裏方のお仕事   作:きりきり

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やはりなんとなく想像が広がってしまった。
これDBなんだろうか。

推敲してないので、後で訂正するかも。
勢いだけで書いてます。


その後……?

「いいか小僧、良く聞いておけ。俺様がただで教える事なんてほとんどないからな」

 

 そう話しつつ、俺の手足を手に持った棒で動かして武道を指導しているのは桃白白。最初にあった頃からすでに4年もの月日が流れていた。出会いから今までの間で後悔する事がいっぱいあった。何があったのか簡単に説明しよう。

 

 まず”後任”というのが何を指すのか漠然としたものしか把握していなかったが、裏社会で言う”始末屋”と呼ばれるものとやる事は一緒だった。

 

1.桃白白が果たし合いをする。

 桃白白の出番が来ることなんて、実はあまりない。それ以外は他のものでなんとかなってしまうからだ。出番が来るのは町中で、ガッチガチに警護が固められている奴か、強い奴かの二種類だ。そして町中での暗殺に俺の出番はない。なんせビルが壊れたって、俺には関係ないしねっ!

 

2.果たし合い途中に俺が通りかかる。

 偶然が多い? そんな事はいいんだよっ! なんせ誰も見ていないんだから。

 そう、俺は私物のビデオを抱えて自然環境を撮影していた結果、果たし合い現場に偶然(、、)通りかかり、結果をビデオに収めてしまう。

 

3.何故か破壊されている自然環境を見つける。

 うん、実は果たし合いでもそれほど自然は荒れていなかった。実は桃白白の強さは、かなりものらしい。よく考えたら悟空も一度負けていたような気がする。そんな達人と良い勝負をするような人間がホイホイいるわけないな、うん。

 そこで俺の何処に出番があるのかというと、桃白白が訓練という名目で自然を荒らすんだ、ほんと。だってこれがないとその後の大事な仕事が出来ないからね。

 

4.自然環境の修復を開始する。

 うん、土が掘り返されているし木々も折れている。そして現場報告するカメラからは写らない位置に、倒れた何かがあるね、うん。動物の死体のようだけど。

 自然環境を修復する時に、動物の死体があれば問題の無い場所に埋めてしまう。そのまま腐らせると疫病とか発生するし。いやー、なんか黒い仕事の気がするなぁ! まぁでも仕方ないよね、死にたくないし。

 

 こんな感じで4年間を過ごしていたが、実は俺は桃白白を嫌いになれなかった。かなりの悪人ではあるし、自分が強くなるために周りに迷惑をかけることを厭わない。ものすごく困った奴だった。だが、本人の性格が漫画で見たものと少し違う気がする。「良い子ちゃんを嫌う」ような性格だったと思ったんだが、本質はどうでも良いと思っている感じだった。暗殺対象は、ほとんどが敵対組織の幹部とか用心棒とかだ。まれに町中で買い物をして「支払いだ」と言いつつ殺してしまう。

 関係ない他人が殺されてしまった、次は俺が善意で殺されるんじゃないかと怯えたが、しばらくすると実は殺された人間が悪人だった、というが情報屋経由で分かったりする。

 最初にそこに気づいたのは、周囲の人間の態度だった。目の前で殺人が起きたのだから、当然周囲は怯える。だが、次の日とかに様子見に伺うと、周囲にいた人間の表情が明るくなっている。話をなんとなく聞いてみると「あいつがいなくなってよかった」とか「もっと早く○んでくれれば良かったのに」という話を聞いた。それ以上は話をしてくれなかったが、自腹で情報屋にお金を払うと、裏でえげつない借金取り立てをしていたとか、奴隷売買をしていたという事がゴロゴロと出てくる。

 え、もしかして桃白白ってツンデレ? いや、でも警官とも容赦なく闘っているし。……あれ? 確かに重傷は負わせたが、殺したことあったか?

 

 まぁ他にも「飯を用意しろ」と言われてインスタントを揃えたらぶっ飛ばされたり「強いと言われる奴を探せ」と言われて探しても(やはり悪人で強い奴。善人を連れてくる気にはなれなかった)既に殺されていた人間で、役立たずとぶっ飛ばされたりした。が、何故か殺されはしなかった。

 そして2年はたった頃だろうか。とある町の住民全員、女子供を含めて虐殺する仕事が舞い込んできたらしい。どんな内容かは知らないが、町のほとんどで火の手が上がり、住人全員が死亡していた。付近の山の中腹も吹き飛んでいるほどの暴れっぷりだったらしい。

 この町の復興は俺の仕事じゃないが、先輩からのヘルプでその山の修復に行っていたのでどんな有様だったのかは知っている。確かに赤ん坊に至るまで殺されており、殺戮してまわる桃白白が映像に映っていたらしい。

 

 その夜、近頃桃白白が拠点としているアジトに食事を運びに行く仕事があった。別に連絡があったわけじゃないが、そういった仕事があった後は「酒を普段より多めに持ってこい」と言われる事が多々あったので、その習慣通りにしただけだ。

 そして視線の先には、月を眺めながら小高い丘の上で酒を飲む桃白白がいた。

 いつもなら無駄に元気で偉そうな態度の桃白白だが、その日は無口に飲んでいるだけだった。

 

 その事件の2年の間に、俺の心境も変化していた。伊達に2年も事件の後片付けをしていた訳じゃない。何かが村にあったのだろう、そう考えた俺は独自に調べてみた。半年位調べても何も分からず、その事件から桃白白の悪名はさらに轟いていた。

 「やっぱりあいつは悪人だった、それでいいじゃないか」と考えることは良くあったが、俺の中の何かが「それでは駄目だ」と訴えていた。自分の目で見た事と、自分の頭で考えて判断する。そうして生きていかないと、フィクションの世界として「そういうもんだった」と流されて、何も考えない阿呆になってしまうだろうという恐怖もあった。

 

 1年経過した頃、俺は辺境の村付近で仕事をしていた。これは桃白白に呼ばれたわけじゃなく、本当にたまたま見つけてしまった突発性環境破壊だった。久しぶりに何も考えず一人で作業を始めていた。落ち着いて桃白白について自分がどう思っているか考えてみようと思っていたからだ。

 ココはドラゴンボールの世界らしいというのは既に理解していたが、そこにいる俺はどうなんだろう? という事だ。この世界の人間として生きているのかどうか、しっかりと見つめ直したかった。桃白白の行動を見ていてますますそう考えてしまった。

 漫画では、人の死ぬ場面はあっさりと流されていた気がする。大規模破壊の所は特にそうだ。人が死んだ描写が極端になかったから気にならなかったというのも大きいだろう。だが、よく考えるとナメック星では全員殺されているし、地球人も街ごとよく滅ぼされていたはずだ。描写としては別世界の悟空が心臓病で死んでしまう所なんかは、絶滅寸前だった気がする。

 つまり俺の覚悟が足りなかったのだろう。描写がないだけで、漫画の世界だろうと現実と変わらず理不尽な事が多々ある世界だと言うことだ。そして漫画の中で語られていない事もある、そういった事だと思う。

 そこまで考えると、気分が落ち着いてきた。……色々考えて直接桃白白に聞いた方が早いだろうという結論もでた。早速、直接連絡を取ってみるか。

 

「桃白白様? 今、よろしいでしょうか。少しおたずねしたいことが……」

「ん? なんだ、誰か殺したい相手でもいるのか。もう割引期間は過ぎたぞ?」

 

 どうやら今は機嫌が良いようだ。そのくらいは分かるくらいの付き合いになっている。まぁ”様”付けは外せない。……まだ死にたくないし。機嫌が良いなら、聞くチャンスとしては今だろうか。

 

「いえ、そうではなく少し伺いたいことがありまして。少々時間をとっていただけないでしょうか」

「うむ、今は仕事はないからな。旨い料理を用意すれば会いに行ってやろう」

「ありがとうございます、では現在、X43295、Y22156、Z21187で仕事しているの「まて」……はい?」

「そこで”仕事”をしているだと?」

 

 なんだ? 急に怖い声に……

 

「は、はい。たまたま見つけたので一人で仕事をしていますが」

「今すぐ、そこから離れろっ! いいな、とりあえず西の街へ向かえっ! 東へは絶対にいくなよ、俺も直ぐに」

 

 そこまで聞いたところで、爆発音が辺りに響いた。気づくと重機の中で振り回され、前後不覚になっていた。

 重機ごと回転しているようで何回転も転がり、ようやく止まったときは全身が打ち身だらけで頭からは血が流れていた。

 

「いたた……いったい何が……。うわ、ドアが完全に歪んでるよっ」

 

 運転席の周囲にある強化ガラスはほとんどひびが入り、一面は完全に割れて無くなっていた。危険地帯での作業が多いので、よほどじゃ無い限りは罅も入らないはずのガラスだ。それだけじゃなく運転席のドアなんて車がぶつかった程度では傷もはらないはずなのに歪んで開かなくなっている。

 

「う、不発弾でも掘り当てたか? とりあえず窓かでも脱出できそうだな」

 

 運転席に備え付けられている非常バックを取り出し、割れた窓から慌てて外に出る。そこで見たのは遠くから武器を抱えて走ってくる女性と子供達だった。どっからどうみてもその先にある村人達であり、生活感満載の格好で武器を持って走ってくる。シュールな光景だが、さすがに危機感を煽られた俺は慌てて身を翻す。

 

「いったいなんなんだよ、これ! こいつのフレームが歪むような衝撃なんて、なんなんだよ…… つか、もしかして今攻撃を受けたの? ロケットランチャーでも持ち出さないと無理だろこれ」

 

 走って逃げてはいたが、直ぐに追いつかれた。当然だ、突然の衝撃で振り回され衝撃を受けていきなり走って逃げられるような人間なんて、訓練を受けない限り無理だろう。後ろを振り返ると厳しい表情を浮かべた女性や子供が手に持った武器をこちらに向けている。

 

「え、なに……いったいなにが……」

 

 立て続けに起こった様々な出来事に混乱し、理解が追いつかない。分かることは武器を持った人間に追い立てられ、囲まれている事だ。身動きするたびに銃口が動き、撃たれそうな気がして動けなくなる。

 しばらくすると迷彩柄の軍服を着た男達が、人々の後ろからやってくるのが見えた。その男達は人垣の前に出てくると、こちらを見下しながら口を開いた。

 

「おまえ、装備は環境回復士だが、どこのスパイだ?」

「……え?」

「とぼけても無駄だ。お前が組織の縄張り周辺をその重機で飛び回っていたことはわかっている」

「いや、なんのことかさっぱりっ!」

「……ふん、まだとぼけるならそれでもいい。あとは荷物を漁ればわかるだろう。こいつは始末しておけ。ちょうど良い訓練になるだろう」

 

 こちらの言い分を最初から聞く気が無かったのか、会話にならない会話を終えると軍服の男達は元の場所に戻っていった。女性や子供達の中で、ひときわ偉そうな女性が指示を出し始める。

 

「久しぶりに獲物がかかったから、今回は子供達に殺させるよっ。ほら前に出て並んで!」

 

 俺は殺されるのか? 未だに事態も把握できない状況で、せっかくの第二の人生をこれで終わらせられるのか? 俺は縛られている訳でも拘束されているわけでもない。逃げるなら速く逃げないとっ。

 震える足を叱咤して立ち上がろうとしたときに、目の前で地面が爆発した。地面が爆発する前に、何かが空から落ちてきたようにも見えたが、いまは土埃が酷くて分からない。逃げるならいましかないっ! 慌てて近くにある重機の陰に隠れようと立ち上がった瞬間、首根っこを誰かに捕まれた。土埃をすかして見えたのは、中華風衣装をまとった姿だった。

 

「まったく、少し離れているだけで死にかけているとは思わなかったぞ? まぁいい。俺様は腹が減ってきてな。早速飯を用意しろ。早くせんと殺すぞ」

 

 何事もなかったかのような普段通りの桃白白だった。色々な意味で泣けてくる。訳も分からずに殺されそうになって、助かったと思ったら「殺すぞ」と脅される。俺の平和はいったい……

 

 遠い目になってしまった俺をよそに、周囲の出来事はどんどんと進んでいたようだ。

 

「また侵入者だ、殺せっ!」

「ん、俺様に勝てるつもりか? 食前の運動にはちょうど良いだろう」

 

 空気を読んだのか無視したのか先ほどの女性が声を張り上げ、桃白白は俺を後ろに放り投げて女性に向き直る。こんな時だからか、桃白白の背中が大きく見える。

 

「さて、本来なら一人1億ゼニーもらう所だが、今日は軽いストレッチ相手になってもらうとして、特別に只で相手になってやろう」

「撃てっ!」

 

 女性のかけ声で子供達が手に持っている拳銃が、一斉に火を噴く。が、俺はそれが無駄な行為だと知っている。ずっと”決闘”を見てきた俺からすれば自殺行為以外の何者にも見えない。予想通り桃白白の手が見えなくなるくらいぶれて、気づくと弾は全て受け止められている。

 

「金なら受け取るが、こんなもの食い物にもならん。返すぞ」

 

 次の瞬間、桃白白の手の中から弾が機関銃のように発射され、その全ては正確に子供達の眉間に吸い込まれていった。この後は説明するまでもなく”桃白白無双”という言葉が脳裏に浮かぶだけだった。

 桃白白はその場にいる女子供を全て殺した。応援にきた軍服姿の男達も全て殺した。残ったのは俺の周囲にある残骸と死体のみだった。

 

「まだ飯が出来ていないのか、そんなに死にたいのか?」

 

 桃白白はいつのまにか俺の目の前にいて、後ろに手を組み見下している。まぁあの強さでは、そんな格好でさえ隙にもならない。

 

「も、申し訳ありません。……流石に腰が抜けまして。それに機材もめちゃめちゃに……」

「む? そうか、ならこの機材は捨てておけ。あの団体(協会)に依頼しても、ここまで回収には絶対にこないだろうしな。臆病者どもめ」

「は? 何故ですか?」

「あそこに見える村は、反政府ゲリラの拠点として裏では有名なのだ。もしかしてお前は知らなかったのか?」

「まぁいい。なら俺様が都近くまで連れて行ってやるから、急いで飯を作れよ」

 

 鼻を鳴らしながら、詰まらなそうに告げる目の前のオヤジ。こいつ、戦闘力がインフレする世界では雑魚なみにしか思えないが、よくよく考えると十分強者なんだよなぁ~。

 そんな事を考えている俺の襟首をひょいとつかみ上げ、ここまで乗ってきたと思われる丸太を放り投げた。そして勢いそのままに飛び乗る。そんな事をすれば当然、

 

「のどがっ! のどが閉まってますっ! 苦しい!!」

 

 

 無事に西の都近くまで戻ってきた俺は、桃白白()の言うとおりに機材を用意して食事の準備をし、満足してもらってから別れた。

 

 それから数日、俺は今回の事件について考えていた。あの反政府村は確かに有名で、ちょっと調べれば俺でもわかる位に有名だった。村丸ごとのゲリラ住民であり、殺人も厭わない教育をされている組織であり、その周辺には近づかないように協会から警告さえ出ている始末だった。

 今回、桃白白がかなりの勢力を削っていたが、それは裏の世界でかなり有名になっていた。また女子供を虐殺する冷酷無比の殺し屋(、、、)として。

 もしかして桃白白の過去の噂なんかも、こういった事ではなかったのか。今回は食事云々という形で助けてもらったが、本当は単に助けてくれただけじゃないのか。

 心の中に桃白白への嫌悪感を持って過ごしていた俺だったが、気づくと嫌いになれなくなっていた。横暴ではあるし、俺様状態で奴隷のような扱いは変わっていないと思う。だが、理不尽な事はされていないようにも思う。世間一般から見たら理不尽そのものだが、どうも桃白白の中にあるルールでは首尾一貫している印象を受ける。

 

 まぁ、だからと言ってこれはないんじゃないだろうか。

 

「ほら、クズ! 腕が下がってきているだろうか。もっと腕を上げてしっかりと拳を握れ! 早くしないと殺すぞ」

「た、桃白白様! もう無理ですっ! 俺は作業員であって武術家じゃないんですよっ!」

「……そういってお前は殺されかけたんだろうが。俺様がたまたま近くを通りかかる事なんか、滅多にない幸運なんだ。そんなものを当てにしないで、自力で俺様の所に飯を作りに来れるくらい強くなってもらわねば、我が下僕として相応しくないっ!」

 

 ……このおっさん、実はツンデレだろ。というか、その前に武術の訓練で死ぬ。死ねる……

 

「さぼっていると、そのままこの拳を打ち込むぞっ!」

「か、勘弁してくださーーい!」

 




想像の中でも、まだ原作が始まらない……まぁいいか。
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