この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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123 これからの未来

キメラ・バーテックスを倒してから一週間がたった。一週間の間、桔梗はこっちでの仕事も終わり東郷とそのっちと一緒に帰っていき、僕らはと言うと他にバーテックスの残党がいないか探すことになったのだが、最終的にはエリスさんと造反神が調べてもらった結果、もう残党がいないことがわかった。

 

その結果というべきか何というか……

 

「僕は明日にはあっちには戻るよ」

 

皆でギルドで昼食を食べていた時に、桔梗さんからそんな話が出た。

 

「何ですか。もう帰っちゃうのですか?もう少しゆっくりしていけばいいのに……」

 

「めぐみん、僕の場合は言うなれば客人みたいなもんなんだよ。ここにずっといる訳にはいかないしな……」

 

「そうですか……」

 

何というか桔梗さんに懐いてたからなめぐみんのやつ。まぁそれはそれとして……

 

「何よ。帰るんだったら今日は宴会ね。カズマ、カズマ」

 

「お前……ただ飲みたいだけなんじゃないのか?」

 

「違うわよ。キキョウに私が何の女神なのか分からせるために、凄い水芸を見せるのだから」

 

アクアさん、それ何だか結果が見えてるんですけど、突っ込まないほうがいいかな?

 

「まぁ何日もこっちにいたから分かるだろうが、私たちはこんな感じだ。キキョウ、お前も私達のペースで疲れたりしただろう」

 

「いや、僕としては楽しかったですし、それに……」

 

何故か桔梗さんが僕の方を見て微笑んでいた。一体何だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは昼食を食べ終え、皆は宴会の準備とかで各自出かけている中、僕と桔梗さんは街の外へと来ていた。

 

「何ですか?桔梗さん、呼び出して」

 

「あぁちょっとな。お前と改めてゆっくり話したいことがあってな」

 

「話したいこと?」

 

「………造反神との戦いの時にお前がこの世界に来た経緯を聞いた時に、辛くないのかとか思ってたんだ」

 

辛いか……確かにこっちに来た時は辛い思いをした。皆を救うために僕は……

 

「僕は自分の命と引き換えにみんなの散華を治そうと思っていました。だけどこっちに来て女神様に、そんな必要が無いって言われて結構ショックだったし、もうみんなと合うことができないんだって思ってました。だけど……」

 

この世界でカズマさん達と出会い、毎日慌ただしかった。二回も死んでしまい、エリスさんや友奈に物凄く心配をかけたことだってある。

 

「こっちに来てわかったんです。僕はこの素晴らしい世界にきて良かったんだなって……」

 

「……そうか」

 

桔梗さんは僕の背中を思いっきりたたいた。なんでいきなりと思っていると桔梗さんは

 

「お前は命を、僕は記憶を………何だか似た者同士だな。僕たちは……」

 

「記憶?」

 

「言ってなかったな。僕はみんなの散華を治してもらうためにみんなの記憶から自分を消してもらったんだ。まぁ結果的にみんな思い出したけど……」

 

記憶を消してもらうか……僕は命を断つことでみんなを救い、桔梗さんは自分という存在をみんなの記憶から消すことでみんなを救った。本当に似てるな……

 

「お互いこうして生きてるんだから、今を楽しまないとな」

 

「はい」

 

「また会えたら会おうな。海」

 

「はい、また会いましょう」

 

僕らは握手を交わし、帰っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜は桔梗さんのお別れ会ということでみんなで大盛り上がりだった。そんな中、アクアさんは水芸を桔梗さんに披露をするのだが……

 

「アクアは水の女神というより水芸の女神だな」

 

「なんでよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

アクアさんは水芸の女神だと思われるのであった。そして翌日……

 

「何だか色々と世話になったな」

 

「まぁ今度は戦いとか何もないときにでも遊びに来いよ。そしたら例の店に案内するからな」

 

「ははは、楽しみにしておきます」

 

何だかんだ皆が桔梗さんにお別れを言う中、僕は……

 

「桔梗さん、何かあったら手助けに行きますから」

 

「海、その時はまた一緒に戦おう」

 

僕と桔梗さんは拳を合わせるのであった。こうして桔梗さんは元の世界へと帰っていくのであった。

 

「何だかんだ。慌ただしかったな」

 

「ダクネス。お前が真面目だと何だか違和感しかないんだが……」

 

「カズマ、お前は……」

 

「今度こそ水の女神だって認めさせられるように、芸を磨くわ」

 

「アクア、その通りです。私も爆裂魔法を今よりもずっと素晴らしいものにして見せます。なにせ、未来の弟子が待っていますからね」

 

めぐみんが友奈の方を見てそう告げた瞬間、その場にいた僕以外が友奈の方を見ていた。こいつ、こんな時まで……

 

「めぐみん、いい加減……」

 

「………う、海くん。あのね……」

 

めぐみんを叱ろうとした時、何故か友奈が僕の服を掴んで止めに入った。それに何だか顔も赤いし……これって……

 

「ずっと返事しようと思ってたんだけど……」

 

「ゆ、友奈……」

 

友奈はそっと僕にキスをし、恥ずかしそうにしながら笑顔で……

 

「私を幸せにしてね」

 

その言葉を聞いた瞬間、僕の時が止まるのであった。

 

 




これでキメラ編は終了です。そして最後の最後で友奈の返事です。

次回からは結婚編です。結婚編で番外編も終了になります。

因みにこっちの世界観では勇者の章はやる予定はないです。
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