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今回はとある出来事が起きます。そしていよいよリベンジの時!
その後私は皆にトキのことを紹介し、お互いのことを話した。中でも少し気になったのはなぜトキがあの歌を歌っていたかである。生前私はあの歌を耳にしたことがある。今になってわかるあの独特な歌声、あれは素晴らしいものだった。今この場でじっくりと聞き直したいくらいだ。
私はトキにそのことを尋ねてみる。いったいどこであの歌を知ったのだろうか。
「トキよ、貴様はなぜあの歌を歌っていたのだ? 私しか知らぬ歌だと思っていたのだが」
「え? 風翔龍も知ってたの、この歌を?」
「お、トキの歌に魅了されちゃったの? 私は勘弁だけどね」
「あの轟音を聞き取れるなんて耳がおかしいと思う?」
オセロットが何か納得いかぬことを言った気がしたがまあいいだろう。私とトキの話を聞いてフォッサと皆がずいっと近づいてくる。そんなに面白い話でもないのにな。トキが続ける。
「……私も知らないわ。ただ空を飛んでいたときによく下から聞こえてきていたから自然と覚えちゃったの」
「とするとその歌っていた子が知っているのか、もしくはその子もまた別の子から聞いて覚えただけなのか、いずれにせよ情報が必要だな」
コブラの推測通り、それを知るにはまずその子を探す必要があるな。そのためにもまた別のフレンズを尋ねねばならぬか……少なくともトキ以外はこの歌を聞いたこともないと言っているようだしな。そもそも聞き取れたかも謎だが。
「不思議だね、ふうちゃんはここに元から住んでた子じゃないって言ってるのにふうちゃんしか知らない歌を知ってる子がいるなんて」
「不思議ー! おもしろいねー! わたしも気になるかも!」
カワウソはいつも通りはしゃいでいるがサーバルが珍しく考え込んでいる。いつもだったらカワウソと一緒にキャッキャはしゃいでいるところだが。
「む! ふうちゃんなんかにやにやしてる! わたしだって考えることくらいあるもん!」
サーバルがこっちを見てぷうとほおを膨らませて言った。見透かされていたか。
「はぐれてた時も一緒にいろいろと考えてくれてたしね、なんだかんだでサーバルも少しは頭が切れる子なのかもね」
ジャガーがフォローを入れる。だが微妙にフォローになってない気もする。
「風翔龍も知ってるなら歌ってほしいなー!」
「あら、それ私も興味ありますわ、ぜひ聞いてみたいですわね!」
と、フォッサが私にそんなことを突然言ってきた。インドゾウもそれに興味津々である。まあ歌うのは構わぬが、なぜそんな期待した目で私を見てくるのだろう。なんだか変な気分になってしまいそうだ。
「歌えばいいのか? うろ覚えだがそれでもかまわぬならいいが……」
私は歌い始める。トキの歌声から聞いた通り確かこんな歌だったな……
「♪~~♪~~」
歌い終わったあと皆を見るとポカーンとしていた。え? なんだこの雰囲気は。私の歌がそんなに嫌だったのか?
「ふうちゃん、歌うまいんだね! おもわずうっとりしちゃった!」
「アイドル目指せるかも? 目指せフレンズ一のアイドル!」
「……負けたわ、完敗よ」
どうやら嫌ではなかったようだ、少し安心した。しかし初めて歌ったのだが確かに歌うということは気持ちのいいものだな、トキの気持ちがわかった気がした。当の本人はなぜか項垂れているのだが。
「ねーねー! また聴きたくなったら聴かせてよー!」
「うん、私も同感だね! こんな素敵な歌を私たちだけで聴くなんてとんでもない贅沢だよね!」
「素敵ですわ……私ファンになってしまいそうでしたわ」
皆からとても喜ばれた。なんだか少し恥ずかしいなこれは。ただ知っている歌を歌ったというだけでこんなにも皆が私を称えてくれる。ま、まあ悪い気分ではないな……うむ。
「ふうー、ご飯をたらふく食べたような気分だねえ。さて、この歌を知っている子を探しに行かないとだね」
おなかをさするジャガー。それは大げさだと思うがなあ、……そうだな、うっとりしている場合ではない。今後のことを考えねば。
気持ちを切り替えて今後のことを話し合う。まず第一にあの邪魔なセルリアンを打倒する。その次はいよいよ橋造りだ。大体の形は頭の中でできている。あとはそれを造るだけだ。
「材料はまあ足りねばまた集めてくればいいか。木などその辺にたくさん生えているからな」
「あいつの攻撃でボロボロになっていないといいけどなあ」
「まあ材料がどうなったかは祈るしかないな、無事であることを願おう」
「だね……もしぼろぼろだった時はまた力を合わせて集めてこよう!」
フォッサが材料の心配をするが、サーバルとコブラがポジティブに考えるよう促す。私も心配ではあるがまあ材料に困ることはない。集めるのが大変なだけだしな。
「そしてセルリアンだな、まあ大方やることはわかっているがな」
「奇遇だね、私も彼女の作戦には察しがついてるよ」
「え!? 何するの? 教えてよー!」
「まあ見ていればわかる。それとこの作戦はトキには察されぬ様なるべく濁すようにな」
「ええ、もちろんですわ。私も風翔龍さんの作戦がどんなものか察していますし、ふふっ……お優しいんですのね」
私の考えに察している者はいるのだな。少なくとも顔を見るにコブラとインドゾウ、そしてジャガーあたりはわかっているようだ。まあその他の者が彼女には言わないようになんとかしてくれるだろう。
私は作戦を皆に伝える。トキには察されることはなかったようだな、彼女には申し訳ないがこれも作戦の為だ。後でしっかり謝っておこう。
決行は明日。そのためにも今日は皆に寝てもらうように指示する。雑多なことがあって消耗しているだろうからな、体力の回復も大事だ。私も奴との決戦に備えて今日は早く眠ることにした。
翌朝、目覚めのいい朝だ。日の光が差し込んでくる。日課になった走る練習を済ませた後、皆の元へ戻る。
皆よく眠れたようだな。溌溂としている。どこぞの縞々も見習ってもらいたいものだな。
「いよいよだね! 行こうふうちゃん! あの場所をみんなで取り返そう!」
「よし、準備はいいな? 皆苦しいかもしれないがよろしく頼む!」
「ええ、大事なファンが困っているのだもの、全力を尽くすわ」
「なるべく控えめだと嬉しいけどなー……なんて」
フォッサが少しひきつった顔をしている。無理に歌声を聞く必要もないと思うのだが、彼女のことを思ってだろう。いい心構えだな、フォッサよ。屍は後でしっかりと拾ってやるぞ。
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
「「「「「「「「「おおーっ!!」」」」」」」」」
カワウソの合図を皮切りにみんなで一斉に掛け声を上げる。皆一丸となった瞬間だ。ククク、待っているがいいセロリアン。今度はお前があせる番だ。
(風翔龍の目が光っている。これはもしや……)
(ええ、もしかするとこれはそうなのかもしれないわね)
トキとコブラが目で何かを伝え合ったことなど私は知らず、川沿いをずんずんと進んでいく。奴の気配を感じ始めた、だんだんと近づいているな。前回は手痛いお返しをもらったが今回はそうはいかぬ。引導を渡させてもらおう。
「まずは奴を気づかせてかく乱させよう、トキはその間に奴の頭上に回れるか」
「ええ、いいわ。暴れ狂うほど私の歌が聴きたくてたまらないらしいしね」
「よし、行くぞサーバル、フォッサ!」
「「まかせてっ!」」
気配の方向へ走り出す。トキも行動を開始したようだな。その間にほかの者たちにはあることをお願いしている。
「よーっし、この辺でいいのかな」
「相当大きいからねえ……結構でっかくないといけないかも」
「風翔龍の作戦、必ず成功させないとだな」
「ええ、気合を入れていきましょう!」
とある四人には落とし穴を掘ってもらうようにお願いした。少し手間がかかってしまうとは思うが確実に成功させるためだ、なるべく大きいものを造ってもらわねばならぬ。その分私たちも時間をなるべく多く稼ぐ必要がある。準備ができ次第作戦決行だ。
そしてオセロットには監視役としてそれぞれ両方の状況を伝える役を任せてもらった。私は注意深いので用心に用心を重ねての結果だ。彼女も満足げに引き受けてくれたから一安心だ。
「もうすぐ奴が見えてくるはずだ、気を抜くなよ貴様ら」
「もちろん! 絶対成功させようね!」
「私も賛成だね、あいつをこのまま野放しになんて絶対したくないし、早く倒しちゃおう!」
「あくまで時間を稼ぐだけだからな? 無茶な行動はするなよ?」
((それふうちゃん(あんた)がいうことかなあ……))
見えた! 奴だ。上半身が出ている、ということは向こうはもう気づいていたか……!
「攻撃が来る、構えろ!」
合図を聞いて二人が身構える。予備動作を見極めろ……二人を絶対犠牲にはしたくない……! どっちだ、薙ぎ払いか、縦払いか……!
「!! 伏せろっ!!」
皆一斉に伏せる! ちょうど胸のあたりをブレスが横に通り過ぎる。予想通り薙ぎ払いだったか。なんとも恐ろしいものだなやはり。生前の姿の世界の人間も水竜とも殺り合ったことがあるのだろうな。
だが不思議と恐怖は感じない。今は奴を倒すことができる手段があるからだろうか。逆に楽しさすら感じている。そしてそれは気づかぬうちに私の体にも影響を及ぼし始めていた。
「ひえええ……やっぱり怖すぎるよおー……!」
「でも、そうも言ってられないよね!」
「……」
なんだ? 何か体が熱く……これは……体から何がが出ている? いったい何だこれは。
二人が私に起こっている異変に気付く。二人とも驚いている。
「ふうちゃん……体からサンドスターが……まさか……!」
「おお! 風翔龍の背中に何かが出てきてる……! これはもしかして野生開放しちゃった!?」
やせいかいほう? さんどすたー? わからぬ、わからぬが何か私の体にみなぎってきているものがあるのは確かだ。そして違和感のあった背中に懐かしい感覚が戻ってくるのを感じる……!
「背中に……まさか……翼?」
二人ともすごい勢いで頷く。そうか、ついに翼が戻ったのか……なに!? 翼だと!?
試しに背中の翼と思しきものを動かしてみる。バサッと音がした。夢ではないよなこれは……念願の翼を手に入れたぞ。
「ころし……げふん、報告に行ったほうがいい? やめておく?」
オセロットがこっそり駆け寄って茂みの中から聞いてくる。もちろん報告したほうがいいだろう。こんなに嬉しいことはない。ついに私の戦闘の要である翼が戻ったのだ。今すぐにでも飛び回りたい気分だ。
予想だにしていなかったことが起きてしまった。これでは落とし穴を作ってもらっている者たちに申し訳ないではないか。いや、まだわからない。ただ単に翼だけが戻ってきたのかもしれない。肝心の風の力が戻らねばまだまだ弱いトカゲのままだ。落とし穴はまだ作ってもらうことを伝えよう。
「ああ、ぜひ報告を頼むぞ。だがまだ落とし穴作りは続けてくれるように言っておいてくれ」
私はオセロットに落とし穴組に伝えるように言った。そのまま彼女は了承すると向こうへ伝えに行ったようだ。
さて、この力……少し試してみたくなったぞ。私は駆け出そうとするが二人に止められた。
「もう無茶なことはさせないよ! まずは作戦を成功させてしまおうよ!」
「私もそう思うぞ! あんたの力が戻ったことは喜ばしいけどそれで無茶はしてもらいたくないしね」
「……」
そうだった。何をやっているのだ私は……サーバルにも言われたではないか、もっと頼ってほしいと。このままでは私は彼女ら二人を悲しませるだけだ。
頭を冷静にする。フォッサから教わった深呼吸をする。……よし!
「すまなかった。自分の力に自惚れてまた突っ走ってしまったようだな」
「ふうちゃん! そうだね、みんなであのセルリアンをやっつけようって約束したもんね!」
「ふうー、また一人で突っ込んでいくと思ったよ……でも、ちゃんと学習したみたいだね」
悪い癖だな、一人で突っ走りがちになってしまうのは。仲間がいるならうんと仲間を頼ってやろう。そしてこの力、私だけの為ではない。皆の為に使わせてもらおう。
「よし、作戦続行だ!」
再び私達は奴の攻撃に備え身構えた。そして私は漆黒の翼をはためかせ上空へと舞い上がった!
なんと風翔龍が野生開放!?彼女に何が起きたのか!
わけもわからない彼女はそのまま戦闘を続行します!
次回果たしてどうなるか!
すいません誤情報でした、野生開放ってフレンズの力をさらに底上げすることだったのね、勉強が足りなかった>< 指摘いただいた方ありがとうございます。前書いていたことは綺麗さっぱり忘れてください。