邪神ウォルバクと戦いに行くため、僕らはいろんな準備をしていた。そんな中カズマさんはダイナマイトを作ったみたいだけど、めぐみんに却下されてしまった。
そして出発の日になり、屋敷の前でゆんゆんの事を待っていた。
「そういえばアクアさん、ゼル帝は?」
「私の可愛いゼル帝を危険な所に連れていけるわけないじゃない。ウィズの所に預けてきたわ」
「預けてきたっていうか、押し付けてきたんじゃないのか?」
「そういえばウミ、ワカバたちには協力を頼まなかったのか?」
ダクネスさんの言うとおり、ワカバさん達にも協力を頼みたかったけど、それをカズマさんに伝えたら必要ないって言われた。
「今回ばかりはこっちに勝率があるから大丈夫だ。チート級の冒険者もいるだろうし、めぐみんの爆裂魔法とユミの爆裂勇者パンチだってある。更にウミの満開だってあるしな」
確かにそう考えれば勝率は高いし、ワカバさんたちに協力して貰う必要はないな。ただちょっと気になるのは、今から行く砦にチートを持った冒険者がいるからとはいえ、どうにも新聞に書かれていた邪神が現れて戦況が一変したという言葉がどうにも気になった。ほんとうに大丈夫なのか心配だな……
「お待たせしました」
そんなことを考え込んでいると、ゆんゆんがやってきた。ゆんゆんの他には歌野さんと水都さんも来ていた。
「何だか大変な事になってるみたいだけど、私達も手伝うよ」
「あのサポートくらいしかできないけど、頑張ります」
さらに遅れて須美とそのっちの二人もやってきた。
「お待たせしました」
「パーティーリーダーが行くって言うなら私達も行かないとね~」
これだけのメンツなら魔王軍幹部も大丈夫じゃないかって思い始めた。それにしても……
「ゆんゆんがリーダーだったんだ」
「えっ、えっと、私が最初に募集をかけたので、自然に……」
恥ずかしそうにしているけど、よくよく思えばリーダーの素質がある気がするな。めぐみんの話では昔から面倒見がいいって言ってるし……
「戦力的にこれぐらい入れば十分だろ。早速行こうぜ」
カズマさんも今回のメンバーに満足してるみたいだし、特に問題はないかな?
僕らは何回かに分けてゆんゆんにテレポートをしてもらい、王都へと向かうのであった。
王都まで転送し終えると、カズマさんは門の前にいる兵士たちに話しかけていた。もしかして砦までの道を教えてもらってるのか?いつにもなくやる気満々だな。
『…………幹部の攻撃が……しくて……避難……』
「えっ」
何だか話が途切れ途切れだけど聞こえてきた。カズマさんも兵士たちとの話を聞き終えると、何故か落ち込みながら戻ってきた。まさか話を聞いて思っていた以上に戦況はまずいことになってるのか?
僕らは王都から砦へと徒歩で向かっていた。そんな中、ゆんゆんはみんなで旅ができてちょっとはしゃいでいた。
「歌野さん、何でゆんゆんはあんなにテンション高いんですか?」
「そりゃ、友達と一緒に旅ができて嬉しいんだよ」
友達とか……ん?
「歌野さんたちは友達じゃないんですか?」
「えっとね。私もうたのんも友達じゃないかって言ったんだけど、ゆんゆんちゃん曰く仲間と友達は違うんだって……」
そういうものなのかな?
「全くゆんゆん、はしゃがないでください。子供みたいですよ」
はしゃいでるゆんゆんを注意するめぐみん。だけどめぐみんも何だか嬉しそうだ。
「なぁ、そういえばそいつ連れてきてよかったのか?」
カズマさんはゆんゆんの足元でちょこまかと纏わり付いているちょむすけを見てそう聞いてきた。確かに今から行く先は戦いの最前線だ。こんな小動物を連れてきた大丈夫なのかな?
「それは現地についてから分かることです。もしかしたらこの子がいるだけで幹部に対して牽制になるかもしれませんし」
めぐみんはそれ以上答えようとしなかった。前にちょむすけを狙ってきた輩がいたという話を聞いたけど、もしかして今回の邪神もちょむすけと何かしらつながってるのかな?
そんなことを考えていると、僕らの前に突然武装した集団が現れた。そしてそいつらは僕らに向かって……
「待ちな。そこの冒険者。ここから先は通さねぇぞ!金と荷物を置きな」
月並みなセリフを吐く集団。こいつらもしかして盗賊か?今まで数多くのモンスターやバーテックスと遭遇したけど、盗賊と出会うとは……カズマさんはもちろん、ゆんゆん、めぐみん、アクアさんは感動を覚えていた。
とはいえ、襲ってきた以上は相手しなきゃならないな。僕は白月を抜こうとするとダクネスさんが前に出て……
「お前たち盗賊だな。だとしたらそれはもう色んなことをやってくれるんだろ。例えば……」
僕は咄嗟に友海の耳をふさぐと、水都さんも近くにいた牡丹の耳をふさぎ、カズマさんは須美とそのっちの二人に耳をふさぐように言うのであった。
ダクネスさんは馬鹿なことを言いまくって、盗賊たちも貴族相手だということや変態の相手をしたくないのか逃げ出すのであった。
残念そうなダクネスさんに僕は呆れながら……
「ダクネスさん。お願いだから教育に悪い発言をやめてくれないかな?」
「いや、だって盗賊だぞ」
「うん、お願いだから……」
「逃げ出したが、まだここらへんを探せば……」
僕はカズマさんの方を見た。カズマさんは無言で頷き、僕はダクネスさんを縛り上げた。
「ウミ、悪いが……」
「うん、引きずっていこうか」
僕は縛られたダクネスさんを引きずりながら、先へと進むのであった。
ダクネスさんは引きずられながらも抵抗してきたせいで、カズマさんが今日中に着きたかった中継地点までたどり着かなかった。僕らは野営をすることになった。
「あの私見張りやりますよ。任せてください」
「ゆんゆん、貴方は駄目ですよ。さっきウタノたちから聞きましたが、昨日は楽しみすぎて眠れなかったっていうじゃないですか」
「え、でも……」
「しっかり休める時は休んでください」
「まぁ見張りだったら俺がやっとくから安心しろって、夜型の人間にはこういう時は向いてるからな」
「それだったら僕も付き合うよ。もしもモンスターが襲ってきたときに二人いたほうが都合いいだろうし」
「それは助かる」
カズマさんと僕の二人で見張りをすることになった。空は曇り空で星も見えないため、モンスターに見つかる可能性は低いのだが、カズマさんは急に立ち上がり、皆に触れようとしていた。
「夜這い?」
「違う!!敵感知が反応したから念のため潜伏スキルを使ってるんだよ」
モンスターが近づいてきているということなら、僕は白月を抜いた。
「敵は?」
「今こっちにゆっくり近づいてきてる。潜伏スキルを使ってるのに近づいてきてるって言うことはアクアに引き寄せられたアンデットだろ」
アクアさんの体質の影響で、アンデットが自分を浄化してほしいと潜伏スキルを使ってるのにも関わらず襲ってくるんだっけ?
ただこっちに近づいてくる敵の足音が何だか変な音だった。何か湿ったものを引き摺る音……ゾンビ系じゃないとしたら……
「カズマさん、皆を起こして、僕は念のため満開を直ぐにできるように準備はしておく」
「頼む」
カズマさんが皆を起こし終えるが、アクアさんだけが中々目覚めなかった。カズマさんは接近してくる敵が何なのか気になり、ティンダーの魔法で辺りを照らした瞬間、アクアさん以外の全員が絶句していた。接近してきていたのは巨大なドラゴンだったが、所々腐っている。いうなればドラゴンゾンビか
「海くん、気をつけて、ドラゴンゾンビって前にうたのんが戦ったことがあるんだけど、物凄く強かったって」
「あれはリミッター解除してる状態だからね。攻撃食らったらそのままフィニッシュしちゃうからね」
水都さん、歌野さんの言うとおりだったら、厄介な敵に変わりないな。
「カズマさんは急いでアクアさんを起こしておいて、ここは一気に満開!!」
僕は満開をし、東郷の満開を使用し空からドラゴンゾンビを攻撃するのであったが、アンデットということもあって、ダメージ無視で僕の方に襲い掛かってくる。僕は回避しつつ攻撃を食らわしながら、アクアさんが起きるのを待つのであった。
何だか中等半端な所で終わってすみませんでした。