ラスボスハイスクール 完結   作:ケツアゴ

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フラグが立ちそうですね

昔、とある所に猫妖怪の姉妹が居た。黒猫の姉の名は黒歌。白猫の妹の名前は白音。二人はとある悪魔に拾われ、幸せな日々を送っていた。だが、悪魔の眷属になった黒歌の暴走により、幸せな日々は終わりを告げる事となった。仙術によって悪の気を取り込んだ姉は力に溺れて主を殺害して逃亡。悪魔達は残った妹を殺そうとしたが、サーゼクスが彼女を庇った事により、リアスの眷属となり、小猫と名を変えて暮らす事となった……。

 

「……強くなりたいです。私は『戦車』なのに、眷属の中で一番弱いから」

 

ベットから上半身だけ起き上がり、震える手でシーツを掴みながら震える声でそう言った小猫には白い猫の耳と尻尾が生えている。普段は隠せているのだが、ロクに食事や休憩も取らずに行った無茶なトレーニングのせいで倒れ、変化の術が維持できなくなっているのだ。一誠達は何とか励まそとするも彼女には通じず、追い出されるように部屋から出て行く中、ヴァーリが部屋に入ってきた。

 

「やぁ、調子はどうだい?」

 

小猫の不機嫌そうな態度も気に止めず、ヴァーリはベットの横の椅子に腰掛ける。小猫はそんな彼をジッと睨んでいた。

 

「……何の用ですか、ヴァーリ先輩」

 

小猫が今回の様な無茶をした理由は力への渇望と恐怖心。仙術を使えば確実に強くなれるが、姉の様に暴走するのは絶対に嫌だ。それゆえに、小猫は人間でありながら仙術を使いこなす柳と血筋と才能に恵まれ、圧倒的な力を持つヴァーリの事が妬ましく、嫌いだった。だから、小猫の態度は刺々しいものだったが、対するヴァーリの表情は涼しげで、その事に彼女はイライラを募らせていた。

 

「いや、無茶なトレーニングをしたと聞いてね。まぁ、同じ事を昔やらかした身としては放っておけなかったのさ。鍛えるのは良いが、無茶をしたら逆効果だ。なぁに、君ならきっと強くなれる。ノンビリやれば……」

 

「私は今すぐ強くなりたいんです! 大体、貴方なんかに何が分かるって言うんですか!? 才能に恵まれ、強力な神器まで持って生まれた貴方なんかに、私の気持ちが分かるはずがありません! 仙術を使えば確かに強くなれます。でも、私を捨てた姉さまの様に暴走するのが怖い! ……私も助けてくださった部長を傷つけてしまうんじゃないかって思うと恐怖で身が竦むんです。……出てってください。貴方の顔なんか見たくもありません!」

 

そう言って顔を背ける小猫に対し、ヴァーリはため息をつくと静かに立ち上がって、部屋から出て行くそぶりを見せる。しかし、ドアノブに手をかけた所でその手が止まり、ヴァーリゆっくりと口を開きだした。

 

「……姉に捨てられたって言ってたな。俺も家族に捨てられたんだ。今、君が言った力のせいでね」

 

「え?」

 

 

「まだ幼かった俺は行く当てもなく何日も彷徨い、アザゼルに助けられた。それからグリゴリの世話になる事になって、其処でできた仲間を守れるように強くなりたいと思ったんだが、怖かったよ。この力のせいでまた捨てられるんじゃないかって。でも、無駄な心配だった。アザゼルに言われたのさ。お前がどんな力を持とうが、お前はお前だ。間違った方へ行こうとしてたら、ぶん殴ってでも止めるから安心しろ、ってね。……君の仲間もそんな奴らじゃないのかい?」

 

「……」

 

ヴァーリはそう言い終わるなりドアを開けて退室していき、小猫は無言で俯いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、朱乃。修行の出来はどうだ? ……少しは自分の血を受け入れたか?」

 

「……いえ、やはり、あの様な力など無くても、今のままの力で……」

 

 

 

「本人が嫌っつってんだから、放っときゃ良いんすよ、総督」

 

アザゼルの言葉に対し、朱乃は頑なに雷光の使用を拒んでいた。アザゼルが困った様に後頭部をかく中、不機嫌そうな声が響く。二人が声の方を振り向くと、フリードが眉間にシワを寄せながら近づいてきた。

 

「ったく、使える力を持ってるってのに使わねえんなんてよ。仲間の事より、自分の意地の方が優先ってか? はっ! 随分と良い身分だな」

 

「おいおい、フリード。その辺にしておけ。お前もエクスカリバーを使わねえじゃねえか」

 

アザゼルは朱乃に詰め寄るフリードを止めようと肩に手を置くが、フリードはその手を振り払い、朱乃の胸ぐらを掴んで叫んだ。

 

「総督は黙っていてくれよ! 俺が使わねえのは今の俺じゃ使いこなせねえからだ。だから、使いこなせるように頑張ってんだよ! だが、コイツは違う! 最初から使おうとしてねぇ! 使えば仲間を守れるんだろ!? なぁ、使えよ! 俺みたいに力を手に入れた時には守りたい存在が死んじまってた、なんて事になっちまってからでは遅いんだよ! ……俺は修行に戻る。強くなる気がねえんなら部屋に篭って思い出にでも浸ってろ」

 

フリードは言葉の途中から溢れ出した涙を拭い、入り口へと歩いていく。すると、先程から黙っていた朱乃がその背中に向かって、震える声で叫ぶ。。

 

「貴方に…、貴方に何が分かるんですか! 貴方なんかに私の気持ちが分かるはずがありませんわ! 母様が死んだのはあの男のせい。柳さんの家族が死んだのだって……。あんな奴と同じ力なんて使いたくありません!」

 

「だ~か~ら~、所詮、力は力だって言っただろ? それに変な意地張って、それで仲間が死んでみろ。そんなの、ただの馬鹿だぜ。私の気持ちが分かるはずがない? あったりまえだ。自分の苦しみは自分にしか分からねえよ。だから俺は恨み続けるより、耐え抜いて歩き続ける道を選んだんだ。……お前、仲間を守りたいんだろ? だったら、都合の良い言い訳してないで、本気で仲間を大事にしやがれ」

 

フリードはそう言うとさっさと屋敷から出て行き、アザゼルと朱乃だけが残された。アザゼルはフリードの言葉に顔を俯け黙っている朱乃に対し、気不味そうに話しかけた。

 

「あ~、なんだ。フリードの言ってる事はキツいけどよ、アイツなりにお前を励まそうとしたんだと思うぜ」

 

「……ええ、分かっています。あらあら、私、年下の子にお説教されてしまいましたね。……ゼノンさんやフリードさんの言う通りですわ。今の私は柳さんの友達でも、リアスの『女王』に相応しい存在でもありません。だから、受け入れてみようと思います。バラキエルは受け入れられませんが、あの男から受け継いだ、雷光という力を……」

 

朱乃の言葉にアザゼルは満足気な顔をし、黙って頷いていた……。

 

 

 

 

 

そして、数日後、魔王主催のパーティに参加する為に集まった一誠達はソーナ達と共に、タンニーンの背に乗って会場へと向かっていた。元龍王だけあって彼は速く、景色があっという間に過ぎ去っていく。それを見た一誠達もはしゃいでいた。

 

「お~、すげー! オッサンって凄いんだな! なぁ、皆も……」

 

そう思うよな、といおうとして後ろを振り向いた一誠の表情は固まる。リアスは同行すべく屋敷に来たライザーとくっ付いており、甘い空気を醸し出している。ゼノヴィアはヴァーリの名を呟きながら自分の体を抱きしめて悶えていて、朱乃や小猫も何やら考え事をしていた。残った眷属は祐斗のみ。虚しくなった一誠はタンニーンに話しかけた。

 

「なぁ、オッサンって最上級悪魔なんだろ? 『王』は誰なんだ?」

 

「俺の『王』はメフィスト・ファレスって方で、人間界の魔法使い教会理事を務めてるよ。……そういや、前会った時に変な事言ってたな。死んだはずの元契約相手の魂がまだ転生せずに肉体に留まってるって……」

 

「? 変な話だな。……なんだ?」

 

タンニーンの話に首を傾げていた一誠は後ろから近づいてくる黒い影に視線を移す。すると、その影はだんだん近づいてきて、その姿を見たタンニーンの顔がだんだん青ざめていった。

 

「おおお、お前はゲームの時の!」

 

「……え~と、ああ! 私に手も足も出なかったオジさんですね。じゃあ、お先に」

 

「イッセー。また会場でお会いしましょう」

 

ドラゴンの姿に戻ったミラの背に乗った柳は一誠に手を振り、すぐに見えなくなってしまった。

 

 

 

「あばばばばばばばばばばば!」

 

ミラにトラウマを植えつけられたタンニーンは口から泡を出して目を回し、一誠達の悲鳴が響く。彼らが会場に到着したのは予定より10分過ぎてからだった……




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オマケ番外編予告

「聖杯戦争? 確かギルさんが負けたっていう奴ですよね? それを見に行くと?」

「……違う。我が見たいのは第四次の方だ。我の勇ましい姿を見るが良い! さぁ、頼むぞ、バルバトス!」






「なっ! 我がもう一人!?」

「こうして自分の顔を見るのは変な感覚だな」






「気に入った! 小僧、我が軍門にくだらんか?」

「……その辺にしておけ、雑種」

「不届き」

「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
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