どんな住処かは想像にお任せしますw
ちょいと文章を変えてみました!
プレーリーをいったんおいて私達はビーバーのいる湖畔へと急ぐ。しんりんちほーへ早く行きたいのだがこの頼み事は放っぽりだすわけにはいかなそうだ。
「まったく、誰が歌の練習なんか頼んだのだ」
「「じー……」」
まったくどこの阿呆だろうか。自分に嫌気を覚えつつ溜息を吐く。なんであんなことを言ってしまったのだろう。言った自分が不思議で仕方がない。
「はあ……まあ結果的にトキの殺人的な歌が改善したからいいか……」
「殺人的……まあいいわ、歌もうまくなったし今言ったことはなかったことにしてあげるわ」
ため息を吐きつつ湖畔を目指す。徐々にではあるが飛んでいるときだけだが風を感じれる様にはなってきているようだ。野生解放してからまだ風の力自体は扱えないものの風そのものを感じることができないということはほぼなくなった。私が本来の力を取り戻す予兆であると思いたいな。
「見えてきたぞ、高さを下げるぞ! しっかりつかまっていろ!」
ぎゅんと高さを一気に落とす。以前は悲鳴を上げていたサーバルもキャッキャッとはしゃいでいる。
「うわーい! すごーい!」
「適応力すごいわねあなた……」
湖畔についた私達はビーバーをさがす。お、いたな。なにやらごそごそとやっているようだ。
「ビーバー! 木が見つかったよー!」
「うひゃい!? び、びっくりしたっス……おお、見つかったんスか!」
「ああ、――ところで何をごそごそとやっているのだ?」
「ああ、これっスか? 模型を作ってたっスよ、一応こんな形にしようと思うッス」
ビーバーが模型を見せてくる。おお、私にはよくわからないが確かにすごいものができそうな予感はする。これをビーバー一人で作るのか、やはり作る事に関してはビーバーの方が上に違いない。
「ほお――まあそれは置いておいて、早速行くぞ、ビーバーよ!」
「ふぇ? 行くってどこに行くっスか?」
「もちろん木を見に行くんだよー!」
「ええええ!? そ、そんなことまでしてもらってもいいんスか!?」
「とにかく、早く戻らないと森林の危機かもしれない! 行くぞ!」
「ビーバーはわたしが連れて行くわね、しっかりつかまっててね」
「ちょ、ちょっとま……うわああああ!?」
ふわりとビーバーを連れて舞い上がり、木のあった場所へと急ぐ。頼むぞー、しっかりおとなしく待っててくれよプレーリー。もし全部切り倒していたら私泣くぞ本当に。
「見えてきた! よかった、森林は無事みたいだね!」
「おとなしく待っててくれていたか……よかった」
「まずは一安心ね。後は邪魔が入らなければいいのだけれどね」
「不吉なことを言うものじゃ無いぞトキよ」
「うう、ぎもぢわるいッス……」
「「「ごめん……」」」
素直にビーバーに謝った。ふわりと降り立った私達はまずプレーリーを探す。
「………!!!………!!!」
――いた。また埋まっている。学習能力がないのか貴様は。まあなんにせよ埋まってくれていたおかげで森林は無事だったようだ。
「ぶはああ!? た、助かったであります……」
「自殺願望でもあるのかしら、あなたは」
両足を持って引っこ抜いてやる。まったく、掘る前にしっかりと考えてから掘ってほしいものだな。
「おおー! あなたが風翔龍殿の言っていたビーバー殿でありますな! プレーリードッグであります! よろしくであります!」
「ど、どうもッス……アメリカビーバーッス」
「では、さっそく……!」
プレーリー流のあいさつを済ますとまた木に向かって走り出した。
「だからちょとまってってばあ!」
「ビーバー、早く指示を頼んだ! このまま放っておくとあ奴全部切り倒しかねん!」
「わ、わかったっス! プレーリーさん、ちょっと待つっス!!」
「む、なんでありましょう? これから切り倒しにかかるところだったでありますが……」
「おれっちの言った木だけ切り倒してほしいっス。今から言うからお願いできるっスか?」
「ふむ、ビーバー殿の指示に従えばいいでありますね? 了解であります!!」
するとビーバーは木に向かって歩き始め、木を上から下へと眺め始めた。あれでどの木がいいのかわかるものなのか。ビーバーという生き物はすごいのだな。
「ふむ、これは良さそうっスね、プレーリーさん、この木をお願いするっスよ」
「任せるであります!! ガリガリガリガリガリ……!」
次々と作業をこなしていくビーバーとプレーリー。見事なものだ。じゃんぐるちほーでの出来事を思い出すな。あれよりは人数が少ないが作業は圧倒的に向こうが早い。
「ふう、こんなもんスかねえ……」
「次は、なにをすればいいでありますか!?」
「これをおれっちの住処まで運ぶッスよ」
「了解であります!! ってさすがに運ぶのは無理そうでありますね……」
「「じー……」」
「…………」
無言の圧力。逆らえぬ私。てか二人ともにやけ顔になっているし。明らかに楽しんでいるだろ。ああ――ああ、わかったよ運べばいいんだろう運べば。
無言で木を担ぐ。運び終わったら二人とも覚えていろ……! そう思いつつも逆らえぬ私はふわりと宙へ上がり木を運んでいくのだった。初めて自分の存在価値を疑った瞬間だった。
運び終えた後、二人にお返しをした私は湖畔での作業を眺めていた。プレーリーも面白そうでありますねーと言いながらついてきている。しかしお互い別のことを考えてやっているのか、なかなか作業開始に踏みとどまっていない。さっきの素晴らしい連携はどこへ行ったのやら。
「ごめんふうちゃん……もう楽しまないから……うえっぷ」
「私も悪かったと思ってるわ……だからもう二度どしないから……うぷ」
「今度やったら時間を倍にしてやるからな……覚悟しておけ……ククク」
「「ひいぃいいぃいい……!!」」
まあ何のことはない。ただ二人を抱きかかえて高速で5分間空中宙返りを連発しまくっただけのことだ。私は器官は頑丈だからそんなくらいで酔うことはない。何回でも回れる。まあ途中でプレーリーとビーバーのストップがかかったが。
「うう、とりあえず小さいのを作ってみたっスけどいまいちっス……」
「とりあえず、掘るでありますよ! ガリガリガリガリ……!」
ビーバーは小さい家とにらめっこしているし、プレーリーに至っては穴を掘り始めた。――これでは埒が明かなそうだ。
「二人とも少しこっちへ来い」
「お? 一体どうしたでありますか?」
「風翔龍さんも手伝ってくれるっスか?」
「ああ。さっきみたいに二人でやったらどうだ?」
二人を呼び、先ほどの作業についてを話す。すると二人は
「言われてみれば確かに二人でやったときは順調だったっスね」
「驚くほどのスピードだったでありますね!」
うーむ、あれは無意識で動いていたのか。自覚していたわけではなかったのだな。ある意味二人の特技といえよう。
「まず二人がほしいと思うようなものを住処に足していくのはどうだ?」
「ほしいと思うものっスか……おれっちは見晴らしがいいのが良いっスね、あの島みたいな地形とかに作ったみたいっス!」
ビーバーがその場所を指さす。ほほう、なかなかに良さそうな場所だな。確かにあそこは見晴らしが良さそうなところのようだ。
「ほう! 面白そうでありますな! では私は、地面の下からはいれるような入り口がほしいであります!」
「おおー! なんだかすごそうな住処ができそうだね!」
「じゃあ、この模型をもとに作っていくっスよ!」
満場一致でビーバーの案に賛成した。住処を作るか、考えたこともなかったな。今の私であればそれも可能になった。いずれは自分の住処を自分で作り上げるのも面白そうだな。考えておくとしよう。
「さて、手伝うといったはいいが、どこから手を付けていくかだな」
「やっぱり入り口からじゃないかしら?」
「ということは、私の出番でありますな!! 行くでありますー!」
「あ、ちょっと待つっス! これを作りながら掘っていってほしいっス」
ビーバーは何か門のようなものをプレーリーに見せている。
「これを途中で穴に作っていけば途中で穴が崩れる心配も無くなるッス」
「おおー! それはいいことでありますな! 早速作っていくであります! うおおー!!」
ものすごい勢いで穴を掘り始めたプレーリー。あっという間に穴は向こう側へつながった。
「これでいいでありますかー!」
「ばっちりっス! さすがっスねプレーリーさん!」
「私達の出る幕はなさそうだね」
「木を運んでやるくらいはしてやろう、ぼーっと見ているだけでもいいのはいいが」
「私も手伝ってあげようかしら、見てるのは退屈だし」
皆で一丸となって住処づくりは進んでいく。やがて住処の完成が見えてきた。
「もう少しっスよ! 後は上に屋根を作れば完成っス!」
「なかなか高い位置に作ったものだな。だがまあこれならばセルリアンにもすぐに気付けるだろう」
木を上に運びつつ私は感想を述べる。トキも一緒に運んでくれている。割と力があってびっくりした。本人曰く歌を毎日のように歌っていたから鍛えられたとのことだ。歌でそんな力がつくのか、信じられん。ちなみにサーバルは見張り役だ。耳がいいからという理由で決定した。本人は不満そうだったが。
そしてついに――
「「「できたあー!」」」
ついに住処が完成した。こんな立派なものができるとは。フレンズ化恐るべしだな。
「凄いっス! 皆さんのおかげっスよ! 感謝してもしきれ無いっス……!」
「風翔龍殿はフレンズの皆をまとめるのが得意なのでありますね! その力きっとまたどこかで役に立つ時が来るはずであります!」
「貴様らほどではない。ただ皆と作業をしたまでだ」
「風翔龍さんの一声がなかったら皆一丸にはなれなかったと思うッス! ホントにありがとうっス!」
二人から称賛される。私はただ指示を出しただけだというのに褒められてしまった。しかし私もフレンズというのがどういうふうに生きているのかわかった気がする。お互いを知らないために連携というものができないでいる。それを私が橋渡しをしたのだな。そのおかげで共存できるようになる。私のおかげでフレンズが一丸となる。何だろうなこの気持ちは。
「よーっし! 早速住処へ入ってみよう―!」
「いいわねえ、私も入ってみたいわ」
「良いっスね! 入ってみるっス!」
「一番乗りでありますー!」
どかどかと住処へ入り込む。綺麗に組み上げられた木々が美しい。壁も床も隙間なくきっちりと組み込んである。これはもう住処を超えたなにかだな。
「すごいな……! これに住める二人が羨ましいくらいだ……」
「二人でっスか!? なるほど、それもありっスね」
「私もここが気に入ってしまったであります! ビーバー殿がよければ私もここに住みたいでありますよ!」
お、なんだかんだで二人とも気が合ったようだな。プレーリーの住処も無事解決か。
「私もここに住んでみたいなあー! ちょっとだけ、ちょっとだけでも!」
「図書館へ行くのだろ? 悠長にここで留まっている暇などない」
「ええ、私もそう思うわ。確かに泊まってみたい気持ちは私もわかるわ。でもやっぱり今は目的を優先すべきね」
「でももう夕暮れ時っスよ? 見知らぬ地を夜に動くのは得策ではないと思うッス」
確かに辺りはもう赤く色づいている。住処づくりに夢中で気づかなかった。この世界には私の知らないことはまだまだたくさんある。ビーバーの言う通り、朝を待ってから動いた方が良いのかもしれない。
「確かにそうだな。私は大丈夫だとしても二人はそうはいかないだろう。それで迷惑をかけてしまっては申し訳が立たない」
「じゃあ今日はここに泊まるんだね!? わーい!!」
「まあそういう理由があるなら私も賛成ね」
飛び上がって喜ぶサーバル。そんなに嬉しいのか、ここに泊まれることが。
「それじゃ、早速ベッドを作るッスよ、こんな感じで」
「了解であります! ガジガジガジガジ……!」
小さな模型からあっという間にプレーリーがそれを作り上げる。物の数分で人数分のベッドとやらが完成した。ふむ、夜にこれを使うということはここの上に寝る道具なのか。
上に寝てみる。おお、これはまた地面で寝るよりはかなり楽なものだな。ふむ、"ベッド"だな。作ることを覚えて損はなさそうだ。あとで作り方を学ばなくては。私はそんなことを考えつつベッドに横になった。
アニメも見たから知ってますがものすごい建築技術ですねーこの二人。
現実にいたら建築業界から引っ張りダコ間違いなしだなw
次回は湖畔を離れてしんりんちほーへと舞台は移ります!