ハイスクールD×D~ボンゴレの息子が悪魔に!?~   作:村雨刹那

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第16話

「ツナト、これ、なんだと思う?」

 

唐突に部長がポケットからなにかを取り出し聞いてくる。

 

「赤い駒にしか見えませんけど?」

 

「『僧侶(ビショップ)』の駒よ」

 

「はぁ……」

 

いきなり『僧侶(ビショップ)』の駒と言われてもよくわからないんだけど

 

「あなたには説明が遅れたけど、爵位持ちの悪魔が手にできる駒の数は、『兵士(ポーン)』が8つ、『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』がそれぞれ2つずつ、『女王(クイーン)』が1つの計15体なの。実際のチェスと同じね。『僧侶(ビショップ)』の駒を1つ使ってしまっているけど、私にはもう1つだけ『僧侶(ビショップ)』駒があるわ。」

 

「!それじゃあ、アーシアを!」

 

「ええ『僧侶(ビショップ)』の力は眷属の悪魔をフォローすること。この子の回復能力は『僧侶(ビショップ)』として使えるわ。前代未聞だけど、このシスターを悪魔へと転生させてみるわ。」

 

部長の体を紅い魔力が覆う。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔となれ。汝、我が『僧侶』として、新たな生を歓喜せよ!」

 

駒が紅い光を発して、アーシアの胸へ沈んでいく。同時にアーシアの神器が淡い緑色の光を発しながら彼女の体の中に入り込んでいく。

駒と神器が完全に入り込んだ後、アーシアの目が開いた。

 

「あれ?………ツナトさん?」

 

ニ度と聞けないと思っていたアーシアの声が聞こえた。

俺は怪訝そうな顔をしている彼女を抱きしめた。

 

「帰ろう、アーシア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、部室に行くと部長しかいなかった。

ちなみにまだ学校は始まっていない。

今日は朝から集まりがあると言われ、朝早くにオカルト研究部に来ていた。

部長はソファーに座り優雅に紅茶を飲んでいた。

俺は部長の前に腰を下ろした。

 

「そういえば部長、俺のほかにも『兵士(ポーン)』っているんですか?」

 

『兵士』の駒は8つあるのなら俺のほかに7人いるはず。

もしくはこれから新しく『兵士』の仲間ができるはずだろう。

だが部長は首を横に振った。

 

「いえ、私の『兵士』はツナトだけよ。」

 

いったいどういうことなのだろうか?

『兵士』が俺だけということは。

 

「人間を悪魔へ転生させる時『悪魔の駒』を用いるのだけれど、そのとき転生者の能力次第で駒を通常よりも多く消費しなくてはいけなくなるの」

 

つまり俺に8つの駒を全部使ったってこと?

 

「チェスの世界ではこういう格言があるわ。女王の価値は兵士9つ分。戦車の価値は兵士の5つ分。騎士と僧侶の価値は兵士3つ分。そんな風に価値基準があるのだけれど、悪魔の駒においてもそれは同様。転生者においてもこれに似たような現象が適用されるの。騎士の駒を2つ使わないと転生させられない者もいれば、戦車の駒を2つ消費しないといけない者もいる。駒との相性もあるわ。2つ以上の異なる駒の役割は与えられないから駒の使い方は慎重になるのよ。1度消費したら2度と悪魔に駒を持たせてはくれないから」

 

「あの……よかったんですか俺に『兵士』の駒、全部使って?」

 

「あなたが『兵士』8つ分使わなければ悪魔に出来なかったの。だからそれがわかったとき、私はあなたを絶対に下僕にしようと思ったの。至高の神器と呼ばれる『神滅具《ロンギヌス》』のひとつ、『赤龍帝の指輪』を持つツナトだからこそ、その価値があったのね」

 

『赤龍帝の指輪』か、昨日アーシアを助け出した後、ジョットに聞いたのだがグローブの炎は死ぬ気の炎じゃなく魔力の炎らしい。だが炎の性質は死ぬ気の炎と同じみたい。『赤龍帝の指輪』からはなぜか大空以外の炎が出てきた。ジョットが言うには俺は大空以外にもすべての炎が使えるらしい。ボンゴレリングは大空しか出てこないけど………

 

「『紅髪の滅殺姫』と『赤龍帝の指輪』、紅と赤で相性バッチリね。ツナト、とりあえず最強の『兵士』を目指しなさい。あなたなら、それができるはず。だって、私のかわいい下僕だもの」

 

 

―――最強の『兵士』

別に最強なんて目指してないんだけど……

そんなことを考えてると部長が近づいてきた。

そして俺の額に部長の唇が触れた。

 

「これはお呪い、強くおなりなさい」

 

「……まぁ、がんばります」

 

は、恥ずかしい。

この人羞恥心とかないのかな?

 

「と、あなたをかわいがるのはここまでにしないとね。新人の子に嫉妬されてしまうかもしれないわ」

 

「ツ、ツナトさん………?」

 

「アーシア?」

 

あれ?

なんか怒ってるよ。俺何かした?

 

「そ、そうですよね……。リ、リアス部長はキレイですからツナトさんが好きになってしまいますよね……。いえ、ダメダメ。こんなことを思ってはいけません!ああ、主よ。私の罪深い心をお許しください」

 

手を合わせてお祈りをしているが

アーシアは頭痛を訴えている。

 

「当たり前よ。悪魔が神に祈ればダメ―ジぐらい受けるわ」

 

アーシア、シスターとして終わりじゃん。

 

「後悔してる?」

 

「いいえ、ありがとうございます。どんな形でもこうしてツナトさんと一緒にいられるのが幸せです」

 

やっぱりいい子だな。

生き返ってよかったよ。

 

「ところでなんでアーシアはこの学園の制服着てるの?」

 

「に、似合いますか……?」

 

「似合ってるよ。すごいかわいい」

 

「そ、そうですか/////」

 

どうしたんだろ?

顔が赤いけど風邪かな?

 

「アーシアにもこの学園へ通ってもらうことになったのよ。あなたと同い年みたいだから、二年生ね。クラスもあなたのところにしたわ。転校初日ということになっているから、彼女のフォローよろしくね」

 

「よろしくお願いします、ツナトさん」

 

「うん、俺のクラスメートを紹介するよ。きっとアーシアとも友達になってくれるよ」

 

「はい、楽しみです」

 

でも兵藤くん達を紹介して大丈夫かな……

 

と、自分の友達について心配してると木場くん、小猫ちゃん、朱乃さんが入ってきた。

 

「おはようございます、部長、ツナトくん、アーシアさん」

 

「………おはようございます、部長、ツナト先輩、アーシア先輩」

 

「ごきげんよう、部長、ツナトくん、アーシアちゃん」

 

あ、みんなが俺のこと「ツナト」ってよんでる。

なんだかやっと本当の一員として認められたみたいに感じた。

 

 

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