ハイスクールD×D~ボンゴレの息子が悪魔に!?~   作:村雨刹那

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第13話

―――パン!

 

 

オカルト研究部の部室に乾いた音がこだました。

音の発生源は俺の頬からだ。

叩かれた。

部長に頬を平手打ちされた。そして部長の顔は険しい。

 

「何度言ったらわかるの?ダメなものはダメよ。あのシスターの救出は認められないわ。」

 

アーシアが連れて行かれたことを部長に報告をして、アーシアを助けるため教会に行くことを提案したが、この件に関しては一切関わらないと言われたんだ。

だけど納得できない俺は部長に詰め寄りそして叩かれた。

 

「なら、俺一人でも助けに行きます」

 

「あなたのその身勝手な行動が他の部員に大きな影響を及ぼすのよ!あなたはグレモリー眷属の悪魔なの!それを自覚しなさい!」

 

「だったら俺を眷属から外して下さい。それなら文句ないですよね」

 

「そんなことができるはずがないでしょう!どうしてわかってくれないの!?」

 

初めて部長の激昂している姿を見た気がする。

部長の言っていることは分かってる。

でも、俺にだって譲れないものがあるんだ。

 

「アーシアは俺の大切な友達なんです。その大切な友達を守れず…俺は今ここに居る。……もう嫌なんです。あんな思いをするのは……」

 

辛くて、悲しくて、悔しくて、後悔してすごく情けなかった。

 

「……俺はもう後悔しないようにアーシアを助け出します!」

 

俺は言いたい事を部長に言い切った後、朱乃さんが近づいて部長に耳打ちをする。

朱乃さんの報告を聞きさらに顔が険しくなっている。

部長は俺の顔を確認した後に今度は部室にいる部員全員を見渡す。

 

「大事な用事ができたわ。私と朱乃はこれから少し外へ出るわね。」

 

え!?

「まだ話は終わってません!」

部長が俺の所まで来ると頬を撫でてきた。

 

「ツナト、あなたは『兵士《ポーン》』を弱い駒だと思ってるわね?」

 

「それがなんなんですか」

正直、今はそんなことどうでもいい。

はやくアーシアを助けに行きたいのに!

 

「そう焦らないで『兵士《ポーン》』には、他の駒にない特殊な力があるの。それが『プロモーション』よ。」

 

プロモーション?

 

「実際のチェス同様『兵士《ポーン》』は相手の陣地の最深部へ赴いた時、昇格することができるの。『王《キング》』以外のすべての駒に変化することが可能なのよ。ツナト、あなたは私が、『敵の陣地』と認めたな書の一番重要なところへ足を踏み入れたとき、『王《キング》』以外の駒に変わることができるの。」

 

そ、そんなすごい力が『兵士《ポーン》』にあったのか。

 

「あなたは悪魔になって日が浅いから最強である『女王(クイーン)』へのプロモーションは負担がかかって、現時点では無理でしょう。でも、それ以外の駒にならなれるわ。心で強く『プロモーション』を願えば、あなたの能力に変化が訪れるわ。」

 

今は木場君の速さや小猫ちゃんの怪力の二つを使えるってことか。

 

「想いなさい。神器は想いの力で動き出すの。そして、その力も決定するわ。あなたがあくまでも、想いの力は消えない。その力が強ければ強いほど、神器は応えるわ」

 

俺の思いが神器を動かす……

俺の思いで手袋がグローブに変化するってことかな?

 

それだけ言うと部長は朱乃さんと共に魔方陣からどこかへジャンプした。

部長に迷惑かけてばかりだな。

今度、ちゃんとお礼言わないとな。

 

「沢田くん。行くのかい?」

 

「うん。部長もプロモーションの事を言ったってことはアーシアのこと、認めてくれたんだと思う。それに……」

 

「それに?」

 

「友達を救うのに理由なんていらないでしょ」

 

「ふふふ、無謀だね」

 

「うん。無謀だよ。無謀でも俺はアーシアを助け出すよ。後悔はしないように」

 

木場君が止めても俺は助けにいく。

もう覚悟を決めたから。

 

「僕も行く」

 

「え?」

 

木場君の一言に一瞬言葉を失う。

 

「僕はアーシアさんをよく知らないけど、キミは僕の仲間だ。僕はキミの意志を尊重したいと思う部分もある。それに個人的に堕天使や神父は好きじゃないんだ、憎いほどにね」

 

木場君は本当にいい人だ。

仲間の為にしんみになってくれる人はそうそう出会える者じゃないよ。

 

「……私も行きます」

 

小猫ちゃんが俺の前に出てきてそう言った。

 

「小猫ちゃん?もしかして手伝ってくれるの?」

 

「……二人だけでは不安です」

 

あー、なんだ……

みんなしていい人すぎるよ。

仲間ってやっぱりいいね。

 

「それじゃ、アーシアを助けに行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すでに空は暗く、街灯の光が道を照らしてる。

教会に近づいていくと

 

「これ、図面。」

 

木場くんが建物の見取り図らしきものを広げた。

教会の図面だ。どうしてそんなもの持ってるんだよ!

 

「まあ、相手陣地に攻め込むときのセオリーだよね」

 

にこやかに笑う木場くん

木場くんがいてくれてよかったよ。

俺一人だったら作戦すらなかったもん。

 

「聖堂のほかに宿舎もあるけど、怪しいのは聖堂だろうね」

と、木場くんは図の聖堂を指差す。

 

「どうして宿舎じゃないの?」

 

「この手のはぐれ悪魔祓いの組織は決まって聖堂に細工を施しているんだ。聖堂の地下で怪しげな儀式を行うものなんだよ」

 

え~と

どういうこと?

 

「いままで敬っていた聖なる場所で神を否定する行為をすることで、自己満足、神への冒瀆に酔いしれるのさ。愛していたからこそ、捨てられたからこそ、憎悪の意味を込めてわざと聖堂の地下で邪悪な呪いをするんだよ」

 

うわ~なんだかな~

逆恨みしてるようなものでしょソレ。

 

「入り口からは聖堂までは一気に行けると思う。だけど、問題はそこからだろうね。聖堂に侵入して、地下への入り口を探し、そして待ち受けている刺客を倒せるかどうか」

 

刺客か

どんだけ人数がいるかわからないし、気をつけた方がいいよね。

 

月明かりに照らされて俺たちは教会の入り口で顔を見合わせて、頷き聖堂まで走りだした。

この時点で相手に俺たちのことを察知しているだろう。

 

勢いよく聖堂の扉をあけて中に入る。

長椅子と祭壇。

見た感じは普通なんだけど十字架に磔となっている聖人の彫刻があった。頭部が破壊されてるけど…

 

「ご対面!再会だねぇ!感動的だねぇ!!」

 

相変わらずふざけた笑みを浮かべる紳士。

フリードがいた。

 

「俺としては二度と会う悪魔はいないってことになってんだけどさ!ほら、俺、メチャクチャ強いんで悪魔なんて初見でチョンパなわけですよ!一度会ったらその場で解体!死体にキスしてグッドバイ!!それが俺の生きる道でした!!でも、おまえらが邪魔したから俺のスタンスがハチャメチャ街道まっしぐら、ダメだよねぇ〜。俺の人生設計を邪魔しちゃダメ〜!だからさ!ムカつくわけで!死ねと思うわけよ!つーか死ねよ!このクソ悪魔のクズがよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!」

 

な、何言ってるのかさっぱりわからなかった。

 

懐から例の拳銃と柄だけの剣を取り出す神父。

 

「てめぇら、アーシアたんを助けにきたんだろう?ハハハ!あんな悪魔も助けちゃうビッチな子を救うなんて悪魔様はなんて心が広いんでしょうか!てか、悪魔に魅入られてる時点であのクソシスターは死んだ方がいいよね!」

 

死ぬ?一体どういうこと?

 

「アーシアはどこにいるんだ」

 

「んー?そこの祭壇の下に地下への階段が隠されてございますヨ。そこから儀式が行われている祭壇場へと行けますぞい!」

 

祭壇をゆびさしながら、あっさり地下の隠し場所を教えてくれた。

罠でも仕掛けてるのか

 

「発動!」

 

俺の言葉のに反応して、グローブが装着された。

今回はちゃんとグローブに変化した。

木場くんも鞘から剣を抜き、小猫ちゃんは……

 

ゴゴゴ……

 

自分よりかなり大きいはずの長椅子を持ち上げていた。

さすが『戦車』相変わらずの怪力だね。

 

ブゥン!

 

小猫ちゃんは神父に向かって長椅子を投げた。

「わーお!しゃらくせぇ!」

神父は光の剣で長椅子を一刀両断にした。

 

「そこだ」

 

ダッ!

 

木場くんが飛び出したと思ったら、目で追い切れないスピードで神父に襲いかかる。

 

ギィン!

 

木場くんと神父の剣が火花を散らす。

音もなく発射される弾丸をよけながら、木場くんは相手の攻撃の手を休めない。

木場くん完璧に避けてるよ。俺なんか4割の確率なのに……

 

「やるね君、じゃあ僕も少し本気で行かせてもらうよ」

 

まだ本気じゃなかったんだ。

 

「喰らえ」

 

木場くんが低い声音でつぶやき、剣から黒いモヤモヤしたものが現れた。

 

「な、なんだよ、こりゃ」

 

闇の剣が神父の光の剣を侵食しだした。

 

「―――『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』、光を喰らう闇の剣さ」

 

「て、てめぇも神器持ちか!?」

 

木場くんも神器を持ってたんだ。

俺のよりなんかかっこいい。

神父の剣は刃を形成できないほどになった。

今ならいける!

 

「プロモーション!『戦車《ルーク》』!」

 

「プロモーション!『兵士《ポーン》』か!?」

 

「『戦車』の特性はあり得ない防御力と」

 

俺の右の拳が燃えだし、そのままぶんなぐる。

神父は壁の方に激突した。

 

「馬鹿げた攻撃力だ!」

 

「……先輩、私、手から炎なんて出しません…」

 

「そうだね、それに小猫ちゃんほど力は出せてないみたいだしね」

 

小猫ちゃん、俺も炎が出てることに驚いてるんだよ。

それから、木場くん。小猫ちゃんみたいにすぐに力はさすがに出ないよ。

 

「……あらら、クズ悪魔に殴られたうえ、打ちどころが悪くて、腕がイカレタよ。悪霊退治出来ないのが心残りだけどぉ、死ぬのは勘弁ちょ」

 

神父は懐から丸い形のした何かを取り出し、床にたたきつけた。

その瞬間、まばゆい光が俺たちの視界を襲う。

 

 

視界が完全に回復する頃には神父の姿が無かった。

神父にこれ以上時間をかけていられないので

俺達は急いで祭壇の隠し階段へ足を進めた。

 

 

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