この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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119 もう一人の……

何でこんな事になったんだ……僕は上里さんから聞いた冒険者になってみたくって、東郷さんと一緒にギルドっていう所に行って、冒険者登録して、東郷さんが選んだ簡単なクエストを受けたはずなのに……

 

「神宮くん……大丈夫?」

 

「東郷さん……」

 

東郷さんは足を抑えながら、僕のことを心配そうに見ていた。そして今度は僕らを襲い、東郷さんの足を負傷させた白い化物を見つめていた。

 

「バーテックス……こっちの世界にはもういないはずなのに……」

 

白い生物は何十体もいて、僕らの周りを囲んでいた。このままじゃ僕ら二人……

 

「大丈夫。神宮くんは私が守ってあげるからね」

 

東郷さんは僕の頭を撫でながら、笑顔でそう告げ、手にした短銃を構えた。

こんな化物たちを東郷さん一人で戦うなんて……何でこんな時に僕は足が震えて、動くことが出来ないんだ。

 

化物が全部僕らに向かって襲ってきた。東郷さんは咄嗟には僕の前に出て盾になろうとした。何で僕は……

 

「ハアアアアアアア!!」

 

突然何体かの化物が切り裂かれ、僕らの前に誰かが立っていた。

 

「こっちにも星屑がいるって聞いてたけど、本当だったんだな」

 

その人は大鎌を構えながら、目の前の化物を見つめ、僕らの方を見た。

 

「危ないところだったな。もうだい………美森?」

 

その人は東郷さんを見て、何故か驚いていた。というか何だかこの人どことなく誰かに似ている気が……

 

「えっと……貴方は誰ですか?」

 

戸惑う東郷さん。その人は何かを察したのかため息を付いた。

 

「なるほどな。そういうことか……」

 

その人は後ろから襲いかかる化物を切り裂き、化物を睨みつけた。

 

「詳しい話をしたいけど、こいつらを片付けてからだ。美森はそいつを守ってやれ」

 

「え、えっと、分かったわ」

 

僕は東郷さんに抱きしめられた。普通だったらこういう時ドキドキするんだろうけど、僕は目の前のあの人に釘付けだった。

 

「数が多いし、ここは一気に終わらせる!!」

 

その人は黒い影になった瞬間、何十体もいた化物が一気に切り裂かれた。この人は一体……

 

「お~い、東郷、桔梗。大丈夫か?」

 

「あの白鰻がまた出たんだろ。助けに……ってあれ?」

 

「何よ。私達が来る前に終わってるじゃない。全くウミは心配症なんだから」

 

上里さん、カズマさん、アクアさんの三人が駆けつけてきたけど、もう終わっていることに驚いていた。

 

「海くん」

 

「東郷、桔梗の事守ってくれたのか。アクアさん、怪我の治療を……」

 

「はいはい、ヒール」

 

アクアさんが怪我した足に手をかざした瞬間、東郷さんの怪我が一瞬で治った。本当にアクアさんって女神様なんだ。

 

「東郷、よく一人で退治できたな」

 

「ううん、あの人が助けてくれたの」

 

上里さんは東郷さんが指差したを方を見ると、何故か上里さんは驚いた顔をしていた。

 

「何で……桔梗さんが?」

 

「やっぱりここはお前がいる世界か。というか……そいつ、もしかして……僕なのか?」

 

その人の言葉を聞いて、その場にいた全員(上里さん以外)が驚くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海SIDE

 

東郷と桔梗を助けに行ったかと思ったら、何故か桔梗さんが二人を助けてくれた。何でこの世界にいるのか詳しい話を聞くため、桔梗さんを屋敷に招いたのだった。

 

「それにしてもお前から話を聞いてたけど、本当に異世界なんだなここ……」

 

「それは僕もここに来た時に思いましたよ」

 

「おまけに変な猛獣やらデカイカエルとかいて、ちょっとびっくりしたけどな」

 

「なぁ、ウミ、いい加減そいつが誰なのか教えてくれないか?何だかそいつもキキョウって名前らしいけど……」

 

カズマさんたちはいい加減、桔梗さんのことを紹介してほしいみたいだ。僕は改めて桔梗さんの事を紹介した。

 

「この人は神宮桔梗さん。まぁ桔梗とは同じ人間なんだけど、別の世界のって言えば分かるかな?」

 

「別の世界?」

 

「ウミ、よく分からないんだが……」

 

「海くん、私も……」

 

「世界って、私達がいたところとカズマさんがいたところとここしかないんじゃないんだっけ?」

 

カズマさん、ダクネスさん、友奈、銀は何の話だか分からず、頭に?マークを浮かべていた。いや、別世界についてはカズマさん、銀には話した覚えがあるんだけどな……

 

「もしかしてレモンがかけてあるのとかけてない話ですか?ウミ」

 

めぐみんは僕の話を聞いて、思い出したみたいだ。あの時は特に興味がなさそうだったのに……よく覚えていたな。

 

「ぷぷー、カズマったら、めぐみんですら覚えてる話を忘れてるなんてねー」

 

カズマさんを誂うアクアさんはカズマさんに頭を叩かれるのであった。

 

「そういえばそんな話した覚えがあるな……ダクネスが来る前だっけ?」

 

「そうそう、世界っていうのは多くあるからね。それでこの桔梗さんは僕がいた世界とは似ているようで違う世界から来た人なんだよ」

 

「まぁ、平行世界から来たって思えばいいかな。それにしてもこうやって小さい頃の自分と会うなんて、貴重な体験だな……」

 

桔梗さんは桔梗の頭を撫でようとすると、何故か桔梗は逃げようとしていた。まぁ無理もないか。いきなり成長した自分と出会ったんだもんな……

 

「まぁそいつが何者かはわかったけど、何でここに来たんだ?もしかして死んできたとか?」

 

「いや、別に死んでないけど……何というか……ある人に頼まれて、この世界にいるらしいバーテックスを倒してくれって……」

 

あるバーテックス?もしかして生き残っているバーテックスのことか?でも、さっき桔梗さんが全部倒したんじゃ……

 

『おーい、ちょっといいかな』

 

どこからともなく声が聞こえてきた。何だか声は桔梗さんのポケットから聞こえたような……

桔梗さんはため息をつき、ポケットから端末を取り出すと、端末から神秘的な衣装を着た少女が現れた。

 

「ふぅ、ようやく出てこれた。全くこっちの世界はどうにも女神の力が強いわね」

 

何だかこの子、すごく見覚えがあるんだけど……前にどこかで……」

 

「ちょっと何勝手にこっちの世界に来てるのよ!」

 

「あら、誰かと思ったら水の女神じゃない。いや、今は水の女神(笑)だったかしら?」

 

「なんですって!?」

 

何だかいきなりアクアさんと少女が喧嘩を始めたんだけど、一体この子は誰なんだよ

 

 

 

 

 

 

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