ハイスクールD×D~ボンゴレの息子が悪魔に!?~   作:村雨刹那

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第11話

俺は学校を休み児童公園のベンチに座っている

先日の神父にやられた傷が思いのほか悪いのか、ダメージが残っているので部長から休むように言われた。

 

 

どうやったらアーシアを助けられるんだろう。

セイクリッド・ギアは昨日、グローブに変化したけど、今は発動しても手袋にしかならないし、どうやってグローブに変わるのかわからない。

 

ぐぅ~~~~

 

「・・・お昼食べにいこ」

ベンチから立ち上がりお昼を食べようと思い、公園を出ようとしたら、金髪の少女が立っていた。

「・・・・・・ツナトさん?」

「・・・・・・アーシア?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あうぅ・・・」

不思議な光景だった。

「あ、あの注文は・・・」

 

俺はアーシアを連れてハンバーガーショップに訪れていたんだが、アーシアはこの手のお店に入るのは初めてだったらしく、注文に四苦八苦していた。

考えてみれば、日本語がうまく喋れないアーシアが注文なんて難しいだろう。

「すみません、俺のと同じで」

「わかりました」

アーシアは軽くショックを受けてる。

「あうぅ、情けないです。ハンバーガーひとつ買えないなんて・・・」

「気にしない方がいいよ、まだ日本語になれてないんだからさ」

落ち込んでるアーシアを慰めながら、空いている席に座った。

 

アシーアはハンバーガーをマジマジと見つめているだけで食べようとしない。

もしかして食べ方がわからないとか?

「こうやって包み紙を少しけずらして食べるんだよ」

苦笑しながら手本として食べる

「そ、そんな食べ方があるなんて!す、すごいです!」

あ、あははは

なんて新鮮な反応なんだ。

「ほら、アーシアも食べなって」

「は、はい」

ハンバーガーを小さくかぶりつくアーシア

「お、おいしいです!ハンバーガーっておいしいんですね!」

目を輝かせながら言ってるよこの子。一体普段から何食べてるんだろ?

「いつもなに食べてるの?」

「パンとスープが主です。お野菜やパスタなんかも食べますよ」

教会のご飯は質素だって聞くけど本当なんだな。

しかし、なんであの公園にいたんだ?

俺がアーシアを見た時、明らかに気が抜けたように安心してたし。

まあ、アーシアから話してくれるまで待ってればいいか。

それにハンバーガーを嬉しそうに食べてるしわざわざ憂鬱な気分にさせなくない。

 

「アーシア!」

「は、はい」

「遊びに行こう」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

さっそくゲームセンターにやってきたんだがアーシアがクレーンゲームの前に張り付いていた。

クレーンゲームの中を見るとネズミが元のかわいいマスコットキャラ『ラッチューくん』だった。

「アーシア、ラッチューくんがほしいの?」

「え!い、いえ、その・・・」

アーシアは恥ずかしそうに頷いた

「俺が取ろうか?」

「えっ!で、でも!」

「いいから、俺が取るよ」

クレーンで紐を通して落とせば簡単に取れるさ

コインを入れ、クレーンを紐に通し落とし口に落とした。

 

本当に簡単に落ちたよ、ニ、三回で落ちるかと思ったのに。

まぁいいか。

「ほら、アーシア」

人形をアーシアに渡した。

アーシアは心底嬉しそうに人形を抱いている。

「ありがとうございますツナトさん。この人形、大切にします!」

「喜んでもらえたならよかったよ」

「はい、このラッチューくんは今日の出会いが生んだ素敵なものです。この出会いは今日だけのものですから、この人形は大事にしたいです」

すげぇ恥ずかしいセリフだよ。

こっちの方がはずかしくなってきた。

「どうしたんですか?」

「な、なんでもないよ。ほら今度はあそこいこ」

「は、はい」

俺はアーシアの手をとり、ゲーセンの奥へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー疲れた」

「は、はい・・・少し疲れました・・・」

あれからゲーセンやいろんなところに赴くたびアーシアは新鮮な反応をしてくれてとても面白かった。

「ッ痛」

いままで遊んでいて傷のこと忘れてた。俺、神父にお腹撃たれてたんだ。

「・・・・・・ツナトさん、もしかして先日の・・・」

アーシアの表情が曇った。

せっかくアーシアが楽しんでたのに嫌な事を思い出させてしまった。

「あの、ツナトさん、お腹見せてください」

「え、う、うん」

シャツをめくり、お腹を出す。

そこには銃創が残っていた。

アーシアがそこに手のひらを当てる。俺のお腹に温かい光が照らす。

本当に温かい光だ、アーシアの優しさが光に込められてるような気がする。

「これでどうでしょう」

アーシアの光が止まり、お腹を触ってみると、痛みがせず傷が無くなっていた。

「すごいよ、アーシア。痛みが全然しなくなったよ」

それを聞いて、アーシアは嬉しそうに微笑んだ。

「これってやっぱり、セイクリッド・ギア?」

「はい、そうです」

やっぱりそうか。

「実は俺も持ってるんだ。ほら、あの時のグローブがセイクリッド・ギアなんだ」

アーシアは目を丸くして驚いていた。

「ツナトさんも持ってたんですか?全然傷きませんでした」

「ははは、もっともグローブになったのはあの時だけで普段は手袋なんだ」

「・・・手袋ですか?それは・・」

アーシアも俺を可哀想な目で見てくるよ。

この視線、耐えられない。

「そ、そんなことよりアーシアの力はすごいよ。人や動物、俺みたいな悪魔でも治せるんだね」

俺は話をそらそうとして、アーシアの力を褒めた。

だけど、アーシアは複雑そうな表情を浮かべたあと、涙を流した。

俺はどうしていいか分からず、ベンチを見つけ、彼女を座らせた。

 

 

 

それから彼女の口から語られたのは「聖女」と祭られた少女の末路。

欧州のとある地方で生まれた少女は生まれてすぐ両親から捨てられ、教会兼孤児院でシスターと他の孤児と共に育てられたらしい。

そして幼いころから信仰深く育てられた少女の身にある日、力が宿る。8つくらいの年のころだ。

偶然、負傷した子犬の怪我を不思議な力で治療しているところを偶然にもカトリック教会の関係者にみつけられる。

それから、少女の人生は変わりだす。

 

少女はカトリック教会の本部につれていかれ、治癒の力を持った「聖女」として崇められた。

少女の意志をなど関係なしに。

待遇に関しては不満自体はなかった。

自分の力が役立つのが嬉しかったぐらいだ。

神様が授けてくれたものに少女は感謝した。

 

だけど、少しだけさびしかった。

少女には心を許せる友人が誰一人としていなかったからだ。

どの人もやさしくしてくれて、大事にしてくれる。だが誰も少女の友達になってくれる人はいなかった。

 

 

だがある日、転機が訪れた。

たまたま彼女の前に現れた悪魔を治療してしまったのだ。

悪魔だとしてもしても、ケガをしているなら、治さなくちゃいけない。

生来のやさしさがそうさせたのだろう

それが少女の人生を反転させた。

悪魔を治療できる力は規格外だった。治癒の力は悪魔と堕天使には効果がないはずということで認知されていた。

事例は過去にもあった。

神の加護を受けない悪魔や堕天使を治癒する力。しかし、それは『魔女』の力として恐れられていた。

 

聖女として崇められた少女は悪魔を超できるということで今度は「魔女」として恐れられ、呆気なくカトリック教会から捨てられた。行き場のなくなった少女を拾ったのは極東にある「はぐれ悪魔祓い」の組織。

つまり、堕天使のかごを受けなければならなくなった。

間違っても少女は一度も神への祈りを忘れたことはなかった。感謝も忘れたこともない。

なのに、捨てられた。

神は助けてはくれなかった。

一番ショックだったのは、教会で自分を庇ってくれる人が一人もいなかったこと。

少女の味方は一人もいなかった。

 

 

「きっと私の祈りが足りなかったんです。ほら、私、抜けていることがありますから。ハンバーガーだって一人で買えないぐらいバカですから」

 

少女―――アーシアは笑いながら、涙を拭った。

悪魔を治しただけでアーシアを見捨てた?

馬鹿げてるよ。

アーシアは優しい子なのに・・・

 

「これも主の試練なんです。私が全然だめなシスターだから、きっと試練を与えてくださっているだけなんです。今は我慢の時期。きっとそうなんです」

アーシアは涙を溢れさせていた。

「やめろよ」

「お友達もいつかたくさんできると思ってますよ。私、夢があるんです。お友達と一緒にお花を買ったり、本を買ったり………おしゃべりして………」

「やめろって言ってるだろ!!」

 

アーシアは自分の意志を心の奥に引っ込めて、神様の加護を待っていたんだ。

こんなにも優しい子を悲しませるなんて事、あったらいけないんだ。

「俺が君の友達になる!一緒に花を買ったり、本を買ったりだってする!話したくないって程、話してやる!だから・・・そんな悲しい顔するなよ」

俺はこの子を守る。

どんなことがあってもこの子を悲しませることはさせない!

「・・・・・ツナトさん。私、世間知らずです。」

「そんなことないよ。これから、いろんなものを見たり聞いたりしてるうちにわかるさ」

「・・・・・日本語もしゃべれませんよ。文化も分かりません。」

「俺が教えてあげるよ」

「・・・・・友達と何をしゃべっていいかも分かりません。」

「今日一日話していただろ、簡単なんだよ」

「・・・・・私と友達になってくれるんですか?」

「俺はアーシアだから友達になりたいんだ」

彼女は泣きながら笑ってくれた。

おれはずっと、この子の友達でいてあげたい。

 

「無理よ」

俺の心中を否定するかのように、第三者の声が耳に入った。

 

 

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