お独り様のハンター生活   作:獅子脅

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プロローグはいつも説明的で。

まず最初に言っておこう、この物語はハッピーエンドではない。

 

主人公は誰とも結婚したりしないし、仲間と競い合ったりもしないし、俺たちの戦いはここから始まったりもしない。

 

孤独であり、そして孤高な物語なのだ。

 

それを忘れてはいけない。

 

それでもよければ、静かな村で腐っている一人の男の話を始めよう。

 

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 

『なーんでこんないい天気なのにお前なんざ相手しなきゃいけないのかねぇ。』

 

そう愚痴をこぼしながら目の前に佇む雷狼竜ジンオウガと対峙する。

バチバチと帯電行動に入ろうとするジンオウガを矢先にヘビィボウガンの銃砲を鳴り響かせる。

 

『無視されるのは嫌いだ。』

 

非常に不快だと言わんばかりの銃撃を浴びせ続け、貫通弾Lv1は無慈悲にジンオウガの身体を貫き、そして5分と経たないうちにズシンと倒れ動かなくなった。

 

『ふぅ、中々に疲れたなぁ。』

 

相手は上位、その中でもそれなりの手練れだ、疲労が溜まるのも頷けるだろう。

それにソロなんだ、かかった時間を考えれば上出来以上だと思うんだがな。

 

あぁ、では何故パーティで狩猟しない?なんて質問をされそうだが、クエストの報酬を独り占めできる、なんて理由もあるがそれなりの危険ってのが伴う。

ハンターがしているのはモンスターとの命のやり取りだ、生きるか死ぬか二つに一つ。

そのリスクを考えればソロで狩猟なんて全く割りに合わない、では何故か?ソロで狩猟する本当の理由は俺の過去にある。

こういう話の主人公にはよくあるだろ?だけど仕方ないんだ、だってあるんだもの。

 

まぁその理由ってのはまた今度話すとしよう。

 

そんなことより剥ぎ取りがしたいんだ、俺は。

 

【雷狼竜の碧玉】

 

マジか。今日は美味い酒が呑めそうだ。

 

剥ぎ取りも済ませたし、ギルドからの迎えを待つ間に少し過去の話をしておこう。

あれだ、こういうのでよくあるキャラクター補足だ。

 

俺がハンターになった理由だ。

 

ハンターってのは誰もがやりたがる仕事じゃない。

ハンターになる理由は人それぞれだ、金のため、地位や名誉のため、自分の力を見せつけるため、ただ単に楽しいからって言う戦闘狂みたいな奴もいる。

だが、この仕事はそんなに楽しいもんじゃない、ギルドからの援助があるとは言え、クエストに向かった奴が帰らぬ人になるなんざ日常茶飯事だ。

勇敢な奴ほど早く逝ってしまう世界だ。

 

まぁ、そんな厳しい世界を選んだ理由は、簡単に言っちまえば復讐だ。

 

いや、だった。と言うべきだな。

 

ガキの頃に住んでた故郷の村をあるモンスターに襲われた。

運よく生き残ったのは俺だけだった、俺の故郷の村にも専属ハンターってのが居たんだが、村の誰よりも早く尻尾を巻いて逃げちまった。

まぁ、昔はそのハンターを憎んだが、相手が相手だったから逃げちまうのも仕方がないと思える。

それほどの獲物、そう古龍だった。

そこらの強敵と呼ばれるモンスターですら比べ物にならないほどの力を持つ存在。

あれは生物なんてカテゴリーには入らない、例えるなら災害だ。

 

ハンターになった理由はその古龍をこの手で殺すためだった。

 

だが…まぁ色々あって仇討ちなんざに意味はないと理解したんだがな。

 

今もハンターを続けてる理由は、特にない。

 

長々と説明した割りには適当だって?そりゃそうだ、こんな割りに合わない仕事辞めれるもんなら辞めたい。

なぁなぁで続けてるのはそうだな、続ける理由を探すため?なんていう意識高い系な目的の為だ。

 

『お疲れ様ですニャ!お迎えにあがりましたニャ!』

 

おっと、ギルドから迎えが来たみたいだ。

 

ここらで俺の話はとりあえず終わらせておこう、またいつか語る日が来るだろうからその日までお預けだ。

 

♦︎♦︎♦︎

 

『お疲れ様です、こちらが報酬金と報酬素材になります。』

 

渓流からベルナ村の集会所に戻り、受付嬢から報酬をもらう。

 

ここの受付嬢達は物凄く人気がある。

その容姿端麗さから他の村からはるばる物見遊山に来るものもいる。

 

まぁ、ネコ嬢のアイドル的人気のせいもあると思うが。

 

『女将さん、いつもの。』

 

アイルー屋台で女将さんにメシを頼む、これが1日の締めくくりだ、ハンターを続けてる理由がないと言ったがここのメシを空腹という最高のスパイスのためにハンターをやっていると言っても過言ではないほど俺にとって至福の時間なのだ。

 

『はいはい、龍酒蒸しね。』

 

ここのメシはなんでも美味い。

俺な特に好きなのはこのベルナスの龍酒蒸しだ、なんで酒で蒸すだけであんなに美味くなるのか理解ができないほど美味い。

あとこの村で有名なのはチーズフォンデュだな、あれは酒とも合うし最高だ。

ハンターがよく摂取する携帯食料とは大違いだ。

あれはメシとは呼ばない、味が全くせず単純に必要なカロリーを摂取するための固形物だ。

 

『お待たせニャ!』

 

おぉ、きたきた。

この香り、たまらねぇ。

 

『いただきます』

 

一気にかき込みたいところだが、少しずつ味わって頂く。

腹に栄養が溜まるのを身体中で感じる。

こうしてクエストで疲労し、筋繊維がブッチブチに切れたのをここのメシを食べて修復する。

 

命を奪い、そして敬意を払い食す。

 

まぁ、あのジンオウガを食べてるわけじゃないんだがな。

モンスターを狩ること、それは一見すれば横暴な行為にも見えるだろう。

人間の勝手な都合で命を奪っているんだからな。実際それもあながち間違いじゃない、だが俺たちハンター、そしてギルドの思想はモンスターの殲滅ではない。

モンスターとの共存、それがギルドの思想だ。

ギルドに所属しているハンターもその思想を持っているからこそ、無闇にモンスターを狩猟したりしないんだ。

個人的な狩猟のセオリーだが縄張りを荒らすもの、人の命を無闇に奪うもの、村を襲うもの、生態系を崩すもの、これらは俺にとっての狩猟対象だ。

中には装備を作りたいから狩猟する、目障りだから狩猟する、復讐するために狩猟する、ってな奴らもいる。

だがそれを悪とは誰も呼べないのだ、正当に依頼され、それをこなしているに過ぎないのだから。

共存と言っても人間贔屓なのは間違いないがな。

 

『ごちそうさまでした、と。』

 

さて、なんだかんだで食事を終わらせ自宅に帰るとするか。

女将さんに挨拶をしてここの村に来た時に村長から貸してもらった自宅に帰宅する。

まぁ、部屋は質素ではあるが案外気に入っている、必要なものは最低限あるし何よりベッドが柔らかい、マシュマロのようで寝ていると沈みそうなくらいだ。

 

白疾風装備一式を脱ぎ、タマミツネと呼ばれるモンスターから出来たヘビィボウガンを武器庫に立て掛ける。

これでも中々の装備を揃えていると自負している。

 

とまぁ、ここまでが俺のいつもの日常だ。

俺はこの生活に満足している、一人だからこそ誰にも気を使う必要がないし、一人だからこそ気兼ねなく狩猟ができる。

 

前説が長くなってしまったが、これから俺の物語が始まる。

 

これからちょっとしたトラブルに巻き込まれるんだ、とはいえラブコメ的なトラブルとは違う普通に厄介なやつだ。よくあるだろ?私と!パーティを組んでください!的なやつ?

 

ねぇよ、安心するなよ?

 

さて、少しずつ始めていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 




プロローグを書き終わった頃、この主人公どうしよう…ブレブレになりそうだよぅ、ふえぇ。ってなりましたが、まぁ色々あって捻くれちゃったんだよね系男子なんです!!
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