124 結婚するならまずは報告を
カズマSIDE
ユウナがウミのプロポーズの返事をしてから、次の日のことだった。何故かウミは物凄く落ち着かなかった。
「どどどどど、どうしよう……」
「いや、ちゃんと返事もらえたのに何でお前、そんなにオロオロしてるんだよ。もうここからゴールインすればいいんじゃないか」
というか俺はこいつを説得しなければいけないんだ。式を挙げるならエリス教会ではなく、アクシズ教会にしてもらうために……というかめぐみんも説得の手伝いをすればいいのに、ダクネスと一緒に何かやってるし……
「いや、そうだろうけど……本当にどうしよう……」
こいつは一体何を悩んでるんだ?特に結婚とかって悩むようなことはないのに……
「結婚するとしたら………ちゃんと友奈の両親に言わないと……」
………やばい、そこら辺全然考えてなかった。
海SIDE
本当にどうしよう。こういう時ってやっぱり報告した方がいいよね。でも……
「ウミはさっきから何を悩んでいるんですか?」
「まぁ何というかユウナの両親に話した方が良いんじゃないかって悩んでるみたいなんだよな」
「悩む必要あるんですか?」
めぐみんは分かってないみたいだな。確かに友奈に返事をもらえて、結婚するという感じの話になってるけど……
「めぐみん、僕らが結婚を許せる年だと思ってるのか?」
「出来るんじゃないんですか?」
「あっ……」
カズマさんは僕が何を言いたいのかすぐに理解した。そう僕が悩んでるのは歳のこともある
「こっちでは普通だろうけど、僕がいた世界ではまだ結婚できないんだよ」
「あっちでは女は16歳。男は18歳だからな……」
僕らの話を聞いて、めぐみんは呆れた顔をしていた。
「それはウミたちの世界での常識じゃないですか。結婚云々はこちらでやるんですから問題はないじゃないですか」
「だとしてもだ。そんな話を友奈の両親が許してくれると思うか?それ以前に挨拶しようとしても僕はあっちに行けないし……」
前みたいに腕輪の力を使えば何とか出来るけど、流石にそんな理由でエリスさんが貸してくれる訳なさそうだしな……
「………ウミ、そこら辺何でちゃんと考えてないんですか?勢いでプロポーズしすぎですよ」
「なぁ、思ったんだけど……お互いちゃんと結婚できる歳に……」
「何かあったのか?」
「ダクネスさん……」
出かけていたダクネスさんとクリスさんが戻ってきた。するとめぐみんはクリスさんに早速ある事を言った。
「クリス、この間の腕輪ってまだありますか?」
「腕輪?一応まだ持ってるけど……いい加減元の場所に戻さないと……」
クリスさんが腕輪を取り出した瞬間、めぐみんが腕輪を取り上げ僕に渡した。いや、盗賊のものを盗むのはどうかと思うぞ。めぐみん
「えっと……何事なの?」
「めぐみん、それは危険なものだって知ってるだろ。クリスに返してやれ」
「駄目です。これがないとウミが困るんです」
「ウミ、どういう事だ?」
「実は……」
僕はさっきまで話していたことを二人に話すと、クリスさんはため息をつきながらめぐみんが持っていた腕輪を僕に渡した。
「それぐらいだったら、大丈夫だよ。二人の結婚のためだったらエリス様も神器使用を許してくれるしね」
「クリスの言うとおりだ。私も怒ったりしないさ」
「クリスさん、ダクネスさん、ありがとうございます」
それから僕は友奈に結婚の件を両親に伝えるべきと話し、友奈の両親にそこら辺の話をしてもらうことにした。
次の日、僕は腕輪の力を使って扉を開いた。前回もらったマナタイトが残っていて良かったけど……一時間で話が済むのかと思っていたけど、エリスさんは僕の為を思ってなのか時間制限をなくしてくれたみたいだ。
「それじゃ行ってきます」
僕はカズマさん達に見送られながら、扉の中に入るのであった。
扉を抜けて出てきた場所は勇者部の部室だった。ここのほうが色々と都合がいいから指定したけど……
「ありゃ、海。来たの?と言うことは友奈の話は本当だったみたいね」
「海さん、おめでとうございます」
「全くあっちで頑張ってるんじゃないのかしら、結婚とか浮かれ過ぎじゃないの?」
「にぼっしー、ゆーゆ取られて寂しいんだよね~」
先輩たちに思いっきり祝福された。というか話早すぎないか?
「あの海さん、私達も呼んでくれるんですよね」
「あぁ、そのつもりだけど……というか今日来たのは……」
「因みに~カイくんのご両親には私の方で伝えておいたよ~」
そのっち、お前……何というか……色々と気を利かせすぎだろ。というか伝えたって何をだ……
「ほら、こんな所にいないで早いところ行きなさい。そして頑張りなさい」
「はい」
僕は部室を後にして直ぐ様友奈の家に行くのであった。そういえば部室に東郷がいなかったのが気になるけど……
「それにしても海と友奈が結婚か……」
「お似合いだもんね。海さんと友奈さん」
「まぁ二人の子供もいるみたいだし、幸せな家庭でいいんじゃないの」
「でも~大丈夫かな~わっしーが見守りにゆーゆの家に来てるみたいだけど………」
「乃木、二人を信じましょ」
僕は友奈の家に着くと友奈が玄関の前で待っていてくれた。
「海くん。ただいま」
「おかえりって……何だかおかしくないか?」
「おかしくないよ。海くんがこっちに戻ってきたんだから……」
確かに一時的とは僕がいた世界に戻ってきたんだよな……ただいまって言われてもおかしくない。
僕は友奈の手を握り、一緒に家に入るのであった。
中で友奈の両親が待っていたけど、何で僕のお母さんまでいるんだよ。というかさっきそのっちが言っていたのってこの事だったのか?
「海。話は聞いているわ」
「あ……うん」
「積もる話は後よ。今は……ね」
僕と友奈は一緒に座り、目の前にいる友奈の両親に挨拶を始めた。
「はじめまして、上里海です。今回こちらに来たのは……娘さん……友奈との結婚を許してほしいのですが」
「………」
やばい、無言が辛いのだけど……というか友奈のお父さんが一番怖い
「お父さん、あのね。海くんは色々とあって……」
「友奈、上里さんから話は聞いてるわよ。異世界についてやそこでなら今の年齢ならすぐに結婚できるって……でもね、友奈はまだ学生なのよ。お母さんとしてはちゃんと大人になるまで待てないかな……」
「お母さん……」
「海、そっちでは立派になっているって聞いたけど、こっちではどうなのかしら?貴方は………」
「どんなふうに言われても……これは二人で考えたことです。僕は友奈を幸せにします」
「…………上里くん」
さっきから無言で僕のことを睨んでいた友奈のお父さんが口を開いた。なんて言われようとも僕は引くつもりはない
「私は特に反対する意見はない。結婚すればいいさ。だが二人が一緒に住むのは友奈が高校卒業してからでもいいかい」
「……はい」
あれ?何だかあっさり許してくれた?だけど友奈のお父さんはゆっくり立ち上がった。
「そうか。それじゃ娘を奪っていく君を一発殴らしてもらうよ」
そう言った瞬間、突然ふっ飛ばされ、僕は庭の方まで落ちていた。やばい、全く見えなかったんだけど……
「……娘を幸せにしてくれ」
何とか結婚を許してもらい、僕は母さんと一緒に讃州中学までの道のりを一緒に歩いていた。
「良かったわね。許してもらって……」
「母さんは反対じゃないの?」
「結城さんの旦那さんに全部言われちゃったから……それで海……」
「何?」
「ちゃんと友奈さんを、二人の間にできてくる子供を幸せにしないと駄目だからね。私達ができなかったことをやってあげて……」
「………うん、絶対に幸せにするから……」