ぱっと出てきたアイディアを、つらつらと書いた物語のプロローグです。
現代に生きるとある生物の、一国の出来事を主人公の目線から書いたよくある(?)擬人化ファンタジーです。
全7章予定。
今まで活字にそこまで触れてこなかっただけに皆様からの正直なご意見ひとつひとつが貴重であると考えております。
よろしければどうぞこの若輩者の作品に、是非飾らぬご意見頂ければと思う次第で御座います。
※次回以降、多少の表現警告(ガールズラブ?、残酷な描写)が考えられます。
正直どの程度までが規制の範囲であるのかも探り探りの段階です。
何から何まで未熟では御座いますが、不快に感じられないよう自分なりに最善を尽くす所存で御座いますので、何卒お付き合いくださいます様どうか宜しくお願い申し上げます。
前書きはここまで、どうぞお楽しみ下さいませ。
ー眼前の山を越えた先には、いつでも可能性が広がっているー
光り輝く太陽の下、多くの文明が栄え滅んでいった。
我らの祖先達はその都度住処や姿を変え、今日まで繁栄してきたのだ。
緑豊かな地上の楽園を追われ地底に栄えるこの国で、今日も一人の騎士が槍を手にした。
「七番隊の偵察班からです!」
「相手は?」
焦りはない。
「かなり巨大だと、迅速且つ大規模な増援をとの要請です!」
彼女は他と少し違っていた。
「距離は?」
他よりひときわ大きな槍。
「少し遠いですね…第二東門から約50ベルテ」
装飾の施された甲冑。
「そうか、問題無い」
整列する部隊の間を歩きながら表情一つ変える事はない。
「隊長殿…」
隊の最前列で歩みを止めた。
「ご苦労だった、偵察班には食事を摂らせろ」
槍を握る手に力が入る。
「後は我々の仕事だ」
彼女達が住む国、グロージョアは常に脅威に晒されている。
自分たちよりも遥かに大きい生物が地上を跋扈し、見つかれば捕食されてしまう事も少なくない。
地下にある食料だけでは生きてはいけず、地上に出れば命はない。
地底で絶滅を待つか地上に出て戦うか、彼女達の祖先は後者を選び、長い歴史の中多くの同胞の屍の上に種の繁栄を築いてきた。
「聞いての通りだ諸君!これより我が三番隊は、七番隊の援軍として地上に出る!」
彼女は自らの部隊に向けて声をかけた。
「七番隊の偵察班がボンクラでなければ我らの足ならすぐに駆け付けれよう、そうなれば勝利は確実のものである!」
殺気立った面持ちの三番隊、その数は約50。
「諸君等の槍は我らが祖国のために!我らの一撃は種の繁栄のために!この勝利を、我らが王女セルリア様へと捧げるのだ!」
雄叫びを上げる部隊。
「出撃!」
一斉に動き出す部隊の動きは一糸乱れぬ事も無くひたぶるに進む。
「やっぱりウチの隊長はステキねぇ」
「えぇ、私この隊に居れて幸せっ」
「あぁ、ジャンヌ様…」
そんな行進の中でもこのような会話は行われているようで。
「誰よりも高い国と王女様への忠誠心、槍を振るえば一騎当千!まさに理想の騎士像」
「そしてなんと言ってもあの容姿!風に揺れる金の髪に凛と整った蒼い眼、あぁ…志願して良かった」
三番隊隊長殿の人気はかなりの物のようだ。
「あっ、でもぉ…私戦いの時のジャンヌ様、少ーしニガテ、かも…」
「あーでもわかるわぁ、私も未だにちょっと慣れなくて…」
「そこぉ!隊を乱すなぁ!」
飛んできた怒号に本能が逆らえない、彼女等のお喋りももはやここまで。
「(ヒルデ副長は今日も相変わらずねぇ)」
「(違反は即処罰だし…)」
「(退役待ったなし!そんなのゴメンよぉ)」
怒号が響いた頃、先頭集団の眼に第二東門が見えてきた。
「少し隊を甘やかしすぎではないか?ジャンヌ」
依然として歩を進めながらも、副長はややご不満の様子。
「私の部下は優秀だよヒルデ、貴公も含めてな」
「・・・相変わらず緩いなお前は」
副長の、おそらくは日頃からの苦労が、槍を持ち替えながら付くこのため息の深さでおおよそ察しが付くというものだ。
「貴公も早く隊を持て、必ず優秀な部隊となろう」
「遠慮する、私がこの隊を抜ければ誰がお前にムチを入れるというのだ」
副長の口元から少し歯が覗く。
「貴公には感謝しているさ、無論厄介払いのつもりなど毛頭ない。分隊すれば好きな肉に多くありつけるなど微塵も考えておらんさ」
冗談のつもりだろうか、いつもどおりヒルデには事の真意が掴めない。
「お前のそういう所もかわらんな」
「どこがだ?」
「…笑わないところだ」
光の届かない地底からの進軍は、その勢いを落とす事なく続く。
第二東門から地上に出た三番隊は情報どおり、先発隊の残した標べを頼りに東へ進む。
地上には地下には無い物で溢れている。しかし三番隊の羅針盤は一向にブレる事はない。
舵を取る彼女は見た目とは裏腹に昂ぶっていた。日に当たるといつもそうだ。
近い。匂いがする。祖国を脅かさんとする、我らに仇名す異形の者達を噛み殺せと猛る。
そして
「キシャアアアアア!!!」
謎の奇声と共に隊列中央に突如何かが落下してきた。百戦錬磨の隊員に緊張が走る。
降ってきたのは七番隊の隊員、即死のようだ。
「アイツか、久しぶりだ」
隊長は即死した別部隊の落下隊員になど眼中になく、ただ遥か上空を見据えていた。
彼女等の何十倍はあろうかという巨大な体躯。
鋭く大きな鎌、獲物を映す凶悪なレンズの下にはその無慈悲な顎が、我らが同胞の亡骸に噛み付いていた。
捉えられたら最後、おそらく命はないだろう。
事実30は居た七番隊も今や10を数えるほどだ。
焦りはない。
「ジャンヌ!?三番隊か!スマン、後は頼む…っ」
彼女は他と少し違っていた。
「あぁ撤退しろ、引き受けた」
他よりひときわ大きな槍。
「…っ!?ハハハ、相変わらずなんというか…いつ見ても恐怖を覚えるなそれは」
装飾の施された甲冑。
「無駄口を叩いている場合か?」
そして
「隊長!包囲完了しました!」
彼女にはまだ秘密がある。
「ふぅー……ああああぁァ…』
先ほどから風に揺れていたかに見えていた髪が不自然に揺らめいている。
「七番隊の撤退を確認!九番隊の偵察班が救護に回りました!」
蒸気のようなモヤが彼女を薄らと覆う。
「ねぇ!見て…始まったわ」
甲冑の装飾より派手な模様がおそらく体中から浮かび上がり妖しく光を放ち
「こうなったら後はラクなもんよ」
頭部の触覚がより攻撃性を帯びた形状に変形していく。
「た、隊長…」
美しい碧眼は色を変え
『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!』
紫に輝いていた。
数奇な運命と向き合う美しき異形の猛将ジャンヌ
「キシャアアアアア!!!」
日の光は強く彼女達を照らす
「っ!?向こうも引く気はないらしいわよ?」
それは勝利への祝福か、未来に蠢く悪意の予兆か
「あらあら、ウチの隊長に勝つ気かしら?」
時は現代、私たちの生きる今
「来ます!副長!」
これは、私たちの知らない地球の片隅で
「総員構えろ!隊長を援護する!」
懸命に生きようとする
『コレヨリ、狩リヲ開始スル…ッ!』
蟻達の物語である。
お疲れ様でした
如何でしたでしょうか?
前書きでも書かせて頂いたとおり、どのような形態で書き進むべきかすら迷いながらの執筆であるのが正直なところで御座います。
少しでもお気に召して頂ければ幸いかと存じます。
宜しければ是非ご意見頂ければ大変嬉しいです。
今後も是非ご贔屓に、ここまでお読み頂きありがとうございました。