古龍のフレンズ   作:まろにい

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料理回です! 果たして二人はどんな料理を作るのか……


section Ⅱ: 二人の料理 其の一

 

 ぐいぐいと引っ張られた私たち二人は図書館内へと入っていく。まったく、料理とやらはわからんし、そもそも文字も見る前よりはましになったがほぼ読めない――そんな状態でどうしろというのか。まあ教えてくれると言っているのだから何とかなるか……なるのだろうかほんとに。

 

「今から料理について教えてやるのです。しっかりと聞くのですよ」

「あ、ああ。わかった」

「なんだ? 戦闘でも始めるのか!?」

「なんでそうなるのですか。落ち着けです炎王龍」

「む? 違うのか助手よ、心得た」

 

 言葉をまだよく知らない炎王龍にとってはまあ仕方がない?ことなのだろう。これから言葉をたくさん覚えていけばちょっとは変わるはずだ。

 

「まず、料理というのはもともとの物をそのまま食べたりするのではなく、器具を使って加工をして新しい食べ物を作ることを言うのです」

「新しい食べ物ができるのか、その料理とやらをすれば。まるで魔法だな」

「ほう、つまりは私の好物である紅蓮石も料理をすれば作ることができるのだな! 素晴らしいではないか!」

「食べ物に限るのです料理は。お前のその紅蓮石はどう考えても一般的に考えて食べ物ではないです。石という時点で」

 

 食べ物限定なのか。ならば私の食べていた鉱石類も作ることは不可能か。私にとっては食べ物だが一般的には違うのか。確かに人間が鉱石を拾って食べている光景など見たこともない。今の私は人間だ、正確にはフレンズだが。

 

「ならば"その食べ物を加工とやらをすることで別の食べ物に変えること"を料理という、意味はこうなのだな?」

「物わかりが早くて助かるのです。料理の材料はあそこに置いているのです。我々では料理に手も足も出なかったのです」

「まったくです。どの料理も火を使うなど我々にとっては自殺行為に等しいのです」

 

 まあそんなふわふわな毛皮なら火を使うときに燃えてしまいそうだな。鳥のフレンズは火に弱いのか。

 

「火か。ならば我に任せておくがいい。どんな食べ物も炭にしてやれるぞ! ふはははは!」

「炭にしてどうするです。食べれないのです炭だと」

「炎王龍は加減というものはできるのですか?」

「加減? 知らんなそんなものは。我は常に全力で向かってくるものを相手してきたのだ」

 

 まあもともとけものだった私達にそのような知能があるとは到底思えないな。こうしてフレンズになってからようやく言葉を覚えることができたのだ。まだまだ知らない言葉の方が多いが、順応はしてきていると感じている。炎王龍はこれからだろうが。まあ教えることができる時に目いっぱい叩き込んでやるとしよう。

 その後、私たち二人は不思議な空間へと連れてこられた。

 

「ここは昔ヒトが料理をするために使っていた場所なのです、自由に使うといいのです」

「それといいですか、火を使うときは全力でなく加減して使うのです。それくらいできるですよね?」

「火を使えないことには料理をすることは不可能なのです。頑張るですよ炎王龍」

「加減……加減……よしわかった!」

 

 念を押される炎王龍。不安だ。ものすごく不安だ。まあ奴が全力で炎を繰り出そうものなら私の風で吹き消してやれるが――それでも不安だ。一応頭は切れるときは切れるからそれを頼りにするしかない。頼んだぞ炎王龍よ。

 

「それでは料理を始めるのです、お前ら」

「期待しているのですよ。どんな料理でも構わないのです。さっさと取り掛かるのです」

 

 せっかちな奴らだ、まあとりあえずは以前読んだれしぴとやらの本を見てみるとするか。たしか以前不思議な絵が描いてあった本だ。あれを見てピンと来たのだ。これは食べ物を魔法で変えるための呪文の本だろうと。

 

「ふむふむ、覚えておいて正解だったようだな、れしぴの本を」

「れしぴのほん? なんだそれは。戦闘に関するものか?」

「戦いから頭を背けろ炎王龍。これはおそらく魔法の類の本だ」

 

 私は手に取った本を炎王龍に見せた。まだ文字が読めない炎王龍は手に取って首をかしげつつ言った。

 

「ほう。魔法か、料理には魔法を使うのか。しかし我らは魔法なぞ使ったこともない、どうするのだ風翔龍」

「おそらくこの本に書いてある通りに準備を進めていけば料理は完遂することができる。何事にも準備は必要なものだからな」

 

 とりあえずまずはこのれしぴの本を読んでみるとしようか。

 

「ふむふむ、この本には多くの料理が書かれているようだ。準備もどうやら違うらしい」

「して、どれを料理するのだ? 我にはさっぱりわからぬ。貴公にゆだねるとしよう」

 

 一通りれしぴの本を読んでみた。所々が読めないので何やら呪文のようなことが書かれている。……を……りにして……うーむ、わからん。

 とりあえず文字を読んでもわからないので描いてある絵を見て料理を進めていくことにした。

 

「よし、決めたぞ炎王龍。このオレンジ色のうねうねした料理を完遂しよう」

「お、決まったのだな! 見た目は……何とも不思議な形をしているな。よしさっそく取り掛かるとしよう」

 

 絵を二人でまじまじと眺める。これはたまねぎというものか。ふむ、こっちは……読めん。だが形はわかる、そして緑色の食べ物だな。これも……読めん。だが何かに入っている赤い物体だ。読めんものは形で探すしかないか。

 

「この絵と同じものを持ってくればよいのだな。心得た」

 

 しばらくして炎王龍が戻って来る。お、ちゃんと持ってきたようだな。

 

「よし、まずはこれを加工しよう。絵を見ると線状になっているな。これを……線状に……いきなりハードルが高いな……」

「とりあえず切断すればよいのだな? 細切れにしてやろう」

「ちょっと待て、炎王龍。この絵、何か器具を使っている」

「む? ほう、確かに素手で切ってはおらぬな。これを持ってくればよいのか?」

「ああ、おそらく線状に切るための器具だろう。探してきてくれ」

「心得たぞ。しかし料理とはなんだか時間のかかる儀式だな」

「まったくだな。腹に入れてしまえば同じだというのに」

 

 二人でぶつくさ言いながら準備を進めていく。炎王龍が戻ってくるまでほかのことをしよう。次の絵は……丸い食べ物を切っているな。これもどうやらさっきの器具が必要なようだ。料理を完遂するにおいてこの器具は重要な物のようだ、まあこの辺は後回しにしよう。

 

「次の絵は……ほう、この器具を使ってこの棒を火にさらすのか」

 

 私は炎王龍の持ってきた棒状の物を眺める。これが完遂後にああなるのか。不思議だ。

 

「順調にできてるですか風翔龍」

「今のところはな。この器具はあるのか? これがなければ料理を完遂することはできないのだが」

「それなら、ここにあるのです。使うといいのです」

「すまないな」

 

 器具を受け取った私は水のありかを聞いて教えてもらい、水を器具に入れる。

 

「ふむ、これを水に入れて火にさらすと良さそうだな」

 

 棒状のものを水の入った器具に入れる。後は火だな。どの道炎王龍を待つしかないか。と言っているうちに戻ってきたようだ。

 

「すまぬな、探しきれなかった。む、貴公の方は準備は進んでいたようだな」

「ああ、これを火にさらすようだ。頼めるか炎王龍」

「任せておけ! ――加減して、だったな」

 

 彼女が控えめに息を吸い込み炎を繰り出す。おお、いい感じの威力だ。やはりやればできる獣だったか。

 しかしこのままずっと噴き続けているにもいかないだろう。火を移せるものが必要そうだ。

 

「やっほー! お手伝いに来たよー!」

「大変な目に合ってるようね二人とも」

「?? 何をやってるんだ?」

「うわ!? 火はこわいぃいぃい!」

 

 ぞろぞろとほかの仲間たちが集まってきた。いいタイミングで来たな。

 

「一つ頼めないだろうか? この火を移す物を持ってきてほしいのだが」

「その火を移すものだな? 私達で行ってこよう。二人とも火のそばには居たくなさそうだしな」

「助かります、ヒグマさん……」

「毛皮を燃やしたくはないからお供しますね」

 

 そそくさと料理場を後にする三人。そこまで怖いのか、火。私は何ともないがなあ。そこにいる炎の化身のような奴より数百倍はいい。

 

「む? どうかしたのか風翔龍よ」

「いや、なんでもない、続けてくれ」

「?? 心得た」

 

 しかしずっと炎を吹き続けているが体力は大丈夫なのだろうか。サンドスターを放出しているから野生解放をしているのは間違いない。

 

「しかし、これは意味があるのだろうか。一向に器具の中に変化はないみたいだが」

「む、威力を上げるか? もちろん加減しながらだが」

「助かる。少し威力を上げてもいいかもしれぬな」

 

 サーバルが興味津々にみている――遠巻きから。やっぱりサーバルも火は怖いんだな。

 

「ふ、ふうちゃん何かお手伝いすることってないかな?」

「そうだな……そこの材料を切ってもらえたりできるか?」

 

 料理の材料を指さして言う。材料を見たサーバルは目をキラキラさせて言った。

 

「ふふん! まっかせてよ!」

 

 すぐさま材料の方へ向かうサーバル。切り方は伝えたが大丈夫だろうか。

 

「うみゃみゃみゃみゃみゃみゃあー!」

 

 叫び声をあげて材料を切り刻むサーバル。おいおいそれで本当に材料が切れるわけ――切れてる。いったいどんな切り方をすればそんな綺麗に切れるのだろう。

 

「?? これでいいんだよね? 切ったけど」

「あ、ああ。ありがとうサーバル、その爪は一体どうなってるんだ?」

「わたしの爪? 別に普通だよー?」

 

 この技には驚いた。料理を遂行する際はサーバルは必須だな。切る係として。野生解放もしていないし元から備わっていたのだろうか。

 

「みゃ? 何か目が……う゛、ぎにゃあああ!?」

 

 突然サーバルが目を抑えだした! な、なんだ!? どこから攻撃を受けた!?

 

「落ち着くですお前ら。おそらく玉ねぎを切ったせいなのですよ」

「あの丸いのをか? 切っただけで目がやられるのか?」

「目に危害を与えるわけではないのです。ただ染みるだけなのです」

 

 染みる? あの玉ねぎを切ると目が染みるのか。染みるという状態はああなるのか。

 

「目が、目が明けれないよおお! なにこれ!? に゛ゃあああ!?」

 

 目をぐしぐし擦るサーバル。料理はまるで戦いだな。私も攻撃を受けないよう気をつけねばな。

 

「サーバル、こっちに来るのです。水で目を洗うのです」

 

 助手がサーバルの手を引いて水の出るところへ連れていく。サーバル、お前の融資はしっかりと刻んだぞ。後は私達二人にまかせておけ、ばっちり完遂してみせるぞ。

 

「おーい!! 火を移す枝を取ってきたぞー!」

「おおー、豪快ですねー。近寄りたくはないですけど」

「少し威力を上げてみたのだ。これで変化が起きればよいのだが」

「変化が起きるんですか? この器具で」

 

 たぶんだがあの完遂後の絵のようにうねうねした状態へと変化するとみている。だが

 

「うーむ、直接当ててもダメなのかもしれぬな」

「であれば下から炙ってみるか。変化が起きるやもしれぬ」

 

 下からか。なるほどそれならば火を直に当ててやる必要はなくなるな。ちょうどここに炙るための場所のようなものがある。少しすすがついているし、ここで火を使っていたに違いない。

 

「ここに器具を置くようだな。――よし、後はしたから火を当てて炙れば良さそうだ」

「凄いな風翔龍、この場所の使い方が分かるのか。以前料理したことあるんじゃないのか本当は」

「言葉自体を聞いたのがここで初めてだ。一切この手のことはしたことはない。火ですらあまり見たこともない。単なる憶測だ」

「雪山でしたね、すんでいたところは。それなら火を見る機会も確かに少なそうですね」

 

 下に枝を集めて置き、火を着ける。やがて日はだんだんと大きくなった。後は器具の中で変化が起きてうねうねした状態になれば料理の完遂に近づくことができる。ほかの材料も切ってくれているみたいだしな。炎王龍が切り方をサーバルに教えたようだな。やはり頼りになる、これからもよき仲間になることは違いないさそうだ。

 

「さて。次の準備をするとしよう、次は――」

 

 また器具を使っている。今度はさっきの器具よりも底が浅い。色も黒い色をしている。これでさっき切ったものをまた炙るようだ。しかし何やら炙る前に液体のようなものを器具にまいている。これは何か意味があるのだろうか。まだまだ完遂には時間がかかりそうだ。

 




料理は後半戦へ! 果たしてうまく完成できるのか!?
はじめは肉を使った料理を考えましたけど
取りやめてパスタ系にしてみました。作るのは結構簡単ですからね。
アレンジを加えると難しくなりそうですが、私はオーソドックスな
作り方が一番好きですw
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