さて、初日から色々あって疲れたんだけれどもようやく1日目が終わって寮に戻る時間となりました
この学園の寮は二人部屋、相部屋の子はどんな人かな?
寮長(織斑先生でした)から、鍵を受け取り部屋へと向かう私
さあ、相部屋さんご対面!
「「え゙っ」」
部屋にいたのは金髪縦ロールの少女でした
ていうかセシリアちゃん
「あー…えへへ〜、よろしくね〜…」
「よりにもよって貴女が相部屋の相手ですの!?」
何か知らないけどすっごい怒ってる〜!!
あれかな?眠すぎて適当にあしらったのが悪かったのかな!?
「ま、まあ同じクラスの専用機持ち同士仲良くしようよ!ね?ね?」
「はぁ…仕方ありませんわ…織斑先生に言ってもどうせ無駄でしょうから」
良かった、そこまで深刻じゃなかった
「改めて自己紹介。私は叢雲 風花、よろしくね!」
「はぁ…どこまでもマイペースなお方ですわね…私はセシリア・オルコット、よろしくお願いしますわ」
そうやって話していくと、どうやら訳あって男の人が嫌いらしい
流石の私も、出会ってすぐにそんな深い所に触れるのは失礼だと思って何も聞かなかった。聞けなかった。
だってその事を話す時、セシリアの顔はとても─
とても辛そうだったから…
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翌日
何か知らないけど昨日一夏君の部屋で騒ぎがあったみたい。
なんでも相部屋の子に木刀で殺されかけた(!?)らしい
ここって高校だよね…?
そんな訳で私は今朝の鍛錬をしにました
鍛錬と言っても、人気の無い所で拳とか竹刀を振るうだけなんだけども
この学園、剣道部があるらしく入ってみようかと思ったんだけれども、我流の構えを今から矯正するのも大変そうだから辞めておくことにした。
私の剣術はあくまでISのための剣術だしね
鍛錬を終えて部屋に戻ると、ルームメイトのセシリアが目を覚ました所だった
「あら、おはようございます風花さん。お早いんですね」
「うん、朝の鍛錬は欠かさずやらないといけないからね」
昨日一晩ですっかり仲が良くなった私とセシリアは制服に着替えると食堂へ向かう
「セシリアは朝はがっつり行ける人なの?」
「いえ、私はそこまで入らない方ですわ。風花さんは?」
「鍛錬してるからね〜、お腹が空いて結構食べれるんだ〜」
そんな私の前にはカレーパン
ここの学食は色んなものが置いてあって私内の評価は非常に高い
隣のセシリアはサンドイッチを食べていた
「ん〜♪ここのカレーパンおいし〜♪今まで食べた中で2番目に美味しいや!」
「あら、そんなに美味しいんですの?」
「うん!1口食べる?」
手に持ったカレーパンを差し出す私
「ではお言葉に甘えて…」
手で髪を横に除けながら差し出したカレーパンを1口食べるセシリア
「これは…たしかに美味しいですわ!」
どんな感じに美味しいかというとほんのりとまだ暖かいパンに絶妙な歯ごたえの衣、ルーは後からくる辛さが堪らない。そして中の牛肉が人参やジャガイモの味を掻き消さない!
一つの食べ物の中で複数の要素が絶妙なハーモニーを引き起こしている。
毎日こんなの食べていいのか疑問になるほど美味しかった
「ん?」
「どうしました?風花さん」
一足先に朝ごはんを食べ終わった私は、先程セシリアがカレーパンにかぶりついた際に頬についたと思われるカレーのルーを親指で拭った
そんでもって勿体ないから食べた
「頬についてた」
「あ、ありがとうございます…」
セシリアの顔が若干赤かったがそんなに辛かったのだろうか?
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二日目の授業が(私にとって)難なく終わり放課後
「叢雲さん!俺に…俺にISの動かし方を教えてくれ!」
絶賛一夏君に教えを請われてる私でした
「教えてくれ〜って言ってもISが無いんじゃどうしようもないよ…私はひたすらに経験を積んでISを動かしてるし…」
「じゃ、じゃあなにかコツみたいなのって無いかな?俺、絶対オルコットに勝ちたいんだ!」
しかしまあもう1人の対戦相手の私に教えを請うのもどうかと思うけどそこには突っ込まないであげよう
「一夏!早く剣道場へ行くぞ!」
「待ってくれって箒!」
篠ノ之箒
密かに憧れてる相手だったりします
だって剣術調べ始めた時に何度も動画で見た人だもん!!
そんな存在が目の前にいるなんてもう感動ものだよ!
その彼女が剣道場へ行くと言っている
ここで私のとるべき行動は─
「織斑一夏君」
「はい?」
「剣道場、行こっか」
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「一夏、剣道場へ行くと言ったが…」
「あ、私の事はお気になさらずにどうぞ!箒さん」
憧れの箒さんの剣が見れるとなれば見に行かない訳が無い。
一夏君との打ち合いで何かまた私にとってプラスの剣技が見られるかもしれないとなるとワクワクが止まらない
「準備出来たぞ、箒」
一夏君は剣道が久々だと言っていたが、その姿はかなり様になっていた。
対して、箒さんの姿はとても自然だった。
竹刀を構える。その一連の流れはブレひとつ無く、その道を修めんとする者の姿だった。
「では行くぞ、一夏 」
「おう、来い」
勝負は一瞬、姿は様になっていても受けの動きがまるでダメだと私でもわかった
「ハァ…ハァ…早いな…箒…」
「私が早いんじゃない。一夏、お前が遅くなったんだ」
なんでも昔2人は同じ剣を習ってたらしく、その頃はよく打ち合いをしていたらしい
「まだだ…もう一回…箒!」
「良いだろう、何度でも相手をしてやる!」
そこからは一方的に箒さんが一夏君を叩くといった感じに時は過ぎていく
見てる私は退屈なんて出来なかった
審判をしながら箒さんの一挙一動、どこかに自分の糧になる物があるのではないかと思い、それを見つけるために常に集中していた私はほんのりと手に汗をかいていた
そして一つの感情が湧き始めていた
(箒さんと…打ち合いたい…!)
私の剣はまだまだだ
でも、それでもどこまで通用するのか気になってしまうのが戦士の性というもの
53度目の打ち合いが終わったタイミングで私は声を出した
「あ、あの!箒さん!」
一夏君の竹刀を手に箒さんに向き合う
「私と一度、やりませんか?」
驚いたような顔をしていた箒さんだが、Okのサインを出してくれる
(あの一瞬の攻撃、受けに回ったら確実に負ける!勝つためには…打たれる前に打つ!)
防具を装備しながら勝ちの未来をイメージする
「君は剣道をしているのか?」
「我流ですけどね、剣術を嗜んでます」
一夏君の号令で私はまず1歩踏み込む
袈裟に振り下ろすも、それは足捌きでかわされる
ここまでは想定の範疇の動き、袈裟斬りから繋げるように抜き胴を放つ
しかしそれすらしっかりと竹刀で捌く箒さん
そこまでだった。
そこから私は、箒さんの強さは剣だけではないと思い知らされた。
得意の抜き胴も対処されたしこりゃあどうやっても勝てませんわ…
一度の打ち合いだけでも私の膝は笑っていた
冗談じゃない、同い年でもここまで差があるとは思わなかった。
向き合って改めて実感した重圧
息が詰まるような感覚と向き合いながら一夏君は53度も立ち向かった
その努力はいつか必ず一夏の実になり、力となるだろう
(はは…これはシャレにならない強さになるかもなぁ…一夏君)
「叢雲…念のため聞くが、手を抜いた訳では無いな?何か…違和感のようなものを覚えたのだが…」
打ち合いを終え、防具を外しながら箒さんが話しかけてくる
「そんな訳無いですよ…全力で…全力で向かってこの結果ですって… 」
ダメだ、息が上がって会話することすらしんどいや…
「そう…か…ならばいい。叢雲も腕をもっと磨けばきっと強くなるさ」
その言葉だけでも私にとっては嬉しい言葉だった
「は、はい!」
まだまだ自分に足りないものが実感出来た四月の出来事でした