ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける 作:孤独なバカ
……ふぁ〜
シリカの騒動から二ヶ月がたとうとしていた
シリカは下層をソロでコツコツとレベル上げをしていたので結果的には未だに攻略組予備軍として活動していて俺と千代は相変わらずの書類仕事に日々苦戦をしているところだった
そんなある日の休日
「暇ですね。」
「…あぁ暇だな。」
俺とケイタは釣りをしながらのんびりしていた
すると竿が引き俺がそれを見越して竿を上げる
魚との掛け合いも少しだけ楽しみながら引き上げると魚が一匹釣れる
「今日の晩飯の確保もおわったな。」
「本当にすぐに釣れますね。」
「まぁコンプリートしているしな。今日はサチがリズとシリカと女子会をやるとか言って俺の家占拠しているし。これからどうする?」
「武器新調しに行きませんか?僕の武器52層のラストアタックボーナス以降変えてないんですよ。」
「……別にいいけどリズのとこだろ。店主がうちに来ているのに行って意味あるか?」
結婚した後よくリズとシリカは遊びに来てほとんどの確率で俺は追い出される
「そっか。確かにそうですね。」
とほんやかというのに対して俺は頭を掻く
「そっちはどうだ?俺は知らないけど年上の人と付き合い始めたんだろ?」
ケイタは二ヶ月前に10歳年上の人から告白され付き合い始めたらしい
いや、まさか年下から人気とは聞いてはいたが年上好きとは普通に驚き数分の間口が塞がらなくなった
「はい。上手くはいっていると思いますけど。もし上手く行かなかったら相談しにいっていいですか?」
「いや。別にいいけどさ。こういうのって普通逆だろ。」
俺はため息を吐く
「でも、サチと付き合っているんですよね?それも結婚もしてますし。」
「といっても、付き合っているとはいえ未だに進展ないんだよなぁ。仕事ばっかりで休日も女子会ばっかか仕事ばっかなんだが。買い物行くときに手を繋ぐくらいか。」
「ピュアですね。」
とケイタが言うが
「俺もサチも恋愛に関してはほとんど知識がないしな。どうしたらいいのかわからん。」
と言いながら竿を投げるとぽちゃんと音が聞こえる
「それになんかこの世界ではそういうのはなるべく避けたいんだよ。なんか、そんなことをしたら消えてなくなっちゃいそうで。」
「あんがい小心者なんですか?」
「仕方ないだろ。俺のことをちゃんと見てくれる人なんて滅多にいなかったんだし。っと。」
魚が掛かり上手く合わせるとそしてリールを巻く
「よっと。」
「手慣れてますね。」
「釣りスキルカンストだしなっと。」
するとそこには40cmほどの魚が釣れるとアイテムボックスに自動収入される
「といってもこれでギルド財政潤ったしなぁ。S級食材発光イカが釣れたとき本当に焦ったしな。」
「あれってコンプリートした人しか釣れないんですよね?」
「あぁ。てか釣りスキルは結構コンプしている奴多いし、なんか上層の餌を使わないと取れないからかなり高いけどな。今や一匹1Mコルだもんな。あのとき取れて正解だったな。」
「あの時そんな創価だったんですか?」
「いや。あれは情報を商人ギルドに売ったんだよ。イカは全部活け造りにして食べただろ?」
「それで10Mを稼ぐって凄いですよね。」
まぁ色々あったしな。これでも格安値でもある
「といっても利益とかは今は商人ギルドが損をしているが利益は数倍にも及ぶらしいし、マグロ漁業って感じらしいぞ。でも漁獲団体にルールを整備させて軍のシンカーに仕事を依頼してるし、それに利益を使った孤児院の寄付もお願いしている。」
「……それって大丈夫なんでしょうか?」
「シンカーとユリエールは安全だよ。元々MMOtodayを書いていた人だし。まぁ問題なのはキバオウの派閥だけど、それは抑止力を使っているし大丈夫だろ。」
団長をやっているとときに強権を使わなければならない時があるしな
「んで本題に入ろうか。」
こんなことでケイタは俺を見ると俺はあるデータを渡す
ケイタはそれを見ると気づくはずだ
元々987名の名前が書かれていた生命の碑が一人増えていたこと
そしてその生命の碑が一人増えていたのがヒースクリフだったこと
「これって。本当ですか?」
「本当だよ。元々マークはしてたんだが……いや本当に少しアルゴのこと舐めてたわ。」
「……やっかいですね。」
「そう言うレベルじゃないさ。生命の碑でこれはかなりまずいさ。」
というのは生命の碑のリストを記録していたそうだ。いやそれって結構やばい情報だろ。
「……どうしますか?」
「今やっても互角で戦えるチームでさえほとんどいないんだ。当分の間は見逃すしかないだろ。……すいません。また頼ることになります。」
「まぁ、ユニバースならそういうと思ったよ。頼りになるかは分からないけど。」
「頼りになりますよ。俺相談しようにも相談できませんし。アルゴもさすがにこの情報は販売規制をかけるらしい。さすがにあの男を使わないと俺たちは厳しくなるだろうしな。」
「……どれくらいになったら挑めそうですか?」
ケイタの問いに
「三つ目のハーフポイント終了時までは確実に無理。俺たちだけでレベルを上げてもあいつは多分ソードスキルを掌握しているだろ?……たとえそれがユニークであってもな。」
「つまりはしばらくはそのままということですか?」
「……対抗するすべがないんだからしかたないだろ。今の前線は60。ラスボスは100層。最悪俺以外の攻撃は防具の防御力で飛ばされるぞ。」
「……それ無理ゲーですよね。」
「無理ゲーだからこそ耐えなくちゃいけないんだよ今無理に攻めたところで負けるのは見えているしな。神聖剣にも対抗できる力を手に入れないとな。……まぁ完全に俺らは大規模ギルドからフロアボス会議で対立したからな。」
前回の攻略会議で俺らの少数ギルドと大型ギルドが対立し、少数ギルド代表の俺と血盟騎士団代表のコドフリーとディエルをすることとなった。俺はディエルになるとソードスキルよりPSを優先するので基本的にソードスキルを使わずに実際の剣捌きや剣道の心得で勝負するのだが……それが悪かったんだろう。
舐めプしていると言われそれも圧倒的な実力差を見せつけ勝った。
ソードスキルとはあらかじめ設定された動きをするので避けるのは避けやすく空いた隙間にダメージを与えるのは俺の得意技でキリト曰く俺にとったらソードスキルはおまけらしい。
いや確かにそうなんだけどさ
「てかソードスキルに頼り過ぎなんだよ。対人戦においてソードスキルはただわざと速度を早くするための道具でしかないしな。」
「そう言えるのはユニバースさんだけだと思いますが。」
と呆れているが
最近のモンスターはどこかで戦ったような剣筋をしているんだよな。なんかアルゴリズムがおかしいと感じているけど。自然と剣筋が見えるっていうか。
「……まぁいいや。とりあえず作戦は地道に考えないとなそれまではこうやってのんびりしながら考えるか。明らかにゆっくり少しずつ考えないといけないし。目標は75層での討伐だな。」
「そうですね。これ以上死者を出す訳にもいきませんし。」
「……そだな。まぁあいつらにいつ伝えるかも鍵だろうな。」
俺はぽりぽりと頭を掻く。
「それも考えておいてくださいね。団長。」
「……はい。」
俺はため息を吐くとクスクスと笑うケイタにもう一度ため息を吐く
どうやら俺の困難はこれからも続くと思うとため息を吐くしかなかった
そして思った通りその日の晩俺たちはデートをしていたキリトとアスナによってトラブルに巻き込まれる事になる