「海く……ん………」
「友奈、頑張ったな」
僕は友奈を抱え上げ、東郷達の所に向かった。みんな、ボロボロで僕らがここに来るまでの間、激しい戦いをしていたのが分かるくらいだ。
「海、あんた……どうやってここに……」
「神樹の作った道はもう使えないはずよ」
「神様の贈り物のお陰かな?」
「神様って……
「銀……」
「ミノさん……」
「須美や園子はここでゆっくり休んでろ。後は私が……」
銀は斧を構えるが、僕はため息をつき、銀の頭にチョップした。
「銀、私じゃないだろ」
「あぁ、そうだったな。私達がバーテックスを全部倒してやるからだ」
僕は白月と生太刀を取り出し、迫り来る白い鰻……星屑を切り裂いた。
「銀!星屑は襲ってくる奴らだけ倒していけ!」
「わかってる!!まずは大型からだろ!!」
僕と銀は迫りくる星屑を撃退しながら、まず近くにいたヴァルゴバーテックスに向かっていった。
ヴァルゴはミサイルを飛ばしてくる中、須美の弓矢を取り出し、ミサイルを撃ち落としていった。その間に銀は一気に接近し、ヴァルゴを上から切り裂いた。
「こいつ、装甲が薄いみたいだよ」
「再生したばかりだからじゃないのか?」
「でもさ、それだとしたら皆がやられるのはおかしくないか?」
銀の言うとおり、守護の力は弱くなり、満開も使えないとは言え、みんながここまでやられるのはちょっとおかしい。
そんな事を思っていると巨大な針が僕らに襲い掛かってきた。僕らはそれらを避け、攻撃したきたものを見ると、さっき友奈を助けた時に倒したはずのスコービオンが復活していた。
「復活早くないか?」
「海!?アレみろ!!」
銀が指を差した方を見ると、さっき倒したヴァルゴが再生していく。よく見ると無数の星屑が集まっていた。
「元は星屑の集合体だったな」
「こりゃ、須美たちがやられるのも分かるな。倒した直ぐ側から再生していくんだもんな」
「何だ銀。諦めて逃げるか?」
「バカ、そんな事するわけ無いだろ。それだったら……」
「あぁ、あっちの数が尽きるまで相手するまでだ」
僕と銀はスコーピオンの尻尾を掴み、一緒に大きく振り回し、地面に叩きつけた。僕はそのままスコーピオンの上まで跳び、
「必殺!勇者キック!!」
炎を纏ったキックをスコーピオンに喰らわした。倒しておけば再生するには時間がかかるはずだ。
すると今度は無数の矢が降り注いできた。僕は大剣を取り出し、無数の矢を防いでいく。
「今度はサジタリウスか!!それだったら!!」
僕は樹のワイヤーで発射口を縛り上げ、矢を放てなくした。とはいえ長くは持たない。
「銀!!」
「喰らえぇぇぇぇーーーー!!」
2本の斧から繰り出された斬撃で十字に切り裂かれるサジタリウス。だけどまた再生を始めていった。
「どうする?満開を使って一気に雑魚を削るか?」
「銀、満開はまだ使わない方が良い」
「そうだけど……」
僕と銀は背中合わせでどうするか話していると、僕はあることに気がついた。星屑が友奈たちの所に向かっていってる
「まずい!!」
「動けない奴らから狙うつもりか!!」
僕と銀の二人が直ぐ様助けに行こうとすると、突然不快な音が鳴り響いた。これはタウロスの攻撃!!僕らを行かせない気か!!
「くそ!!やらせ………」
『カースド・ライトニング!!』
『エナジー・イグニッション!!』
『インフェルノ!!』
『ライトニング・ストライク!!』
咄嗟に満開を発動させようとした瞬間、雷と炎が友奈たちに迫りくる星屑を撃退していった。更にはタウロスの鐘がどこからともなく放たれた矢で破壊された。
「今のは……」
「海、あそこ……私達が通ってきた門……」
僕は開いたままの門の方を見ると、そこには黒いローブを着た集団が見えた。というかあの格好に見覚えがありすぎる
『我が名はぶっころりー! 紅魔族随一の靴屋のせがれ。アークウィザードにして上級魔法を操る者!』
ぶっころりーさん達と紅魔族の皆が何故かいた。これは一体……
『おーい!!ウミ!ギン!聞こえてるかーーーー!!』
更にはカズマさんの声が聞こえてきた。一体何が………
カズマSIDE
俺達は門の向こう側にいるウミたちに声をかけ続けた。
「悪い、準備に時間がかかったけど……大丈夫そうだな」
『準備って何の?』
扉の向こう側は異世界なのに、声が届くというのは神器のおかげなのだろうか?これだったら……
「お前、忘れたのかよ!!皆でユウナたちを助けるって!!」
『忘れてないけど……でも……まずい!?星屑が門を……』
ウミの声が聞こえたと同時に何百体という白鰻が門をくぐり抜けてきた。よし、思った通りだ。
「みんなーーーー!!白鰻が来たぞォォォォ!!」
「おっしゃぁ!!」
ダストが槍の一撃で、白鰻を何体も撃退していった。あいつ、あんなに強かったのか?
「あら、槍の使い方……上手いわね。それだったら……」
更にはセッカが槍を投げた瞬間、一気に白鰻を倒していった。アルカンレティアで一緒に戦ったけど、強すぎだろ
『どうして……雪花さんが……それにアクセルの皆だけじゃない……紅魔族、アクシズ教団の人たちも……』
「すまない。本来は王都からも援軍を連れてこれたら良かったのだが……」
「仕方ないだろ。クレアの奴に断られたんだから……でもこれだけいるんだ。十分だろ」
「カズマさん、カズマさん、私の出番は?」
「お前は余計なことせず、怪我をした奴らの回復をしておけ。というか一番に暴れそうなめぐみんがおとなしいのは気になるけど……」
いつもだったら爆裂魔法の出番だといい、放とうとするのに大人しくダクネスの後ろに回っている。
「我が爆裂はまだ放つタイミングではありません。今回はちゃんとしたタイミングで放ちます」
めぐみんは門の向こう側を見てそんなことを言っていた。何を企んでいるかわからないけど、大丈夫そうだな
『カズマさん、これは一体…………』
「決まってるだろ。頼んだんだよ。アクアはアクシズ教団に、めぐみんは紅魔族に、ダクネスは王都に、俺はアクセルのギルドに……無茶ばかりをする勇者を助けてくれって、そしたらみんな、喜んで協力してくれたぜ」
「カズマ!奴らが合体を始めたぞ。あれは……魔王軍が使っていた生物兵器と似た姿だ」
見てみると確かに魚型と鳥型と針がついた奴らが現れた。ひなたの言うとおり造反神のバーテックスを使ってきやがった。だけど……
「ハアアアアア!!」
合体したバーテックスが一瞬の内に切り裂かれたり、思いっきり地面に叩きつけられたりした。やったのはもちろん、ワカバとナツメの二人だ。
「海!!数が多い!!こちらでもバーテックスを引き受ける」
「……君はそっちで大型を」
『みんな………』
海SIDE
みんなが……僕らのために……
「おい、海。泣くのは後にしろよ」
「泣いてないし……銀、負けられないな」
「負けるつもりは最初からないけどね」
僕と銀は星屑を撃退しながら、タウロスに向かい、同時に攻撃を喰らわした。再生しようと星屑が集まるが、紅魔族のみんなの魔法で再生を止めに入った。
「ここから……」
「一気に行くぞ!!」