ハイスクールD×D~ボンゴレの息子が悪魔に!?~ 作:村雨刹那
「はぁはぁ、はぁはぁ、まだこんなに残ってる・・・」
俺は深夜になにをやっているかと言うと、リアスさんに頼まれてチラシ配りをしている。
簡易版魔方陣
これは欲のある人間がこのチラシを手にとって願いを込めると、俺たち悪魔が召喚されるらしい。
手に持った携帯機器を確認する。モニターには周囲の町マップが表示されていて、赤い点が点滅している。そこに向かって走る。点滅している場所に着くと、チラシをポストに投函する。
それを繰り返す。何度も、何度も、ひたすら繰り返す。
「一体いつまで繰り返さないといけないんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
絶叫しながらも足を止めない。
あの日、俺が悪魔だと知った日に遡る
「私のもとに来ればあなたの新たな生き方も華やかになるかもしれないわよ?」
リアスさんはウインクしながら言ってきた。
人間から悪魔に生まれ変わった者は、必然的に転生してくれた悪魔の下僕として生きていかなければならない。そういうルールらしい。
マフィアのボスの息子が下僕って知られたら殺されるかも。
「でもね、悪魔には階級があるの。爵位っていうのがね。私も持っているわ。これは生まれや育ちにも関係するけど、成り上がりの悪魔だっているわ。最初は皆、素人だったわ」
「別にそんなのに興味ないんですけど・・・」
「やり方次第では、モテモテな人生も夢じゃないわよ?」
モテモテか、うん。
「やっぱり、興味ありません」
「あら?どうして?」
「俺は大切な人と大切な時間を作りたいんです。たとえモテモテになれたとしても、それじゃあみんな幸せになれない気がするんです。」
俺は自分の思ったこと、リアスさんに言い放った。
「ふふ、おもしろいわ、この子。」
リアスさんはおかしそうに笑う。
・・・俺おかしいこと言ったかな?
「あらあら。部長が先ほどおっしゃっておられた通りですわね。『おもしろい弟ができたかも』だなんて」
にこやかに笑う朱乃さん
俺っておもしろいのか?
「ツナト」
「はっはい!」
「今後私のことは『部長』と呼ぶこと」
「分かりました!部長!」
「ふふふ、いい返事ねツナト。私があなたを男にしてあげるわ」
ある日の放課後。
俺は兵藤君達に別れをつげて、いつもどおり旧校舎に向かう。
そもそもあのチラシ配りは元々部長の使い魔がやっていたことらしい。
俺にわざわざやらせている理由は、悪魔の仕事というものを1から教え込むため。
これは木場君たちもやっていたことみたいで、彼らも経験があるらしい。
「失礼します」
そう言って入るとすでに俺以外のメンバーがそろっていた。
「来たわね」
俺を確認したら部長が朱乃さんに指示を送っている。
「はい、部長。じゃあまずはツナトくん、魔法陣の中央へきてください」
俺は魔法陣の中央に立った。何をするんだろう?
「ツナト、あなた達のチラシ配りはもう終わり。よくがんばったわね」
部長が笑顔で言ってくる。最近は慣れてきて楽しかったんだけどな、バイトをしてるみたいでさ。
「改めて、あなたにも悪魔としての仕事を本格的に始動してもらうわ」
「えっと、それは俺も契約取りですか」
「ええ、そうよ。もちろん、初めてだから、レベルの低い契約内容からだけれど。小猫に予約契約が二件入ってしまったの。丁度いいから片方はツナトにいってもらうわ」
「・・・よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる小猫ちゃん。
「あの・・・」
「黙っていて、ツナト。朱乃は、いまあなたの刻印を魔法陣に読み込ませているところなの」
この部屋の床に書きこまれ魔法陣は「グレモリー」を表すらしい。
部長の眷属悪魔にとってこの魔法陣は家紋のようなものらしい。つまり、召喚するもの、契約を結びたいものにとって、これが俺たちを表す記号になる。魔力とやらの発動もこの魔法陣を絡めたものになるようだ。木場君たちの体にはこの魔法陣が大小各所に書き込まれていて、魔力の発動と一緒に機能するそうだ。俺はそれよりも先に魔力コントロールから始めないといけないらしい。
「ツナト、手のひらをこちらに出してちょうだい」
部長に言われ右手を部長に向ける。
部長は俺の手のひらに指先なにかをなぞっていた。
なぞり終えたら、手のひらに魔法陣が書きこまれていた。多分、先ほどのリアスさんの行動は魔法陣を書いていたのだろう。
「これは転移用の魔法陣を通って依頼者のもとへ瞬間移動するためのものよ。そして、契約が終わるとこの部屋に戻してくれるわ」
そんなに凄いものだったんだ
「朱乃、準備いい?」
「はい、部長」
朱乃さんが魔法陣の中央から離れていく。
「さあ、中央に立って」
そう言われ、俺は魔法陣の中央にたった。そして強く光り出す魔法陣。
「魔法陣が依頼者に反応しているわ。これからその場所に飛ぶの。到着後のマニュアルは大丈夫よね?」
「はい!」
「いい返事ね。じゃあ、行ってきなさい!」
すると魔法陣が青く輝き始め、魔法陣が一瞬強く光り、依頼者の元へ飛ばされた。
目の前に居たのは不健康そうなやせ型男の人がいた。
「僕が呼んだのは小猫ちゃんのはずなんだけど」
「すいません、あの子、人気らしいんで。それに俺、今回が初めての仕事なんですよ」
手が回らないときは担当者以外で手の空いている悪魔が訪れることもあるわけで、今日に限って子猫ちゃんの仕事が俺に回ってきたわけだ。
「ぼ、僕、かわいい系のお願いを契約チラシに願ったはずなんだけど………?」
「本当にすいません。俺が代わりに来ちゃって」
「ハハハッ!! もし、ここに聖水があったら君その口に流してやりたいところだよ」
この人目が本気だ!!
「はー、まあいいや。キミ、特技は何?悪魔なら何かあるよね?子猫ちゃんは怪力が自慢だったよ」
特技か、いきなりそんなことを言われてもな。
あっそうだ!!
「セイクリッド・ギア、発動」
静かにそうつぶやくと俺の左両手が強く光りだし、手袋が形成されていき装着された。
そう、俺のセイクリッド・ギアだ。
「・・・・・・手袋かい?」
「・・・・・・はい」
「・・・・・・手品かい?」
「・・・・・・そんな所です」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「きみは僕をバカにしてるのかい?」
「バカになんかしてませんよ!見てください、手袋をはずすとリングが二つ出てくるんです!」
そう手袋をはずすとリングがでてくる。一つは大空のボンゴレリングもう一つは赤い龍が彫られている
ボンゴレリングはわかる。だけどこの赤い龍のリングはなんなんだろう?
「へぇ~おもしろい手品だね。」
おっと忘れてた
「あ、あの・・・」
「うん、決めたよ。君と契約してもいいよ」
「ほ、本当ですか!?」
でもなんで?
「君の手品、おもしろかったからね。だから契約してもいいかなって思ってね」
そんな理由で!?
「さっそくだけどお金持ちはだめかな?」
俺はさっそく悪魔専用の携帯機器に電源をいれて、お金持ちについて調べる
結果、ダメでした。他の事に願いを変えても全部、死が纏わりついていたよ。どんだけ運が無いんだこの人。『人の価値は平等じゃない』が悪魔の格言らしい。それをこの人に伝えてみたら。
「うぅわぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁんっっ!」
泣きだしたよこの人
「僕って、そそんなに価値のない人間だったの!う、うぅ、生まれてきて、ゴメンとしか言えないじゃないか・・・・・・」
俺は彼の肩に手を置く
「大丈夫ですよ!あなただって頑張れば、価値のある人間になれますよ!」
「なにを言ってるんだい?僕は生きてはいけないゴミ同然の人間なんだ!だから放っておいてくれ!」
ダメだ、この人無茶苦茶ネガティブになってる!?
「元気出して下さいよ。生きていて価値のないの人間なんていないんですから」
「・・・・・・そうかな」
少し元気が出たみたいだ。
「そうですよ。」
「・・・そうだよね」
「はい」
「きみ、ドラグ・ソボールを知ってるかい?」
「はい、ドラグ・ソボールの大ファンで、友達とよくドラグ・ソボールごっこしてました」
森沢さんは俺の言葉に涙を流し始めた。目からは大量の涙が………
よっぽど悲しかったんだろう。
初の契約は破談となり、ドラグ・ソボールごっこで依頼者のケアに回っていた。
そうして夜は明けていく。