1-1話 別れと始まり
「おはようございます!風花です!」
今日から始まる新学期
IS学園は全寮制のため、なかなかリ・ホームに戻る事ができない。
だから昨日家に帰る前にロウさんに朝の4時にお邪魔するって言っておいたんだけど…
「もしかして誰もきてない…?」
というか私、かなりの迷惑行為なんじゃ…
ここに来て痛恨のミス!こんな時間に出社(?)出来るはずが
「誰だぁ!こんな朝っぱらから大声出しやがって!」
あった
「ったく!目ェ覚めちまったじゃねえか!」
「ロウさん…?どうしてこんな時間にここに…?」
始発電車がまだ無い時間なのにどうして?
「ん?風花じゃねえか。どうしたんだよこんな朝っぱらに」
「え、いや昨日話したじゃないですか…」
ロウさんが考えることおよそ3秒
「あーっ!やべぇ!すっかり忘れてたぜ!」
えぇー…
「ちょっと待ってろ!樹里達起こしてくる!」
そういうや否やロウさんは奥へと駆けていく
「え?あのロウさん起こしてくるって一体…?」
ドァァァン!と大きな銅鑼のような音
音の方向を見ると天井には巨大な鉄の板がぶら下がっている
(この鉄板、こんな事のためにぶら下げられてたのか…)
おおよそ、奥に装置がありそれを利用して叩いているのだろう
「ロウ〜寝惚けてるんじゃないの〜…まだ4時だよ〜…」
あくびを噛み殺しながら睡眠帽子を被った樹里さんが出てきて、続くようにリーアムさんとG.Gさんが出てくる
「ハッハッハッ!おはよう風花!」
「おはようございます、風花さん」
「おはようございます、G.Gさん、リーアムさん」
あれ?
「あの…プロフェッサーさんはどこに…?」
一人足りないのだ
「ん?プロフェッサーならいるじゃねえか」
奥から戻ってきたロウさんが私の後ろを指さす
「へ?」
後ろを見ると手を伸ばせば触れるほどの距離にプロフェッサーさんがいた
「おはよう〜♪」
ロウさんが言わなかったら何をするつもりだったんだこの人…
「いやねぇ、ちょっと驚かすだけよ♪」
「心を読まないで下さい!!」
本当に末恐ろしい人だ…
「とりあえず、だ!今の俺達がレッドにしてやれるのはこれだけだ、何かあれば連絡くれよ?俺達がすぐに向かうからな!」
ロウさん達がレッドにしてくれた改修はこの通りだ
ガーベラを振る際のパワー配分の見直し、フライトユニットのウイングの空気抵抗改善、並びに独立飛行機能の追加
「あと一ヶ月もありゃあ面白ぇモンが出来たんだけどな。ま、来月には送るから楽しみに待ってろ!」
本当に、感謝してもしきれないほどの色々なモノを私は貰ったと思う
「リ・ホームの皆さん!今まで本ッ当にお世話になりました!!」
あれ?なんでだろう、涙が出てきた
「たぶん夏まで戻ってこれなくてレッドの事で色々迷惑をかけちゃうと思います…でも、休みには絶対戻ってきて目一杯働きますので!これからもよろしくお願いしますね!」
言い終わる頃には涙が止まらなくなっていた
「大丈夫だよ、風花ちゃん!」
気がつけば樹里さんに抱きしめられていた
そこで私の心の堤防のようなものが決壊したのだろう
大声をあげて泣いた
私だってここから離れたくない
でも私は決めたんだ。レッドを、ISをよりよく使うために。
だから…
今は少しだけ自分に素直になる事にした
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あの後涙が枯れるまでギャン泣きした私は、ロウさん達に見送られて駅に向かった
只今絶賛移動中なのである
(ついにIS学園に着くのかぁ…ワクワクするね、レッド)
[ワクワクするのはいいがハメを外しすぎんようにな]
(わかってるって!)
この時の私は知る由もなかった
既に厄介事が一つ、IS学園に転がっている事を