この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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互いに思う気持ち

強制的に新婚旅行に行くことになった僕ら。旅館で受付をすると

 

「既に料金は頂いていますよ?」

 

赤目に黒髪の受付嬢がそんな事を言っていた。というかこの子、紅魔族だよな……

 

「料金って……いつの間に?」

 

「海くん支払いしたの?」

 

いや、した覚えがないし、そもそも僕らがここに来ることになったのは昨日急に決まったことだし……

 

「あれ?確か金髪の子と背が小さい子が支払いやら何やらしてくれましたよ。確か予約の方も……」

 

金髪に背が小さい子……さっき見たような人を見かけたけど……まさかと思うが……

 

「あの人達かな」

 

「あの人達って?」

 

「いや、そのうち分かるから……」

 

多分だけどカズマさんあたりが気を利かせたのかもしれないな。だとしても別に気を使わなくっても……

 

「そうそう、言い忘れましたが、外周辺は魔物が暴れているのでなるべく出ないように」

 

「あのそれでしたら私達が……」

 

「僕ら一応冒険者ですから」

 

「いや、他の冒険者の方が対応しているので大丈夫ですので……お食事ができるまでの間は旅館内でごゆっくり」

 

何というか本当に気を使ってもらって仕方ないな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは部屋につくと友奈は心配そうにしていた。

 

「東郷さんたち大丈夫かな?」

 

「強制的にここに連れてこられたけど……やっぱり心配だよな」

 

何でこのタイミングで旅行に行けって言われたのか気になるけど……

 

「友奈は……崩壊した世界を見てどう思った?」

 

「……海くんは?」

 

「僕は……」

 

天の神が行ったことだけど、そもそも天の神があんなふうに人類を襲った理由は僕ら人間に原因があるってお姉ちゃんやエリスさんに教えられた。人が上に近付こうとしたからこそ、天の神は罰を下した。

僕らの世界では紅魔族に……特にめぐみんにビビってもとに戻してくれた。桔梗さんがいる世界では桔梗さんが天の神を説得したから……そして呪いのシステムもまた僕らが破壊したから……

ただやっぱり……

 

「辛いよ」

 

「辛い……」

 

「だってあんなふうに破壊された世界を見たら……誰だってそう思うよ。だからかな……」

 

僕は何も見なくて良いようにめぐみんや友海に頼んで爆裂魔法で更地にするように頼んだりした

 

「海くん……私も同じだよ」

 

「友奈……」

 

「辛いって思うよ。ただこれから先私達が元の世界に戻していくようにしないと……それが私達勇者部の今の役目だし、未来の勇者たちの役目でもあるから」

 

「そうだな……」

 

僕は友奈に抱きつくと友奈は優しく頭をなでてくれた。

 

「えへへ、どうしたの?」

 

「いや、ただ何となく……」

 

「海くん……」

 

僕らはキスをし、友奈の服を脱がせようとした

 

「失礼しますね。お食事の方を……あら、これはごめんなさい。お楽しみ中でしたか……ではお食事は後ほど」

 

受付の子がお食事を下げようとして、僕らは慌てて止めに入るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事を取り終えた後、お互いに背中合わせで一緒にお風呂に入っていた。

 

「なんだろう?東郷、俺達が知らないような力でも持ってるのかな?」

 

「あ、あはははは、そんなことないと思うけど……でもやっぱりお互い責任取れるようにしないとね」

 

「そうだな……」

 

「海くん」

 

「何だ?」

 

「もしかしてさ、今回の旅行……カズマさんなりに私達のことを考えてくれたんだと思う」

 

「僕らがつらい思いをしているからか……」

 

だからってこんな大掛かりのことを……でも本当にカズマさんは……

 

「僕らは頼もしいリーダーがいてくれた良かったよ」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから次の日、旅館から出ると若葉さんたちが待っていてくれた。

 

「き、奇遇だな」

 

「若葉さん、もう分かってますから……」

 

「あはは、やっぱり気づかれてたんだね」

 

「でもちょっとした息抜きになったんじゃないかしら?」

 

「にしてもタマ達は徹夜で魔物退治……流石に疲れたぞ」

 

「あはは、でも二人共スッキリした顔してるけど、悩んでたことは解決したの?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「それでお礼というべきか、旅館の人に若葉ちゃんたちを泊めてもらうように頼みました」

 

ちゃんとお礼をしないといけないからな。僕らは若葉さんたちと分かれ、自分たちの屋敷へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋敷につくとエリスさんが待っていてくれた

 

「おかえりなさい。ウミさん、ユウナさん」

 

「ただいま」

 

「エリスさん、調査の方は大丈夫なんですか?」

 

「えぇ一段落して……ただ目的地に着いた後、ユミさん、ボタンさん、みゆさんの三人は元の場所へ戻ったみたいです」

 

「もしかしたらだけど神樹様なりに僕らに気を使ったってことなのかな?」

 

「そうかもしれませんね」

 

きっとだけど僕らが迷ったりするかもしれないからこそ、彼女たちを呼び出したのかもしれない。

 

「カズマさんたちも夜頃には戻ってくるので……」

 

「それじゃ友奈」

 

「うん」

 

「「ごちそうを作って待ってよう」」

 

僕らはすぐに準備に取り掛かるのであった。この素晴らしい仲間たちのためにね

 

 

 

 




というわけで急ぎ足でしたが、この話で短編は終了となります。

そして近い内にゆゆゆもので書こうと思います。

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