「なあ風花、お前受験っていつだ?」
「突然ですね、明日ですよ」
いつものように素振りを終え、ISを展開した私にロウさんが話しかけてきた
「お、そうか!頑張れよ!」
「ちょ、ロウさん少しは心配とかしてくれないんですか?」
「なんで心配する必要なんかあんだよ、風花のメカに関する知識と技術があれば落ちる訳無いだろ」
[そうだそうだ!]
ロウさん…8…
「信頼は嬉しいんですけど、その体勢どうにかならないんですか…」
「しょーがねぇだろ、ハマっちまったんだから。早くガーベラでぶった斬ってくれよ」
現在ロウさんがどういう状態かと言うと
絶賛壁尻状態なのだ。
何があったらジャンクで壁尻出来るのかは不思議だが、現に壁尻状態なのだ。
ちなみに8はロウさんのすぐ横のジャンクの上に置かれている
余談になるが8はレッドのテストパイロットになって以来ロウさんに返してある
「はぁ…」
ため息をつきながら私はロウさんを救出しました。
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その日の帰り際、リ・ホームの皆さんが私にプレゼントをくれました。
樹里さんは五角鉛筆、リーアムさんはお守り、プロフェッサーさんは何やら不思議なヒラヒラ(後で調べたらドリームキャッチャーとかいうものでした)、G.Gさんはコインを渡してくれました
あれ?ロウさんは…?
「ロウさんはどこに…?」
「あー…ロウなら奥で何やら作ってたよ。多分あと2ヶ月位はまた無茶するんじゃないかな?」
「そ、そうですか…」
まあロウさんは私の合格を信じて疑っていなかったからね。
絶対合格してやるんだから!
「皆さんありがとうございます!明日の受験頑張ってきますね!」
「うん!報告楽しみにしてるよ!」
「頑張ってきてくださいね」
「オホホ、まあ余裕でしょう?」
「うむ、このG.Gが太鼓判を押すのだ!絶対合格できるとも!」
さあ、さよならをして家に帰って明日の試験に備えて眠らなきゃね!
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試験当日
筆記はかなり手応えが良かった、良かったんだけど…
(やばい、実技かなり緊張する…)
[いつも通りで大丈夫だ]
いつ呼ばれるのかとドキドキしながら順番を待つ私
「102番の方、実技試験を開始します」
「は、はい!」
呼ばれた
心臓バクバクなんだけどこんな状態で動かせるのかな…
「試験官の中里です。あなたは専用機持ちと聞いているのですが、展開してもらってもいいでしょうか?」
中里さんに言われた通りにレッドを展開する私
手にはライフルとシールド
ガーベラは腰に納刀したままラファールを展開した中里さんに向き合う
「なるほど。ではこれより実技試験を開始します。用意は良いですか?」
「はい、いつでも…」
落ち着け私
大丈夫、倒す必要は無いんだ。
今の自分がどこまでやれるかを見せればいいんだ。
「3」
アナウンスの声がする
「2」
今思えば実践形式でガーベラを使うのって初めてなんじ ゃ…
「1」
悩んでても仕方ない、やるしかないじゃん!
「始め!」
中里さんはライフルを構えたまま動かない
「来ないんですか?」
「ええ、受験生に攻撃させずに終わらせてしまっては可哀想でしょう?」
なんかムカつくなこの人…
「わかりました、じゃあ─」
ライフルを格納しつつシールドを投擲する
「全力で、行きます!」
投擲したシールドは避けられる
だけどハナからそんなものが当たるとは思っちゃいない!
左手の親指でガーベラの鍔を弾き、右手で柄を掴む
瞬時加速を利用した高速の居合切りだ
「いい踏み込みですね」
私の一撃は難なく躱される
「しかしまだまだ甘いです」
後退しながらライフルを連射してくる中里さん
それを見て反射的に左に跳んで躱す
(なんでかなー、この光景前にも見たような気が…)
[あの時の襲撃か?]
(それだ)
あの時よりかは私は強くなってるんだ、勝てなくとも一撃位は決めてみせる!
「もう終わりですか?」
「いえ、ここからが本番です!」
細かく刻むように放たれるライフルの弾丸
躱しながら近付こうにも距離を離しながら撃ってくる
しかし私とてやられっぱなしではない。
今までのリロードの間隔でいつ踏み込めばいいかタイミングはわかっている
ならばこの一撃に全てを!
「どうしました?避けてばかりでは勝てませんよ?」
いちいち煽るような言い方をしてくるなぁもう!!
「言われなくてもわかってますよ!」
次の連射の後、そこが向こうのリロードタイミング!!
銃弾の嵐を避け、ガーベラを構えて突撃する
しかし向こうは私にとって想定外の行動を取る
「げっ…」
通常1~2秒かかる量子構成をほとんど一瞬で行う行動だ。
資料では知っていたが試験官が受験生相手に使ってくるとは…
「惜しかったですね、しかしこれで」
中里さんの手には先ほどのライフルとは違いショットガンが握られている
「終いです」
ん?ショットガン…?
ええい!こうなりゃ賭けだ!当たって砕けろだ!!
「詰み、ですね」
そうして放たれるショットガン、この時の距離およそ8m
次の瞬間
「貰ったァ!!」
私は瞬時加速を発動し銃弾を両断、そのままの勢いで押し倒すような形になりながらラファールの首元にガーベラを当てる。
ラファールの絶対防御を発動させてシールドエネルギーをそのまま全て奪い取る
「まさか…銃弾を斬って突っ込んで来るなんて…」
「ハァ…ハァ…」
私は博打にうってでたのだ
博打の内容はショットガンの弾丸が散弾ではなくスラッグ弾(単発弾)であること
「ガーベラ・ストレートに、斬れぬもの無し!!」
こんな決め台詞言っているが、内心かなりビビっていた私
ガーベラを納刀しながら中里さんに向き直る
「まさか私が負けるとはね…」
中里さんが頭を掻きながら立ち上がる
「でも、キミはまだまだ伸びるよ。これだけは間違いない」
え?今なんて?この人が私を褒めた?
イヤな人って決めたのは早計で、案外この人いい人なのかも?
「ま、まだ合格って決まった訳じゃあ無いからね。合格だと思い込む事はしない方がいいと思うよ」
うーむ、言ってる事は正しいんだけど言い方が癪に障るなぁこの人は!
「何はともあれこれで実技試験は終了だよ、お疲れ様でした」
「はい、お疲れ様でした…」
ああもう、身体だけじゃなくて心まで疲れたよ…
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「「「「「合格おめでとう!風花!」」」」」
「え?え?え?」
合格通知が自宅に届き家族に電話を入れた後、すぐさま家を飛び出してリ・ホームに向かった私なのだが、リ・ホームに入った瞬間にクラッカーの音が響き皆さんから突然祝われたのだ。
当然、親以外誰にも合格したとはまだ言っていないのに
「な、なんで知ってるんですか?」
「プロフェッサーがな、「そうだロウ、風花ちゃん合格したわよ」って昨日言ってきたぜ?」
プロフェッサーさん…貴女本当に何者なんですか…
「オホホ、ちゃんと合格していたでしょう?」
魔女というかなんというか…末恐ろしい人…
「ま、合格祝いって事で俺がプレゼント用意したんだが…」
「したんだが…?」
「2個開発してたんだが、実はまだ1個しか完成してねえんだ!」
なんだそんな事か
「ってえぇぇぇぇ!?」
「ん?どうしたんだよ」
「あの…先週からずっと篭ってたのって…」
「おう!8と二人でコイツを作ってた!」
そう言うとロウさんと樹里さんが布をはらう
そこにあったのはウイングのついたスラスターユニットだった
「凄い…」
「どうだ?スゴイだろ!?記念すべきレッドの初パッケージだ!」
驚きと感動で言葉が出ない
「お、おい風花?大丈夫か?」
「ロ、ロウさぁぁん…」
「うわっ風花お前鼻水垂れてんぞ!拭けって!!ぬわぁぁぁぁ!!」
リ・ホームの皆は最高です!
私がIS学園に行くまでは、あと少し