ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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今回、やっと従者が登場です 違和感にはツッコミなしの方向で(笑)


悲惨な目に遭いました

「お一人で異国の教会に赴任するとは大変ですね」

 

「いえ、これも神のお導きですから」

 

転んでいたシスターはアーシア・アルジェントという名の金髪の少女だった。年頃は柳と同じ位。柳と一緒に居た一誠の理想の美少女だったのだが、今はその一誠の姿が見えず、柳だけで彼女の目的地である教会まで案内をしていた

 

本来、一誠の性格なら彼女を案内したのだが、それには理由がある。悪魔になった事で彼が身につけた能力に『言語』というものがある。これによって、聞いた相手が一番聞きなれた言語に聞こえるのだ。つまり、一誠がアーシアに話しかけた場合、柳には日本語が通じているように聞こえる。柳とアーシアの会話を聞き、アーシアが日本語を話せないのに気が付いた一誠は、此の儘では柳に不審がられると感じ、泣く泣く一人で帰路についたのだ

 

「すみません。お友達と一緒に帰っていたのに」

 

「いえいえ、お気になさらずに。……おや?」

 

公園まで差し掛かった時、突如、柳は足を止めた。視線の先では、転んだのか泣きじゃくる子供と、それを宥める母親らしき女性が居た

 

(まぁ、母親も居ますし、大丈夫でしょう)

 

そう判断した柳は再び歩き始めようとしたが、先程まで隣を歩いていたアーシアの姿がない。辺りを見回すと子供の傍まで近寄っていっていた

 

「大丈夫?男の子ならこのくらいで泣いちゃ駄目よ」

 

柳が近づていると、アーシアは子供の頭を撫で、手の平を怪我に当てる。その瞬間、淡い緑色の光が発せられ、傷が癒えていった

 

子供も母親もその光景を見てキョトンとする中、アーシアは柳の方へ歩いてきた

 

「すみません。つい」

 

舌を出して笑うアーシアに対し、子供は笑顔を向ける

 

「お姉ちゃん。ありがとう」

 

日本語が分からずアーシアはキョトンとしたが、

 

「お姉ちゃん。ありがとう。だそうですよ」

 

柳に通訳して貰い、嬉しそうに微笑んだ

 

 

 

しばらく教会を目指していた二人だったが、その途中、アーシアが柳に尋ねてきた

 

「あ、あの。さっきの力の事を訊かないんですか?」

 

「おや、訊いた方が良かったですか?珍しい力だとは思いましたが……」

 

「ええ、神様から頂いた力ですから……」

 

そう寂しそうにしたアーシアを見て、柳はため息をつく

 

「あまり詮索しない方が良いみたいですね。訊かないでおきますよ」

 

「……ありがとうございます。あ、ここです!」

 

どうやら目的地までついた様で、アーシアは安堵の息をつく

 

「良かったですね。では、アルジェントさん。私は此処で」

 

「待って下さい!案内してくださったお礼を教会で……」

 

せめてお茶でも出そうと思ったアーシアだったが、柳は手を振って固持する

 

「いえいえ、そうしたい所ですが、今日は私が食事当番なのですよ」

 

「そうですか。引き止めて、すみませんでした。あ、あの!神田さん。私の事はアーシアと呼んでください」

 

「おや、それでは私も柳とお呼び下さい。それではアーシアさん。またご縁があれば」

 

「はい。またお会いしましょう」

 

深々と頭を下げるアーシアに対し、柳は手を振って別れを告げた……

 

 

 

 

「……ふむ。あそこは廃教会の筈ですがね。堕天使の配下には見えませんが。ああ、アーシア・アルジェントといえば悪魔を癒して教会を追放された元聖女でしたね。この様な町で合うとは……」

 

夕飯の買物を済ませ、柳は自宅を目指した。彼の家は郊外にある一軒家。庭付きの広い一戸建てで、庭には彼自慢の家庭菜園がある

 

「今日はオムライスにしましょう。ミラはグリンピースが嫌いですが、好き嫌いは直さなくてはいけませ……」

 

家に入ろうとした柳の目に飛び込んできたのは無残に一部が吹き飛んだ家庭菜園。それを見てしばし固まった柳だったが、地面に抉られたような痕が有るのに気づき、しばし考え込むと急いで家に入り、リビングへ急行した

 

「羽衣さん!家庭菜園を破壊したのは貴方ですね!?」

 

「これ、柳よ。帰ってきたら、ただいま、じゃろう?」

 

「ただいま帰りました。……って、何してるんですか!?」

 

リビングのソファーに優雅に座っているのは、先程、羽衣と呼ばれた黒髪の女性。腰まで艶のある黒髪を伸ばし、どこか謎めいた雰囲気を持つ美女だ。黒い学生服に身を通し、生足を投げ出している。そして、その足の先は這いつくばったボロボロの銀髪の少年に乗せられている

 

「……状況を整理しましょう。家庭菜園を破壊したのは、羽衣さん、貴方ですね?」

 

「うむ、そうじゃ。コヤツが届け物の序でに勝負を申し込んできよったのでな。軽くひねり潰してやったわ。……最初は破壊するつもり等、無かったのじゃが、此奴が白い鎧を纏ってきよってな、テンションが上がってしまったのじゃ。じゃから、妾は悪くないぞ」

 

羽衣は優雅にそう言い切った。彼女からはこれ以上追求することを躊躇わせる高貴なオーラが出ており、これ以上は無駄だと悟った柳は少年の方へ目を向ける

 

「ヴァーリ。だから辞めろって言ったじゃないか。届け物は何処だい?」

 

「彼処の壁に立て掛けてあるよ。……助けてくれないかい?」

 

ヴァーリと呼ばれた少年から助けを求められ、柳は羽衣に足を退けるように言おうとしたが、ひと睨みされて首を振った

 

「……すみません。無理です。……夕食食べて行きますか?」

 

「……ああ」

 

ヴァーリの救出を即座に諦めた柳は壁に立て掛けられた箱を開封する。中には禍々しい気配の剣が入っていた

 

「それは何だい?随分恐ろしいが」

 

このヴァーリという少年は本来ならばかなりの実力者だが、それでも剣から発せられるオーラに対して冷や汗をかいていた

 

「これは龍殺しの力が宿った片手剣ですよ。まぁ、私等の、彼女に認められた者でないと呪われるでしょうね。……作る際の注意事項は守りましたか?」

 

「ああ、腕の良い職人且つ、死んでも良い罪人だろう?ちゃんと守って良かったよ。作った職人は狂死したようだからね」

 

羽衣が飽きたのか、漸く解放されたヴァーリは固まった関節を動かしながら答えた

 

「うん。それは良かったです。腕の良い善人が死んでいたらどうしようかと思っていましたから。さて、ゼノンさんとミラはどうしていますか?」

 

「ミラは自室で勉強じゃ。ゼノンは……まだ起きとらん」

 

「まだ寝てるのですか……」

 

柳と羽衣は共に呆れたようなため息をついた。柳は剣を仕舞った後、仕方なさそうに言った

 

「一応お聞きしますが、羽衣さんが起こしに……」

 

「嫌じゃ」

 

「……ですよね。私が起こしてきます」

 

羽衣は全て言い切る前に拒否し、柳はヤレヤレっといった感じで、ゼノンと書かれた扉へ向かった

 

「ゼノンさん。そろそろ起きてください」

 

しかし、何度呼びかけても返事がない。柳はため息をつき、ドアノブをひねる

 

「ゼノンさん。入りますよ」

 

そう言って部屋に入った柳の目に飛び込んできたのは、正しく汚部屋と呼ぶに相応しい惨状だった。床にはビールの空き缶が散乱し、雑誌や下着が散乱している。その部屋の端には大きめのベットがあり、そこに一人の女性が寝ていた

 

 

艶のある白髪に、どこか高貴さを感じさせる顔立ち。まさに、貴族令嬢といった感じだった。……着ているのがジャージでなければの話だが

 

「また、こんなに散らかして……。ゼノンさん。起きてください!」

 

「う~ん。もう朝か?」

 

柳の呼びかけに漸く起きた彼女……ゼノンは大きな欠伸をしてベットから降りる。ジャージの裾から手をつっこみ、体をポリポリと掻く様子と高貴な顔立ちは噛み合わず、妙な雰囲気を醸し出していた

 

「もう夕方ですよ。とりあえずシャワーでも浴びてきてください。その間に夕食を作っておきます」

 

「了解した。我がシャワーを終えるまでに食事の支度を終えておけ」

 

そう柳に命令するように言ったゼノンはジャージに手をかけると、そのまま無造作に脱ぎ捨てる。その下には何もつけておらず、白い肌が顕になった

 

「……服は脱衣所で脱いでくださいと、何度言ったら……」

 

「五月蝿いぞ、柳。我に意見するな」

 

慣れているのか、即座に目を背け、顔を赤くしながら注意する柳に対し、ゼノンは面倒くさそうに言うと、あくびをしながら部屋を出ていった

 

「全く、今日はヴァーリも来ているというのに」

 

その時、リビングの方からはヴァーリの驚く声と、ゼノンの、五月蝿いっという声と共に轟音が聞こえてきた。壁に激突したような音も聞こえた事から、壁が壊れたと悟った柳はため息を付く

 

 

「……また修理ですか。それにしても、少しは恥じらいって物を……」

 

諦めたように呟きながら部屋を出ていた柳は台所へ向かい、夕飯の準備をし始めた

 

 

夕飯の支度を終え、壁にめり込んでピクピク動いているヴァーリを引っこ抜いた柳は羽衣を呼びに行った。羽衣は既に学生服から着替えており、先ほど同様、優雅な佇まいで座っている。柳の姿に気づいた彼女は微笑みながら近付いて来た

 

「おや、準備が済んだか。それにしても、ゼノンは恥らいが無いのう。お主も年頃じゃし、大変じゃろうに」

 

「……ええ、少し刺激が……」

 

羽衣の言葉に対し愚痴をこぼそうとした柳の唇は羽衣の唇で塞がれ、それ以上言葉を発する事ができなかった……

 

 

しばしの間、口づけを交わしていた二人だったが、やがて羽衣が満足気な顔をして唇を離し、柳はその場にへたり込んだ

 

「うむ、若者の精気は美味じゃの。……なんじゃ、情けない。少し精気を吸い取っただけじゃろうに」

 

「大妖怪の貴女の少しと、人間の私の少しを一緒にしないでください」

 

精気とは人の生命を活動させるもとになる力であり、そんな物を大量に吸い取られた柳は、羽衣の差し出した手に捕まって漸く立ち上がる事ができた

 

「全く、吸い取るなら吸い取るって事前に言ってください。此方にも準備という物があるんですから」

 

どうやら、先程の事も日常茶飯事のようだ。柳には、特に気にした様子はない

 

「すまんな。では、今度の休日前にまたよろしく頼むぞ。なんなら房中術でも良いが?」

 

「結構です!」

 

そうイタズラ気に微笑む羽衣に対し、柳は真っ赤になりながら拒否をした……

 

「つまらん奴じゃな。そろそろミラを呼んで来るが良い。夕食じゃろ?」

 

「そうですね。では、先に食卓に着いていてください」

 

「うむ」

 

羽衣は頷くと食卓へ向かい、柳は廊下の奥の部屋へ向かった。柳が部屋の前に差し掛かった時、ドアが開き、中からは小柄な少女が出てきた。髪は黒髪。髪は短く切られ、すこし額が広く、大きめのリボンがチャームポイントといった感じだ。服装は薄手で、おヘソが見えている

 

「柳さん。お夕食のお手伝いできずにすみません」

 

柳の姿を見るなり近づいてきた少女は、そう言って頭を下げる

 

「いやいや、今日は私が当番ですから。さぁ、今日はオムライスですよ。グリーンピースも残さず食べる事」

 

「わ、分かってますよ!」

 

ミラと呼ばれた少女は目を逸らしながら返事をした

 

 

二人が食卓へ向かうと既に残りの三人は席についていた。ゼノンはジャージ姿から黒を基調とした背中の大きく空いたドレスに着替えており、正しく貴族令嬢といった雰囲気だ

 

柳とミラは手を洗うと席に着いた。それを確認した三人は手を合わせ、

 

「「「「「それでは、いただきます!」」」」」

 

スプーンを手に取り、食事を始める。優雅に食事をとる羽衣とゼノン。グリーンピースを横にのけるミラとそれを注意する柳。まるで本当の家族のような四人を眺めていたヴァーリは小さく呟いた

 

「こんな彼女らが世界を滅ぼせる存在で、彼がその主の通称『指揮者(コンダクター)』だなんて信じられないな……」

 

そう、彼女らは柳の神器『反英雄の柩(コンダクター・オブ・カタストロフィー)』によって呼び出された従者。しかし、ヴァーリの目に映る四人は仲の良い家族にしか見えなかった……




意見 感想 誤字指摘お待ちしています!

従者+α

羽衣 勿論、羽衣狐 何時もは柳と別の高校に通っています

ゼノン(ロザリー) ニート 恥じらい無し ジャージ姿(笑)

ミラ 三人の中で一番素直 見た目イメージは恋姫の流琉(典韋) その正体は……

ヴァーリ 柳の従者の被害者その2 その1はもちろん(笑)

持ってきた剣はモンハンやった人なら分かるかと…… 初期段階です

鵺を覚えている皆様。羽衣さんはアニメのラスボスといった感じでここは一つ……
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