王子の長~い一夜/暴雨鮫の妖しい一夜   作:昆布さん

3 / 12
ハイというわけで奇数話、スクアーロの昔語りでございま~す、あと毎回挿絵表示をオンにしてくださいね。でないと勝利台詞のみがうつるという悲しいことに・・・


標的1 ほんの少し昔の話

じゃあ行くよ。とマーモンが言った。

「粘写!」

懐から取り出したトイレットペーパーで鼻をかむ。普通であればその後紙の上には目標・・・今回の場合はベル・・・の場所が現れるはずなのだが・・・

「ム・・・」

「どおした?」

スクアーロの問にマーモンが黙って結果を見せる。

「!」

「あ~ら、何かしらこのおどろおどろしいにこちゃんマーク」

ルッスーリアが気楽な声を上げるがスクアーロは瞠目している。

「どうしたのさ、隊長」

マーモンの声にはっ。と我に返るスクアーロ。

「貴様、何か知っているのか?」

横合いからの声にああ。と返したスクアーロは続いてそちらを向いて驚いたように叫んだ。

「う゛お゛い゛!いつの間にいやがったレヴィ!」

「さっきからだ。で、貴様は何か知っているのか?」

キモい強面の男レヴィにスクアーロは頷いて語り出す。

「ありゃあ今から4年前のことだ。マーモン、テメエも超能力者で術師なら一度ぐれえ魔術師にあったことぐらいあるだろう」

「ああ、あるよ。みんな弱くてつまんなかったけどね。それが?」

「4年前、俺はその魔術師に出会ったんだよ」

粉々にしなきゃ死なねえ吸血鬼といっしょにな。スクアーロは4年前に思いをはせた。

 

・・・・・

 

「う゛お゛お゛い゛!あちいぞお゛!」

銀髪を肩の辺りまで伸ばした青年はその端正な顔に粗暴な表情を浮かべてそこにいた。

4年前、当時18歳であり、ボンゴレ9代目暗殺未遂事件ゆりかごの後活動を休止していたころのヴァリアー作戦隊長、S・スクアーロの姿がそこにあった。

季節は冬。その前日はシン。と冷える空気に

「もっと髪が長けりゃマフラーに使えたのになあ゛」

と呟いたほどの寒さだったのだが、その日は高熱を出した病人の体温ほどの気温と纏わり付き、まるでそこが水中であるかのように感じさせる湿度だった。

陸上で溺死してしまいそうな程の異様な熱気の中、スクアーロは一度宿に戻り、空調の効いた部屋で素振り(もちろん使っているのは刃引きしたやつ。スクアーロは他の隊員にキャラを食われるほどの常識人なのだ)をしていた。

と、

「んだぁ゛?騒がしいな・・・う゛お゛お゛い゛!るせえぞお゛!静かにしやがれえ゛!」

窓の外に向かってそう叫んだ瞬間

「う゛お゛ッ!」

ズガン!反射的に振り下ろした剣が現れた生気のない何かをたたき落とした。刀身が半ばまで突き刺さったソレは人の頭部。でありながら・・・

「腹減った・・・腹が減ったんだよ・・・なあ・・・お前の血液を・・・お前の生き血を俺にくれよォ・・・」

「誰がやるかあ゛!」

鮫の牙(ザンナ・ディ・スクアーロ)!空間を囓るような刺突の嵐が一欠片も残さずソレを租借し、喰らい尽くす。

「ハ。俺を喰おうなんざ100年はええ」

ち。と舌打ちを一つするとスクアーロは面倒だが。と肩をコキッ。とならし、部屋のドアを開けた。

「おーおー、こりゃまた熱烈な歓迎で・・・さっきのやつのお仲間かあ゛?」

腰を落とし、居合いのように構える。

対するは廊下を埋め尽くすソレの群れ。最初の一人が飛び掛かる。血を吸う前にまず弱らせようと言うことらしいその右拳がスクアーロの腕に触れた瞬間、鮫が吼えた。

鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)ォ!」

黒と銀の閃光がそれらを廊下から一人残らず掻き消し、スクアーロがそのまま勢いにのせて宿から飛び出したときには彼の後ろはかつて人だった死徒の残骸で埋め尽くされていた。

「血の臭い・・・獲物はこっちかあ゛・・・」

その顔に凄絶な笑みが浮かんでいたことを4年後、すなわち他の幹部(ボス&ベル除く)に話している現代のスクアーロは否定しない。

そして異様な熱気を泳ぐ鮫は鬼と、ソレと闘う人間と邂逅する。

 

 

【挿絵表示】

 

「う゛お゛お゛い゛!よええぞお!」




次回!ベルフェゴールVSネロア・・・もといミハイル・ロア・バルダムヨォンです。
こないだの体力テストから腹筋が・・・腹筋崩壊(物理)・・・微妙に違うか
ちゃおちゃおー。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。