この素晴らしい勇者に祝福を!   作:水甲

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この小説の中のクレアは優し目になっています。そしてタイトル通りあのヒーローの登場です


75 参上!国防仮面!!

「騎士団と冒険者達が凱旋したぞー!!」

 

王都中が歓声に包まれる中、僕はめぐみんを背負っていた。めぐみんは背負われながら隣を歩く友海に対して誇らしげに話していた。

 

「どうですか?未来の私と比べたら全然ですが……」

 

「ううん、めぐみん師匠は凄いよ!!最強の魔法使いだよ!!」

 

「そうですか、そうでしょう」

 

「なぁ、友海、何でめぐみんがお前の師匠なんだ?」

 

ずっと気になっていたけど、どういった経緯で弟子になったんだろう?

 

「うんとね。今より小さい頃にめぐみん師匠が爆裂魔法を見せてくれてね。私もいつかあんな風に爆裂魔法を撃ってみたいって思ったの」

 

「……何だか昔の自分を思い出しますね」

 

めぐみんは何だか懐かしむような声でそんなことを言っていた。そういえばめぐみんって誰かに爆裂魔法を見せるために頑張ってるんだっけ?

 

お城に着くとクレアさんから今日の夜に祝賀会を開くという話を聞き、参加していた冒険者たちはものすごい歓声を上げていた。

ただ集まっていた貴族の中からカズマさんに対する誹謗中傷の声が聞こえた。僕はそんな貴族たちを睨みつけながら、お城の中に入るのであった。

 

 

 

 

 

 

「やはりそうですか……」

 

少し休憩し、散歩している時にクレアさんとばったり会い、さっきの貴族たちの話をした。クレアさん自身、カズマさんのことは少しだけど評価はしているけど、貴族たちはそれをよく思ってはいなかった。

 

「今夜の祝賀会にはカズマ殿は参加させないほうが良いかもしれないな。いやでもあの話が聞かれる」

 

「あの話?」

 

「ダスティネス卿たちをミツルギ殿パーティーに引き抜くという話だ」

 

何だそれ、何だか本気で苛ついてきたな……

 

「カズマ殿にその話をしようと思ったのだが、先程ちょっと遭ってな」

 

「何かあったんですか?」

 

「実はアイリス様と体が入れ替わったみたいなんだ」

 

「………どういう事?」

 

クレアさんの話を聞くとどうやらアイリスが持っているネックレスはどうやら体を入れ替わることが出来る神器みたいだった。ひょんな事でカズマさんとアイリスが入れ替わり、一緒にお風呂に入りそうになったとか……

 

「処分はできないんですか?」

 

「それは無理だ。あのネックレスはアイリス様の兄上である第一王子ジャティス様へ贈られた献上品だ。ジャスティス様が戻られていない以上、それを勝手に処分するわけにはいかぬ。まぁ、効果も短時間だから大丈夫だと思うが……」

 

「そうですか……僕はこれで失礼します。祝賀会に参加する気はないんで、みんなにそう伝えてください」

 

僕はクレアさんと別れ、街へと出るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

人目の付かない場所に着くと僕は例のごとくクリスさんを呼び出した。

 

「王女様が神器をね……」

 

「効果は短時間だから大丈夫だって護衛の人は言うけど、そんな単純なものなの?」

 

「ううん、あの神器は入れ替わっている間にもう一人の体が死んじゃったりしたら、もとの肉体には戻れなくなるの」

 

それはつまり、体を乗っ取ることが出来るって言うことか……

 

「今夜にでも盗んでくるつもりだよ。祝賀会に浮かれて警備も甘くなってるしね」

 

「そう、だったら僕からお願いできない?」

 

「何?」

 

「カズマさんもその盗みに連れて行ってくれない?ちょっと鼻を明かしたい連中がいるから……」

 

「君が誰の鼻を明かしたいか知らないけど、彼には協力してもらうつもりだよ」

 

「そっか、ありがとうね。クリスさん。僕もピンチになったら手助けするから」

 

「あはは、そうそうピンチにならないよ」

 

クリスさんはそう言って、立ち去るのであった。さて本当にピンチにならなければいいけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻るが友奈も友海も戻ってきてないみたいだな。さてどうしたものか?手伝おうにも盗賊スキルを持たない僕は完全に役立たずだ。何か手助けをすることが……

 

「あっ、海くん、戻ってたんだ」

 

「海おじ様、何か考え事ですか?」

 

突然ドアが開かれ、中にはいってきたのは須美と牡丹の二人だった。

 

「祝賀会はもういいのか?」

 

「お酒が出る場所でしたので、子供である私たちは早く退散しました」

 

「友海はアイリス姉様とお話をしてますし、友奈おば様が付いていますから大丈夫ですね。それにおじ様が参加しないというのも皆さん気にされて、様子を……」

 

それなら良いけど……とりあえず二人は僕の事を心配したのか様子を見に行くように東郷に頼まれ、この部屋を訪ねたみたいだしな。

三人で何か喋ってみようかと思ったら、突然警報が鳴り響いた。まさかと思うけど、クリスさんとカズマさん見つかったか?

 

「何でしょうか?もしかして泥棒が!?」

 

「私たちも行きましょう」

 

須美と牡丹が泥棒を捕まえに行こうとした瞬間、僕はあることを思いつき、二人の肩を掴んだ

 

「二人共ちょっと協力してくれないか?」

 

「「協力?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城内で城の兵士に手刀をかまして、ある程度の戦力を削ぎながらクリスさんとカズマさんの様子を見ていた。クリスさんは口元をバンダナで隠し、カズマさんは以前バニルさんから貰ったバニル仮面を付けていた。二人は見る見るうちに警備を突破しているけど、ミツルギさんとレインさんと対峙していたが、二人の強敵を難無く攻略するカズマさんの姿が見え、僕としては何だかスカッとした。

 

「何だか嬉しそうだね」

 

「まぁね。さてと僕らもそろそろ行きますか……」

 

「状況的に次の場所が厄介ですね」

 

「あぁ、かなりの強敵が待ってるしね」

 

僕はワイヤーを使い、カズマさんたちが次に入ろうとする部屋までショートカットするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマSIDE

 

「よくここまで辿り着いたな侵入者よ。民を守り、国を守り、そして王族を守るのがダスティネス一族の使命。この私がいるからには………」

 

城の兵士を突破したのは良かった。更にはレインやミツルギを倒したのも良かった。だけど、部屋を開けた瞬間見えたのは……

 

「ねぇ、あの戦力無理だよね」

 

「閉めるな!貴様らは一体何のためここへ………」

 

「くそ、ダクネスやアクアとめぐみんはともかく勇者まで集まってやがる!!」

 

厄介な相手が殆どこの部屋に集まってるし……どうしたものか

 

「私たちは王女様が危険なものを持ってると聞きつけてやって来たんだよね!私たちが来なかったら危なかったよね!」

 

説明くさい事を話しているとダクネスが俺たちの事に気が付き、体を震わしていた。くそ、ダクネスは分かってくれているが、このままだとどうしようもない。

そんな事を思っていた瞬間、突然部屋の窓ガラスが割れ、謎の三人組が入ってきた。何だか前にウミが作っていた衣装をまとった三人組、まさか……

 

「国を愛し」

 

「人を愛する」

 

「人が困ったときに颯爽と現れしもの……」

 

「「「そう!私たちは憂国の使者!!国防仮面!!」」」

 

何だかポーズを決めている三人組、この場にいない人間から推測するとウミ、スミ、ボタンの三人だよな。

 

「「「か、かっこいいーーーー!!」」」

 

「国防仮面だよ!?こっちにもいたんだ」

 

「え、えぇ、そうね……」

 

「何なんですか!?あの仮面の盗賊といい、あの国防仮面は……かっこよすぎます」

 

「こっちの世界にあんなヒーローがいるんだね。パパにも見せてあげたかったな~」

 

何故か国防仮面に見惚れているユウナ、めぐみん、ユミの三人、一方のトウゴウ、アンズ、ひなた、銀はというと……

 

「あの衣装……」

 

「どう見ても……ね」

 

「意外とノリノリね……」

 

「というか三人分の衣装をわざわざ作ったんだね」

 

正体に気がついてるみたいだな。だけどアクアはというと……

 

「憂国の使者とか仮面を付けた盗賊とかどこの仮装行列よ!!」

 

「私たちは仮装行列ではないです!!」

 

スミ?の国防仮面が怒ってるけど、どこからどう見ても仮装行列にしか見えないよな……

 

「なんと言われようが構わない。そこの盗賊たちよ。ここは私達が引き受ける。早いところ目的のものを!!」

 

ウミ?に言われ、俺とクリスの二人は立ちはだかっているダクネスたちの間をすり抜けるようにアイリスがいる部屋に入ると装飾が施されたレイピア右手に下げて、左手をこちらに突き出したアイリスが待ち構えていた。

 

「侵入者よれこの私もら代々勇者の血を受け入れ、その力を揺るぎないものにしてきた王族の一人です!簡単に事が運ぶ…とは…」

 

アイリスは俺達の事を見て驚いていた。その隙に俺とクリスの二人で手を前に突き出し、

 

「「スティール」」

 

何を盗ったのか確認できないけど、今はこの場から逃げ出さないと駄目だと思い、テラスから飛び降りようとすると、国防仮面の妨害から抜け出したのかアクアが現れ……

 

「今までの流れで、それが狙いだって事は分かったわ! あんた達にそのまま持って行かせたりはしないわよ!」

 

神器に封印をかける姿が見えたけど、今は気にしている場合じゃない。俺とクリスの二人はそのまま真っ暗なプールに落ちるのであった。

 

 

 

 

 

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