裏方のお仕事   作:きりきり

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ようやく原作開始


助ける?助けない?

 いつも通りの荒らされた大地を前に、たき火とコーヒーと満天の夜空を楽しんでいる。

 珍しく周囲に生物の死体がないので、焦って仕事をする必要がないのも楽しめる理由だろう。

 

 そんな中、純粋にコーヒーを楽しめないでいるのはいわゆる「原作」が始まった事が原因だった。

 原作開始の始まりを感知することは、それ程難しくはない。天下一武道会の名簿をみるか、月が無くなったら開始と思えばよい。

 生まれた直後の介入なんてする気はないし、実は原作介入をする気はさらさら無かった。前から考えていた事だが、うまく行くことが分かっているのに邪魔をするなんて正気じゃない。

 サイヤ人に生まれて戦闘力がカンストするならともかく、一般人ならヤジロベーでもギリギリだろう。あいつもチートなみなキャラだとは思うけど。

 

 話がズレた。ようは月が壊れたのだ。念の為天下一武道会の優勝者も確認した。ついでに知らない名前もないか確認した。生まれ変わりが俺一人しかいないと思うほど甘くはない。

 というか桃白白様に、その辺りの甘さは徹底的に鍛え直された。

 ……話を戻して、結局俺はあのツンデレじじぃ(桃白白様)に生きていて欲しいと思っている訳だ。かなり命を助けて貰ったし、世話になったしなぁ。レッドリボンからの勧誘が鬱陶しいと言っていたから、そろそろ話を切り出さないと悟空に倒されて、ロボットみたいになってしまう。

 覚悟を決めて呼び出そう。俺自身の為に。

 

「ふん、何のようだ小僧。……ん?今日は飯の用意をしていないではないか、殺すぞ貴様」

 

 呼び出された桃白白様は不機嫌そうにこちらを見ている。

 そりゃそうだ。今までは俺がお世話になっているお礼も含めて、毎回食事など振る舞っていたしな。

 しかし今日は駄目だ。話の持っていきかたで、俺の命はこの場で終わる可能性高いし。

 

「桃白白様……とても言いづらいのですが、その事です。実はお力をお借りしたいのです」

 

 というか、なんで俺モジモジしてるんだろう。

 いや、個人的に殺人依頼とかしたことないし、こっちから頼み事したことないから、なんか緊張しちゃって。うわぁ、横目でみた桃白白様「お、おぅ」とか言ってらっしゃる。

 早めに真意を伝えないと、意味深な誤解をされそうだ。

 

「実はですね、こんな事が出来るようになっちゃいまして……」

 

 目の前で武空術を実演してみせた。

 他の気の技も実演してみせた。

 桃白白はコンランしている!

 

 実はカリン塔に登ってカリン様に会いました。あれさ、事前情報合ったら難しくないよね。空を飛んではいけないとルールになっているが、ハーネスとかロープもって登山体制で挑んだら、二日で登れました。夜?きちんとロープで固定して寝袋で寝たよ。

 で、桃白白様の訓練により基礎の出来ていた私は、なんとか一年で超神水をゲットしました。その一年で月が壊れたのは予想外でした。悟空とニアミスだったね。

 余談だけど、カリン様が混乱していた。あの方心読むからね。俺目線の桃白白様!って感じで語っていたら「え、あいつ実はシャイなの?」とか驚いていたし。そのうち非公式な桃白白様ファンクラブできないだろうか。

 

 ちなみに本物の超神水も飲んだ。よく生きていた俺!ここまでして、ようやく桃白白様を救う話の始まりだからなぁ。命を懸ける覚悟は出来てる。

 

「俺はお世話になった人には元気でいてほしい、助けられるだけじゃなくて助けたいと思っていました。……頑張った結果、力はなんとか手に入れたのですが使い方がわかりません。教えてください!」

 

 まぁこんなのは建前だと見抜かれるだろう、なんせ武道を鍛えたのは自分だからな。ただこの甘えを許して、どうやって力を手に入れたのか探り出そうとするのが桃白白様。

 生意気といって殺そうとするのが、その他悪党。さす桃格が違う。予想通り許し……あれ……桃白白様、その手の光るものは何でしょう?

 

「うん、これか。これはどどんぱという技だが、まあそこまで強くなった小僧なら死なんだろう。いやな、一年ほど呼び出しても捕まらずに何をしていたのか聞こうと思ったら強くなっていた。……これは体に聞くしかないだろう?」

 

 命懸けで考えた作戦なんです、手加減をとか言えないし!

 あぁ神様、明日の朝日が拝めますように。

 

 朝までのお話の結果、一年ほど専属で鍛えてくれる事になった。レッドリボン軍のお仕事は正式にお断りとなった。

 やっぱり仮弟子に自分より強くなられたのはショックだったみたいで震えていたし。

 

 良かった、ほんとーによかった。たぶんだけどここで話を変えても、原作への影響は少ないだろうしカリン塔へ登るように誘導するしかないか。

 

 まぁ俺無双はここでおしまい。カリン様にも言われた。俺の強さの才能はここまでなんだって。命がけで限界突破の超神水飲んで、ここがゴール。これ以上はなしなんだと。

 

 それを聞いて桃白白様、カリン塔に凄い勢いで登っていった。慌てて追いかけたけどついた途端、桃白白様に突き落とされた。酷い。

 もう一度上って漸く着いた頃には話は終わっていたようで、桃白白様は寝ていた。

 

 カリン様に呼ばれてすみっこにいったら笑いながら何があったか話してくれた。

「父親みたいな心配ばかりしておったぞ。体に異常はないのかとか。才能の限界とか言われて落ち込んだらどうする、とかの」

 

 やっぱりただのツンデレじじぃだったろう?桃白白様の限界はまだまだ先っぽいから、生き残るまで頑張って貰おう。私はあとはのんびり暮らすだけだし。




実は桃白白様のテーマソングはクイーンのFat Bottomed Girlsだと思う。

唐突に湧き上がる意欲によって出来ている作品です。
打ち切り御免にて、期待しないでください。
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