ハイスクールD×D~ボンゴレの息子が悪魔に!?~   作:村雨刹那

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第21話

「いやー、リアスの『女王(クイーン)』が淹れてくれたお茶は美味しいものだな。」

 

「痛み入りますわ。」

 

朱乃さんは顔は笑っているが「あらあら」や「うふふ」がないため不機嫌だと窺える。

 

ソファに座る部長。その隣に座り軽々しく部長の肩を抱くライザー。部長が何度も肩を抱く手を振り払うが構わずに肩やら手やら髪やらを触っている。

傍から見たら変態にしか見えない。

 

「いい加減にしてちょうだい!」

 

激高した部長の声が部室に響き渡った。部長はソファーから立ちあがりライザ―を鋭くにらんでいる。ライザ―の方はにやけた顔のままだが。

 

「ライザー!以前にも言ったはずよ!私はあなたとは結婚なんてしないわ!」

 

「ああ、以前にも聞いたよ。だが、リアス、そういうわかにはいかないだろう?キミのところの御家事情は意外に切羽詰っていると思うんだが?」

 

「余計なお世話だわ!私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ。父も兄も一族の者も皆急ぎすぎるわ!当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれるはずだった!」

 

 

ようやく話が見えてきた。

部長とライザーは純潔悪魔で『七十二柱』という古い家系らしい。

しかし、『七十二柱』と称する者たちは前の戦争で半数も残っていない。

だから今回、純血同士の結婚でグレモリー家の婿にライザ―が選ばれた。

 

「私は家を潰さないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ。」

 

「おお、さすがリアス!じゃあ、さっそく俺と・・」

 

「でも、あなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私の良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にだって、それぐらいの権利があるわ。」

 

 

ライザーの言葉を遮り、部長ははっきりと言う。

途端にライザーの機嫌が悪くなり、舌打ちまでした。

 

露骨に舌打ちすることはないと思うんだけどな。こういうことするから部長の評価も低いんだよ。

 

「……俺もな、リアス。フェニックス家の看板背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間界の建物なんかに来たくなかったしな。というか、俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいだよ!」

 

 

――――ボワッ

 

 

ライザーの周囲に炎が駆け巡る。

チリチリと火の粉が舞った。

 

「俺はキミの下僕を全部燃やし尽くしてでもキミを冥界に連れ帰るぞ。」

 

殺気と敵意が広がるのがわかる。

アーシアは怯え俺の腕に抱きつき、木場くんと小猫ちゃんは臨戦態勢に入っている。

部長も紅い魔力のオーラを出している。

 

「お嬢さま、ライザーさま、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ているわけにもいかなくなります。」

 

静かに迫力のある声でグレイフィアさんが部長とライザ―の間に割って入る。

この人を敵に回すなと本能が訴える。リボーンより危ない感じがするし。

 

「……最強の『女王(クイーン)』と称される貴方にそんなことを言われたら俺も流石に怖いよ。化け物揃いと噂のサーゼクス様の眷属を敵に回すなんて絶対にしたくないからね」

 

何気にグレイフィアさんのこと化け物呼ばわりしてない?

 

「こうなることは、旦那さまもサーゼクスさまもフェニックス家の方々も重々承知でした。なので最終手段を取ることにいたします。」

 

「最終手段?どういうことグレイフィア。」

 

「お嬢さまが、ご自分の意志を押し通すのでしたら、ライザーさまと『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」

 

「――――ッ!?」

 

グレイフィアさんの意見に言葉を失う部長。

 

『レーティングゲーム』

爵位持ちの上級悪魔が下僕同士を戦わせて競い合うことだっけ?

 

「公式な『レーティングゲーム』は成熟した悪魔しかできませんが非公式の純潔同士のゲームならば半人前の悪魔でも参加できます。この場合、多くが―――――」

 

「身内同士、または御家の同士のいがみ合いよね」

 

グレイフィアさんの言葉を嘆息しながら部長が続けた。

 

「つまりお父様は私が拒否した時のことを考えて、最終的にゲームで今回の婚約を決めようってハラなのね?……どこまで私の人生をいじれば気が済むのかしら……っ!」

 

イラついた様子を見せる部長。

だがどこか悲しい目をしているように見えた。

 

「では、お嬢さまはゲームを拒否すると?」

 

「まさか、こんな好機はないわ。いいわよ。ゲームで決着付けましょう、ライザー」

 

「へー、受けちゃうのか、俺は構わない。ただ、俺はすでに成熟しているし、公式のゲームも何度かやっている。いまのところ勝ち星のほうが多い。それでもやるかリアス?」

 

「やるわ。ライザ―あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

にらみ合う両者。

激しい眼光をぶつけ合っている。

目から火花を散らしているのがわかる。

 

「承知しました。お二人のご意思はこのグレイフィアが確認させてもらいました。ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮をとらせていただきます」

 

確認したグレイフィアさんはぺこりと頭を下げる。

 

「なあ、リアス。まさかここにいる面子がキミの下僕なのか?」

 

「だとしたらどうなの?」

 

部長が答えるとライザーは面白おかしそうに笑い出した。

 

「これじゃ、話にならないじゃないか?キミの『女王(クイーン)』である『雷の巫女』ぐらいしか俺のかわいい下僕に対抗できそうにないな。」

 

そう言ってライザーは指をパチンと鳴らす。

すると、部室の魔方陣が再び光り出す、

魔方陣はライザーの時と同じフェニックスのものだ。

そして、魔方陣の中から続々と人影が出現していく。

 

「と、まぁ、これが俺のかわいい下僕たちだ。」

 

堂々と言うライザ―の周囲には総勢15名の眷属悪魔が集結していた。

フルメンバーと言ってもいい人数だ。

だがそれよりも気になることがある。

 

「ねぇ木場くん」

 

「なんだいツナトくん」

 

小声で木場くんに話しかける。

 

「ライザーって変態?」

 

「……ノーコメントで」

 

この質問でおかしいと思うだろうけど、

ライザ―眷属は全員女性なんだ!

 

鎧を着込んだ女性

 

フードを深く被った魔道士らしき女性

 

チャイナドレスに身を包んだ女の子

 

獣の耳を生やした女の子ニ名

 

体操服を着た双子

 

ロリッ子

 

スタイル抜群なお姉さんがニ名

 

着物を着た大和撫子な女性

 

ドレスを着たお姫さまみたいな女の子

 

剣を背中に背負うワイルドなお姉さん

 

踊り子の服を着た女の子

 

顔半分に仮面をつけた怪しい女性

 

 

……なんだかこの人、兵藤君みたいだ。

そして、何を思ったかライザーは女の子1人と濃厚なディープキスをしだした。

 

「お前じゃこんなこと一生できまい。下級悪魔くん」

 

「出来なくていいよ。人前でそんなことするのってどうかと思うし」

 

ピクッと眉が上がるライザ―

 

「負け犬の遠吠えにしか聞こえんな」

 

どこら辺が負け犬の遠吠えなのかわかんないんだけど。

少なくとも俺はアンタよりはマシだと思うよ。

 

「部長と結婚がかかってるのに他の女性に手を出してる人と同じにはなりたくないな」

 

(確かにツナト君の言葉に一理あるな)

 

(それにどちらかと言うとツナト君の方が好感が持てますわ)

 

(……先輩の方が断然マシです)

 

 

木場、朱乃、小猫は心の中でツナトの言葉に同意していた。

ちなみにアーシアはキスをしているところを見たあたりから気絶している。

 

「英雄、色を好む。人間界のことわざだよな? いい言葉だ。まあ、これは俺と下僕達とのスキンシップだ。お前だってリアスに可愛がってもらってるんだろう?」

 

「可愛がってもらってるかは分かりませんけど、あなたのどこら辺が英雄なのか教えてくれませんか。言うだけだったらタダですし。それから英雄って言うのは大勢の人から認められてこそ英雄なんですよ?少なくとも俺や部長たちはあなたを認めてなんかないですから。あなたはただ単に我が儘を言ってるだけのガキにしか見えませんから。それに見栄をはり過ぎると負けた時、恥をかきますよ?」

 

 

――――ブチッ!

 

 

「この下級悪魔ぁぁぁ!調子こきやがって!上級悪魔に対して態度がなってねぇぜ!リアス、下僕の教養はどうなってんだ!?」

 

部長は「よく言った」と言わんばかりの表情で俺に微笑んでくる。

 

正直ここまで酷く言うつもりはなかったんだけど、イライラしてたせいか、俺は口調が丁寧になり、相手を弄る癖が出来ている。勝負に勝てないから口が強くなっただけなんだよね。スクアーロとかベルとかヴァリアーの連中。加減してくれないし、口が強くなっても生意気だって言われて、さらに酷い目にあわされたけど。

 

だがライザ―はヴァリアーより沸点が低いみたいだ。

さっきの言葉ですでにキレてしまったようだ。

 

「ミラ、やれ。」

 

「はい、ライザーさま。」

 

ライザーは下僕の女の子に命令をくだす。

ミラと呼ばれた子は長い棍を持っているチャイナドレスの子だ。

そして棍をくるくる回し、俺目掛けて突いてきた。

 

ヒュン!と風を切る音がするが俺はひらりとかわす。

 

「な!?」

 

ミラと呼ばれた子は俺がかわした事に驚いているようだが気を取り直して、横薙ぎ、突きを繰り返すが当たらない。

 

それもそうだろう。剣帝と謳われた者達の剣技を体が覚えているのだから、このような攻撃など俺にはたいして脅威とは言えない。悪魔になったことで動体視力や身体能力も格段に上がっているからミラの攻撃は遅く感じてしまう。それにしても向こうも悪魔なのに遅く感じるってどれだけ凄いんだよ……。

 

「ハァッ!」

 

今度は顔に突きを放ったが

俺は棍を掴みこちらに引き寄せ首筋に手刀で気絶させる。

1時間は目が覚めないだろ。

 

「これが、上級悪魔がすることなのか?」

 

「き、貴様、この俺をバカにするとは覚悟はできてるんだろうな!!」

 

はぁ~、この人どれだけ自分勝手なんだろ。

もう少し考えて行動してほしいよ。こっちがケガして『レーティングゲーム』に出られなかったら反則負けとかにならないかな?とグレイフィアさんを見て考える。

 

「何、よそ見してるんだ!!」

 

そう考えているとライザ―の腕から炎が出てきて俺の方に飛んできていた。

よそ見をしていたため、目をライザ―の方に向けるとすでに目の前に大きな火の玉が迫っていた。これは避けられそうに―――――――

 

「ツナト!!」

 

 

ドゴーン!!!!

 

 

火の玉がツナトの体に直撃した。

 

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