スパロボOG TENZAN物   作:PFDD

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全強化深淵血晶が出たので初投稿です。


再誕

 強心剤。栄養剤。軍用の覚せい剤。それらを圧縮カプセルに詰め、ガス式注射器で順に指した首筋は、今はもう砕けたガラス片が掠めたおかけで、どれが針の刺し傷がわからないぐらい、傷だらけになっていた。先程まで朦朧としていたテンザン・ナカジマの意識は、4種の光が激突し、弾け、開放された空の黄昏色を認識し、ようやっと覚醒しだした。

 自分は看守兼案内人だった2人と崩落で別れた後、新兵らしき青年を脅すように連れて、近場の格納庫にたどり着き、スクランブル発進をしていくAMたちを見上げながら、どうにか空きのバレリオンと、パイロットが精神高揚、緊急時のエネルギー補給に使う薬剤と注射器を見つけた。そして後は適当なパイロットスーツを来て、注射器を打ち、青年将校の制止を振り切り、バレリオンで出撃したのだ。体と精神のコンディションが最悪だったのもあるだろう、薬の効果が一気に現れ、半ば狂乱、そして手足を痙攣させながら、ハガネから出撃した機動兵器に突撃していった。誰が誰なのか、どんな機体に乗っているのか、そんなものを気にする気も起きなかった。ただ、全部から振り切れ、底なしの開放感を味わっていた。

 そんな状態でまともに操縦できるわけもなく、多少の回避の後、容易く直撃をもらった。ああ死ぬななどと軽い気持ちで死を受け入れつつ、黒煙を上げるバレリオンを駆り、徐々に高度を落としながらハガネに向かうと、真上で光が広がり、バレリオンはそれに飲み込まれ、あっけなく墜落した。今思えばあれは、サイバスターの"サイフラッシュ"だったのだろう。もう少し高度が上だったならば、機体が爆散していたはずだ。

 墜ちながら笑い声をあげ、地面への激突と同時に気を失った。気づいた時には、バレリオンの中から放り出され、巨大な銃痕が穿たれた地面に横たわっていた。バレリオンの緊急脱出装置が働いたおかげだろう。立ち上がり、副作用の吐き気をこらえながら周囲を見ると、自分が乗っていたバレリオンの焼け焦げた頭部だけが傍にあり、砕けたカメラアイがテンザンを見下ろしていた。

 蒙昧な状態のテンザンには、それが恐ろしい首だけの怪物に見えた。ひっ、と悲鳴を上げ、痛む右手を抑え、脚を引きずりながら、その場を逃げた。何度も転け、その度に揺れるヘルメットの内部で頭をぶつけながら、一心不乱に歩いた。そうしている間にも、次々とAMが地面に墜ち、残弾と推進剤への引火による爆発を起こし、テンザンの命を冥途に運ぼうとしてくる。それは本来、願ったり叶ったりのはずなのに、テンザンはよろよろと避け、拒みながら、ただ逃げ続けた。

 やがて騒音の種類が変わる。究極の一を、未だ未熟な剣たちが打倒しようとする戦いの音。音に背を向け、一歩でも遠ざかるため、テンザンは歩く。

 しかし突然、機能を停止していたと思われたはずのリオンが何事かを喚きながら自分に覆い被さり、悲鳴を上げた。動物のような情けない声だ。直後、衝撃を地面を揺らし、テンザンを転倒させる。その衝撃でついに限界を迎えたヘルメットのバイザーガラスが割れ、破片が顔と首の表面を裂き、視界を血の赤が覆った。たまらず顔を拭うためヘルメットを取る。

 

『テンザン……くん……?』

 

 そして目の前に未だ聳えるリオンの言葉とその声に、ようやくそのリオンの行動を理解した。それでも、まだ残っていた理性がその現実/乗り手を拒み、別の理由を探そうと、視線が泳ぐ。その間にも、リオンが頭部を動かし、唐突に飛び上がった。そして地上から何かを拾うと、急上昇し、ヴァルシオンへ向かっていく。拾い上げたソレが輝きを放つと、炎の鳥/サイバスターと共にヴァルシオンの放った螺旋の槍と衝突し、世界を虹色で塗りつぶした。

 その光景は、テンザンが常日頃より見ている極彩色よりも毒々しく、圧倒的で、自分の認識ごと塗りつぶしてしまうかのようだ。たまらず目を閉じ、天蓋とならんとする青と赤、それに対抗する翠の光が止むのをひたすら待つ。それが唯一できる些細な抵抗であると自覚しても、そうするしかなかった。

 光が唐突に止み、リオン/リョウトが地面に落ち始める。同時にサイバスターとヴァルシオンが最後の攻防を結び、サイバスターの左腕が吹き飛ばされるのと同時に、ディスカッターの刃がヴァルシオンの胸部へと深く突き刺さり、そのまま大地へと墜ちた。衝撃が地鳴りとなって伝わり、砂埃が舞う。閉じた目蓋が砂埃の後ろに隠れていた太陽光を感じ取り、ようやく目を開けると、地面に倒れたサイバスターとヴァルシオンの姿があった。

 

『……なるほど、こうなるか……マサキ・アンドー、いやハガネの剣たちよ……正義の味方になるつもりか?』

『っ……なる』

 

 先程とは打って変わって、弱々しく掠れた声のビアンの言葉に、よろよろと立ち上がったサイバスターが、しかし力強い語調で応えた。それに対し、ビアンはかすれ声のまま笑い声を上げつつ、ヴァルシオンを起き上がらせようするが、しかし次の瞬間には機体の各部から爆発を起こし始めた。上半身が再び地面に付き、かろうじて形を残していた脚部がもげ、頭部コックピットが丸出しとなってしまう。それでも最後の力を振り絞るように、小指と薬指の残る左腕マニュピレーターを器用に動かし、胸に突き刺さったままの剣を引き抜いた。ディスカッターはそのままサイバスターの足元まで放り投げられると、きれいに地面へと突き刺さった。同時に今の動作で電装系から油圧系に引火したのか爆発を起こし、ヴァルシオンの左手首から先は地面へと転がった。

 

『ならば、抜け。私に勝った責任を……世界を、星を守るという責任を取ってもらうぞ』

『言われなくても』

 

 サイバスター/マサキは、迷いなく剣を抜いた。その様にビアンがくっくっと喉を鳴らしながら、爆煙を舞い上げるヴァルシオンから這い出たのが遠目に見えた。そのシルエットは、テンザンの知るものとは違い、ほっそりとしていた。息を呑む声が、サイバスターのスピーカーから聞こえる。自分の身内からも、その音は聞こえた。

 

『ビアン……お前、その姿は……』

『何、無茶な技術をプラーナ制御で無理に使った代償だ……定めの軛を越えようとするならば、この程度は必要だとも』

『定め、だと……?』

『……ビアン・ゾルダーク、何を知っている?』

 

 マサキの疑問を、瓦礫の中から這い出たゲシュペンストRを駆るギリアムが言葉にした。しかしビアンは口を開くが、そこから出たのは言葉ではなく、赤黒い血だった。

 

『っ、ビアン。そこから離れろっ! すぐに治療すれば、まだ……』

『断る。戦争を始めた者は、どのような形であれ責任を負わなければないならい。今の私のそれは、この場での敗北と死だ……これだけは、譲れんとも』

 

 伸ばされたサイバスターの手を、ビアンは眼光で拒絶し、どかりとその場に座った。

 

『それに、わかるだろう? 今の私は君たちラ・ギアスの者からみれば死に体……プラーナの一切が尽きようとしているはずだ』

『それだっ! あのシュウが、そんな中途半端な錬金術の技術を仕込んだのか?! あのくそ野郎……』

『見縊るな、正義の味方』

 

 マサキの思い込みを、ビアンがたった一言で切り捨てた。マサキの言葉が止まり、しんと静まり返る。聞こえるのはヴァルシオンが今も自壊し、主ごと燃えようとする音と、オレンジ色に染まっていく潮騒の音だけだ。

 

『これは私の、私だけの意志だ……例え渡した者が躊躇しようと、1人の男として勝利を得るために必要だからこそ、使ったまでだ』

 

 その一瞬の沈黙を破ったのもビアンであり、その声に込められた念は今正に死に向かっている人間とは思えぬ圧があった。

 

『私は、悔しかった。自身の全てを注ぎ込んだロボットが負けたことが。私を下した相手から、このヴァルシオンではいずれ足手まといとなり、しかも星を乱す一因になると悟らされたことが。その相手も、近い死の定めに囚われていることが。そして、彼がそれに抗うことを躊躇していることが……その怒りが、私の中にあった"究極"を越えるための力となったのだ』

 

 まぁそれでもこうして負けてしまったがな。そう締めくくり、ビアンは三度を咳き込み、血反吐を吐く。その表情はしかし、先程よりも晴れやかなものだった。

 

『私は私の定めに負けた。それでも残し、託せることができると、確信できた……それで、いい』

 

 その目から、命の光が消えていく。その終わりを有象無象から隠すように、ヴァルシオンから起こる爆発が激しさを増していくが、人工の赤よりも尚明るく差し込む黄昏時の太陽の光が、役目を終えた者を優しく照らしていた。

 

『……なんと目覚めるばかりに、自然の照り映えていることよ。なんと大地の輝いていることよ』

 

 掠れた歌声が聴こえ始めた。その内容をテンザンは前世から知っている。ビアン本人にも、あえて言葉を割り込んで歌ったことがある。その詩を今の自分は、下らないと断じたはずだった。

 それなのに体が、いや身内から熱さが溢れ、震えるのは何故だろう。縛られたように動けなり、そして先までの恐怖心も忘れているのは何故だろうか。

 

『木々からは花が吹き出て、心からは歓喜が湧き溢れる……おお、太陽よ、黄金成すその美しさよ』

 

 ぼろぼろのビアンの右手が、自身を照らす終わりの太陽へと伸ばされた。その表情に称えられた微笑みは、曖昧な視界の中でも、テンザンを捉えて離さない。

 

『お前は祝福する、この香ばしい大地を。私はどんなにお前を愛していることだろう、どんなにお前の目に輝いている事だろう』

 

 理由は、頭では理解している。それでも"テンザン・ナカジマ"として偽って生きてきた20年が否定したがっているのだ。

 人の生の在り方。ビアンが伝えてくれた、生きようとし、己を貫く意思。その全てを費やした果ての終わりを。それはテンザンが目を背けていたものだ。世界の未来のためだとか、自分は踏み台なのだと言い訳を連ねていた自分の中に澱として溜まっていた"生きたい"という醜悪で原始的な生物の欲求。頻繁に自分から吐きでた吐瀉物や血、無茶苦茶な考えは、そこから湧き出て、自意識に根付いた"原作"というフィルターを通しても尚溢れたものだったのだ。

 それを、ビアンに照らされた太陽の光が暴き、今もなお響く詩が、解きほぐしていく。

 

「いつまでも幸せであれ。お前が私を愛する限り」

『いつまでも幸せであれ。私がお前を愛する限り』

 

 気づけばかつてのように、ビアンの唄声に合わせ、最後の一句を呟いていた。しかし最後の一節だけは異なっていた。ビアンがその差異に込めた思いに、無意識の内に吐息が零れた。

 直後、ヴァルシオンはついに限界を迎え、ビアン・ゾルダークという1人の人間をこの世から連れて行ってしまった。誰もしばらく動けず、話せず、空に昇る炎を眺め続けていた。

 

「……なんでだよ」

 

 テンザンは、自分でも何故呟いたのか分からない言葉を吐き出して、再び歩き出した。焦点の合わない目で、ただ脚が覚えているがままに、その場から去った。

 先程までの激しい吐き気や悪寒、幻聴はない。その代わり今まで味わったことのない虚脱感と虚しさだけに意識を向けられ、忘我の状態に陥っていた。だからこそ、自分の認識外で何かが起きていても、視界に映る景色がどんどん暗くなり、いつのまに真っ暗闇の空間を彷徨っていることにも気づくことはなく、体力の限界を迎え、固い床に倒れ、意識が途絶するまで、身体を痙攣するように這わせ、進み続けるのだった。

 

「……いたっ、テンザン!」

 

 意識が深遠に飲まれる前に、覚えのある子どもの声が聞こえた。

 

 

 

 

 柔らかなシーツの感触に違和感を覚えながら、テンザンは目を覚ました。重たい目蓋とだるさの抜けない体。それを状況把握のために無理やり起こし、自分のいる環境を確認しようとした。

 

「うあぅわっ!」

 

 しかしそれよりも、自分に飛びかかってきた少女の体に堪えきれず、再びベッドに倒れてしまう。視界には人工灯の明かりを反射する銀の髪が踊り、ひょっこり顔を上げた少女の顔はぐしゅぐしゅと歪んでいた。

 

「スェーミ……?」

「ぇんさんっ!」

 

 久しぶりに見た少女の手が自分の首に回され、少女の肢体が痩せた自身の体に抱きついていた。そのままえんえんと泣き出すスェーミに、理解が追いつかず動きを止めていると、部屋のドアが開いた音が聞こえた。

 

「スェーミ、どうし……あっ、テンザンが起きた!」

「トニー、博士たちを呼んできてっ! テンザンさん、大丈夫ですか? お腹空いてないですか?!」

 

 入ってきたのは、あのチームの最年少であるトニーとマリーだった。2人はテンザンとスェーミの様子に気づくと、トニーは手に持っていたお盆を傍の机に置いて一目散に部屋を出ていき、マリーはテンザンに抱きついたままのスェーミを何とか引き剥がそうとしながら、テンザンに話しかけてきた。

 

「……ああ、大丈夫だ」

「よかった! ほらスェーミ、テンザンさん苦しそうだからいちど離れてっ!」

「う〜う〜!」

「もう、ワガママ言わないのぉ!」

 

 上の空、という心持ちで答えると、マリーは花のような笑みを浮かべ、次の瞬間には駄々っ子を相手にする姉のような態度でスェーミの胴に手を回し、うーんと引っ張る。しかしスェーミの力は思ったよりも強いらしく、びくともしない。すりすりと首筋に擦り付けられる銀の髪が時々鼻孔をくすぐり、くしゃみをしたくなった。当然弱った体と意思はその反射的欲求に耐えきれず、くしゃみを一回した。

 

「へっくし」

「わっ」

『もう、驚かさないでください』

「……ああ、シェースチか」

 

 マリーの声に重なるように脳内で響いた声に、今はこの場にいない虫の姿をした少女だと思い当たる。

 

『我々もいるぞ』

『やっほーテンザン、酷い目にあったみたいだね』

『栄養もなくなってるわね』

「あ号、ろ号、い号……はは、ほんと、久しぶりだな』

 

 続けて聞こえたのは、本来人語を解することがないイルカたちだ。サイコ・ネットワークを介したものとは言え、その声を聞くのは、数カ月ぶりのようにすら思えた。

 

「おい、大丈夫か?!」

「兄さん、落ち着いて。ほらっ、ちゃんと生きてるじゃないか」

「ストラングウィック……アルウィック……何だよ、心配してくれてたのか」

 

 再びドアが開き、走ってきたのか、息を荒げたままのストラングウィックが喚きながら入り、その横から紙の資料の束を抱えたアルウィックが兄を諌めながらひょこりと現れた。いつもの調子で軽口を叩こうとしたのに、自分の声音は弱々しいもので、相手に届くかわからない程度だった。しかしちゃんと届いていたのか、ふんっ、と鼻息を強く出すと、ストラングウィックは壁に手をついて息を整え、険しいままの顔を向けた。

 

「当たり前だ。お前でなければ私達兄弟の兵器を満足に使えないからな。だから勝手に死ぬのは許しがたい」

「ホっ……そういう……」

 

 久しぶりに聞いたストラングウィックの返しに、無意識に声を震わせつつ、"テンザン"の口調をようやく思い出して応えようとした。

 

「だが……私個人としては、お前が何とか生きていてくれたことが、その、嬉しいよ」

 

 しかし、ストラングウィックの言葉が声が詰まってしまった。するりと入ってきたそれは、テンザンの現実感を無くしていた意識に染み込み、テンザン・ナカジマとして生まれた"彼"に色をつけてくれたからだ。なぜそんな感覚が浮かんだのか、自分でもよくわからなかった。だが体はいつも通り、正直な気持ちを表に出した。

 

「兄さん、顔が赤いよ?」

「茶化すな、アルウィック……ん?」

 

 ファインマン兄弟の顔が疑問に変化する。自分を見てそうなったのを不思議に思うと、マリーも目をパチクリとさせ、スェーミも一度離れ、小首を傾げている。どうしてだろうと、疑問が自分自身に向かうが、その答えは三度身内に響いた少女の声が答えてくれた。

 

『テンザンさん……その、そんな風に泣いているの、初めてみました』

「へっ?」

 

 涙。そう言われ、何とか動く右手で顔を拭うと、濡れていた。何度拭いても濡れたままで、どうして溢れだしたのか、何故止まらないのか、疑問が次々と頭に浮かび、しかし雲のように形とならず消えていく。

 

「……んっ」

 

 不意に、スェーミがちゃんと座れる位置に態勢を整え、テンザンを引き寄せた。心構えの一つもできていないテンザンはそれに抗うこともできず、痩せこけた顔は心の砕けた少女の胸に抱きしめられた。薬品のツンとしたものと、少女特有の温さの混じった臭いが鼻を満ち、とくん、とくんと、小さな心臓の音がテンザンの頭の中に伝わってくる。とめどなく出る涙のせいで少女の服が濡れ、汚れてしまうのを恐れて、離れようという考えが浮かぶのに、体はまるで言うことを聞かず、むしろスェーミの背中に手を回し、その華奢な体に縋り付いていた。

 

「あ、ああぁ……ああぁぁあ……」

 

 そこからはもう、耐えられなかった。止まっていた時が動き出したように、感情がテンザンの内から湧き出し、滂沱の涙と声となって溢れ出した。自分をこんな風にした2つの感情の正体は、当たり前のように気づけた。

 嬉しかったのだ。自分が、そして彼女たちが生きていることが。そして彼らに、この世界に生きている1人の"人間"として、生存を喜ばれたこと/認められたことが、どうしようもなく、嬉しかったのだ。

 悔しかったのだ。自分に良くしてくれ、死んでしまうと分かっていても尊敬でき、運命に屈して尚己を貫いて逝ってしまったビアンが。そしてそれを何もせず見ているだけだった自分自身の弱さが。

 テンザン・ナカジマとして生を受けた彼は、生まれて初めて、嬉しさと悔しさでもって、ひとしき泣いた。

 

 

 

 

「……悪い、騒がせちまったな」

「うっ」

「……スェーミ、もういいから」

「うっ!」

「大事な話するから、今度にしてくれっての」

 

 泣き止み、しかし憑き物が落ちたように晴れやかな顔になったテンザンは、しかし未だ抱きしめようと両手を広げるスェーミを顔を赤くしながら諌めた。今まで生暖かい目で見ていたファインマン兄弟とマリー、脳内に響くイルカ3匹とシェースチ、それに後から

様々な物を手提げ付きのボックス入れて持ってきたトニーとドナのギャラガー母子は、くすくすと一斉に笑いだした。テンザンの顔が羞恥でより赤くなり、スェーミが銀髪をさらりと揺らしながら小首を傾げた。

 

「と・に・か・く……迷惑をかけたが、状況が知りたい。ストラングウィック」

「ほう、冷静だな」

「茶化すな……というより、ここはあのドッグ内にあった部屋のひとつだろ? 何で私はまだここにいるんだ? どれぐらい寝てた? 連邦が来てるはずなのに、何で捕まっていない」

「”私”か……違和感があるな。

「そうか、なら今まで通り"俺"で通そう」

 

 前世の一人称、というより社会に出てからのものだったため、演技とはまた別の意味で直すのはそう難しくない。ストラングウィックだけではなく、他の者もまた、うんうんと、テンザンに対してのイメージを合わせるため頷いた。

 

「助かる。時間もないし簡単に説明するとだ、お前については戦闘が終わった直後からあ号たちの指示で倒れている所を回収した。そのままお前が起きるまで我々は"準備"して待っていた。さすがに朝4時になるとは思ってなかったがな」

「待ってたって……何で逃げなかっただよ? ビアンからは退却の指示が出てたはずだろ?」

 

 視線を強め、糾弾するような言い方でストラングウィックに尋ねるが、やれやれと肩をすくめられ、子ども2人から非難の目が返ってきた。

 

「そんなの、テンザンを待ってたからに決まってるじゃん!」

「そーだそーだ!」

 

 そして少年少女が、それが当然だというような声に、ぽかんと口を空けてしまった。つい視線をファインマン兄弟とドナに向けるが、苦笑や呆れたようなため息が返ってきて、2人の言葉が真実だとわかる。普通は総帥の方に従うだろう、いやそもそもこっちが無事かわからないのに待ってるのは可笑しい。そういう常識的かつ現実感のある言葉と想像を浮かべ、しかし自身の感情は冷静になろうとする頭とは対象的に感極まり、また泣きそうになってしまった。

 

『涙、出てますよ?』

『人間というのは顔の筋肉がよく発達しているせいか、表面で何を考えているか分かりやすいのだな』

「っ、変なこというなっての!」

 

 脳内に語りかけてくるシェースチとあ号に文句を言いつつ、生暖かな目で見てくる大人組から隠れるよう顔を腕で覆う。子ども2人が「また泣いてるー」と悪気なく指差し、スェーミが三度両手を広げて、テンザンの頭を抱きしめようと近づいてきた。顔を拭き、スェーミの顔面を左手一本で抑える形でその動きを止めつつ、また体温の上がった顔を大きく息をつきながら落ち着け、視線でストラングウィックに話の続きをするよう仕向ける。うぉっほん、と態とらしい咳をして、ストラングウィックは口を開いた。

 

「話を戻すが……このドックについてはまだ連邦には見つかっていない。恐らく総帥が暴れた影響で、上もまだ混乱しているか、掌握しきれないのだろう」

「そうか……ちょっと待て、向こうにはリョウトがいるはずだろ? あいつがいるなら、ここのことを言ってもおかしくないんじゃねぇか?」

『あの子なら今、念動力の使いすぎで寝てますよ?』

 

 ストラングウィックとの確認に割り込んできたシェースチの念話の内容に、夢見心地というには凄惨過ぎる戦闘の光景を思い出し、ああ、と息が漏れ、納得した。

 

「そっか、やっぱりあれはリョウトか……けどいつ起きても可笑しくないんだろう?」

『そうですね、あと1時間もすれば起きると思います』

「いやに具体的だね? それになんでそういうことがわかったの? 念動力者の勘?」

『私はこんな姿ですから、感知には優れています。だから上で何が起きたのか、どれほどの強念者が集っているのかもある程度把握できます。リョウトが起きる時間については……そうですね、勘です』

 

 アルウィックが上を向いて皮肉げに尋ねると、シェースチの自身の知覚能力にのる推測と、煙に巻いたような答えが脳に響く形で返ってきた。アルウィックはその答えはわかっていたのか、だろうね、とため息を吐いている。

 

「ただ、あいつが起きるにしろそうでないにしろ、猶予はあまりない、か……」

 

 1時間、それが彼らと共にいられる最後の時間かもしれないと、テンザンは考えた。今までにないほど泣き叫んで、同時にこれ以上ないほど思考が晴れているテンザンは、この後のシナリオを既に思い出しつつ、考えた。連邦軍はアイドネウス島を制圧している最中ならば、リョウトが起きる起きないに関わらず、いづれここにはたどり着く。辺鄙な場所にはあるが、ここもDCの研究機関の一つとも言える、制圧・接収されるのは当然だ。それは"テンザン・ナカジマ"として生きるならば、願ったり叶ったりとも言える。抵抗さえしなければ、今この部隊にいる皆の無事は保証される可能性は高いのだから。そこから本来の未来/原作に繋がるかは分からないが、大きな変化が起きていない以上、そうなる可能性は十分だろう。

 それが正しいはずだ。今までそう生きていたし、そうなるようしてきた。なのに今は、その未来を、この部隊の人々が遭遇してしまう不幸を想像するだけでも"嫌だ"と叫ぶ心がある。

 

「テンザン、お前はこれからどうする気だ?」

 

 思考の海に潜っていたテンザンを、ストラングウィックの言葉が掬い上げ、別の思考に導いた。原作では、"テンザン・ナカジマ"はアードラー・コッホと共にアフリカのアースクレイドルに向かっていたはずだ。しかし今、自分はまだアイドネウス島にいる。そこまで考えて、既に原作と違うな、と思い至った。それでも以前のリョウトの時のような、嫌な焦燥感や切迫感はない。ただその事実を受け止めつつ、しなければならないと思ったことを、全員の目を見ながら口にした。

 

「アードラー・コッホを追う。あいつが持ってるはずのシェースチとスェーミ、それにあ号たちの治療法を聞き出す」

 

 言葉の意味は違えど、辿るべきルートは一緒。だからこそ、追いつくまではできるはずだ。自分一人で、原作通りならば。だからこそ、だけど、と言葉をつなげる。

 

「DCが崩壊した以上、この部隊の存在意義は消滅……解散したも同然だ。だからここからは、俺の願望だし、我侭だ。お前らは連邦に投降して……テスラ研やイスルギ社とかに身を寄せれば、その後は何とかなるはず……」

「バカだなお前は。それに後半自信がなくなってるだろう」

    

 両手を組み聞き入っていたはずのストラングウィックの指摘にカッとなりかけるが、しかし自信がなかったことを突かれ、勢いを落とす。

 

「私たちはまだこのチームはなくなっていない、と思っている。そうでなければお前のことは助けん」

「へ〜、そういうこと言っちゃうんだ、ストラングウィックは」

「変なことを言うな、ドナ」

 

 疚しいことでもあったのか、顔を紅潮させるストラングウィックに、はいはいと手をパタつかせて流したドナは、テンザンに向き直ると、今まで持っていた手提げ袋から飲み口のついたパックを取り出した。

 

「遅れたけど、お腹空いてるでしょ? これ飲みながら聞いて」

「あ、ああ」

 

 蓋を空けたまま手渡されたそれを口に含み、中に入っていたゼリー状の栄養食を飲み込む。拷問のような仕打ちのせいで固形物はきついかなと考えていた為、このような形で食事をもらえたのはとても助かった。

 

「私ね……出向元に辞表出したわ」

 

 しかし突然の告白にむせ、何度も咳をした。大丈夫、と子どもたちがテンザンの背中をさすり、ドナがその様子をからからと笑った。咳が落ち着き、テンザンが恨みがましくドナを睨むが、これも笑って受け流され、続きを話しだした。

 

「ツェントル・プロジェクトって大きな計画に参加してたんだけどね……その頃の私、仕事に夢中で、トニーにはあんまり構ってあげられなかったの。だからこの子が、どんなに寂しい思いをしてたか知らなかったわ」

 

 ベッドに乗り上げているトニーの頭をおもむろに撫でるドナ。トニーはわっと驚き、次に「いきなり何するんだよ」と文句を言って恥ずかしそうに顔を赤くするが、拒む様子はない。しかしドナを真似してトニーの頭をよしよしとなで始めたマリーには全力で抵抗して取っ組み合いが始まり、それをスェーミが喧嘩はダメと言わんばかりに頭突きで止め、3人は仲良くベッドの空きスペースに倒れた。

 

「ふふっ……けど、今なら違う。やりたかったことの全部はできないけど、それよりも大事な、息子との時間を取り戻せた。その時間をくれた貴方達に、少しは報いてあげたいのよ」

 

 だからね、と"テンザン"よりも年上で、子どもを育てる母親は、迷いを抱える青年の目を見据えて告げる。

 

「私は貴方を助けたいわ。それにシェースチやスェーミっていう、素敵な仲間や息子の友だちを、助けてあげたいの」

 

 だから前の職が邪魔になるから辞めたのよ、と最後にウインクをするという茶目っ気を見せ、彼女の主張は終わった。いつの間にか止めていた口を動かし、残っていたゼリーを一気に飲み込む。内蔵が久方ぶりの栄養素に動き出すのがわかる。だからこそ、いつか起きるだろう現実/原作を思い出し、口にしてしまった。

 

「……もし。もし、トニーが戦いに巻き込まれて……怪我をしたり……そのっ、死んじまったら、どうするんだよ」

「そうね……うん、それも悩んだわ。けど……」

「僕はテンザンを信じてる!」

 

 がばっ、という勢いでトニーが起き上がり、腫れたおでこを抑えながらテンザンを見据えた。その顔には、テンザンと違い、迷いはない。

 

「テンザンは本当はすっげー強いんだって、僕は知ってるんだ! だってあのビアン博士とヴァルシオンに、ひとりで戦えてたんだよ、だったら僕達のこと、絶対に守ってくれるよ! だから、僕たちはテンザンのやることを、守ってもらう分、助けてあげないと!」

 

 困難は分かち合うってアレでも言ってたもんね。そういってベッドの上に立ち、胸を張った少年が、眩しく見えた。トニーはしかし、行儀悪いと、マリーとドナに引っ張られ、再度ベッドに倒れた。まったく、と頬を膨らますマリーが不意にテンザンの方を向いた。

 

「わたしもトニーと一緒です。テンザンさんはわたしのパパを助けてくれました。お父さんがしてくれることをわたしとママに教えて……ちょっと幻滅しましたけど、けどパパと仲良くする切っ掛けをくれました。だから今度は、わたしたちが、テンザンさんを助ける番です。お父さんたちも、気持ちは一緒です」

 

 両手で握り拳を作り、ふんすと力強く鼻息をつく少女。この子はこんなに意思の強い子だったのかと、テンザンは驚き、同時に納得した。ODEシステムなどというものを強引に進める、頑固な博士の娘なんだな、と。

 そして、2人の子どもがテンザンのことを期待を込めて見つめている。言葉に窮した、どう答えればいいのかと。どうすれば、彼らを無事に生かすための方法があるのかと。

 

『テンザンさん』

「うー」

 

 しかしその瀬戸際の気持を押し込むべく、シェースチとスェーミの声が重なった。

 

『……きっと貴方は、アードラーから私達のことを聞いたのですね? だから私達を助けると……それは、同情からですか?』

 

 問いかけは、単純で、原点に立ち返るためのものだった。首を横に振る、それだけはすぐできた。

 

「それだけじゃない。苦しんでる人を助けたいと思うのは、人として当然のことだろ。今の俺は、その気持ちに素直になりたいだけだ」

『つまり、同情だけでなく、エゴということですか?』

「そうかも、な。けどそれがなくなったら、ただの畜生以下だろう」

『え〜、僕達人が定義した"畜生"に分類されるんだけど〜、それひどくない?』

「そういう意味の畜生じゃねぇよ!」

 

 唐突なろ号の冷やかしに突っ込みつつ、すぐに気を取り直して、いつの間にか正座になったスェーミを見つめ、少女の心のままの念動力者に答える。  

 

「他人の気持ちも、自分の良心も踏みにじる"人でなし"になりたくないだけだ……けど、いやだからこそ俺はお前らみたいな奴を助けたい。ただ、それだけなんだ」

『助けたいから助ける、ですか』

「それが一番近いかもな。世界を助ける前に……俺はやっぱ、ただの人間だから、こういう感情や理由でしかちゃんと動けないんだ」

 

 理由は、後付でいい。衝動的に思いついたこの青臭い感覚こそが一番しっくり来るのだ。この世界が作り物の世界で、世界の平和のために自分の凄惨な死が組み込まれているとしても、その前に出来ることをやり遂げたい。思い浮かんだのは、ビアンの最後だ。ビアンは何を思って尚足掻いたのかは、その全部はもう知ることができない。けれど、ビアンは悔いはないと言った。それはやれるだけをやれた人だからこそ言える言葉だ。この感情に従いたいと思うのは、その姿がテンザンに刻まれたからだろう。

 そんな思いが言葉の中に込められ伝わったのか、いつもの声も上げずじっとテンザンの目を見るスェーミと、その一方で呆れたような空気で、テレパシーにため息を零すシェースチ。声を出さないが、イルカたちからも喜色の雰囲気が出ているような気がする。自らの発言が相当に幼いことを自覚している分、テンザンはふんと鼻息を荒くして黙るしかなかった。

 

『……そんな貴方だからこそ、来てくれたのかもしれませんね』

「んっ?」

『いえ。ただ、私たちも、貴方に付いていく……いえ、助力することにしました』

「はぁっ?!」

 

 吃驚し、思わず大声を上げてしまった。子ども2人とそれより幼い精神性の少女が耳を塞ぎ、大人3人がやると思った、といつの間にか耳を塞いでいた手を下ろした。その様子に気づくこともなく、テンザンは天井向けて声を上げる。

 

「バカかシェースチ!? お前ら、自分たちの寿命がどんだけかわかってんだろっ、だったら何でそうなるんだよ! それこそテスラ研や特脳研に保護を……」

『スェーミならともかく、私のような異形が簡単に受け入れてもらえると?』

 

 言葉がつまり、息を呑む。シェースチが言わんとしていることがわかったからだ。今では見慣れてしまったが、そもそも今のシェースチはおよそ人の形を持たない、人知を犯す冒涜的な姿だ。助け出した時は状況的にも受け入れやすい空間であったり、リョウトやビアンへの紹介の際も自分たちを介し受け止め易くしていた。それを介さないで連邦に保護されたならばどうなるか。例えストラングウィックたちがその場にいたとしても、よくて実験動物、最悪は保護もされず"処分"されるだろう。あのハガネ・ヒリュウ隊ならばともかく、連邦には畜生・外道・忘八が多数潜んでいる。彼らに見つかればそれこそ最悪だ。

 特に念動力関連で言えば、今は偽名を名乗っているだろう、あの異星の存在だ。シェースチにしろ、スェーミにしろ、あ号たちにしろ、"サイコ・ネットワーク"という技術も含め、目をつけられ、利用される可能性は高い。自分/"テンザン"には無関係のことだからと、無意識に意識から外していたその可能性にようやく思い至ってしまい、顔を青ざめる。

 

「……あ号、い号。お前らもそれでいいのか?」

 

 穢れに満ちたあの研究室のときから双子の少女の傍におり、成熟した精神性を持った2頭のイルカに尋ねる、弱々しくなった声音で尋ねる。返答の内容は、しかしテンザンの願いとは裏腹に、予想出来てしまったいたものだった。

 

『勿論。そもそも予期していたことだ、2人が無事と分かるまでは力を貸すと決めている』

『貴方が辛い思いをして納得しようとしているのも感じ取れるわ……けど、もう決めたことだもの。すまないけれど、勝手に手伝わせてもらうわ』

『そうそう、群れのリーダーはこういう時、胸を張って受け入れるのが一番……いうか何でボクには聞かないの?』

「……そうかよ」

 

 視線を落とし、固い自分の手をみる。今自分の手の中に、この場にいる、いやこのドッグにいる過半数の命が乗ろうとしている。"期待"と"信頼"を込めて。前世の彼の前からはいつの間にかなくなっていたものだ。皆が皆、"彼"にはその価値がないと判断して。それが今生、改めて自分にのしかかってくる。重く、怖い。応えられるだろうか、背負いきれるだろうか、そんな迷いと諦めが、今も身内に刻まれた経験から滲み出す。そもそもこの筋書きの存在する世界で、これらは背負っていいものなのか、叶えて良いものなのか。

 先程の自分の願いは、嘘偽りのないものだ。けどそれは、自分一人で勝手にやって、筋書き通りに運ぶ最中、自滅する前に達成することを目標としたものだ。故にチップは自分一人だけでよかった。だから迷いなく言えた。

 なのにその賭けに、こんな善き人たちを巻き込めるだろうか。このような情けない自分を信じ、助けようとしてくれる人々を。

 できるわけがない。握りこぶしを作り、否定の言葉を上げようと、口を開く。

 

「……うっ」

 

 否定が声になる前に、スェーミの手がテンザンの拳を包んだ。ぱちくりと目を見開くと、拳が持ち上げられ、銀の瞳がテンザンをじっと見据えた。

 

「ここに、いる」

 

 小さな口が、はっきりとした言葉すら発せないはずの少女が、辿々しく声を紡いだ。

 

「わたしも、あなたも、みんなも、ここにいる」

 

 しん、と少女の声のために、皆が黙る。

 

「あなたのせおっているものは、みんなでわかちあえる。みんなでなやめる。だから、だいじょうぶ。あなたはひとりじゃない」

 

 そこまで話しきり、ふぅ、とスェーミは一息ついた。次いで、あぅっ、といつもの調子に戻り、包んでいたテンザンの手をぎゅっと握りしめた。そんなスェーミに、自然と微笑が浮かんだ。そのまま周囲を見ると、皆の目が穏やかさを称えている。あまりに単純なことで、思いつかなかった。昔/前世と今/今世では、違うのだとも、ようやく思い知った。

 期待と信頼だけではない。否定と拒否だけでもない。与え、受け入れられ、与えられ、受け止める。かつての自分が見失い、もうずっと手に入らないと思ったものが、そこに初めて見つけられた。

 

「ありがとな、スェーミ」

 

 ここまで言われてしまった、言わせてしまったのだ。だから改めて、テンザンはここに告げようと、深呼吸し、前を見た。

 

「スェーミたちを助けたい。だからみんな、力を貸してくれ」

「……言うのが遅いわ、ばかたれ」

 

 ストラングウィックに小突かれた。それでも快活に笑い返せた。自分のワガママ/願いが受け入れられ、共に目指せるとわかったことが、たまらなく嬉しかったからだ。

 




(もっと酷い目に合わせないと割に合わないんじゃ……いやよそう、俺の想像で皆を困らせたくない)
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