古龍のフレンズ   作:まろにい

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橋造りを進めていきます!そこに思わぬ邪魔が!?

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section Ⅲ: 大河に潜む魔物

 さて、造るとなったらまずはその木を手に入れねば話は進まぬな。まあここは密林であるから木には困らなさそうだが。

 皆で話し合った結果それぞれ分担して木を集めることとなった。まず集めるべきは橋の上を支える木だ。

 

「それじゃ言われたとおりフレンズを集めてくるよ、まっててー」

「すまぬなフォッサ、人手は多いほうが助かるからな」

「それじゃ、木を集めにいこー!」

「どうやって集めるの? まず木をどうやって倒すの?」

 

 フォッサは人手を集めにジャングル中を回ってもらうこととなった。残る私たち三人は木を集める役だ。

 が、まずその木をなぎ倒せるほどの力を持っていない。私を除いてはだが。当然私が木をなぎ倒す役を任されることになった。残る二人は固定する紐の代わりになるものを探しに行くこととなった。

 

(まあそうなるな、分かってはいた。こういうときに私の力を呪いたくなってしまうな……)

 

 ぶつぶつ言いつつ私は手ごろそうな木を探す。やはり太くて流されにくい木が一番だろう、造ってまた流されては意味が無いからな。ふ、木をなぎ倒すことなど私の尾を持ってすれば造作も無い。

 

「ふむ、この木は太くて強そうだな、これならばまた流れていく心配もあるまい」

 

 体ごと尾を振って倒す練習をする。ひゅおんと尾が空を切る。うむ、調子は悪くない。これならば一撃でいけそうだな。

 

「さて、一発で決めるか……!!」

 

 体を勢いよくひねり、木に横殴りに尾を叩きつける! すさまじい音と共に木がめきめきと音を立てて裂け、ずどおんと横倒しになった。すまぬな、これも皆のためなのだ。

 横倒しの木をひょいと持ち上げる。これも私にとっては造作も無いことだ、木を担ぎ皆の元へ戻る。もちろん辺りにいるであろうフレンズにぶつけないように周りを慎重に見つつだ。

 

「うわあー! すごい木だねー!」

「大きい木。これで渡れそう?」

「いや、まだまだだな。元あった橋を見るに後数本は要る」

「これがまだ必要になるの!? 橋造りって大変なんだなあ……」

 

 強い橋を造るためだ、致し方あるまい。ふむ、紐も十分集めてきているようだな。足りるかは造ってみなければわからないが。

 

「おーい! 人手を集めてきたよー!!」

 

 フォッサが戻ってきたようだ。どうやら集めることに成功したようだな。さてどれほどの数を集められたのか見てみようではないか。

 

「おおー! おっきいねー!」

「これはすごいな……橋造りって聞いたけどこんな大きな木が必要になるのか」

 

 まず二人か。一人は灰色の毛皮、もう一人はオセロットに似た模様の毛皮。違いは丸の中に点があることか。

 

「よろしくたのむ。私は風翔龍、橋を造ることを考えたのは私だ。名は好きに呼んでもらってかまわない」

「おおー! なんかすごそう! あたしコツメカワウソ! ふーちゃんて呼ぶね!」

「私はジャガー、この木、一人で持ってきたのかい? 物凄い力だな」

 

 二人は挨拶を済ませるとやはり私の体が気になるのかじろじろと見ている。

 

「うわ! すごいごつごつしてるー! つよそー!」

「一体その腕の何処にそんな力があるんだ? ……わからん」

 

 一方はべたべた触りながら、もう一人はなにやら思考しながら。できればとっとと作業に取り掛かってくれるとありがたいのだが。

 暫くしてようやく解放された。もう慣れてきている自分が怖くなってきた。二人に作業の内容を伝える。

 

「たのしそー! やるやるー!」

「向こう岸に渡れるようになるならやるしかないね! この状態じゃ渡すこともできなかったからね」

「ジャガーはこの川を泳いで渡っていたのか?」

「ああ、渡れなくて困ってる子が多かったからね、流れが緩やかだったころは私が泳いで向こう岸まで渡してあげてたのさ」

 

 まあ川の流れを待っているのもいいが、折角こういう出会いがあったのだ。有効に活用しなければ罰が当たるというものだ。

 再びフォッサはジャングルの中へと戻っていった。まだまだ人手を集めてくれる気らしい、頼もしいな。さて、また木を調達しに行かねばな。まだまだ体力はある、さっさと集めきってしまおうか。私が作業場を後にしようとした時だった。

 

「?? なんだ? 川のほうから気配がする……」

「ふうちゃん! 川に何か気配がする……! セルリアンかも!」

「セルリアンが現れた? コマンド?」

 

 オセロットが訳のわからないことを言っているのはどうでもいいがサーバルもどうやら気配に感づいていたようだ。ここにいる私を含め全員に緊張が走る。まったく、こういうときに邪魔をしに来るとは無粋な奴だ。

 

「川にいるだって? たとえセルリアンでも流されていってしまうんじゃ……いや、でも確かにいる。気配がまだずっとある」

「セルリアン!? よーし皆でぱかーんとやっつけちゃおう!」

 

 カワウソがぶんぶんとやる気満々に腕を振り回している。だが相手は水の中だ、今の状態ではどうしようもない。水から引きずり出してしまえばこっちのものなのだがな。あの気配の主も様子を伺っているのか水中に潜んだまま姿を現そうとはしない。

 

「もしも奴の正体が水竜であれば奴の頭上で大きな音を出せば驚愕して地上まで跳び上がってくるはずだ」

「しかし大きな音を出すものと言ってもこのジャングルにそういうものがあるかも分からないな」

「風の力があれば私の渾身のブレスで奴を宙に巻き上げることができるのだがな……」

「え、そんなことできんの!? 魔法みたいだなそれ」

「今はどういうわけか無理なんだがな」

 

 ジャガーと共にいい案が無いかを考える。大きな音か……奴の頭上で大声で歌でも歌えば……いや今の私は飛べないのだった。こういうときに飛べるフレンズがいてくれれば私を頭上まで運んでいってくれるのだろうな。声で驚いて飛び上がってくれるかどうかは別だが。しかしいない子を当てにしても仕方が無い。

 とりあえずまず集めた材料は戦闘の邪魔になるかもしれぬのでどかしておこうか。私は木を担ぐ。

 

「む? 何か用でもあるのか?」

 

 ジャガーとカワウソが近寄ってくる。そこにいると動けないのだが……

 

「ほんとに一人で担いでる……風翔龍ってどんな生き物だったのフレンズになる前は」

「あははー! すごいすごーい! ねーねー、上に乗ってもいいー?」

 

(……早くこいつを運びたいのだが)

 

 あっちへ行くように促す。ふう、利用する側も大変だなこれは。よし、行った様だな、今のうちにさっさと移動させるか。

 とりあえず橋の材料は被害の及ばなさそうな所へと移動させた。あまり戦いたくなさそうな者は避難するように指示した。後はあのセルリアンらしき者にご退場いただくだけだ。

 

「まずは奴の姿を拝むとしようか。私が近くまで出て様子を見よう」

 

 私は一歩、また一歩と川へ近づく。奴にはこちらを攻撃してくる気配は無い。不気味な時間が続く。後ろから皆が見守る。

 

(まだ姿を見せぬか。もっと近づいてみるしかないか)

 

 とうとう川とほとんど距離の無い岸の近くへとたどり着いてしまった。なんだ? こちらを襲う気はないのか? 拍子抜けだな、まったく。だが油断は禁物か。戻る振りをして出方を見てみるか……振り返り戻ろうとしたときだった。

 

                 ざっばぁーん!

 

 突如大きく水柱が立った! やはり敵意はあるか、上等だ! さあ姿を見せろ、気配の主よ!!

 水柱が収まる。姿を現したのは水竜だった。あの轟竜と同じ全身緑色の薄気味悪い姿だ。と言うことは奴もセルリアンで間違いなさそうだな。

 

「な!? でかすぎ!?」

「うわーい! おおきいぞー!」

「あんなのどうやって倒すのー!?」

「水の中にいたから魚なのかな? おいしいかな?」

 

「「そんなこと言ってるばあいじゃないでしょ(だろ)!?」」 「おいしいかもねー!」

 

 後ろで叫び声がする。まあ所見じゃ度肝を抜かされるだろうな。だが驚くのはまだ早い、こいつが厄介なことは……やはりくるか!

 

「攻撃が来るぞ! 私に合わせろ! でないと真っ二つになるぞ!」

「えええ!?」

 

 後ろの皆に向かい叫ぶ! 水を含み始めた……予備動作だ。そして……!

 

「!! 左右どちらでもいい! 飛びこめっ!!」

 

 超高圧の水ブレスが炸裂した。私は奴と戦ったことはあるので大丈夫だが、後ろの方にいる四人が心配だ。

 

「な、なにあれ……こわすぎるよ」

「地面が……割れてるよぉ」

 

 くっきりと一直線に出来上がった水ブレスの跡をみて四人が震え上がっている。だがそんな悠長な暇は無い。まだまだ撃ってくるはずだ。四人に叫ぶ!

 

「へたり込んでいる暇は無いぞ! 奴はまだまだ撃ってくるはずだ! 準備しておけ!」

「無理だよおー! 足が震えて動けないよー!」

「ちっ! 動ける者はいるか? いたら動けない者を背負ってできるだけ遠くへ逃げろ!」

「わかった! ……ってきみはどうするんだ!?」

「私も後から合流する! とにかく今の状態では成す術が無い! 私が戻るまで何とか奴を地上へ打ち揚げる方法を考えていてくれ!」

「死なないでね!? まってるからね!」

 

 ジャガーとオセロットに二人がそれぞれ担がれて密林への奥へと消えていった。オセロット……ああ見えて肝っ玉はでかいんだな、意外だった。

 さてどうするか……元の姿の時に奴のブレスをまともに受けたことがある。少々痛みはあるものの、がちがちの私の体にはあまり応えなかった。だが今は恐らく違う。まともに受けてしまえば即死級だろう。まあ食らってやる気は一切無いがな。

 私は武器を手に取る。一太刀は浴びせられたら奴も驚いて上がってくる、そう考えた。いわゆる無理やり地上へ引っ張り出すごり押しと言う奴だ。このままにらめっこしていてもいつ上がってくるのか分からない。だったらこっちから攻めてやる。私は気が長いほうではないのでな……!

 タイミングをはかる……浮上してくる……来た! ここで一発くれてやる! 武器を構え私は奴に向かって跳躍した!

 




水竜登場!これもセルリアンですが。彼女はどう戦うのか!

次回戦闘の火ぶたが切られます!彼女に勝算はあるのか!?
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