友奈SIDE
海くん達が超大型のバーテックスと戦っているけど、バーテックスの攻撃が激しく、海くんも銀ちゃんも倒れそうになっていた。
「私……たちも……」
私は立ち上がり、すぐに助けに行こうとするけど、足に力が入らず立ち上がれずにいた。
「友奈ちゃん、無理はしないで……その怪我じゃ……」
「で、でも……海くん達が……それにこのままだと神樹様も……」
お腹の傷がすごく痛い。だけど……だけどこのままじっとしていられない。海くんと一緒に……戦いたいんだ。
『セイクリッドハイネスヒール!!』
突然アクアさんの声が聞こえたと思ったら、眩い光に包まれ、体の痛みがなくなっているのに気がついた。
「これって………」
『おーい、お前らーーー!!傷とかはもう治したからなーーーーー!!ウミたちの手伝いをしてやれぇぇぇーーー!!』
門の向こうからカズマさんの声が聞こえてきた。確かに体中の傷もなくなり、何だか体力も戻った感じがする。これだったら……
「それじゃ、休憩も終わったし、皆!!一番頑張ってる部員を助けに行くわよ!!」
「「「「「はい!!」」」」」
風先輩の号令のもと、私たちは海くん達の所へと向かっていくのであった。
海SIDE
巨大な太陽へと形を変えたデスピア。そのままゆっくりと神樹へと向かっていこうとしていた。
「どうするんだよ!!満開で受け止めるか?」
「………銀、かなり大変だけど………」
「………ハァ、何をするつもりかわからないけど、時間を稼ぐくらいやってあげるよ」
「頼む………」
「任せておけ!!」
銀はデスピアの前まで行き、進行を止めに入った。だけど銀、一人では進行を止められないでいた。
「ぐ、あぁ……」
「待ってろ……銀!!」
一人で受け止めるのは難しいみたいだ。やっぱり僕も行くべきかと思った瞬間、
「勇者部ファイトォォォォーーーーー!!」
突然デスピアの前に5つの影が現れ、デスピアの進行を止めに入った。あれってまさか……
「先輩、夏凛、東郷、樹、そのっち……!?」
「海くん………」
振り向くとそこにはさっきまで傷だらけだったはずの友奈がいた。友奈はゆっくりと僕の手を握り……
「私達も一緒に戦うから………」
「友奈……みんな……そうだったな」
忘れてたよ。僕は皆を助けて、皆と一緒に戦いたかった。きっと皆の傷を治すように言ったのはカズマさんだろうな。
「友奈……みんな……頼むぞ」
「うん」
友奈もデスピアを止めに向かい、僕はゆっくりと集中した。正直出来るかどうかわからないけど……こういうのはやってみなきゃわからない。
「なせば大抵何とかなる!!満開の状態を維持をしながら………切り札を発動させる!!」
僕は体中の力をゆっくりと解放させた。白と黒の神秘的な衣装に姿を変えた。
「満開と切り札の同時発動………ただ立ってるだけで体中が痛むけど……それでも!!借りるぞ!!友奈!!友奈さん!!」
僕の両手には巨大な鉄甲が装備され、更には巨大なアームも装備された。友奈の満開と友奈さんの酒天童子。
「必殺!!」
僕はみんなの所に向かい、2本の巨大なアーム、両拳を思いっきり構え……
「勇者連続パァァァァァァァァァァァァァァンチ!!!」
連続のパンチをデスピアに喰らわし、奴を纏っていた炎を引き剥がした。デスピアは無数の触手で攻撃を防ごうとした。
「超!!勇者パァァァァァァァァンチ!!」
触手の盾をパンチのラッシュで破壊していくが、それでも御霊に届かない
「海!!頑張れェェェ!!」
「海くん!!諦めないで!!」
「海さん!!頑張ってください!!」
「海!!ここまで来たんだから、きっちりとどめを刺しなさい!!」
「諦めんじゃないわよ!!海!!」
「カイくん!!」
「海くん………お願い、神樹様、女神様……海くんに力を……」
銀、東郷、樹、先輩、夏凛、そのっち、そして友奈の声が聞こえ、僕の体に力が湧き上がった。この現象は前にも………
『うおおおおおおお!!負けんじゃねぇ!』
更にはあっちにいるみんなの声も聞こえてきた。これなら……
「必殺!!」
4つの拳が光り輝いた瞬間、デスピアは僕目掛けて、全バーテックスの攻撃を放ってきた。
「神!!勇者パァァァァァァァンチ!!」
4つの拳がデスピアの攻撃を弾きながら、御霊が見えた。
「これで……!?」
御霊まであと数センチの所で、急に体が動かなくなり、装備が見る見るうちに消えていった。
「ここで………時間切れ!?」
満開も切り札も解除され、僕はゆっくりと落ちていく。
「海くん!?」
「あともう少しなのに……」
「私達の………負け?」
友奈たちも、アクセルにいるみんなも諦めかけていた。くそ、ここまで来たのに……なんで最後の最後に時間切れなんて……
「終わる………」
僕は目を閉じようとした。だけど見覚えのある光景が目に入った。あれは………
あぁ、そうだったな。忘れかけていたよ。それだったら……
「終わる………のはお前の方だ!!デスピア!!」
『我が名はめぐみん!!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操るもの!!我が爆裂魔法の前には魔王軍幹部だろうが、太陽だろうが、天の使いだろうが!!すべてを我が爆裂魔法で消し去ります!!何せ、頑張り屋の勇者のためなんですから!!』
デスピアの頭上に眩い光が集まっていた。本当に美味しいところを持っていくな……だけど、だからこそ頼りになるやつだよ。めぐみん……
『エクスプロージョン!!』
まばゆい閃光がデスピアを包み込み、光が消えるとそこにはデスピアの姿がなく、他の星屑やバーテックスの姿もない。
「僕達の………勝ちだ」
僕はそのまま落ちていくが、友奈がギリギリの所で受け止めてくれた。
「海くん………」
「友奈………」
気がつくと僕と銀の体が光りに包まれていた。もうここにいる時間もなくなってきたのか………
「友奈……待ってるからな」
「うん………」
僕らはそのまま光りに包まれ、扉に吸い込まれるのであった。
目を覚ますと僕らは街の外にいた。カズマさん達、みんなが傷だらけになりながら僕らのことを見ていた。
「たくっ、無茶しすぎだ」
「ごめん……正直体が痛すぎて……動けそうにないんだけど……」
「満開と切り札の同時使用なんて無茶するからよ。しばらくは動けないかもしれないけど、まぁ、そのうち治るわ」
アクアさんが僕の体を見てそう告げた。それにしても本当に動けそうにないな。どうしたものかと思った瞬間、そっと誰かが僕の体を起こし、背負ってくれた。
「お疲れ様。ウミさん」
「クリスさん……」
「本当に無茶ばかりして……ゆっくり休んでくださいね」
「はい………」
僕はクリスさんに背負われながら、アクセルの街に帰るのであった。
次回で本編最終回ですが、本編終了後は番外編を書いていくつもりです