたにも関わらずケタケタしている深雪の姿があった。

 

「よし!夕張さんへの挨拶も済んだことだから次へ行くか!」

 

「はっ、はい!」

 

 そう言ってまた深雪に引っ張られ、医療病棟を後にした。

 

 深雪に連れられ次に着いた場所は間宮食堂である。間宮食堂はその名の通り食堂であるが、間宮1人で切り盛りしているわけではなく、間宮料理長中心に兵士の中から腕を見込まれて採用された10人で切り盛りしている。

 

 すっかり忙しくて忘れていたがもう昼時である。お昼の食堂という事でたくさんの人が居たが、警備班のと、整備班の人達だけで艦娘の姿はなかった。

 

 ほんとはこの鎮守府の艦娘は自分と深雪とあの秘書艦しかいないのではないかと不安になりながらも深雪と食堂へ入った。食堂はかなり混雑していたが、間宮食堂では艦娘が最優先されるためすぐに座ることができた。

 

 三日月は深雪と2人掛けの椅子に座りメニューを眺めた。お金を持っていないので大丈夫かと思ったが、食費は全てこの鎮守府で負担してくれるらしい。

 

 メニューには和・洋・中の様々な料理が並んでいた。悩みに悩み、三日月と深雪はカレー駆逐艦盛りにした。ついでに盛り方は人間の感覚的には駆逐艦・軽空母盛りは普通、軽巡盛りが大盛り、重巡盛りが特盛り、正規空母盛りが特盛の4倍、戦艦盛りが正規空母盛りの2倍、特別大和盛りは正規空母盛りの3倍、つまり、重巡盛りの12倍である。

 

 数分後、とても美味しそうなカレーが出てきた。早速食べてみると、量的にも丁度良く、味もスパイスが丁度良く効いており、とても美味しかった。

 

 お腹も膨れ、次に深雪と三日月は港に停泊しているイージス艦に立ち寄った。

 

 すると鎮守府に着いた頃は1隻しかなかったイージス艦が2隻になっていた。

 

 深雪曰く、第2艦隊のさっきまで行ってたタンカー護衛作戦に参加していたらしい。

 

 この鎮守府にあるイージス艦は40年前に艦娘の本部とアメリカ、ロシア、中国、日本、ヨーロッパが共同で開発した対深海棲艦用の船である。対深海棲艦用と言っても深海棲艦に勝てるわけではなく、あくまで艦娘の最前線への輸送、および援護が主な任務である。

 

 この船は艦娘がいる各鎮守府や国連加盟各国の軍に配備されており、今でも最前線で現役稼働している。

 

 次に2人は工廠へと向かった。工廠にはイージス艦1隻が入渠するスペースと隣に大きなレンガのドーム状の建物があった。工廠では艦娘の艤装やイージス艦の整備や改修や、独自装備の開発、研究を行っている。

 

 2人はその工廠のドーム状の建物へと入った。中には30人ぐらいの人が作業をしており、その中に明らかに艦娘らしき人物が居た。

 

 その人物を見かけた深雪が声をかけた。

 

「おーい!明石さーん。新人連れてきたよー!」

 

「今行くからちょっと待っててー」

 

 しかし、彼女が金属加工用の防護マスクを着けながら喋ったため、三日月はどこぞの暗黒面のベ○ダー卿に見えてしまった。

 

 そして約5分間、防護マスクを外してこちらに彼女がやって来た。髪はピンク色でハチマキを巻いており、身長も結構高い。

 

「いやー、待たせてごめんね〜」

 

「んもー、遅いよ明石さん!」

 

「ごめんごめん。それより、この子が新人さん?」

 

 そう言って明石がこちらを向いた。

 

「駆逐艦三日月です。よろしくお願いします!」

 

「三日月?」

 

「はい」

 

 明石はなぜが、三日月の名を聞いて何か意味深な様子だった。

 

 何があったのか深雪に聞こうとした瞬間、グッと左手を掴まれて次の場所へ向かい始めた。しかし、その様子はさっきまでとは違く、どこか真面目な様子だった。

 

 三日月は深雪に連れられ工廠を後にした。中から明石が手を振っていた。

 

 三日月はさっきからの深雪の様子に戸惑っていたが、聞いてみても、そのうち分かる。としか教えてもらえなかった。

 

 そして、2人は鎮守府にある倉庫らしき建物がある所へやって来た。

 

 ここは見た目通り倉庫ではあるが、東京ドーム1個分の大きさである。この倉庫は鎮守府の武器、弾薬、予備のパーツだけでなく、艦娘の艤装、沿岸護衛用の戦車、食料などをまとめて管理している。

 

 このことを説明すると深雪は三日月に少し待つように伝え、携帯電話を取り、誰かに連絡をし始めた。

 

 そしてしばらくすると、鍵を持った兵士が現れた。

 

 鍵を受け取った深雪は三日月を連れて、地下3階へと向かった。

 

 地下3階に降りると、そこにはズラリと艦娘の艤装が並んでいた。そして2人はさらに奥に進むと、ちょっとやそっとどころか爆破しても壊れなさそうな頑丈な扉が姿を現した。

 

 そして、深雪は無言で扉を開けた。

 

 すると、そこには三日月と全く同じ艤装があった。

 

 三日月が驚いた様子で居ると、深雪が口を開いた。

 

「三日月、これは誰の艤装かわかるか?」

 

「え?・・・。私の・・・だと思います」

 

 見た目も形も三日月の艤装と完全に一致していたが、何がとは具体的に説明することはできないが、三日月はこの艤装に対して違和感があった。

 

「半分正解だね。これは三日月の艤装だけど、三日月の艤装じゃないよ」

 

「もしかして、これは⁉︎」

 

「そう、三日月が予想した通り、この艤装は初代の三日月の艤装だ。だけど、これには一つ問題があるんだ」

 

「問題ですか?」

 

 深雪が口を開く。それを聞いた三日月は驚愕した。

 

 

 

 

 次回へ続く

 

 




第3鎮守府紹介その2

第3艦隊 第1艦隊の補欠、鎮守府の防衛など

旗艦 榛名
飛龍
陽炎
羽黒
扶桑
照月


補足説明 艦娘の本部は日本の東京にあり、各国に支部がある。数としては各国に30〜60の鎮守府がある。
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