お独り様のハンター生活   作:獅子脅

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始まりはいつも感情的で。

『ーーーめろ!!ーーーんて無謀だ!!!』

 

うるさい。

 

『ーーー何故だ!!』

 

うるさい。

 

『一人がよかったんだろ?』

 

あぁ、そうだ。

 

そうだった。

 

『あっ、あぁああああああああ!!!!』

 

酷い寝汗を垂らしながら最悪な朝を迎えた。

毎度のことだ、疲れが溜まった時はいつもこの夢を見る。

顔を洗おうと洗面台に立とうとした瞬間、ノックが鳴った。

 

『誰だよ…こんな朝っぱらから…』

 

客人なんてそうそう来ない、こういう時に限って来るのは大体面倒事だ。

だがもし世話になっている村長とかだったら無視はできないし…。

 

『ったく…急な来客は嫌われるぞ…』

 

ぶつくさ言いながらドアを開けた。

 

『あっ、あの!!朝早くすみません!!お願いがあるんです!!』

 

と、いきなり名も名乗らない無礼でか弱そうな少年が立っていた。ラングロシリーズに大剣を携えた風貌からしてハンターだろう、それも新米、まだ下位か上位上がりたて言ったところか。

 

『悪いが、こんな朝早くから名も名乗らないようなやつのお願いを聞く義理はない、帰れ。』

 

冷たいか?真っ当な返しだと思うのは俺だけか?いや俺は悪くないな、うん。こいつが悪い。

しかし、こいつハンターなのに一度もこの村で見たことないな…。

 

『あっ…も、申し訳ありません!!!き、キリュウと申します!!バルバレから来たものです!!』

 

バルバレ…なんとなく察しがついてしまうのがどうにも癪だ。うん、やっぱり断ろう。

 

『そうか、キリュウくん遥々バルバレからようこそベルナ村へ、チーズフォンデュが美味いぞ。じゃあな。』

 

と、華麗に彼を躱した。

いやマジで華麗だわ、ナルガクルガの攻撃をフレーム回避するくらい華麗だわ。

 

『お願いします!話だけでも聞いてください!!お願いします!!!』

 

しつこかった。もうチーズフォンデュ食って帰ってくれよ…と思いながらも、目が意外とマジだったんで本当に面倒事だと理解した。

ジジイ、恨むぞ。

 

『…はぁ。話だけだ。』

 

つくづく甘いとは思うが話を聞いて物見遊山でもさせて帰らせよう。そうしよう。

 

『あっ、ありがとうございます!!』

 

そんなに目をキラキラさせないの、お兄さん眩しいルーキーを見るの辛いんだわ。

歳感じちゃうの。

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

 

『実は…ディノバルドを、狩りたいんです…!』

 

おう、勝手に狩って帰れ、下位程度ならこの少年の装備でソロでもまぁ狩れるだろう。と思ったが、この感じだとそこまでのセンスはない感じか?そもそもなんでディノバルドを狩りたいんだ?遥々バルバレから狩りに来るほどディノバルドに執着する理由はなんだ?

 

『なんでまた?』

 

『実は…結婚を約束した娘が居まして…』

 

あー、はいお兄さん察した。察せた。そんでもってこの歳で独身のお兄さんの心をその大剣で叩き斬りに来たのか?残念だったな、俺は独身であることに誇りを抱いてる。君程度の溜め3斬りではその誇りは砕けないさ。

 

『その娘の父親が厳格な方で…燼滅刃を狩るほどの男でなければ娘はやらん!!と仰っていまして…』

 

流石お父さん、二つ名くらい狩る男じゃないと男じゃないっすよねマジで。

合点がいった、そいつをソロとは中々辛いものがあるだろうな。

 

『で?それを他人の俺に狩るのを手伝えと?』

 

『いえ!!自分一人の力で証明できないと意味がないんです!!』

 

ほう…?中々いい心意気だ。嫌いじゃない。

 

『じゃあ何故俺を訪ねてきたんだ?』

 

『僕を…強くしてください!!!』

 

想像の3倍くらいの面倒事だった…弟子取りなんてしてないししたこともない。大体俺はガンナーメインのハンターだし剣士系は専門外だ。彼には悪いがやはりお引き取り頂こう。

 

『悪いがーーー『お願いします…!!!一人でも勝てるって…証明したいんです!!!』

 

『今までパーティと狩りばかりしていて…みんなに任せきりの狩りばかりで…ちゃんと、強くなって証明したいんです…!!!』

 

若い。それもとても若い。

基本的にソロで狩りなんざパーティでさえ命を危険に晒しているというのに更に危険を晒している物好きとまで言われ、自殺志願者だのと呼ばれる始末だ。

それなのに、死ぬかもしれないのにそれすら厭わずに力を証明しようとするその理由は感情なのだろう。いつもそうだ、危険を顧みず人間を突き動かしてきたのはいつも感情だった。

 

だから、早死にする。

 

『やめとけ、そうやって力を証明したいんなら順序を踏め、パーティで狩る事も経験に繋がる、お前のためにもなるさ、死ななきゃ強くなる。』

 

だから、自己を守れなくなる。

 

『それでやっと上位、G級へと上がってハンターは一人前になるんだ。』

 

だから、周りが見えなくなる。

 

『それじゃ…遅いんですよ…!それじゃ今あるものを守れないじゃないですか!!!』

 

『…』

 

どこか説得力がある。そしてこの少年は俺とは違う。誰かを守るために一人でやるのだから。

 

この少年なら…証明できるのかもしれない。

 

『…はぁ。わかった、戦えるくらいには面倒見てやる。』

 

『っっっ!!!本当ですか!!!』

 

わかりやすいなこいつ、騙されたりしてないか?お兄さんは心配だぞ?飴なめる?

 

『ただし、3日だ。3日で戦えるレベルまで底上げする。覚悟しとけよ。』

 

『3日…やります!!やり遂げてみせます!!』

 

まぁ、上位レベルの知識と経験を教えるってのは難儀なことだが、大剣ならなんとか教えられるだろう。あとはこの少年のセンスの問題だろう。

 

『そんじゃ、今からだ。準備しろ。』

 

『え?あ、はい!わかりました!』

 

何を疑問系なってんだ、当たり前だろ3日間しかないうえに今はまだ朝だ。

 

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

 

『あら、ハンターさん珍しいですね、お連れがいるなんて?』

 

集会所のクエストカウンターで受付嬢がニヤニヤしながらそう問われる。

やめてくれショタコンになったわけじゃない。やめて?ほんと、違うからね?

 

『連れじゃないし!パーティは組んでねぇし!』

 

あっ、なんかツンデレみたいになったやだ恥ずかしい。

 

『あらあら、まぁまぁ。』

 

お母さんみたいなのやめろ!なんか恥ずかしいから!!

 

『ところでキリュウくんとやら、ハンターランクはいくつだ?』

 

『ええと、この間4になったばかりです』

 

ふむ、まぁ妥当というか上位に行けるレベルで少し安心した。

 

『それじゃ、このクエストに行ってもらおうかな』

 

『あら…上位になりたての子にこのクエストは…』

 

『え…えぇええええええ!??』

 

こいつでも生温いくらいだ。それにこの程度のやつをソロで狩れなきゃ二つ名モンスターなんざ夢のまた夢だ。成長なんてありえない。

 

『大丈夫だって、ちゃんと行く途中まではアドバイスしてやるし、死んだら墓は立ててやる!』

 

『そ、そんなぁ!??!』

 

さぁ、どこまで根性見せるかな。

証明してみせろ、まず俺に。

 

『轟竜…ティガレックス…』

 

 




新キャラと登場と同時にやっと始まりました!キリュウくんは燼滅刃を狩れるのか!!その前にティガですね、ティガ大剣ってとっても使い勝手が良くて好きです。
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