IS ジャンク屋と少女   作:セグレトロ

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0-3話 経緯とこれから

目の前にいるのは第二世代のISのラファールリヴァイブ

対してこちらは名前どころか世代すらわからないIS

 

「8!この機体、名前なんていうの!?」

[P02]

「それだけ!?」

 

などと話していると目の前のラファールがこちらに銃口を向けながら話しかけてくる

 

「貴様何者だ!大人しく投降し、そのISをこちらに引き渡せ!そうすれば危害は加えない!」

 

おーおー、高圧的な態度してくれちゃって

いきなり押しかけてきてこんな事言われちゃ流石に私でも頭に来るよ?

 

「嫌だ、と言ったら?」

「その時は、あの男を殺して貴様を組織に持ち帰るだけの事」

 

なるほど

ここは素直に投降するのが正解なんだろうけども…

 

(8、装備の展開の仕方は?)

[イメージ]

 

頭の中で8に問いかけると8は視覚にメッセージを表示してくれる

 

[照準のサポートなら可能だ]

 

うむむ…展開出来なきゃ意味が無いんだが…

 

(8、勝算はあると思う?)

[0%ではない]

(そっかぁ…)

 

まともな戦いになったら勝ち目は無いだろう

何せこちらはISを動かす事すら初めてなのに対して、向こうはいかにもこういう荒事に慣れていますといった感じがする

 

「じゃあ仕方ないか…」

 

両手を上にあげ、降参の意を表す私

 

「お、おい!風花!?」

「フ、物わかりのいい人間だな」

 

慌てた様子のロウさんと感心した様子のラファール

そう、これでいい

 

気を抜いている今が好機!

 

──拡張領域のライフルをイメージ!!ついでだからシールドも出て来い!

 

(8!サポートを!)

[合点承知!]

 

「先手必勝!」

 

右手にはライフル、左手にはシールドを展開した私は8の照準サポートを受けながらラファールに向けて渾身の一射を放つ

 

「何!?」

 

しかしその一撃は躱されてしまった

 

「やはりな、そんな事だろうと思った」

 

どうやらこちらの思惑は読まれていたようだ

でも、私だってさらに次の手まで考えてある!

 

「はっ!」

 

シールドとライフルを放り捨て、そのままラファールへと肉薄する

 

「素人か?武器も持たずにISに近付くなんて自殺行為だぞ!」

 

ラファールはライフルを私に向けて撃ってくる

やっぱりシールド捨てたのは間違いだったかな、とか考えてる余裕もなくシールドエネルギーがどんどん削れていく

 

[何をする気だ?]

(八極拳で中まで貫く!)

[…正気か?]

 

いくらシールドエネルギーといえど衝撃を完全に殺しきることは出来ない

ならば内側に衝撃を与え動けなくすることも出来るのではないか

素人の自分の射撃よりかは幼い頃から習っている八極拳に勝負を賭ける方がよほど現実的…だと思う…

 

そのままラファールの目の前に突っ込む

 

「こいつ、何を!?」

「ハァッ!」

 

まずは肘撃

一言で表すならば肘打ちだが、ISの力を得た八極拳においてはその一撃すら岩をも砕く一撃と化す

そしてその勢いを活かして貼山靠を見舞う

鉄山靠、正式には貼山靠とは背中から当てる体当たりの事で、本来ならば相手の防御を崩す技なのだが、これもISのパワーアシストによりそのまま相手を吹き飛ばすほどの威力を持つ

 

ホコリを巻き上げラファールは入口の方へと吹き飛ばされる

 

「やっ…た…?」

[まだだ!]

「クソッ!貴様ァ!」

 

激昂した様子のラファールは起き上がるや否やライフルを構える

 

「ヤバッ!」

 

目を閉じて衝撃に備えるがいつまで経っても衝撃は襲ってこなかった

 

恐る恐る目を開くとラファールはどこかへ去っていた

 

「助かった…の…?」

 

助かった

その事実を理解した途端、私は意識を手放した

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

目を開くと視界にはリ・ホームの天井が…

 

 

って、そうじゃない!

 

 

「ロウさん!?」

 

飛び起きながらロウさんの姿を探す

 

「お?目ェ覚めたか。どうだ?身体が変な感じとかはしねぇか?」

 

ロウさんは近くのテーブルに座って何かを弄っているようだった

 

「はい、特に異常は無いですけど…じゃなくて!」

 

一番大事な事を聞かなくては

 

「なんなんですか!?あの人!?狙いはきっとあのIS…って、そうだ!なんでISなんてものがここに!?」

「お、落ち着けって、順を追って話すから!な?」

 

ロウさんになだめられ、少し落ち着く私

 

「そうだな…まずはあのIS、アストレイについてからだな」

「アストレイ?8はP02って言ってましたけど」

 

確かにあの時8はそう言っていたはずだ

 

「あー、その呼び方は好きじゃねえんだ。だから俺はレッドとかアストレイって呼ぶようにしてるのさ」

 

レッドって言うのはわかる、、わかるんだけども…

 

「あの、アストレイってどういう…」

「邪道とか、王道を外れたものって意味だ!」

 

そういうとロウさんは熱く語り始めた

 

「大体、ISってのは本来は宇宙開発のために造られたもんだろ?なのに今じゃどこの政府も兵器としてしか考えちゃいねえ。勿論、条約のお陰で軍事利用はされちゃいないが襲ってきた奴みたいなのだっているんだ、結局兵器と何ら変わりねぇ。だから俺はこいつを、レッドを、王道を外れたものにしてぇんだ!兵器としてではなく、人と宇宙を繋げる架け橋にしてえのさ!」

 

いけない、あまりの熱意に言葉を失ってた

 

「言いたい事はわかったんですけど…その…ISは男の人じゃ動かせないんじゃ…」

 

そう、ここが一番の問題

ISは、女性にしか、動かせないのだ

 

しかしロウさんは少し頭を掻いてからこう言った

 

「おう!でもいつか動かせるようにしてみせるさ!」

 

「そのためにも、レッドを早く完成させないとな!」

 

はい?

 

「え?ロウさん…アレ未完成だったの…?」

 

「おう!大事な武器の開発に手間取っててな!流用品のライフルくらいしか拡張領域に無かったろ?」

 

なんて人だ…

 

 

「ロウさん…」

「ん?どうした風花、すっげえ顔して」

 

今わかった

この人にははっきり言っておかないとダメだ

 

「すっっっっごい怖かったんですからね!!!次があっても困りますけどもし次こんな事になったら、絶ッッ!対!未完成の機体を使えなんて言わないでくださいね!!」

 

多分今の私は凄い形相をしているんだろう

ロウさんも少し…というかかなりビビっているようだ

 

「わ、悪かったって…でもな…」

「でもも講義もありません!!いいですね!?」

 

私は、有無を言わせぬ勢いでこの話をしめる

 

「それで、どうしてISの開発なんか?こう言うのはアレなんですけど、ジャンク屋が持てる代物じゃないですよね…?」

「あー、それはだな…」

 

──────────────────────

 

約半年前

「ロウ〜?面白いものをウサギさんが持ってきたわよ〜」

 

やたら上機嫌なプロフェッサーがロウに話しかける

 

「あ?なんだぁこれ?」

 

USBと不思議な箱を手渡されたロウはUSBのデータをチェックしていく

 

「お?おぉ、おぉ!?お、おいプロフェッサー…これって…!」

「オホホホホ、素晴らしいプレゼントを貰ったわね、ロウ」

 

 

──────────────────────

 

「って訳だ!」

「どういう訳ですか!! 」

 

ダメだ、まるで話についていけない

 

「どういう訳っつっても話したとおりだぜ?いきなりプロフェッサーがウサギから貰ったって言ってレッドのコアと設計データを渡してきたんだ。問い詰めてもウサギがくれたっつってそれ以上は話そうとしねえしよ」

 

…後で私がプロフェッサーさんに聞いてみよう

 

「は、はぁ、まあそういう事なんでしょうね…」

「そんでもって最後だ、さっき襲ってきた奴だが」

 

ゴクリ

 

「まるで見当つかねえや!」

「はい?」

「いやー、あんな事されたの初めてだからよ!手ががりとかも残ってねえし誰の仕業か全くわかんねえんだ!」

 

ハハハと笑うロウさん

 

ある意味大物というかなんというか…

 

「ああ、そうだ風花」

「なんですかロウさん?」

 

「風花、レッドのテストパイロットやってくれねえか?」

 

沈黙

言葉の意味を理解するのに大体8秒

 

「ええー!?」

 

私が?ISの?テストパイロット??

 

「む、無理無理無理ですって!レッドを起動させられたのだってきっと何かの偶然…」

「いや、それがな風花、レッドの奴お前の事をパイロットって認定したみたいでよ」

「は、はい?」

「ほら、レッドに8も載っけたろ?その影響か8みてぇに自我が形成されちまってな。メンテしようとしたらお前を出せって拗ねちまってよ」

 

実に愉快そうに話すロウさんとそれを聞きながら混乱していく私

 

「あ、あの、肝心のレッドはどこに?」

「ああ、ここにあるぜ。ほら」

 

そう言って差し出されたのは赤い宝石のようなものが付いたネックレスだった

 

「話には聞いてたけどまさか本当にこんな待機形態になるなんてな、俺も驚いたぜ!」

 

私は差し出されたネックレスに恐る恐る触れる

すると頭に何かの意識が流れ込んでくる

 

「ひっ!?」

[どうした?風花]

 

え?私の名前を知ってる?

ってことはこの意識がレッドの自我?

 

[あなたが、レッド?]

[応!]

 

なんというか…8にそっくりだなぁ…

まあ8を解析して出来た自我なのだろうから言動が似るのは当然なのかな…?

 

[その…どうしても私じゃないとダメなの?]

[別に風花じゃなくても構わない]

[じゃ、じゃあ私じゃなくても…]

[ただ、拒否をするならロウにお前の秘密を暴露する]

[脅迫だよねそれ!?]

 

そういう訳なので

 

 

 

 

私、リ・ホーム専属のISテストパイロットになりました

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