「Bブロック閉鎖、Gブロックにて火災発生、消火班は至急___」
「二番艦轟沈!三番艦大破、四番五番艦は戦線離脱___」
…俺達は『いつから』続けている。…俺達は『いつまで』続ける。歴史の果てから永遠と続く過ちの繰り返し。最初は『槍』次に『剣』、『火薬』『爆弾』『銃』………挙句の果てには『人型兵器』と来たもんだ。何が無人兵器だ。未来の戦争も結局は人同士の血の流し合い。お偉方にはゲームの駒扱い、上官にはストレスのはけ口。疲弊した人員を捨てては何処からか代わりを連れてくる。
「もううんざりだ。」
彼は手元のスイッチを押す。暗いコックピットを計器の光が照らす。カタパルトの扉が開き、現れる1機のMS(モビルスーツ)。鋼色の無塗装のそれは足を踏み出す。ツインアイを光らせて………。
0章 プロローグ
「第2カタパルトからモビルスーツ発進?どこの隊だ!?」
「あそこには調整済みの試作機しか…」
武器を取り尚も発進しようとするMSに皆が違和感を覚えた。
「ッッ!奴か!止めろ!発進させるな!」
時すでに遅し、MSは推進剤の青白い光を輝かせ戦場へと消えた。推進剤を吹かしつつ彼はパネルを叩き続ける。
「ポイント確認。航行シークエンス入力、ドライブ安定。ッチ、断層帯はドンパチの中心かよ…」
そう呟くと手当り次第MSを潰していった。ライフルが火を噴く。敵も味方も関係なく撃ち抜かれては爆発する。彼はただその『ポイント』を目指した。
刹那、一筋の光が右手を掠める。火花を散らし光が過ぎたと同時に右腕の機能が麻痺した。
「パルスライフル…直接コネクタを狙ったか…!」
彼の視線の先には、ローブをかぶったMSがいる。精鋭部隊ーナギ部隊がそこにはいた。
「そこの新型。上から捕獲命令が出ている。大人しく降りてもらう。」
「やなこった。シルバ、俺は過ちの根源を止める。この機体でな。」
右手のライフルを持ち替え構え直す。
「悪いがお前達に付き合う時間はない!」
発砲。赤い光を放ちナギ部隊を襲う。間一髪で避けたパイロットーシルバはパルスライフルを連射する。光の筋は確実に彼のMSを捉えた。しかし彼のMSは華麗に避けていく。その最中彼のMSが武器を投げ出し白く輝き出した。
「まずい!転移するぞ!」
白く光るMSをシルバは必死に追撃するも、もう手遅れだった。辺り一面強烈な光を放つ。
「あばよシル___」
通信が途切れ、光が収まるともうそこには彼はいなかった。
時は時空世紀0065年 一月一日
後に『最終戦争』と呼ばれた人類最後の戦いが終わりを告げた…。
死者1億人 重軽傷者1千万人 行方不明者30万人
過去最大の被害を出したこの戦争は、皮肉にも更なる科学の発展を促したのだった。