この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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12 ちょっとしたピクニックと魔剣使い

デュラハンが帰ってから二日後、若葉さんたちがクエストから戻り、

 

僕は若葉さんとひなたさんの二人この間の一件について話すと……

 

「それは大変だったな」

 

「まぁ、何とか話し合いで済んだからよかったけど……」

 

とはいえ、帰り際に挑発しておいたけど、また来たりしなければいいけど

 

「ねぇ、ウミくん。そのデュラハンがやってきた以外何もなかった?」

 

「はい、特には……デュラハンの呪いもアクアさんが解いてくれたし、それ以外は普段と変わりないですね。何か気になることでもあるんですか?ひなたさん」

 

「ううん、外れるのに越したことないし、もしかしたら考えすぎだったのかしら?」

 

ひなたさんは何か気になることでもあったのかな?

 

「ひなた、あんまり考えすぎるな。奴らがこの世界に来るわけ無いだろう」

 

奴ら?奴らって一体何のことだ?

 

「そうね。考えすぎよね」

 

一体この二人は何を心配してるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからまた一週間後、

 

アクアさんがバイト漬け日々はもう嫌だと言い始めた。この所確かに高難度のクエストが多いため、僕らは何もすることがなかった。

 

「こう報酬の良いクエストないかしら?」

 

「心配だから俺も付いてくよ」

 

アクアさんとカズマさんの二人がクエストを探しに行っている間、ダクネスがあることを聞いてきた。

 

「そういえばウミはこの一週間どんな感じに過ごしてたんだ?」

 

「ひたすらに鍛錬ですよ。武器が多いから頑張って使いこなせるようにしてるんです」

 

刀以外は本当に使い慣れてないから厳しい。特に樹の武器と東郷の武器、あとは友奈の武器もかなり使い慣れてない。格闘術って難しいとは思ってなかった。これだったら友奈に頼んで稽古つけてもらえればよかった。

 

「一人で鍛錬というのはどうなんだ?」

 

「そうですね。素振りとか的当てならまだ良いですけど、実践で上手く使えるかどうか……」

 

「それだったら私がその相手をしてやろうか?」

 

ダクネスさんが僕の鍛錬に協力してくれるなんて……この人、きっと善意で言ってくれるのだろうけど、ドMだからな……でも、本当に善意だったら断る訳にはいかないよね

 

「それじゃお願いします」

 

話がまとまるとカズマさん達が戻ってきたけど、アクアさんが何故か不安そうな顔をしていた。

 

二人が持ってきた依頼は湖の浄化。ある湖の水質が悪くなり、ワニ型モンスターのブルーアリゲーターが住み着いているとのこと。

 

湖の浄化さえすれば、モンスターは勝手に何処かへ行くため、無理に倒す必要はないらしい。

 

「アクアさん、浄化って水に触れないといけないんですか?」

 

「そうよ。直接触れないと効果がないのよ。下手すればワニの餌食に……」

 

嫌な想像をしてしまい、身体を震わせるアクアさん。それだったらめぐみんの魔法で片付ければ良いんじゃないのかと思ったけど、カズマさんはいい方法があると言い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私、今から売られていく、捕まった希少モンスターの気分なんですけど……」

 

アクアさんは檻の中に入れられていた。カズマさんが言うには檻の中ならモンスターに襲われても平気なんじゃないかということだった。

 

確かに平気だろうけど、ちょっと可愛そうだった。

 

 

 

 

 

件の湖までやってきて、早速に檻ごと湖に沈められるアクアさん。

 

「……私、ダシを取られている紅茶のティーバッグの気分なんですけど……」

 

確かにそんな風に見えてる。僕らは特にすることがないため、のんびりとその場に待機することになった。

 

僕は使える武器を取り出し武器の手入れをしていた。

 

「にしても海は本当に羨ましいよな~」

 

武器の手入れをしていると銀がそんなことを言ってきた。何が羨ましいのだろうか?

 

「だって、たくさんの武器使えて、色んな場面でも活躍できるじゃんか」

 

「銀、そう思えるだろうけど、僕としてはかなり厳しかったりするんだぞ。例えば、ダクネスさんの硬さとか羨ましいし」

 

「そ、そうか?確かにクルセイダーは硬さが売りだが、私は攻撃しても当てることができないんだぞ」

 

「いやいや、攻撃じゃなくって防御に集中されたら僕の武器では歯がたたないよ。例えば、この遠距離攻撃も耐え切れられて接近許しちゃうし」

 

攻撃を受けながら接近してきたら対処しようがない。

 

「もしも僕一人対カズマさん達と戦ったら勝てる気がしないよ」

 

ダクネスさんは盾になり、僕の攻撃を防ぎ、銀は接近戦で僕の動きを止める。ダクネスさんが倒れそうになってもアクアさんの支援魔法で回復されるし、その間にめぐみんの爆裂魔法を撃たれたら……

 

「……確かに考え方次第ですね」

 

「おい、ウミ!?俺はどうなんだよ!」

 

「カズマさんは……魔法の使い方が凄いんじゃないのかな?前にめぐみんから聞いたけど初級魔法は特に必要がないくらいのものだって言うけど、風の魔法で目潰しとか、後は水出して、足場を凍らせれば相手に機動力を奪えるし、スティールだって武器を奪えるしね」

 

「お、おぉ、そうか」

 

何だか褒められて嬉しそうにしているカズマさん。あんまり褒められなれてないのかな?

 

「まぁ、色んな武器を使えるのはいいけど、僕としてはめぐみんみたいに一撃必殺系の武器とかほしいけど、ないものを強請っても仕方ないよね」

 

一応強化形態的な物があるけど、後のことを考えると使用をしない方がいいし……

 

「ちょっと話し込んでないで助けてよ!?ワニが!?ワニが!ギシギシいってる!ミシミシいってる!オリが、オリが変な音立てているんですけど!」

 

気がつくと檻の周りにモンスターが群がっていた。僕は狙撃銃を取り出し、狙撃するのであった。

 

「う~ん、狙撃力は上がってるけど、数が多いな」

 

「まぁ、丈夫そうな檻だし、しばらくは大丈夫だろ」

 

カズマさん、それって何だか見捨ててるような気がするのだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく湖の浄化が終わったけど、アクアさんは檻の中で膝を抱えて泣いていた。

 

「ほら、浄化が終わったのなら帰るぞ。ダクネスとめぐみんとヴェリテで話し合ったが、俺たち今回、報酬は要らないから。報酬の30万エリス、全部アクアが持って行け」

 

あれから狙撃銃でワニを倒していくいったが、全部倒しきれなかった。アレは数が多すぎだろ。

 

「……おい、いい加減オリから出ろよ。もうアリゲーターはいないからさ。」

 

「……まま連れてって……」

 

「なんだって?」

 

「……オリの外の世界は怖いから、このまま街まで連れてって」

 

アクアさんの目は死んでいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

街に戻るが未だにアクアは檻の中で変な歌を歌っていた。本当に怖かったんだ。

 

すると見知らぬ男がやってきて、檻の柵を捻じ曲げた。

 

「め、女神様っ!?女神様じゃないですかっ!何をしているのですか、こんな所で!」

 

どうやらアクアさんの知り合いみたいだけど、アクアさんはあんまり反応を示さなかった。

 

「……おい、私の仲間になれなれしく触れようとするな。貴様、何者だ?知り合いにしては、アクアがお前に反応してないのだが」

 

「……ああ!女神!そう、そうよ、女神よ私は。それで?女神の私にこの状況をどうにかして欲しいわけね?しょうがないわね!」

 

アクアさんがようやく元に戻って檻の中から出てきた。だけどアクアさんは目の前の男を見ては

 

「……あんた誰?」

 

もしかしてこの人って、転生者なのかな?アクアさんの事女神だって言ってるし……

 

「何言ってるんですか女神様!僕です、御剣響夜ですよ!あなたに、魔剣グラムを頂いた!!」

 

アクアさんはようやく思い出したけど、本当に覚えてないみたいだった。まぁ、何人も送っていたらしょうがないか。覚えてもらえるには若葉さん達みたいに特例とかにならないと……

 

ミツルギさんが今までのアクアさんの日常生活を聞き、怒り出してカズマさんに掴みかかった。それを見てダクネスさんもミツルギさんに対して怒っていた。

 

「…………クルセイダーにアークウィザード……ナイトが二人みたいだね。それに、ずいぶんと綺麗な人達だな。君はパーティーメンバーには恵まれているんだね。それなら尚更だよ。君は、アクア様やこんな優秀な人達を馬小屋で寝泊まりさせて、恥ずかしいとは思わないのか?さっきの話じゃ、ついている職業も、最弱職の冒険者らしいじゃないか。」

 

勝手に誤解してるけど、ナイトじゃなくって勇者なんだけど、おまけに勝手に勧誘しないでほしい。

 

僕らはカズマさん抜きで、固まって話し合った。

 

「ちょっと、ヤバいんですけど。あの人本気で引くくらいヤバいんですけど。ていうか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど」

 

「どうしよう、あの男はなんだか生理的に受け付けない。攻めるより受けるのが好きな私だが、あいつだけは無性に殴りたい」

 

「撃っていいですか? あの苦労知らずの、スカしたエリート顔に、爆裂魔法撃っていいですか?」

 

「ああいうタイプって、あたしも正直苦手なんだよね……」

 

「何だろう?ああいうのっていざという時にヘタレそうだよね」

 

「えーと。俺の仲間は満場一致であなたのパーティーに行きたくないみたいです。俺たちはクエストの完了報告があるから、これで……」

 

僕たちはそのまま立ち去ろうとしたけど、ミツルギが立ちはだかった。

 

「僕と勝負しないか?アクア様を、持ってこられる『者』として指定したんだろう?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら、何でも一つ、言うことを聞こうじゃないか。」

 

「よし乗った!!じゃあ行くぞ!」

 

カズマがミツルギの勝負に乗り、すぐさま襲いかかった。

 

「えっ!?ちょっ!待っ……!?」

 

「スティールッッッッ!」

 

カズマがミツルギの魔剣を奪い取り、そのまま魔剣をミツルギの頭に当て、ミツルギはそのまま気絶した。

 

 

「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者ーっ」

 

「あんた達最低! 最低よ、この卑怯者! 正々堂々勝負しなさいよ!」

 

取り巻きの子たちは変な言いがかりをしてきた。勝負を挑んできたのはあっちなのに……

 

カズマさんは取り巻きの子たちにスティールをかけて、恥ずかしい目に合わせてやると告げると、取り巻き二人は気絶したミツルギを連れて去っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何でよおおおおっ!」

 

アクアの叫びがギルド内に響き渡った。

 

どうやら壊された檻の修繕費として、昨日のクエストの報酬30万エリスのうち、20万エリス弁償として引かれた

 

アクアは今度会ったら『ゴッドブロー』を食らわしてやると言っていると、

 

「ここにいたのかっ!探したぞ、佐藤和真!」

 

昨日のミツルギと取り巻き二人がやってきた。

 

「佐藤和真!君のことは、ある盗賊の女の子に聞いたらすぐに教えてくれたよ。パンツ脱がせ魔だってね。他にも、女の子を粘液まみれにするのが趣味な男とか、色々な人のうわさになっていたよ。鬼畜のカズマだってね」

 

「おい待て、誰がそれ広めたのか詳しく」

 

「ゴットブローッ!」

 

一瞬でミツルギにゴッドブローをぶち込むアクアさん。更に倒れたミツルギに詰め寄り、

 

「ちょっとあんたオリ壊したお金払いなさいよ!おかげで私が弁償することになったんだからね!三十万よ三十万、あのオリ特別な金属と魔法でできているから高いんだってさ!ほら、とっとと払いなさいよっ!」

 

アクアがミツルギに掴みかかりながらそんなこと言うけど、二十万じゃなかったっけ?

 

その後ミツルギは昨日カズマさんが奪った魔剣を返してほしいと言っていたけど、都合のいい話だけど、大切な武器を奪われたのだからそう懇願するのも無理がないけど、

 

めぐみんがミツルギにあることを告げた

 

「……まず、この男が既に魔剣を持っていない件について」

 

「さ、佐藤和真! 魔剣は!? ぼぼぼ、僕の魔剣はどこへやった!?」

 

「売った」

 

ミツルギはそのまま泣き出してギルドから去っていった。

 

「魔剣頼みで冒険者やってたのか。あのミツルギって人は……」

 

だとしたら一撃必殺系の武器とか僕はいらないかもしれないな。あんな風になりたくないし

 

そんな中、カズマさんたちは僕に聞こえないように話していた。

 

「なぁ、ウミの奴って基本的にさん付けとかしてるよな」

 

「はい、銀や私は呼び捨てですが」

 

「海が呼び捨てにするのは仲が良いやつだけなんだけど、めぐみんの場合はあだ名みたいだからじゃないかな?」

 

「あだ名ではなく本名なんですが……」

 

「もしかしたらあの男の上から目線に対して、ひどく苛ついたんじゃないか?」

 

「あぁ、それありそうね」

 

何故か僕の方を見るみんな、一体何の話をしていたのかな?特に気にしない方が良いと思い、椅子に座ろうとした時、

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!……特に、冒険者サトウカズマさんとその一行は、大至急でお願いします!』

 

突然、そんなアナウンスがはいるのであった

 




次回、ベルディア戦ですが、あることが起きます
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