この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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114 一緒に……

友奈SIDE

 

海くん達が超大型のバーテックスと戦っているけど、バーテックスの攻撃が激しく、海くんも銀ちゃんも倒れそうになっていた。

 

「私……たちも……」

 

私は立ち上がり、すぐに助けに行こうとするけど、足に力が入らず立ち上がれずにいた。

 

「友奈ちゃん、無理はしないで……その怪我じゃ……」

 

「で、でも……海くん達が……それにこのままだと神樹様も……」

 

お腹の傷がすごく痛い。だけど……だけどこのままじっとしていられない。海くんと一緒に……戦いたいんだ。

 

『セイクリッドハイネスヒール!!』

 

突然アクアさんの声が聞こえたと思ったら、眩い光に包まれ、体の痛みがなくなっているのに気がついた。

 

「これって………」

 

『おーい、お前らーーー!!傷とかはもう治したからなーーーーー!!ウミたちの手伝いをしてやれぇぇぇーーー!!』

 

門の向こうからカズマさんの声が聞こえてきた。確かに体中の傷もなくなり、何だか体力も戻った感じがする。これだったら……

 

「それじゃ、休憩も終わったし、皆!!一番頑張ってる部員を助けに行くわよ!!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

風先輩の号令のもと、私たちは海くん達の所へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海SIDE

 

巨大な太陽へと形を変えたデスピア。そのままゆっくりと神樹へと向かっていこうとしていた。

 

「どうするんだよ!!満開で受け止めるか?」

 

「………銀、かなり大変だけど………」

 

「………ハァ、何をするつもりかわからないけど、時間を稼ぐくらいやってあげるよ」

 

「頼む………」

 

「任せておけ!!」

 

銀はデスピアの前まで行き、進行を止めに入った。だけど銀、一人では進行を止められないでいた。

 

「ぐ、あぁ……」

 

「待ってろ……銀!!」

 

一人で受け止めるのは難しいみたいだ。やっぱり僕も行くべきかと思った瞬間、

 

「勇者部ファイトォォォォーーーーー!!」

 

突然デスピアの前に5つの影が現れ、デスピアの進行を止めに入った。あれってまさか……

 

「先輩、夏凛、東郷、樹、そのっち……!?」

 

「海くん………」

 

振り向くとそこにはさっきまで傷だらけだったはずの友奈がいた。友奈はゆっくりと僕の手を握り……

 

「私達も一緒に戦うから………」

 

「友奈……みんな……そうだったな」

 

忘れてたよ。僕は皆を助けて、皆と一緒に戦いたかった。きっと皆の傷を治すように言ったのはカズマさんだろうな。

 

「友奈……みんな……頼むぞ」

 

「うん」

 

友奈もデスピアを止めに向かい、僕はゆっくりと集中した。正直出来るかどうかわからないけど……こういうのはやってみなきゃわからない。

 

「なせば大抵何とかなる!!満開の状態を維持をしながら………切り札を発動させる!!」

 

僕は体中の力をゆっくりと解放させた。白と黒の神秘的な衣装に姿を変えた。

 

「満開と切り札の同時発動………ただ立ってるだけで体中が痛むけど……それでも!!借りるぞ!!友奈!!友奈さん!!」

 

僕の両手には巨大な鉄甲が装備され、更には巨大なアームも装備された。友奈の満開と友奈さんの酒天童子。

 

「必殺!!」

 

僕はみんなの所に向かい、2本の巨大なアーム、両拳を思いっきり構え……

 

「勇者連続パァァァァァァァァァァァァァァンチ!!!」

 

連続のパンチをデスピアに喰らわし、奴を纏っていた炎を引き剥がした。デスピアは無数の触手で攻撃を防ごうとした。

 

「超!!勇者パァァァァァァァァンチ!!」

 

触手の盾をパンチのラッシュで破壊していくが、それでも御霊に届かない

 

「海!!頑張れェェェ!!」

 

「海くん!!諦めないで!!」

 

「海さん!!頑張ってください!!」

 

「海!!ここまで来たんだから、きっちりとどめを刺しなさい!!」

 

「諦めんじゃないわよ!!海!!」

 

「カイくん!!」

 

「海くん………お願い、神樹様、女神様……海くんに力を……」

 

銀、東郷、樹、先輩、夏凛、そのっち、そして友奈の声が聞こえ、僕の体に力が湧き上がった。この現象は前にも………

 

『うおおおおおおお!!負けんじゃねぇ!』

 

更にはあっちにいるみんなの声も聞こえてきた。これなら……

 

「必殺!!」

 

4つの拳が光り輝いた瞬間、デスピアは僕目掛けて、全バーテックスの攻撃を放ってきた。

 

「神!!勇者パァァァァァァァンチ!!」

 

4つの拳がデスピアの攻撃を弾きながら、御霊が見えた。

 

「これで……!?」

 

御霊まであと数センチの所で、急に体が動かなくなり、装備が見る見るうちに消えていった。

 

「ここで………時間切れ!?」

 

満開も切り札も解除され、僕はゆっくりと落ちていく。

 

「海くん!?」

 

「あともう少しなのに……」

 

「私達の………負け?」

 

友奈たちも、アクセルにいるみんなも諦めかけていた。くそ、ここまで来たのに……なんで最後の最後に時間切れなんて……

 

「終わる………」

 

僕は目を閉じようとした。だけど見覚えのある光景が目に入った。あれは………

あぁ、そうだったな。忘れかけていたよ。それだったら……

 

「終わる………のはお前の方だ!!デスピア!!」

 

『我が名はめぐみん!!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操るもの!!我が爆裂魔法の前には魔王軍幹部だろうが、太陽だろうが、天の使いだろうが!!すべてを我が爆裂魔法で消し去ります!!何せ、頑張り屋の勇者のためなんですから!!』

 

デスピアの頭上に眩い光が集まっていた。本当に美味しいところを持っていくな……だけど、だからこそ頼りになるやつだよ。めぐみん……

 

『エクスプロージョン!!』

 

まばゆい閃光がデスピアを包み込み、光が消えるとそこにはデスピアの姿がなく、他の星屑やバーテックスの姿もない。

 

「僕達の………勝ちだ」

 

僕はそのまま落ちていくが、友奈がギリギリの所で受け止めてくれた。

 

「海くん………」

 

「友奈………」

 

気がつくと僕と銀の体が光りに包まれていた。もうここにいる時間もなくなってきたのか………

 

「友奈……待ってるからな」

 

「うん………」

 

僕らはそのまま光りに包まれ、扉に吸い込まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと僕らは街の外にいた。カズマさん達、みんなが傷だらけになりながら僕らのことを見ていた。

 

「たくっ、無茶しすぎだ」

 

「ごめん……正直体が痛すぎて……動けそうにないんだけど……」

 

「満開と切り札の同時使用なんて無茶するからよ。しばらくは動けないかもしれないけど、まぁ、そのうち治るわ」

 

アクアさんが僕の体を見てそう告げた。それにしても本当に動けそうにないな。どうしたものかと思った瞬間、そっと誰かが僕の体を起こし、背負ってくれた。

 

「お疲れ様。ウミさん」

 

「クリスさん……」

 

「本当に無茶ばかりして……ゆっくり休んでくださいね」

 

「はい………」

 

僕はクリスさんに背負われながら、アクセルの街に帰るのであった。

 

 

 




次回で本編最終回ですが、本編終了後は番外編を書いていくつもりです
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