ガーディアンが行く場所 オレは臆病な君を守り続ける 作:孤独なバカ
一層ボスを倒したことにより多額のコルとアイテムがウィンドウにうつる。それよりも
「お疲れ。」
オレはキリトとアスナを向きホッとする。
まずは一層クリアか。
オレはウインドウを開きフレンド欄を開く。
そこにはエギルたち全員の名前があった。
「お前一撃も喰らってなかったよな。」
「あぁ、今は布装備だからな。よけやすいんだよ。」
「そういう問題か?」
「そういう問題だよ。あ~疲れた。」
オレは座りこむ。さすがにずっと避け続けているのは気が抜けなかった。
三発喰らったら死ぬ。
それが足を動かしたもととなっていた。
「ユニバース、お前無茶したよな。」
するとエギルが歩いてくる。
「これくらい普通だろう。このままじゃあ全滅の可能性があったからな。」
軽く笑う。
「なんでや?」
キバオウが急に叫び出す。
「なんでディアベルさんを見殺しにしたんだ?」
「そりゃああいつがその程度のやつだったからだろう。」
オレはあっさり答える。
「それに見殺しなんて言わないでくれるかな。オレはちゃんと言ったはずだぜ。下がれってな。それを無視して突っ込んだのはあいつだぜ。それに今回オレがリーダーやっていたら全員で囲んでフルアタックだ。それなら一番危険なところを早く抜け出せるからな。」
オレはだいたいディアベルが何をしようか分かっていた。
「……ディアベルはボスのラストアタックを取りに行ったんだろ。自分がいや自分のパーティーが生き残るために。そしてずっとリーダーでいるためにな。」
オレはため息をつく。
「多分死ぬ可能性はあるって自覚していたんだろうな。」
オレはため息をつく。
「ディアベルが抜けたことはかなり痛いけどあんたらは誰かが死ぬと思っていなかっただけだろ。」
すると数人が目を伏せる。
「簡単なことだ。あんたたちはどこかで一瞬でも油断したんだ。誰も死ぬことがないとな。正直ボス戦に向いてねぇんだよ。とくにキバオウ。そんなこと誰かの責任に押しつける暇があったら生きているお前らのパーティーメンバーを守ることを考えろよ。」
オレはキバオウに向けて殺気を放つ。
「死んだ奴は戻らないんだよ。誰かの責任にするのは簡単だけど自分の仲間を守ることはそんな簡単なことじゃねぇぞ。」
オレはウインドウを開きパーティー脱退のアイコンを押す。
「んじゃなキリト、アスナさん、エギル。また二層ボス攻略会議で。あと次の街のアクティベートしといてくれ。アルゴに次の街がどこにあるのかわ伝えてあるからな。」
オレは歩き出す。あの二人は将来有望株として攻略の中心になるだろうし。オレが近くにいると邪魔だろう。しばらく歩くと後ろからカンカンという足音が聞こえる。仕方ないので足を止めて階段に座る。
「やっぱり来たか。キリト」
するとキリトは来るのは知っていたが隣にもう一人、
「んで何のよう?アスナさん。」
さっきまでフードをかぶっていた女性プレイヤーのアスナがいた。
「エギルさんとキバオウの伝言伝えに来たの。後はそこの人と同じ。」
「ふーん。じゃあ聞くか。」
「エギルさんは、『二層ボス攻略も一緒にやろう。』ってキバオウは…『今日は助けてもろたけど、ジブンのことはやっぱり認められん。わいは、わいのやり方でクリアを目指す』だって。」
「了解。んじゃキリトは多分あの件だよな。」
「あぁ。」
オレはアイテムウインドウから一つにアイテムをオブジェクト化する。
「何?」
「ギルド申請届けだよ。本当は3層からクエストクリアでしかとれないけどな。」
オレは数項目を記載してOKボタンを押す。そしてキリトとアスナに申請届けを送る。
「これでいいか?」
「あぁ、充分だ。」
「えっとこのOKボタン押せばいいの?」
「オレの作ったギルドでよかったらな。まぁ後からアルゴも誘うつもりだけど。」
「その、ギルドって何?」
アスナが訳がわからないように言う。
「もしかして、ゲーム初心者?」
「うん、そうだけど。」
マジか。初心者でこの動きって
「……責任重大だな。」
「……何?」
「別に何でもないよ。えっとギルドっていうのは」
オレは説明を始める。まぁおおざっぱだけど。
「ってこと。まぁオレも入ったことはないからよくわからないけど。」
「ふーん。つまり仲良しグループってこと?」
「仲良しグループってよりも手助けする仲間って感じだな。自然とパーティーはギルメンで組まされるし。」
「ふーん。」
とアスナが指を動かしてボタンを押す。ギルドメンバー欄にはキリト、そしてアスナの名前が書いてあった。
「それでこの後どうするの?」
「オレはアルゴをギルメンに誘いにいくけど…その後はたった一つのギルドルールを作ろうと思う。正直人は信用できる奴しか入れないつもりだから。」
「……?」
「何?」
「ギルドメンバー全員生きて現実に帰る。当たり前だけど一番難しいぞ。」
生きて帰る。それが一番難しいことを知っている。
「もし一人でも欠けたらダメだ。だからこのギルドの名前はこうしたんだよ。」
ギルド名guardian
和訳すると守護者だ。
「自分のことだけじゃなくて、自分の仲間の命も守る。これさえ守ってくれたら別にいいさ。」
「あぁ、分かっている。」
「えぇ、分かったわ。」
「なら次の階の攻略に行くか。アタック宜しく、キリト、アスナ。」
「そういえば私名乗ってないのにどこで知ったの?」
オレとキリトが目あわせて笑う。
「今日はもう宿に行くか。流石に基本動作くらいは叩きこまないとな。あの町にうまい飯屋あるから食べながら話そうぜ。アクティベートはエギルがやってくれるだろうからな。」
「……なにかあったか?」
「ショートケーキの店だよ。あのショートケーキは晩飯になるだろうし別にいいだろう。正直ボス戦のお疲れ回みたいな感じで。」
「えっ。ショートケーキがあるの?」
目をキラキラさせているアスナに苦笑する。そしてオレは先頭を歩き始める。
まぁ少し高いが奢ってやるか。
この世界でも笑える人が増えるように