ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける 作:孤独なバカ
「はぁ?圏内でHPが0になった?」
俺がキリトから俺の家で受けた報告は思いもしないことだった
「それはディエルとかじゃないんですか?」
シリカの問いにキリトが首を横に振り。俺が言葉をつなぐ
「いや。あの通りは俺も行ったことはあるけど勝利宣言を誰も見ないということはありえないな。あそこ最前線付近で美味しいNPCレストランが多いことで有名なんだよ。前千代と行った時も結構混んでたよな。」
「うん。あそこで見失うなんて少し考えにくいかな?でも圏内でPKなんて。」
千代の言葉に少しだけ考え
「詳しく聞かせてもらうか?」
するとキリトとアスナは話始める。服装、時間、そしてエギルとの会合に全部聞き取ると数点おかしなところを感じる
「……」
俺は考え推理する
「…んで、その罪の荊って武器はどこだ?」
「えっと私のウインドウに入っているわよ。」
と手渡しされると俺はそれを受け取ると
槍を見つめる剣先に手を触れてみると軽く障壁が発生する
「この槍にも特別な仕掛けだってないし、この多分あまり大した性能はないらしい。」
「う〜ん。とはいって圏内壁は発動しているし、圏内に飛び込むと貫通ダメージも状態異常も無効化されるからな。」
「えっ?それって本当なの?」
「状態回復無効化スキルの熟練度を上げるには毒付きの短剣を刺してやるのが一番てっとり早いしな。その時の貫通ダメージも刺した時の感触はのこるけどな。」
「もしかしてやったことがあるの?」
「……」
無言を貫く。多分感覚的に怒られる奴だし
「まぁ、つまり状態異常も貫通ダメージも圏内に入ったら停止するんだよ。ディエルに以外においてダメージは与えられないはずだ。」
「それは分かったけどそれじゃあどうやってダメージを与えたの?」
「……ついでに言うけど落下ダメージと縄を首に絞めてもダメージはゼロだからな。圏内コード天井まで繋がっているからな。例え天井に転移してもダメージはなく不快感を残すくらいだし。」
「「「「「へぇ〜〜」」」」」
すると全員がこっちを向くと
「よく、知ってますねそんなこと。」
「まぁな、それと武器の名前から考えたら復讐かな?」
「復讐?」
「……俺も明日の聞き込みに行っていいか?」
「えっ?」
千代は驚いたようにしているが俺は気にしない。
「うん。いいけど。珍しいね空太くんがみずから。」
「いや。なんとなくだけど、多分大体の手口は分かったんだよ。」
「本当か?」
ガタンと和人は大きな声を上げる
「あぁ。……少しだけ心辺りがある。というよりも不自然なことが多すぎる。」
「不自然なことですか?」
「あぁ。明らかに変なんだよ。まず一つ目金属鎧にマント。この組み合わせはほとんどありえない。マント装備って普通は敏捷アップと回避効率。それと隠蔽効果だろ。」
「……それが何の意味が。」
「ここからは憶測だけど、多分転移しただけなんじゃないのかな?」
「転移?」
アスナは首を傾げる
「そうそう。確か転移エフェクトとゲームオーバーのエフェクトって同じだろ?β版の時からずっとみているけど結晶エフェクトを使って死亡を演出する。マントを装備してたのも多分誰にも見られないように二回に行くことだ。」
「どういう?」
「……元々圏内PKは存在せずに、元々は何かの理由があって圏内PKを演出していたってことか?」
キリトは答えを出す。
「あぁ、……さすがにおかしいだろ。このゲーム無駄に公正でバグが少ない。茅場は正々堂々と挑んでいるわけだし。それなのに圏内PKっていう致命的なバグが生まれている。」
「…確かにありえないことだけど……よく考えたね。そんなこと。」
「てか、根本的にゲームシステム的なことを考えるとありえないんだよ。逆に元からカインズが生存していると考えてみれば簡単に答えが分かる。まぁ、俺はその場からいなかったからだろ。俺はそれにゲームシステムはSAOは憎たらしいほど優秀だしな。バグがないと考えたら答えはPKに見せかけたトリックは簡単に考えつくだろ。」
「普通は考えられないと思いますが。」
俺は首を傾げる
「いや、だってこれβ版で実際あったことだし。」
「「「「えっ?」」」」
すると驚いたようにしている。
「元々は始まりの街かリスポーン地点に転移するだけだったから同じエフェクトになんだし、だから間違えてもおかしくはないってこと。まぁこれは俺しか知らなかったのか。てっきり和人辺りは気づいていると思っていたけど。」
「俺はゲームに入りぱなしだったからあまりネットは見てなかったからな。」
うわぁ。俺がいえたことではないけど、お前の私生活もひどいな。一応俺孤児院の仕事もあったから深夜帯以外は3時間に一辺はログアウトしてたぞ。
「とりあえず今回も多分転移だと思うんだけど。」
なんか引っかかるんだよなぁ。
なんというか今回の件睡眠PKの時とやり方は似てないるって思うし
「……うん。決定、キリト、アスナ、ケイタは手口をバレていると気づかれないようにそのヨルコさんと接触して。んで、なるべく遠回しに何があったのかを報告しあうこと。俺とサチとは風林火山のホームに行く。」
「風林火山ですか?」
「あぁ、正式に協力を頼む。それとアルゴに聖竜連合を監視してもらうように頼む。…みんなには働いてもらうぞ。本気でこれを解決しないとまずい気がする。」
「「「了解」」」
「んじゃ明日7時に一度ギルドハウスに集合、そして昼飯にお互いの動きを報告し合うってことで。」
「分かりました。」
「ピゥルル〜♪」
するとピナが飛んできてまた俺の頭に乗っかる
「ちょっとピナ。」
「……なんかピナ俺の頭ばっかりにいるよな。」
「うん。今日もシリカちゃん泊まっていくことになりそうだね。」
「いや、元々誘うつもりだったからな。」
「えっ?」
驚いたようにしているシリカだけど
「というより全員今日はギルドハウスに泊まった方がいいだろうな。一応俺の推理が外れた場合、多分何らかのバグがリアルの方で問題があったのか知らないけど。それでも危険であることには変わりない。」
「……そうですね。僕も泊まります。」
「そうだな。確証が取れていない時に個人で行動しても危険なだけだし。俺も賛成だな。」
すると全員が頷く
そうやって俺たちはこの事件の解決に取り組み始めたのだった。