とある森の中、そこには一人の女性が佇んでいた。
「………それで女神との盟約を破ってまで私たちに協力する理由を教えてくれないかしら?」
女性がそう告げた瞬間、目の前に白く輝く何かが現れた。
『我は知りたいだけ、人というものを……』
「だからってわざわざあの二人の女神の代わりに結界を張る必要はあるのかしら?」
『これは新たな約束。女神たちはあのような退屈な場所にいるより、こちらの世界にいたほうが楽しんでいると思う』
女性はため息をつきながら、その場から離れようとしていた。
「まぁ貴方の考えはよく分からないわ。でも私の邪魔をしないでほしいわね。他の幹部たちみたいに貴方の下僕の力は必要ないわ」
『好きにするがいい。我もお前が望んでいる以上、手を貸すつもりはない』
「そうしておきなさい」
女性は一瞬の内に姿を消すと残された何かは呟いていた。
『邪神ウォルバク、お前は近いうちに出会うだろう。女神の加護を受けた勇者に……だが……一体どういう事だ?』
「何がどういうことなのかな?」
何かの呟きを聞いて、そう聞いてきたのは扇子を仰いでいる氷雨だった。氷雨は目の前の何かをじっと見つめながら笑みを浮かべていた。
『お前の事は知っている。勇者の力と巫女の力を得しもの』
「流石に知っているみたいね。私として貴方にずっと会いたかったの。貴方が何故人を知りたがっているのかを……」
『その答えは教えられない。我が認めしものだけだ。だがこれだけは教えておこう。この世界の外で結界を破ろうとしていた奴らの気配が消えた』
「…………奴らは何処に?」
『奴らは……』
お祭りから数日が経ったある日のこと、広間でちょむすけを撫でている僕は、クリスさんにある事をお願いされていた。
「孤児院で演劇を?」
「うん、私が支援している孤児院の職員に頼まれてね。ほら、ウミさんたち得意そうだし……」
確かにあっちで幼稚園とかで演劇とかやっていたけど……まさかこっちでもやることになるとは……
するとダクネスさんも僕とクリスさんの話を聞いていたのか話に参加してきた。
「ウミ、私の方からも頼めないか?きっと子どもたちも楽しんでくれると思うが……」
特に断る理由もないし、引き受けてもいいかもしれない。ただ問題があるとしたら……
「ちょっと準備とかで時間がかかるかもしれないけど、それでも大丈夫なら」
「あぁ、それぐらいなら大丈夫だ」
準備は当然として演劇なのだからそれなりに人数がほしい。それだったら……
「友奈もやるだろ」
「えっ!?」
突然声をかけられ、驚いている友奈。何だかここ最近ボーとしていることが多い。何かしら悩んでいるのは分かってるけど……
「友奈。勇者部五箇条1つ、悩んだら相談!」
「海くん………」
「何かあったんだろうけど、一人で悩まないで僕に相談くらいしてくれないか?ほら……僕とお前は……」
》「ちょっと女性陣集合。私たちはアクセルの街でも一流の女子なんだから、女子会やるわよ!!」
僕がいいかけた瞬間、アクアさんが広間に入ってきてそんなことを言い出し、友奈、クリスさん、ダクネスさんを連れ出すのであった。
今、物凄く恥ずかしいことを言おうとしていたけど……タイミング悪すぎないか?あの女神は……
「ウミ、元気出せ」
落ち込む僕にカズマさんがポンッと肩に手をおいた。何だかカズマさんアクアさんに何かしら邪魔されたのかな?
「俺なんかめぐみんに物凄く大切な話があるって言われて何日か待ってるのに、全部アクアに邪魔されてるんだ」
「カズマさん……というかカズマさんはめぐみんの事好きなの?」
「ん~どうなんだろうな?こうめぐみんと一緒にいるとたまにドキドキするけど……」
それってつまり好きなんじゃないのかな?でもカズマさん自身気がついてないみたいだけど……
「とりあえず今日は男同士で飲むか」
「そうですね。女性陣は女子会してますし、友海と牡丹の二人は歌野さんの所にお泊まりに行ってますし……たまには男同士で飲みますか」
僕らはその日の夜、男同士で飲み明かすのであった。とはいえ、僕はお酒はあんまり好きじゃないのでジュースだったけど……
それにしても友奈の奴は一体何を悩んでるんだ?それにここ最近勇者部の皆が遊びにこないのも気になるけど……何かあったのかな?
短めですみません。最終章なので原作の話をやりつつオリストを混ぜていく感じになります