桔梗が来ると聞いてから数日後のこと、神樹の作り出した道を通り抜けてやってきたそのっちと友海たちと同じくらいの男の子桔梗の二人。
僕は屋敷の前で二人を出迎えていた。
「カイくん。久しぶり~」
「……上里さん。お久しぶりです」
「そのっちは……そこまで久しぶりじゃないだろ。桔梗も………こっちだと久しぶりになるのか?」
「そういえばカイくんは、別世界できょうくんと会ったんだっけ?」
「年は僕と同じくらいだったけどね」
「話は聞いてます。何だかいろんな世界のことを知るべきだなって思いました」
それにしても桔梗の奴、相変わらず子供らしからぬ事を言うな……まぁ、僕と同じように昔から大赦にいる大人たちと話をしていたからだろうけど……
「ここで話すのも何だし、中に入ろうか」
僕は二人を屋敷の中に招くのであった。というかちょっと不安なことがあった。それは桔梗はみんなと上手く馴染めるのであろうか?
「と言う訳で、こいつが前に話してた神宮桔梗だよ」
「神宮桔梗です。よろしくお願いします」
カズマさん達に挨拶をする中、ダクネスさんは桔梗の挨拶を聞いて感心していた。
「ユミたちとそう変わらない年なのに、礼儀正しい子だな。逆にここに招いていいのだろうか?」
ダクネスさんはカズマさん、めぐみん、アクアさんの方を見ながら心配そうに言うけど、ダクネスさんもダクネスさんで心配なんだが……
「おい、ダクネス。俺達は分かるが、お前はどうなんだ?流石にこの歳の子供にお前の性癖を見せたら、教育に悪いからな」
「性癖?」
「きょうくんはまだ知らなくていいよ~」
そのっちは笑顔でそう告げるのであった。こういった場合、そのっちがいてくれて助かるな。
すると広間の扉が開き、友奈、東郷、銀の三人が入ってきた。
「あれ?もしかして前に言ってた子?」
「神宮くんね」
「何というかここに連れてきて本当によかったのか?若葉さんたちのところのほうが良かった気が……」
銀、確かに連れてくるなら若葉さんたちの所がいいかもしれない。そうすれば余計な心配もしなくていいけど……
「若葉さんたちはクエストに出かけてるから、連れて行きたくても無理なんだよ」
「そうだったのか……」
「私とそのっちも滞在中はこっちにいるから、桔梗くん、よろしくね」
「あっ、はい」
東郷が笑顔でそう告げた瞬間、桔梗は僕の後ろに隠れるのであった。あれ?この反応は………
「…‥……なるほどな」
「マセていますね」
カズマさんとめぐみんの二人も桔梗の反応を見て、何かに気がついた。何というか……
「これも運命なのかね?」
「運命って?」
東郷は桔梗の反応が何なのか分からないでいるみたいだけど、変に教えないほうがいいかもしれないな。
「ねぇ、ねぇ、折角だから今日はこの子の歓迎会しない?歓迎会で私の宴会芸を見せてあげたいし」
アクアさんはそんなことを提案してきた。普通だったらカズマさんが何かしら言って、口喧嘩をするだろうけど……
「まぁ、それもいいかもな」
歓迎会には賛成みたいだった。とりあえず僕らは歓迎会の準備を始めるのであった。
僕らが歓迎会の準備を進める中、ある場所では空から何かが降ってきて、その場所に降り立った。
「ここは……樹海でも讃州市でも……崩壊した世界でもない?何なんだ?」
一人の少年が今いる場所がどこなのか分からないでいた。何でいきなりこんな所に来たのかは………
「あの神様……本当に連れてきたのか?それにしても手がかりがなさすぎだろう」
少年は頭を掻きながら、何処に行くべきか悩んでいると、突然黒い獣が現れ、少年に今にも襲いかかりそうになっていた。
「平和そうな世界だと思っていたのに、こういう猛獣がいるのか……それだったら……」
少年は黒い衣装に姿を変え、手にした大鎌で黒い獣を切りさいた。
「さて、人がいる場所でも探すか」
夜、歓迎会が始まった。桔梗はアクアさんの宴会芸を興味津々に見ていた。
「すごい。上里さん。この人、神様なんですよね」
「あぁ、そうだよ」
「宴会芸の神様なんて始めてみました」
「ちょっと、誰が宴会芸の神様よ!私は水の女神アクアよ。宴会芸の神様じゃないわ」
「えっ、でも、水の女神より宴会芸の神様にしか見えないんですけど……さっきの水芸を見る限りだと……」
「うああああああん!!何で水の女神だって認めてくれないのよぉォォォォ!?」
小学生に泣かされるアクアさん。何というか可哀想だけど、桔梗の言うとおり、アクアさんって水の女神というより宴会芸の女神にしか見えない。
「なぁ、ウミ。そういえばクリスは?」
カズマさんはこの場にいないクリスさんの事を聞いてきた。そういえばここ最近、姿を見ていない。一体何があったんだろうか?
「クリスだったら、何だか調査に出かけたみたいだぞ」
するとダクネスさんがクリスさんの行方を教えてくれた。どうやら何かしらの調査でしばらくアクセルの街を離れているみたいだ。
その調査って、もしかして神器関係かな?でもそれだったら僕らに声をかけるだろうし……
「まぁそのうちひょっこり帰ってくるだろうな」
「そうですね」
僕らはそう思いながら、歓迎会を楽しむのであった。
クリスSIDE
「やっぱり造反神の言うとおりだったわね」
私は一人、とある荒野に来ていた。私の目の前には無残な姿の魔物の大量の死体が広がっていた。
「全部何かに食われてる……あの戦いの残党?でもあの時現れた星屑はウミさんやワカバさんたち、勇者が倒したはず。結界を通り抜けた形跡はないし………もしかしたら、ずっと前の………」
私は直ぐ様、女神の姿に変わり、結界を守っている造反神の元へと向かった。まさか……バーテックスの残党がまだこの世界に……