ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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今回従者の出番少なめです その代わり、不幸ナンバーワンの彼が出ます


友人のノリについて行けません

上級悪魔ライザー・フェニックス。名門の中でも天才と呼ばれ、それでかつては奢り高ぶっていたが、ある事が切っ掛けで彼は変わった

 

しかし、御家の名誉に関わる事だった為に彼に起きた事は秘匿され、彼が変わった事に気づく者は少なかった

 

そんな彼だが、今、友人の家でこき使われている……

 

「ほれ、コップが空になっておるぞ」

 

「は、はい、今すぐに!」

 

「ライザーさ~ん。このお皿運んでください」

 

「りょ、了解しました!」

 

羽衣に酌をさせられ、ミラからは料理を運ばされる。しばらく働き、漸く一息ついた所で、彼女らの主が飲み物を持って彼の隣に座った

 

「すみません、ライザー。客人に働いていただいて」

 

「気にするな。お前も彼女らには文句が言えないだろ? それに、俺が変われたのはお前らのお陰だからな」

 

柳から受け取ったビールを口にしつつ、彼が思い出すのはかっての自分。女にダラシがなく、驕っていた彼の高い鼻っ柱は簡単にへし折られた。直後はショックから引きこもったが、この友人に出会って良かったと思っている

 

「そういえば、聞きましたよ。ご結婚が早まったそうで。私は式には招待されないでしょうから、ここでお祝い申し上げます。……あれ?どうかしましたか?」

 

柳は結婚の話になった途端、項垂れてるライザーを心配し、なんとか話を引き出した

 

「結婚……拒否されたんだ……。今度ゲームでどうするか決めるんだが……」

 

ライザーはそう言うと盛大に溜め息をついた。先ほどリアス達と居た時には気にした様子は見せなかったが、本心では落ち込んでいるようだ。ライザーはコップに注がれた酒を一気に飲み干すと愚痴を零しだす

 

「俺はな、本当にリアスに惚れているんだ。でも、恥ずかしくってそんな事言えないし、仕方ないから遠まわしにグレモリー家のリアスを愛していると伝えたり、眷属とイチャついて嫉妬させようとしたんだが……」

 

「……作戦大失敗だったと。そりゃ失敗しますよ。眷属とイチャついていたら昔の様に女性にだらし無いままだと思われますし。あの人って自分自身を見て欲しいってタイプでしょう?」

 

「ああ、そうだ。昔の俺はリアスと結婚して公爵家との繋がりと、新しいハーレムメンバーをゲットだ、位にしか考えていなかった。だが、お前と友人になってからリアスの本当の魅力に気づいたんだ。彼女は何時も自分に正直で一直線で自分の道を行く……。俺はそんなリアスに惹かれていた……」

 

ライザーはコップをテーブルに置くと、真剣な眼差しで言った

 

「だから今度のゲームは必ず勝ってみせる。そして、俺は必ずリアスを幸せにしてみせるぞ。……それにしてもリアスは良い眷属を持ったな。雷の巫女にサーゼクス様の『騎士』の弟子。猫又の娘に、今は封印されてはいるが吸血鬼の名門の出。そして、あの小僧だ」

 

「小僧?ああ、イッセーですか。私の一般人の時の友人ですが、彼がどうかしましたか?」

 

柳の言葉にライザーは苦笑しながら答える。その表情は一誠と対峙していた時と違い、どこか嬉しそうだった

 

「いやな、俺が眷属の額にキスしていたら怒ったんだよ。結婚してもそうするつもりだろうって。まぁ、彼奴も昔の俺と同じでハーレム願望の持ち主みたいだから嫉妬もあったんだろうけど、それでも上級悪魔相手に啖呵が切れる度胸は大したもんだ。アイツは強くなるぞ」

 

「まぁ、彼の感情で暴走する癖は、なんとかすべきだと思いますけど。ああ、そうだ。彼の神器ですが……」

 

一誠の神器について語ろうとした柳だったが、ライザーによって制止された

 

「リアス達の情報だったら言わなくて良い。俺はハンデとして10日間の猶予をやったんだ。その間に情報収集する訳にはいかないだろ?」

 

「貴方も不器用ですね。それでやられちゃったら、どうするんですか?」

 

「もしそうなったら、俺がそれまでの男だったというだけだ。それに、惚れた女が幸せになれるのなら、その隣に居るのが俺である必要はない」

 

ハッキリとそう言い切る友人に対し、柳は肩をすくめた。その時、隣の部屋から急に音が鳴りだす

 

「どうやら仕事の依頼の様です。しかも、連絡用魔方陣はお得意様位しか使用できませんし、無視するわけにも行かないですね。すみません、ちょっと席を外します」

 

「ああ、交渉頑張れよ」

 

ライザーが一人で飲む中、柳は指揮者(コンダクター)の姿に着替え、依頼主と交渉していたが、突如慌てて部屋から飛び出してきた

 

「ラ、ライザー! ゲームに助っ人の参加を認めったって本当ですか!?」

 

「あ、ああ、そうだが。……まさか!」

 

「……リアス・グレモリーからのご依頼で、今度のゲームに出て欲しいらしいです。この前、領地で好き勝手した詫びに渡した魔方陣を使っての依頼でしたから、断れませんし」

 

「ちょ、ちょっと待て! じゃあ、羽衣様や、ゼノン様、そして、ミラ様の悪夢が……あばばばばばばばばばばば!」

 

「ラ、ライザー!ゼノンさん!ゼノンさんは何処ですか!?」

 

悪夢が蘇った事に寄り泡を吹いて倒れたライザーを抱え、ゼノンの名を呼ぶ柳だったが

 

「ゼノンなら、征服した世界にある温泉に行くと言っておったぞ。三日は帰らんじゃろ」

 

「あっ!ずるいですね。私も行きたかったです」

 

「ふむ、今度一緒に連れて行ってもらうか? 我ら三人で柳の全身を隈無く洗ってやろうぞ」

 

「あっ!良いですね、それ」

 

「あ、あの~、ライザーはどうすれば?」

 

結局、ライザーが起きたのは二時間後だった。またパニックを起こしかけた彼だったが

 

「助っ人は一名だから私が出ますよ」

 

と柳が告げた所、急に元気になり、喜んで帰っていった

 

「そうか! 最近読んだ漫画に、男同士の友情を深める殴り合いのシーンがあったんだ。良いゲームをしょう!」

 

爽やかな顔でそう言い残して……

 

 

 

 

「さて、仕事を受け持った以上、全力でやりましょう。差し当たって、イッセーの修行ですが……」

 

柳は暫く考え込み、とある男に連絡を取った……

 

 

 

 

 

「ぜはー、ぜはー。部長~、まだ着かないんっすか?」

 

「あと少しよ。頑張って、イッセー」

 

ライザーとのゲームに備え、リアスがとった策は山篭りだった。グレモリー家所有の別荘に泊まり、そこで強化合宿をしようというのだ。必死になって山を登る一誠を見ながらリアスはある事を思案していた

 

「恐らく、あの子の神器は龍の手ではなく、神滅具の……。イッセーの修行どうしようかしら? 先に別荘に向かった指揮者(コンダクター)が、今朝急に、適任な教師を連れて来るって言っていたけど、”一切の詮索無用”だなんて……」

 

訝しげな顔をしながらリアスが別荘にたどり着くと、其処には見覚えのあるフード姿の男と、白い全身鎧の姿があった

 

 

「あら、其処の彼がイッセーの教師? ……まさか彼は」

 

「おや、気付いたみたいですね。そう、彼は貴女の下僕である兵藤一誠に宿る『赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)』と対をなす『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』の所有者です」

 

「!」

 

リアスはそれを聞いた途端に身構えた。一誠の持つ神器と目の前の男が持つ神器の歴代所有者は殺し合ってきたからだろう。それを悟ったのか、白い鎧の男、ヴァーリは肩をすくめる

 

「言っておくが俺は彼に興味がない。彼の特訓を引き受けたのは報酬が魅力的だったからだ」

 

「という訳です。あ、言っておきますが彼の素性は詮索禁止ですよ。神器に封印されている白い龍(アルビオン)の名前か、白龍皇とでも呼んであげてください」

 

「……そう。まあ、今回だけは信用させてもらうわ。貴方の仕事に対する姿勢は聞いているから」

 

リアスはまだ疑ってはいるものの、この場は信じる事にした。やがて、他のメンバーも集まりだし、本格的に修行が始まった……

 

 

 

 

「そうじゃない!体全体を覆うオーラから集めるんだ!集中して魔力の波動を感じろ!」

 

「ぐぬぬぬぬ!」

 

一誠は必死になって魔力を集めるが、出現したのは米粒サイズ。ヴァーリが手本として出したのは直径1メートルの魔力の球体だった。一誠の出した魔力を見たヴァーリは頭を押さえ、考え出す

 

「……こうなったら魔力量は忘れよう!コントロールを鍛えるぞ!兎に角、頭に浮かんだ物を具現化するんだ!」

 

「……具現化。なぁ、こんなのはどうかな?」

 

一誠はそっとヴァーリに耳打ちをする。それを聞いたヴァーリはプルプル震え

 

「……うん。頑張れば? ほら、これを使ってくれ」

 

そう言って野菜を渡すと、どこかにトボトボと去っていった。たまたま小猫が見かけた時、

 

「あ、あんなのが俺のライバルになるはずだったなんて……」

 

そう言って号泣していたという……

 

 

 

 

剣と剣がぶつかり合う音が山中に響き渡る。リアス達の目の前では佑斗と柳が互角に打ち合っていた

 

「全く、『騎士』の特性である素早さは厄介ですね!」

 

「いや、僕の剣を全て受けきっておいて良く言うよ。君、本当に人間かい?」

 

佑斗はそう言って柳の側面に回り込み、突きを繰り出すが、咄嗟に体を捻って避けられる。それでも体勢が崩れたのを狙い、剣を振り下ろすも

 

「甘い!」

 

柳は佑斗の剣を自分の剣の上を滑らせるように受け流し、反対に佑斗の体勢を崩す

 

「チエックメイトですね」

 

佑斗の剣を叩き落とし、剣を突きつけながら柳は自分の勝利を告げた

 

 

 

佑斗の敗北を見たリアス達は驚き、目を丸くしている

 

「まさか佑斗が負けるなんて……。速さでは佑斗が勝っていたわ。力でも悪魔の佑斗が上」

 

「でも、指揮者(コンダクター)さんの技量は圧倒的に佑斗さんより上ですわね。それに、なぜか動きが分かっていたみたいに対処してましたわ」

 

「……あの人、仙術を使っています。それもかなり高度な……」

 

「……そう。あれだけの実力者。眷属に欲しいわね」

 

リアスはそう言って柳をどうにか引き込めないか思案していた時、突如後ろから声が掛けられた

 

「辞めておいた方が良い。彼は中立を望んでいるし、彼の従者が許さないからね」

 

「あら、白龍皇じゃない。イッセーの修行は……終わったようね」

 

リアスの視線の先では、疲労から倒れている一誠の姿があった

 

「剣術に関することで俺が知っていることは教えておいた。だが、今は基本の素振りをすべきだね。酷すぎて打ち合い以前の問題だ。さて、あと十日でどこまでできるか」

 

ヴァーリはそう言って溜め息をつく。その様子を見てリアスはかすかに微笑む。リアスは何だかんだ言いつつも一誠の特訓に真面目に付き合う彼を信用し始めていた。彼に任せれば一誠は必ず強くなれると……

 

 

 

 

その夜、顔を見られる訳にはいかないと、柳とヴァーリは二人だけで温泉に入っていた

 

「どうですか? イッセーの出来栄えは」

 

「全ッ然、駄目だね!才能がないにも程がある。あれじゃあ、歴代最弱の赤龍帝だ。やはり、君の従者の方が魅力的だね。……まぁ、言われた事を最後までやる根性は認めてやってもいいが……」

 

「ハハハ。歴代最強の白龍皇には敵いませんよ。ねぇ、ヴァーリ・ルシファー。……そういえば、アーシアさんは上手くやっていますか?」

 

「ああ、友達も出来たようだよ。特に、アナと仲が良い様だ」

 

「アナ? ああ、アナスタシアさんですね。貴方の初恋の人の」

 

「ぶぼっ!?い、行き成り何を言うんだ!?」

 

その言葉を聞いた途端、ヴァーリは慌ててむせ始めた……

 

 

 

 

 

 

「はぅ~、今日も疲れました~」

 

神器の特訓を終えたアーシアは、神の子を見張る者(グリゴリ)本部の温泉設備で汗を流していた。疲れと気持ちよさでトロンっとしだした彼女だったが

 

「アーシア、お疲れ!」

 

「きゃあっ!?」

 

突如、背後から忍び寄られ胸を揉まれた事によって悲鳴を上げる。アーシアが胸を抱え飛び退いて見つめた先には、カラカラと笑う女性が居た。黒髪をドレットにし、身長はアーシアより頭一つ分高い。引き締まった体に大きな胸が特長だ

 

「ア、アナスタシアさ~ん」

 

涙目で自分を見つめるアーシアにアナスタシアは笑いながら近づいてくる

 

「いや~、ごめん、ごめん。アーシアがあんまり可愛かったから、ついね。それと、私はアナで良いって言ったでしょ?友達じゃない」

 

「あ!そうでした。アナさん」

 

友達と呼ばれ、嬉しそうに答えたアーシアの言葉に満足げに微笑んだアナスタシアは、アーシアの隣に腰を下ろした

 

「訓練はどう? 大変でしょ?」

 

「はい。少し大変です。でも、私の力が役に立てると思うと嬉しくって」

 

「や~ん、もう、可愛い~」

 

アナスタシアはアーシアに抱きつくとその頭を撫で回す。しばらくそうしていたアナスタシアがようやく離し、アーシアはホッと息を付いた

 

「でさ、アーシア。あのエロ親父にセクハラされてない?あいつって総督のくせに女遊び辞めないからさ~。もし、されたら私に教えてね。彼奴の子種タンクを磨り潰してやるから」

 

「こ、子種タンク!? あ、あの~、アザゼル様の事をエロ親父呼ばわりするのはちょっと」

 

「良いのよ。本当の事じゃない。そんな事よりさ、女の子らしい話しない? アーシアって好きな奴っているの? あ!その様子だと居るみたいね」

 

顔を真っ赤にしたアーシアに気づいたアナスタシアは、好きな相手を聞き出そうとする。アーシアは恥ずかしそうに小声で答えた

 

「す、好きって程ではありませんが、気になっている人なら二人居ます」

 

「へ~、純情なアーシアにしては意外ね。で、誰?」

 

「日本で初めて出来た友達で、散々お世話になった、柳さんという方と、レイナーレ様に神器を抜かれて殺されそうになった時に助けてくださり、神の子を見張る者(グリゴリ)まで連れてきてくだった指揮者(コンダクター)という方です。あの、指揮者(コンダクター)さんの事何か知ってたら教えてくださいませんか?」

 

モジモジしながらそう聞いてきたアーシアに対し、アナスタシアは額にシワを寄せながら唸る

 

「あ~、彼奴かぁ。彼奴の顔を知っているのってエロ親父かヴァーリくらいなのよね~。若い男ってくらいしか知らないわ。ゴメンね」

 

「いえ、別に良いですよ。そう言えば、アナさんって強い男性が好みって言ってましたよね? アナさんが好きな人ってヴァーリさんですか?」

 

「あ、それはないから。彼奴とは付き合いが長すぎて弟みたいにしか見てないし、私、他に好きな男居るのよ。誰かは秘密だけどね~」

 

彼女がそう言った時、別の場所にいる二人の男が反応していた

 

 

「「う!」」

 

「どうかしましたか? ヴァーリ」

 

「どうかしたか? アザゼル」

 

「「いや、嫌な予感がしただけだ……」」

 

この時、二人が感じた嫌な予感は近い内に的中する事となる……




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

ライザーをまともにしたら、リアスとのカップリングを望む声がちらほらと(笑)
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