騒ぎを聞きつけて、向かうとダクネスさんが大剣を構え、友奈、銀、先輩、夏凛も赤いドレスの女性と対峙していた。
「みんな!」
「大丈夫か!?」
僕が駆けつけたのと同時にカズマさん、アクアさん、めぐみんもやってきた。赤いドレスの女性は僕らを睨みつけていた。
「ちっ、最初から時間稼ぎだったのね。だから攻撃をワザと外して、こっちの攻撃を受けていたのね」
「あ、あぁ、概ねそのとおりだ」
そんなこと言ってるけど、ただ単に攻撃を受けていたのは趣味だということと攻撃が当たらないのはわざとじゃないという事は言わない方が良いかな?
「なるほどね。ダクネスってそこまで考えていたのね」
「やるじゃない」
夏凛と先輩が感心していて、友奈と銀はなんと言えば良いのか悩んでいた。ここは夢を壊さないほうがいいな
「だけど仲間が来た所でどうにか出来ると思っているのかしら?行きなさい!」
女性の号令とともにその部下の兵士たちが僕らに襲い掛かってきた。僕は生太刀を構え、接近してきた瞬間に生太刀を鞘から抜いた。
抜いたと同時に襲ってきた兵士たちが真っ二つに切り落とされた。
「上手くいったかな?」
「あんたいつの間に居合なんか覚えたのよ」
「まだ練習中だけど、若葉さん達の武器を使うには戦闘スタイルも覚えたほうがいいかと思ってね」
生太刀を鞘に収めながらそう言うと、赤いドレスの女性は興味深そうに僕のことを見ていた。
「やるわね。あんた、名前を聞こうかしら?」
「悪いけど名乗るつもりはないよ。もし戦ってがっかりさせたら悪いからね」
「お前、ベルディアの時も同じこと言ってたな」
「一応流儀みたいなものだからね」
相手に名前を覚えてもらうにはちゃんと僕の強さを相手に認めさせなければならないからね。
後ろにいつの間にかいた紅魔族も『あえて名前を名乗らないなんて……』『それもいいかな』などと声が聞こえていた。そんな中赤いドレスの女性は僕の答えが気に入ったのか笑みを浮かべていた。
「へぇ、面白いことを言うわね。だけど私は名乗らせてもらうわよ。私は魔王軍幹部シルビアよ」
シルビアが鞭を構えながら名乗りを上げていた。戦闘開始かと思い僕らが武器を構えた瞬間、カズマさんが待ったとかけた
「おい、シルビアと言ったな。戦ってもいいが、そこにいるクルセイダーは俺の仲間で、魔王軍幹部バニルとの決戦時に爆裂魔法に耐えた猛者だぞ。そのバニルにとどめを刺したのはここにいるめぐみんの爆裂魔法だ」
「…バニルが?確かアクセルの街に行ったきり帰ってこないって聞いたけど……まさか倒されているなんて……」
「それだけじゃない。ベルディア、ハンスも倒した。さらにあの大物賞金首、機動要塞デストロイヤーも俺たちが倒したんだ」
いきなり何を言い出すかと思ったけど、カズマさんはもしかしてここは戦闘を回避するために……
まぁ、カズマさん的には後ろに紅魔族のみんながいるから強気でいられるんだろうな。
「それにな。お前らが使ってる生物兵器バーテックスを一瞬に蹴散らすくらいの実力を持った奴らがこの里に沢山いるんだ。そんな相手と戦うつもりなのか?」
カズマさんの言葉を聞いて、驚愕の表情をするシルビア。
「ベルディアが討たれたというのは聞いていたけど、ハンスまで……それに生物兵器を一瞬で倒せるやつまで、貴方の表情と言葉を聞く限り本当みたいね。あなたは名前を教えてくれるかしら?」
「ミツルギキョウヤだ。覚えておけ」
何で別の人の名前を……いや、名前を覚えられては何か困ることがあるからか?それだったら仕方ないけど……
「ミツルギキョウヤ!?そう、それで納得がいったわ。魔剣使いのミツルギといえば、その名を聞き及んでいるわよ。変わった剣を下げてるし本物のようね。男らしいイケメンだって聞いたけどなんかパッとしないわね。まぁいいわ。分が悪いから引いてあげる。そっちの名前を名乗らない子は顔は覚えたわ」
シルビアとその兵士たちは撤退し、紅魔族の皆はシルビアたちを追いかけるのであった。
「そういえば魔王軍の目的ってなんなんだ?」
「さぁ?高い魔力を持った紅魔族が邪魔だからか?」
「もしかしたら里に伝わる『世界を滅ぼしかねない兵器』が目的ではないのでしょうか?」
めぐみんは里にある施設の方を見ながらそう言った。何で平和そうな里にそんな物騒な兵器が眠っているんだよ。
でもその兵器がどんなものなのかちょっと気になる。
「『世界を滅ぼしかねない兵器』ね………もしかして四国の外みたいに出来るようなものだったらやばいわね」
「だとしたら天の神と同等の力ね。それはそれでかなり厄介だけど……」
「それだったら破壊したほうがいいんじゃない?」
「勝手に話を進めないでくれませんかね?そんなことしたらみんなに怒られてしまいます」
破壊するかどうかの話になり、めぐみんに叱られてしまうのであった。
短めですみません。